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キリクと魔女2/4つのちっちゃな大冒険 [2008年03月23日(日)]

●キリクと魔女2/4つのちっちゃな大冒険

監督/脚本:
ミッシェル・オスロ(『プリンス&プリンセス』)
日本語吹替版:
小林由美子 唐沢潤 山像かおり
三木敏彦 中村影男 金子由之 稲垣昭三


前作では描かれなかった4つのキリクの物語。泉に水が戻った後、畑に作物を実らせたが何者かに荒らされて……。壺や器を焼いてそれを町まで売りにいくことになったが……。小鬼たちに囲まれたキリクはキリンの頭に乗り……。誤って毒の混ざった新酒を飲んだ母親たちの具合が悪くなり……。


2と付いても続編ではなくアナザーストーリー。

副題にある通り15分ほどのエピソードを4つ、山の賢者を語り部にしてそのまま繋げた内容になっています。

前作にあった教訓的な側面はやや影をひそめて、ごく普通のTVシリーズになったという印象。

1話15分は短いようでいて、1エピソード=1ネタという物語密度では逆に少々冗長に感じます。

前作の感想でも触れましたが、これが1話5分程度のミニアニメとして作られていればテーマも強調されてテンポも良くなる気がするだけに惜しい感じ。

観るなら当然1作目から。
そこで余程気に入った人にだけ本作はお勧めします。


ちなみに今回の日本語吹替版では前作と違い、劇中で歌われる「キリクを讃える歌」も日本語化されています。子供が観るにはその方がいいとは思いますが、現地っぽさは確実に薄れてしまっているので、吹き替え加減は一長一短ですね。

キリクと魔女 [2008年03月22日(土)]

●キリクと魔女

監督/原作/脚本:
ミッシェル・オスロ(『アズールとアスマール』)
翻訳/演出:
高畑勲(『火垂るの墓』)
日本語吹替版:
神木隆之介(『妖怪大戦争』
浅野温子 山像かおり 三木敏彦
中村影男 青羽剛 金子由之 稲垣昭三


母親のお腹から自らの力で生まれた小さい子供・キリク。キリクの村は魔女カラバによって支配されている。村の男たちは魔女に食われ、宝は巻き上げられ、泉は枯れていた。キリクは小さいが賢く、魔女の手から村を守るために奔走する……。


公開当時、ジブリが海外アニメを国内に紹介するということで注目された作品ですが、ジブリブランドとは異なり、娯楽作品というよりも芸術作品的な雰囲気。

美術は日本アニメにはない美しさもありますが、ただアフリカが舞台で登場人物が褐色の肌ばかりというのはビジュアル的にちょっと馴染みにくいかも。

物語も映画として大きなうねりがあるわけではなく、「魔女に支配される村」という舞台装置の中で繰り広げられる日常を複数並べる作りになっています。

魔女の罠→村人が困る→キリクの知恵で解決

──という一連の流れで、その都度、村人がキリクを見直すというフォーマットのミニアニメの集合体。NHK辺りの子供番組の1コーナーとしてよくあるものを思い浮かべてもらえればいいかと。


魔女とは社会における何か(社会構造や犯罪行為など)の比喩表現であり、それ(悪常識)をキリクの行動(良識)が打破するわけです。

物語中盤からは、降り掛かる火の粉を払うだけでは根本的な解決にはならないとキリクが事態の根源を探りにいく展開となりますが、それは未来を考えて行動することの大事さの示唆と言えるでしょう。

そして最後には、村人たちの中にもまた魔女と変わらぬ心の闇があるのだと示していたりも。子供向けアニメとしては御都合主義的な解決はしますけど、本当の結論はそこにあるといってもいいでしょう。


大きく構えて観る作品ではありませんが、子供に向けてきちんとメッセージを伝えようとしているところは好感が持てます。

なので、どちらかといえば前述したようなTVのミニコーナーシリーズみたいな形で見せる方が本来の意図には向いているんじゃないでしょうか?

