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ニチアサキッズタイム2010 [2010年02月28日(日)]

ニチアサキッズタイムは7時のアニメと8時のライダーの放送開始が半年ずれたため、昨年までのようにまとめての感想が書きづらくなってしまった(実際、去年は『少年突破バシン』のことを書いてませんし)。でもまあ、毎年この時期に書いていたので今回も書いておこうかと。


『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』(テレ朝/日曜朝7:00)
前作は現実世界でのカードバトル物だったのが、今作では主人公の少年が異世界に飛ばされてしまう話に。現役プレイヤーでもない身ではカードバトルへの興味もなく、あとは物語自体が気に入るかどうか。古参アニメファンとしては王道というか見飽きた骨子に興味は持てませんでした。本作もまた現役プレイヤー=若年層向けでしょうね。


『天装戦隊ゴセイジャー』(テレ朝/日曜朝7:30)
良くも悪くも旧戦隊的。ここ数年の出来が良すぎたせいで粗が見えすぎるけど、昔の戦隊ってこんなもんだったよなぁとノスタルジックな気分に浸れます。

冒頭、説明描写も無しにいきなり「天の塔」とやらを破壊する宇宙から飛来した敵と、その塔と関係あるであろうゴセイジャー(レッド)がこれまたいきなり登場する展開は語り口が酷すぎる。ナレーションベースで「護星の天使──それは地球と全ての命を護ることを使命として生きる者たち」とか言われてもピンとこないですって。

見習い護星天使たちが地球に派遣されてくるくだりを描写し、きちんと天の塔の説明を組み込み、さらに地球での見習いたちの活動を描写した上で宇宙から敵が飛来する段取りにするのが普通……というか物語及び登場人物らに感情移入させるための最低限のことだと思うのですが。

見習いで地球に降りたばかりという描写があれば、種族間での言い争いがちょいちょい出てくるのも理解できますし、地上に残された5人で戦っていかなくてはならない決意なども感じられたと思います。脚本:横手美智子にはゲキレンジャーといいガッカリさせられっぱなしです。アニメだと悪くない人なんだけどなぁ。

カード要素は今のところ魅力的に感じられない。ヘッダー召喚シーンは壮大な割に小っちゃいのが来るだけってのはイマイチ。ロボとの共通アイテムなのだから、飛来した時点では巨大で、そこから濃縮されるように小さくなってゴセイジャーたちの手元に現れるような描写にしてくれないとまったく凄そうに見えません。

あと「キラリ〜ン」みたいな効果音がマジレンジャーまんまなのはちょっと。魔法っぽい世界観だから使い回せると踏んだんでしょうがやめて欲しいわぁ。


『仮面ライダーW(ダブル)』(テレ朝/日曜朝8:00)
2人で1人の仮面ライダー。左右色違いのデザインを見たときはどうなるかと思いましたがしっかり子供人気を得たようです。ディケイドで放送開始時期を半年ずらした効果は年末の玩具の売れ行きが証明した模様。

やはり主人公が探偵というのが子供には受けやすい。自分も子供の頃は少年探偵団に憧れたし、探偵本など読みあさりましたから。一般人が事件(戦い)に巻き込まれるのではなく、依頼ありきで自ら積極的に事件に関わる私立探偵はそれだけでヒーローっぽいです。

事件も分かりやすく、その犯人である怪人(ドーパント)の姿が分かりやすいのも子供受けした一因かと。あとはライダー同士のバトル要素がなかったのも単独ヒーローの王道を見せてくれていたと思います(最近2人目のライダーが登場しちゃったけど)。

ディケイドがアレな終わり方をした分、Wにはしっかりと完結してもらいたいですね。


『ハートキャッチプリキュア!』(テレ朝/日曜朝8:30)
プリキュア7作目。昨年の『フレッシュプリキュア』でキャラデがセーラームーン路線に行き切りましたが、今作ではキャラデを大幅に路線変更。『おジャ魔女どれみ』の馬越嘉彦氏が担当し、雰囲気もどれみっぽくなりました。