青の6号 [2007年11月09日(金)]

●青の6号(全4話)

監督:
前田真宏(『巌窟王』)
原作:
小澤さとる(『サブマリン707』)
声の出演:
郷田ほづみ 野上ゆかな(現:ゆかな)
有本欽隆 鈴置洋孝 石塚運昇 関俊彦
森久保祥太郎 長沢美樹 若松武史


近未来、環境の悪化した地球において、天才科学者ゾーンダイクは人類に叛旗を翻し、遺伝子操作で生み出した新たな海洋生命体による新たな世界を築こうとしていた。それに対抗する組織《青》──。

最終決戦を前に、かつて《青》に所属していた腕利きパイロット・速水鉄を再び潜水艦に乗艦させるため、乗組員が彼の元を訪れた。しかし、速水はそれを拒む。そんなところへ敵の攻撃が……!


1998〜2000年にかけてリリースされたOVA。
当時は特に興味も持てずに未見だったんですが(※ただしドリキャス版ゲームだけはプレイ)、少し前にBSで放送されていたので録画して観てみた次第。

う〜ん、いまいち面白くないなぁ。
30分×4話で描くには無理がある話にキャラを無駄に配置しすぎてドラマの入る隙を無くしてます。

速水は主役だし、まあ良しとして。
問題は紀之真弓(CV:ゆかな)の存在意義。

そもそも、てっきりビジュアル露出の多かった真弓が主人公と思っていた私。そういえばドリキャス版ゲームも「なんで速水が主人公なんだろう?」と思ってたっけ(※OVA以前のサルベージを生業としてた頃の速水が主人公)。


真弓は私の苦手なエキセントリックな言動をするキャラですが、中でも第2話で、つい先日知り合ったばかりの男(=速水)の自殺行為な出撃に涙を流すに至っては、まったくもって理解不能でした。

真弓にとって速水が過去密かに慕っていた近所のお兄ちゃんだったとかなんとか、そんな設定でもあれば理解も出来ますが、それでもいかにもなシチュエーションにいかにもな感情を配置しただけに過ぎないでしょう。

この物語であれば、速水と敵の女性ミューティオをドラマの中心に据えて、過去を知る艦長と死んだと思っていた相棒を潤滑油にストーリーを運べば十分……というか時間的に精一杯。

ラストに限れば、速水&真弓とベルグ&ミューティオを対比として描こうとしていたようにも見えますが、もちろんそのように機能することは一切なく、何も描けないまま終わってました。


ちなみにゆかなの声(演技)には深みを感じないので、こうした等身大の女性には合わないと私は思う。別に好き嫌いとかじゃなく。『あずきちゃん』は良かったし、『出撃!マシンロボレスキュー』のアリス等のような勝ち気少女キャラにこそピッタリだと思うので。


本作の脚本・演出の拙さは、観せることよりも買わせるために作るOVA作品が陥りがちな仕上がり具合。

結局は製作のGONZOがセルフプロデュース用に作ったプロモーションアニメですね。こんなキャラ描けます、こんなメカ動かせます、こんなデジタル処理出来ます、という見本品。

なので、作品に求めるものが「村田蓮爾キャラが動いてウキウキ」とか「CGメカが疾走する様にワクワク」という類いであれば評価もまた違うものになると思います。

シャム猫/ファーストミッション [2007年10月26日(金)]

●シャム猫/ファーストミッション

原作/総監修:
モンキー・パンチ(『ルパン三世』)
監督:
細田雅弘(『聖少女艦隊バージンフリート』)
声の出演:
林原めぐみ 小山茉美
池田秀一 飛田展男 森川智之
郷里大輔 貴杉奈央 島田敏 堀内賢雄


21世紀初頭の東京はテロリスト犯罪が頻発。政府は極秘裏に内閣調査室所属のテロ殲滅チームを設立した。コードネームは《シャム猫》。メンバーはジュンとナオミの美女2人。普段はラジオ番組のDJとして活動していた。

そんなある日、東京湾岸を国際的テロリストが占拠。首相と地域住民を人質に政府に身代金を要求してきた。シャム猫の2人にも出動指令が下るが、テロリストの真の目的は別にあった……。


まあ、簡単に言えば出来の悪い『ダーティペア』ですね。

しかし、2001年製作の作品にしてはなんとも古くさい。まあ、モンキー・パンチでは仕方ないか(自身の劇場監督作『ルパン三世/DEAD OR ALIVE』でも「インターネット」「MO」といった用語が身に付いてなかったし)。

作画も劇場公開レベルには程遠く、近年のルパン三世SPのようなテレビスペシャル作品としてならギリ許容範囲かどうか。メインキャラデの荒木・姫野コンビの意味ないし。

一言で言えば雑。

こういうテロ事件物はディティール描写を積み重ねてこそなのに、救出作戦や行動経路がふた昔ほど前の漫画映画。だったらテロリストなんぞ出さず、昔ながらの秘密結社が暗躍する世界にすればいいのに。

都心での占拠ネタなら先んじること1993年の『機動警察パトレイバー2 the Movie』に遠く及ばず。さらには事件規模の小さい『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』(1999年)にすら負けてどうするのか。


ツッコミどころの多い本作ですが、ムチ使いの女幹部と銃を構えるシャム猫の2人がやり合っているところに駆け付けた刑事2人が、何故、悪者がどちらかを判断できたかは謎すぎ。

ダム湖に落ちた敵とジュンを助けるために何故かダムの水を放水するナオミの変。2人とも泳げてるのに、流れを作って途中で引っ掛ける作戦とは回りくどすぎ。しかも敵は水門に飲み込まれて消えていき、それを悲劇のドラマのように見せるけど、そもそもナオミの行動がおかしくてはこちらはキョトンとするばかり。

世界観はなんだかんだ言っても無国籍っぽいのに、突然「所沢」とかローカルな地名が出てくると、なんか高校生の自主制作映画のようなショボさにトーンダウン(ヒーロー物で悪の怪人が「ここ武蔵小杉は我々がいただいた!」などと言う感じ)。

最後のアレのあまりな姿はセンスの欠片もない。しかもバリア能力描写がデタラメすぎて、クライマックスをどういうモチベーションで観ればいいのか分かりません。


根本的なところでは、茶髪ロングで落ち着いているジュン(CV:林原めぐみ)と、金髪ショートで元気なナオミ(CV:小山茉美)は、どう見てもキャスティング逆でしょ。観ていて据わりが悪いったらありゃしません。

運転担当のいかにもモンキー・パンチ顔の子分の男もいらない。カーチェイス等の見せ場で2人が全く活躍しなくては《シャム猫》というコンビの存在が揺らぎます。

オチのあまりの御都合主義加減には脱力必至。そもそもアレはそれこそ『ダーティペア』のようなSF世界あってでしょうに。もはや客を馬鹿にしてるとしか思えません。


……え〜と、不満点しか出てきませんね。
ジャンク品を楽しめる人向け。

ミヨリの森 [2007年10月22日(月)]

●ミヨリの森

監督:
山本二三(『千と千尋の神隠し』美術監督)
声の出演:
蒼井優 市原悦子 辻親八 キャイーン天野
元ちとせ(特別出演/主題歌)
高島彩 吉崎典子 伊藤利尋 佐々木恭子 松尾翠
(※以上、フジテレビアナウンサー)


母親が家を出て、父親の実家の祖父母に預けられることになった少女・ミヨリ。家庭環境や学校のイジメなどで心を閉ざしていたミヨリは、森の中で幼い頃に出会っていた精霊たちと再会し、徐々に変わっていく。そんな折り、村がダム建設で無くなるという話が浮上し……。


これは昔よく見たオフシアター系で上映される道徳アニメですね。

ここまで露骨に『千と千尋』+『トトロ』+『もののけ』+『ぽんぽこ』な作りとは、よほどフジテレビはジブリコンテンツを欲してるとみえます。まあ、それにしてはキャラデの方向が随分と間違ってますけど。

演出はアニメっぽい方向を目指しているのにキャラデが地味なため噛み合ってません。犬の毛が真っ白になるところなど、もっと漫画的キャラで動いていれば笑えるシーンだったろうに。


根本的に物語の構築が下手。

プロローグは赤ん坊のミヨリがいなくなって、両親、祖父母が探しているところからカメラ上がって、遠目に見える桜の木に包まれるミヨリの姿にタイトルを被せて終わらせる。

その後、10年経過させてのファーストショットは東京の家を出発するミヨリと父の姿を。ここで車に乗り込む前に家を振り返るミヨリの回想として離婚届を挟んで座る両親の姿とかを挿入すれば状況説明がスムーズ。

森を散策し、満開の桜の下で眠り、都会での嫌な思い出を吸われる(ここでは森の精霊はこの1匹で十分)。眠るミヨリを爺ちゃんと白い犬クロが発見。白い犬の名前がクロということに首を傾げるミヨリ。昔、同じ場所でクロが白くなったと話す爺ちゃん。