内容は今までのプリキュアと大きく変わることなく、どこぞの異世界からマスコットキャラがやってきて、主人公たちが変身する力を得て悪者と戦うフォーマット。しかし、プリキュア変身=即最強ということはなく、普通の女の子が戦う決意をするまでの過程が描かれる初回〜第2話は新鮮。

新鮮といえば、赤系=活発、青系=知的という不文律を変えてきたこと。少々気弱な赤と天然元気な青というのは珍しい。気弱ながらに頑張るというキャラは普通の子が自分を投影して感情移入するものになっていますね。

今までのプリキュアを好きな人には受けが悪いかもしれませんが、どれみが好きだった人なら即ハマりそう。私の印象も「どれみ中学生編」って感じですし。


今年はプリキュア視聴復帰。
その分、ゴセイジャーには深くハマりそうもないのが残念です。

メダロット [2010年02月22日(月)]

念願のメダロットDVDを遂にゲット!

かつてDVD化されたものの廃盤になって久しく、ネットオークションで馬鹿みたいな値段が付けられていたメダロットがようやくDVD-BOXで再販。レンタルDVDが無かっただけに飢餓感も大きく、今回のBOX化の話は本当に嬉しかったです。

まあ、BOX1の予約を2ヶ月前にしようとしたら某量販店ではもう受け付けてないと言われたり、別の店でようやく予約できたと安心していたら発売日に入荷してなかったり、散々な目に遭いつつも無事手に入ったのでオールOK。


メダロット OP

http://www.youtube.com/watch?v=bNU65T3uY4E

メダロットという作品はゲーム原作ですし、いわゆるパートナーキャラでバトルする点などはポケモン系譜の作品なんでしょうが、私が感じたのは(自律型ロボットではあるけれど)『プラレス3四郎』のプラレスラーでしたね。

プラレス3四郎 OP

http://www.youtube.com/watch?v=GeU0zYjwya8

プラレスラーを今に構築したらこうなるという姿かと。
実はプラレス3四郎のフォーマットってこれ以上ない完成度で、きちんとしたオリジナリティを組み込まないとパクリ作品のそしりは免れない唯一無二のものだったりします。

機動天使エンジェリックレイヤー OP

http://www.youtube.com/watch?v=awJ8hmdLu_4

エンジェリックレイヤーはまさにオリジナリティの組み込みが欠けていたので一見すると二番煎じにしか見えません。もちろんCLAMP的作品設定など内容は別物でしたが、"似た"以上の印象を与えるものではなかったのも事実でしょう。

で、プラレスの後継って実はこっちなんじゃないかと↓

激闘!クラッシュギアTURBO OP

http://www.youtube.com/watch?v=daute5UKQ_s

マシンのメンテナンスや、プレイヤーの意思を反映したマシンの動き、巨大なシステムを介することのないバトルステージ、子供のホビーとしての世界観で作られている点などなど、もはや人型か車型かの違いでしかありません。本作もまた世間的には『爆走兄弟レッツ&ゴー』に連なる系譜なんでしょうが。


さて、メダロットを楽しもうっと。

2010冬の新アニメ感想 [2010年01月27日(水)]

年頭から死んでいたため、なかなか新番組のチェックが進まずにいましたが、ようやく一通り完了。

ちなみに前期で最終回を迎えた作品では、やはり『にゃんこい!』が最後まで楽しく見れました。2期が本当に決まったなら嬉しいんですが。というかこういう作品でも2クールやらないことの方がアニメ業界的には問題かと。

さて新番組感想ですが、今回は放送の早い局順ではなく、私が利用しているTVK(アナログ)優先で記載しております。最近MXの地デジ受信状況が不安定でほとんど使えません。今期はMXオンリー番組がないのでいいんですが、アナログ終了ともなれば東京にいながらU局アニメがまったくチェックできなくなる事態に。まあ、その頃にはTV離れを起こしてそうなので別にいいか。


【日曜日】

『テニスの王子様 全国大会編』(BS2/夜11:53)
OVAでリリースされた全13話を放送。まあ普通にTVシリーズを見ていた人向けかと。続けてOVAの残る2シリーズも放送してくれると有り難い。
『はなまる幼稚園』(テレ東/深夜1:30)
新米幼稚園先生の主人公が迷子とおぼしき女児に声をかけたところナンパと思われ、それが主人公が勤める幼稚園の新入園児だったことから女の子は主人公のお嫁さんになると心に誓うのだった──という第1話。水島精二監督だしガイナ製作だし、手堅くまとまっていて一昔前なら午後6時台アニメ。女児たちに萌えられれば楽しめるんじゃないでしょうか。
『ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンド』(TVK/深夜1:30)
(→MX/火曜深夜1:30)
ヴァンパイアの女王は東京湾上の埋め立て地を買い取り、そこに王国"ヴァンパイアバンド"を建設すると宣言する──。ヴァンパイアの女王と人狼の少年との恋らしき部分や様々な対立組織からの刺客が送られてくる展開が繰り広げられるのでしょうか。好きな人は好きなんでしょうが相変わらず新房監督は肌に合いません。初回のトリッキーさはあの肉感的なキャラデだと演出してる感が目立つ。物語自体はまともなので趣味が合えば。


【月曜日】

『刀語(かたながたり)』(フジ/深夜1:10)
刀を使わない剣術”虚刀流”七代目当主の少年が奇策士を名乗る少女と共に伝説の刀鍛冶が作った12振りの刀を集める旅に出る──。月1放送1時間という異色の放送スタイル。『化物語』の原作者の作品ということで肌に合わなそうと思いつつ視聴。やはり言葉遊び加減は好きじゃないけどアクションはよく動いている。12振り=12エピソードで構成するということか。だからといって月1を追い掛けるのは面倒だな。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』(テレ東/深夜1:30)
主人公の少女は幼い頃、廃墟でトランペットを吹く女性兵士と出会い、自分もトランペットを吹きたいと思い軍へ入隊──という思い込み勘違い天然キャラに萌えられる人は楽しく見れるのかもしれませんが、冒頭の列車内でのやりとりで私の肌には合わないことが判明。女性キャラ萌えして、遠い未来と言いながら第2次大戦風世界が舞台だったりするのをイケてると思う人向け。


【火曜日】

『聖痕のクェイサー』(TVK/深夜1:45)
(→MX/月曜深夜2:30)
クェイサーと呼ばれる能力者らが戦う学園伝奇モノ。至る箇所で不自然な演出があり、どうやらエロい場面が放送用にイジられている模様。まあ表現的に仕方ない内容なので見たけりゃDVD等を買えって話なんでしょうな。とはいえ、それを差し引いても物語運びは下手。緩急での盛り上げ方に欠ける。初回終盤の転校生話は次回に回して人物描写に時間を割けばもう少しマシだったと思うが。


【水曜日】

『バカとテストと召喚獣』(テレ東/深夜2:20)
成績に応じたクラス分けで教室の設備に雲泥の差がある学校を舞台に、科目の成績に応じた召喚獣を召喚し戦わせて、上位のクラスに勝利すれば教室設備を交換することが出来る"試召戦争"で勝ち上がろうと奮起するFクラスの面々──というライトノベル原作アニメ。設定の奇抜さだけで中身は学園バトル物の定石上にあるので、過分なキャラ萌えもなく見やすい仕上がり。ハマれば。


【木曜日】

『のだめカンタービレフィナーレ』(フジ/深夜0:45)
第3期。今までと変わりないクオリティ。ノイタミナ枠は基本1クールで長編は(人気があれば)分割することになるけれど、今のクオリティ維持必須の深夜アニメ中心のアニメ業界では理想的な放送形態なのかもしれない。視聴者側の視聴スタイルの変化に因るところではあるけれど、こういう作品を1年スパンでちゃんと見たいと思ってしまうのは古参アニメファンのわがままか。
『ひだまりスケッチ×☆☆☆』(TBS/深夜1:29)
美術科女子高生日常観察アニメ第3期。シリーズのファンやキャラ萌えしたい人向け。
『おおかみかくし』(TBS/深夜1:59)
山間のニュータウンに引っ越してきた主人公。特に目立つ存在でもない彼が何故かクラスメイトの間で引っ張りだこに。そんな彼にクラス委員長だけは「あなたの存在は迷惑なの」と言い放つ。この街には何かがありそうだが……。原案が「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」と同じ人物によるゲーム原作アニメ。アニメひぐらしはハマらず、アニメうみねこはミステリーの定番舞台装置上での作劇だったので見れましたが、今回はひぐらし寄りな感じ。登場キャラが肌に合わない。ネタの小出しに気長に付き合えるなら。