その夜、捨てたはずの携帯が戻り再び森へ。枯れた桜を前に幼い日の記憶が蘇り、クロが白くなった経緯もそこで判明して納得するミヨリ。

……ってなぐらいの流れを作って欲しいところ。


またミヨリが村の子供にウザイと言った後にフォローなく馴染んでいたり、ガキ大将との対決中、田舎への暴言を吐き続けることに周りの子供たちのリアクションがないのも気になる。

ここでの子供たちの心的描写がしっかりしてれば、泉の女幽霊エピソード以降に生まれたであろう真の交流も生きるだろうに。

ちなみに泉の女幽霊が妙に浮いてるなぁと思ったら、ミヨリに自覚を促すためのただのパーツか。その薄っぺらな扱いが哀れ。


あと問題は声優の質。本作は魅力は足りないけどオフシアター系道徳アニメとしては無難な出来ではあったのに、それすら完全にぶち壊しているのが素人声優陣。

主演の蒼井優もよくないけど、最近何かと話題の芸能人吹き替えとは逆に、声優のギャラを惜しんだ結果のアナウンサー起用がとどめを刺してます。私は特に出番の多い高島彩の棒読みキンキン声が耳障りで仕方なかったです。

某漫画の紅天女のような存在で作品を引き締めるべき《一本桜の精》の声の力の無さも脱力もので、フジテレビアナの中に名前がないからおかしいと思ったら元ちとせという罠。


野暮ったい脚本に野暮ったい演出をして野暮ったい絵に野暮ったい音楽と素人の声を合わせて完成した野暮ったい作品。

一体、何故、山本二三は監督なんてしたんでしょ。

ポケットモンスターDP/ディアルガVSパルキアVSダークライ [2007年09月06日(木)]

●ポケットモンスター ダイヤモンド&パール
 /ディアルガVSパルキアVSダークライ

監督:
湯山邦彦
声の出演:
松本梨香 大谷育江 豊口めぐみ うえだゆうじ
林原めぐみ 三木眞一郎 犬山イヌコ
石坂浩二 山本耕史 加藤ローサ
山寺宏一 ロバート(秋山・馬場・山本) 中川翔子


どこか暗黒の空間で神と呼ばれる2体の巨大ポケモン、ディアルガとパルキアがぶつかりあっていた──。時を同じくしてアラモスタウンで曾祖父ゴーディの日記を読むトニオ。その日記には『時間と空間がぶつかりあい、怒りが街を包む』と書かれていた。

アラモスタウンを訪れたサトシたち一行は気球に乗るアリスと出会う。アリスの案内で天才建築家ゴーディの《時空の塔》を訪れるが、庭園のオブジェクトが倒されているのを見つける。人はダークライの仕業だと噂するが……。

そして、とうとう街の上空にディアルガとパルキアが現れた。2体の戦いに巻き込まれた街は異次元空間に飲み込まれ始める……!


本作はポケモン映画10周年記念作品にして『ダイヤモンド&パール』第1作でしたが、まあ10周年作品としての体裁はほとんどなく、総じて『ダイヤモンド&パール』の映画でしたね。

それにしてはヒカリの存在感が薄すぎですけど。


どうにも全体的な構成がイマイチでダラダラした印象。
それというのも「サトシたちの日常の裏で事件が進行している」という作りのためですが、ダークライとアリス(とアリシア)の関係性をハッキリと軸に据えたらもう少し締まった内容になったと思います。

冒頭のディアルガとパルキアの戦いも少々冗長。そりゃ実際に神と呼ばれるほどのポケモン同士が戦えば長引きもするでしょうけど、だからといって律儀にそのまま描写されても困ります。

短めにした「ディアルガとパルキアの戦い」「曾祖父の日記を読むトニオ」をアバンタイトルとし、本編前にアリシアとダークライのエピソードを挟むだけでも印象は変わると思うのですが。

ダークライ初登場時もアリスを見てハッとするダークライの感情描写をしっかり入れるとか、ディアルガとパルキアが現れた時の口惜しさを表現するとか、ダークライの感情の時系列が明確になれば物語の流れも良くなったと思います。


あとロバートらが声をアテたポケモントレーナーたちも1回きちんと見せた後は、街が異次元に飲み込まれようという段に街のあちこちで行動している姿をさらっと見せる程度で十分。

1本の映画としてエピソード配分が悪いんですよね。
複数人がパートごとに絵コンテを描き、それを監督がリライトして繋げるという作り方の悪いところが出たって感じです。

子供向けにエピソードの谷間を無くした結果というなら仕方ないですけど、それでも見せ方は悪いと思いますよ。まあ、全てはダークライというキャラクターの難しさでもあるわけですが。


いや〜、完全に怪獣映画の体裁でしたね。だからこそ、その足元で繰り広げられる人間ドラマが重要なんですけど、子供向けイベントムービーにそこまで期待してはいけませんな。

ちなみに今回、途中で眠気が襲ってきたり、感想を書くまで時間が空いたりしたので、私が書いた内容がすでに本編にあったとしてもご容赦のほどを(苦笑)。

今回は10周年という節目だったので少々無理に劇場に足を運びましたが、ポケモンプレイヤーでもない身では配布ポケモンも意味がないし、来年はTV視聴にしようかなぁ。

ひつじのショーン [2007年08月11日(土)]

●ひつじのショーン

原案:
ニック・パーク(『ウォレスとグルミット』)
監督:
リチャード・ゴルゾウスキー
本作は『ウォレスとグルミット、危機一髪』に登場した羊を主人公にし、イギリス片田舎の牧場を舞台に、羊たちが牧場主の目を盗んで遊んだりいたずらしたりといった日常を描くストップモーションアニメシリーズ。

『ウォレスとグルミット』シリーズが大好きで、中でも羊のプルプルふるえる様に惚れた私はもちろん保存録画決定でした(「'07春アニメ感想」参照)。

NHK地上波で放送されてましたけど、先日、BS2で再放送されたので録画し直した次第。

だって地上波放送時には地デジが我が家にやってきたり、ブロックノイズがもの凄いことになっていてまともに録画できなかったりしてたもので助かりました。


ダビングするにあたって一気に鑑賞。
>>放送タイトル一覧

うむ、やはり面白く、やはり愛らしい。
ショーンは原型となった羊とは少し別物ですけど、ちょっとシニカルでちょっとペーソスがあって、実に微笑ましい日常を繰り広げています。

放送は1話6分×3話ずつで20分。
ところが最終回だけ5分長い25分。

何故?と思ったら最終回だけ4話分放送されてました(ちなみに本来足りない1分はアイキャッチを短くしたりエンドロールをカットして帳尻合わせをしてました)。

それに、どうも最終5話には見覚えがない。

数えてみるとBSでの放送話数は……全40話!?(地上波では3話×12回に再放送が1話混じっていたので全35話)


謎はDVD化情報で解けました。
DVDは5話ずつ収録で全8巻。
つまり地上波はきっかり7巻目までの放送だったようです。

もしかすると地上波で放送されていたときは最終話まで完成してなかったのかも? 英BBCの放送に追いついたとか、それでいて放映権はDVD収録話数ごとの契約だったりとか、たぶんそんなトコでしょう。

そうか、だから不自然に1話だけ再放送して時間調整をしてたのか。今更ながら合点がいってスッキリ。今回、録画し直しといて良かった良かった。


人形アニメでここまで高品質なTVシリーズが作られることに感動。日本では(土壌的な部分もあるけど)NHK教育で散見するミニアニメが限界ですから。アードマン(※製作スタジオ)が培ったノウハウも大きいでしょうね。

1エピソードに2週間ほどかかっているそうなので、日本の放送形態だと1週分に6週間かかっている計算。そりゃ製作に放送が追いつくはずだ。

人形アニメの場合、「CGアニメにはない柔らかさ」が常套句ですけど、それで想像されてしまう「未熟さ」は本作にはもはやありません。日本のリミテッドアニメの進化を英国ではアードマンの手による人形アニメが果たしたと言っても過言ではないかもしれません。

2007年10月からDVDが順次リリースされてレンタルもあるようなので機会があったら是非どうぞ。


P.S.
DVD、欲しいんですけどちょっと割高感は否めず。

1枚に5話収録といっても通常のTVアニメに換算すれば2話分にも満たないものに2940円というのはちょっと。10話2940円なら即買いなんですが。

それに無駄にかさばるのも嫌。一応、20話入りBOXの方には「2枚+特典ディスク」と表記されているので1枚に10話収録されてるようですけど。

私はクリアな映像で録画できてるし今回は購入見送りかなぁ。
いつか10話収録ディスクで廉価化した時に考えることにします。

ひつじのショーン放送タイトル一覧 [2007年08月10日(金)]