【金曜日】

『デュラララ!!』(TBS/深夜1:55)
池袋を舞台に様々な若者たちが織り成す"ハイテンション・サスペンスアクション"。原作、監督など『バッカーノ!』と同じ布陣。OPなどまんまだし。初回は人物紹介と首なしライダー事件を織り交ぜて飽きさせない。『バッカーノ!』同様、期待できそう。


【土曜日】

『COBRA THE ANIMATION』(BS11/夜11:30)
OVAを経て新TVシリーズも開始。27年ぶりか。コブラの声が内田直哉氏に変更。どうやらOVA版で若い頃のコブラを担当していたらしい(私はまだ未見)。やはり今の野沢さんの声だと癖が強いのかな。まあ確かに今回のコブラの今時のアニメらしい淡々とした作画では合わなそうではある。監督も出崎さんの予定だったのが清水恵蔵氏に変更。出崎調演出があったり違和感は少ない。見れるけど昔のアニメのようなワクワク感は無いかな。
『おまもりひまり』(TVK/深夜1:00)
(→MX/木曜深夜2:30)
(→BS日テレ/金曜深夜2:00)
7年前に両親を亡くし幼い頃の記憶もあまりない主人公。ある日、彼の前に現れた謎の美少女。妖とおぼしきものを倒したその少女の正体もまた猫の妖で、彼を守ると約束する──という第1話。朝、部屋まで主人公を起こしにくる幼なじみの女の子やら巨乳サービスなど深夜アニメらしい内容。そういう系が好きなら。


のだめのようなスタイルだともはや新番組を見ている感じがしない。というか昨今のアニメは「この年にこの作品」という時系列を感じさせなくなっていて、ますますただのライブラリー化していっている気がする。今期は個人的ヒットは少なめ。U局系は軒並みアカンなぁ。

ドラえもん2009年10月 [2009年12月18日(金)]

10月16日「野比家が巨大迷路に!?」


のび太が大きい屋敷に憧れ、ドラの道具で家を迷路にする話。出来は可もなく不可もなく。原作のある話だけど原作であんな階段だらけの広い異空間なんてあったっけ? もっとシンプルに窓やドアの繋がり方が歪むだけだったような。今回のアニメは閉塞感はあまり感じられずアトラクション的。子供には判りやすいだろうけど深みはない。最後はパパが偶然に解除してくれたところがオチでいいような。再び道具が使われてもその場にいるんだからすぐに解除出来るじゃん。


10月16日「虹のビオレッタ」


ジャイアンが妹・ジャイ子の漫画本「虹のビオレッタ」が売れないと嘆くのでドラとのび太が道具の力で宣伝して(というかほぼ洗脳して)売る話。人に無駄遣いさせているとドラが罪悪感を抱くも漫画オタクらしき青年がなかなか面白いと評することで一応フォロー。でもそれなら皆が露骨にジャイアンの売り込みを避けないと思うのだが。そんなことより、この回の最大の問題はジャイ子の性格。自分の漫画なんてつまらないのだと兄・ジャイアンに管を巻く姿などありえない。世間の評価はジャイアンが全て塞き止め、ジャイ子は己が道を邁進してこそ。最後の場面でジャイアンがジャイ子の部屋の前でため息をつくのもダメダメ。ジャイアンはジャイ子の才能を本気で信じているべき。この脚本、何も理解してない。