【ひつじのショーン放送タイトル一覧】

『ひつじのショーン』について>>

放送回 話数 サブタイトル DVD
ショーンとサッカー
みんなでバスタイム
シャーリーのダイエット
ティミーのぬいぐるみ
りんごを手に入れろ!
ひつじの芸術家
くいしんぼうなヤギ
ピザが食べたい!
ショーンの闘牛
10 サタデー・ナイト・ショーン
11 ショーンと凧
12 リトル・シープ・オブ・ホラーズ
13 ママはショーン?
14 カットはおしゃれに
15 ハイ!チーズ!
16 ティミーのサーカス
17 ビッツァーの恋
18 ショーンのモグラたたき
19 みつばちパニック!
20 ショーンのこわい夜
21 おるすばん大作戦
22 セメントぬりは、さあ大変!
23 シャーリーのしゃっくり
24 せんたくびより
25 トラブルトラクター
26 ここほれ!メェーメェー
27 ビッツァーのムシ歯
10 28 キャンプでドタバタ
29 おもいでの木
30 ショーンは大いそがし
11 31 ショーンの夢ぼうけん
32 いたずらっこがやってきた
33 のりのり大さわぎ
12 34 水あそびはなかよく!
35 みんなで大そうじ?
36 なぞの訪問者
13 37 ドタバタ ロボット犬
38 シャーリーの大いびき
39 まほうのステッキ
40 なぞの訪問者…(2)

※DVDは現時点での予想

ルパン三世/霧のエリューシヴ [2007年08月04日(土)]

●ルパン三世/霧のエリューシヴ

監督:
増田敏彦
特別参加(アイキャッチ):
大塚康生(『ルパン三世/カリオストロの城』)
声の出演:
栗田貫一 小林清志 井上真樹夫
増山江威子 納谷悟郎
桑島法子 石田彰 大久保祥太郎
世古陽丸 渡部猛 楠大典
関根真里 中村獅童 西尾由佳里(日テレアナ)


ルパンたちは不二子の依頼で「時を超える白き"たまゆら"」なるお宝を探していた。そこへ銭形が現れ、カーチェイスが繰り広げられるが、その時、不思議なことに周りを走る車の運転手が次々と消えていった。そして現れた謎の男はルパンたちを500年前の世界にタイムスリップさせる。その男・魔毛狂介は未来のルパン三十三世への恨みからルパン三世に復讐に来たのだ……。


おっ、今年は随分と立て直してるじゃないですか。

オープニングからのモーターボートチェイスシーンが小気味よく、そこから続くカーチェイスシーンなどは『風魔一族の陰謀』を彷佛とさせます。

そう、今回は作画がいい。

例えば、モーターボートが道路を走り去るカットで、すれ違う車の助手席から顔をのぞかせる女性の細かい仕草といった「無駄に描き込んでいる感じ」は近年のルパンでは見られなかったもの。

一目見て動きがテレコムっぽいと感じれば、すれ違うトラックの側面に「テレコム運送」と書かれているお遊びが。うむ、間違いない。今回は制作にテレコムの名前が連なってました。


「ルパン三世生誕40周年記念作品」と掲げる以上、さすがにここ数年のTVスペシャルの体たらくぶりがテレコムを参加させたということでしょうか。

実は手堅く秀作を作るなら「宮崎ルパン路線」が一番作りやすい。『カリオストロの城』というお手本に沿ってテレコム作画さえあれば一定の質は確保できるのです。

個人的には宮崎ルパンではないルパンの秀作を見たいんですけど、それは『カリオストロの城』並の「俺ルパン」を生み出す必要があるわけで(例えば押井守ルパンぐらい異質な組み合わせとか)。

だから今回は確実性を求めて宮崎ルパン路線となったわけですな。


で、中身ですが、基本的には旧ルパン第13話「タイムマシンに気をつけろ!」をベースに作られてます(思わず手元のDVDでその話だけ見返しちゃいましたよ)。

とはいえ、あくまでも「魔毛狂介という敵キャラがルパンの子孫に恨みを抱き、タイムマシンを使って現代のルパンを消そうとする」という骨子だけ流用し、さらに飛躍させて「ルパンたちが500年前にタイムスリップする」というオリジナル話になっています。

(いわば『ドラえもん/のび太の恐竜』で、原作の1エピソードを長編映画化するために物語を大幅に膨らましたのと同じような感じでしょうか)

うん、ルパンって作品はここまで振り幅が広くていいんだよね。クレヨンしんちゃんすら戦国時代に行っちゃう世の中で、ルパンが現実に縛られるいわれはありませんて。


出来はまあまあ。去年までの酷さに比べればちゃんと見れるものに仕上がっています……が、それはテレコム作画の賜物であって、脚本の練りの甘さは本作でも健在です。

細かいところは挙げれば切りがないのですが、全体的には中盤辺りから物語運びが停滞し、キャラ配置が無造作になってしまっています。特にお不三(フミ)とタカヤが物語に上手く絡んでいないのが難ですね。


さて、毎度毎度、レギュラー声優をそろそろどうにかと言っている私ですが、今回も男性陣がきつかったですねぇ。不二子は登場が少なめだったせいか声の衰えはあまり感じませんでした。まあ、お不三をそのまま増山さんが演じていたらきつかったでしょうが。

だからといってその代わりが関根真里では元も子もない。
素人丸出し演技は聞き苦しく全てを台無しに。
中村獅童がとても良かっただけに残念です。

こういう話題=宣伝用キャスティングはホントやめて下さいな(それに今回、話題性なんて無かったからまったくの無意味では?)。

あと、途中になぜかアイキャッチ(新ルパンのアレンジ)が入っていて謎だったんですが、エンディングに「特別参加(アイキャッチ):大塚康生」とあってビックリ。なるほど、御大に参加してもらうとなるとその手ぐらいしかないかも。

関根真里と中村獅童の名前がサプライズ扱いだったみたいなんですけど、こっちの方が断然サプライズだってば。


エンディング曲は「ルパン三世 愛のテーマ」のカバー(歌:今井美樹)ということで、本作は「旧ルパン」のネタを「宮崎ルパン」をベースに「新ルパン」テイストで包むという良いトコ取りで作られた作品でした。

今回は40周年記念なので宮崎ルパン路線でもいいですけど、来年以降は禁じ手ですよ〜。総括の先にある(べき)TVスペシャル20作目に期待したいと思います。

ほしのこえ [2007年07月11日(水)]

●ほしのこえ

監督/製作/原案/脚本:
新海誠(『雲のむこう、約束の場所』)
声の出演:
武藤寿美(オリジナル版:篠原美香)
鈴木千尋(オリジナル版:新海誠)


中学3年の夏、長嶺美加子は国連宇宙軍に選抜された。そんな美加子の心の拠り所は地球に残る同級生・寺尾昇とのメールだった。しかし、進軍と共に地球との距離が広がるとメールの往復に数カ月、数年とかかるようになり……。


2002年に1人で作った短編アニメとして有名な作品でしたが観る機会もなく、先日TV放送されたのでこれ幸いと観てみた次第。

なるほど、よく出来た自主制作アニメ。
全体的な印象はガイナックス作品の影響が強いって感じ。

どこかの自主制作映画の上映会で出会っていたら、この映像クオリティに感動したかもしれないけど、ただ、こうして1作品として観てしまうとやっぱり微妙ですね。


こういうのをセカイ系って言うんでしょうか。
多分に思春期の中高生にウケるんだろうなって印象。
私は苦手です。

美加子が中学の制服のままコクピットに鎮座する姿など私にはどうしても理解不能なんですが、この辺も「わたし」というパーソナリティ表現だけで完結する世界ということなのかな。

宇宙との時差という物語構造が作品配分的にイマイチ活かせていないとか、雰囲気で誤魔化しているとかありますが、まあ、元々アマチュア作品だし、多くを望むのも酷というものでしょう。

本作の価値はアマチュア1人が商業アニメ的なものを作ったということに尽き、それは初めての衝撃であり、今後同じことを他の人がしたとしても同じ評価がされることはないでしょうね。


しかし、本作を観た業界人は自らを恥じるべきだと思う。

これほどまでに日本のリミテッドアニメの「手抜き」を作為的に利用した作品はないでしょう。

なのに本作は概ね好意的に受け止められていて、しかも、その後の日本のTVアニメは益々リミテッド化(CG導入含む)を推し進める現状。やれやれ。


本作は数千円とかでDVDを売っていたようですが、とてもそんな価値はないかと。TVアニメの方法論で作られている通り、TVで観て十分ってところでしょう。

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