10月23日「あの窓にさようなら」


ドラ感動短編映画などの監督でお馴染みの渡辺歩絵コンテで泣かせにいった作り。彼の演出の質自体を客観的に評価することも出来るし世間の需要も理解できるけど、個人的には好きじゃない。それは作画部分も同様。頭身高めの似非キャラデが好きになれないのと、きめ細やかに動かしている"だけ"の大仰な芝居作画が好きじゃない。まあ好みの問題と思ってください。

物語は怪我で外出できないのび太のためにドラが道具で様々な窓の風景を映し出すと、とある田舎でのすれ違いに遭遇し……という原作を30分に膨らませたもの。上京する青年が好きな女の子が留守にする窓にさよならを語る場面は、その直前に女の子の兄から留守だから帰れと言われながらも引き返してくる段取りに改変されたせいでイジイジした印象になっているのがマイナス。録画された青年の映像を見て女の子が涙をこぼすのも急すぎてついていけない。

青年の映像を見て家を飛び出した女の子が駅に走っていかないのも腑に落ちない。せめて女の子は駅に向かおうとするが兄に何しに行くんだと止められ、その上で感情を兄にぶつけるとかして欲しかった。そもそも兄の存在が余計な追加で、最後の電車と軽トラが並走して見送る感動のために用意されたとしか思えないのがなんとも。

人の生活の風景を切り取って見る第三者的視点で心配したりホッとしたりした原作に余計な蛇足を加えた仕上がり。ゲストキャラらの描写を増やす方向で作るなら、最初に彼らの生活を描くことから始め(例えばOP前のアバンで青年が家を出る場面を描き、OP明けでのび太の部屋といった感じ)、ドラとのび太をきっちりと狂言回し役に追いやるぐらいすべきだったと思う。


10月30日「消しゴムでのっぺらぼう」


美男子になりたいのび太が顔を描き変える道具を使う話。それなりに楽しめたけど、終盤、ジャイアンらと道具のペンで顔に落書きし合うところがただの油性マジックでの落書き合戦にしか見えないのが残念。互いに顔を弄り合ってこそ修正が効かない事態に陥ったと理解できると思うのだが。原作ではどうだったっけ?


10月30日「おもちゃの兵隊」


おもちゃの兵隊の銃撃音がコルク銃みたいな音で迫力が無い。そのせいもあって撃たれた相手が黒焦げになったように感じない。銃口にビームエネルギーが収束する描写などもあり、やはり実銃を感じさせない配慮という名の改変なのだろうか。最後、アンテナにしがみつくのび太ママをきょとんとした表情で見る兵隊は「こびとロボット」同様、余計な描写。無機質に行動してこその道具でしょ。

ドラえもん2009年9月 [2009年12月09日(水)]

9月4日「のび太は世界にただ一匹」


絶滅危惧種を保護するスプレーを自分に使ってしまうのび太という原作をかなり引き延ばした1話30分回。かなり引き延ばした割にはマシというか形にだけはなっているというか。

冒頭のドラたちの会話は後半の伏線になっているし最後ののび太の両親の台詞も一応オチにはなっているけど、それらがワクワクする笑いに変換されていない。脚本は話をまとめたことに満足し、演出はそれをなぞっただけで満足している印象。唐突に家が地面ごと盛り上がる心的描写やカミナリが本当に落ちるといった余計な描写はわさドラの悪いところ。

のび太がスプレーを使う場面が、ぞんざいな扱いの犬と捨てられる子猫の2つだけというのは物語の助走には少ない。もっと調子に乗って使いまくってこそ「自分も」と勢いづくもの。自分にスプレーを使うきっかけも「ジャイアン・先生・ママ」だけでは動機として弱い。やはりそれ以外──ドブに落ちるとか幼児の縄跳びで首を絞められるとか不注意なおばさんがぶつかってきて階段から転げ落ちるといった「個人」ではない「社会」から身を守ろうとしてこそ活きるかと。

保護動物となったのび太がアイドル視されるのはカルガモ親子やアザラシのたまちゃんみたいなものだろうけど、見た目が人間だとスプレーの効用が違うものに見えるので邪魔。後半の行動展示で観客全員が怒り出すのは脚本のご都合主義(現実の動物園で希少動物が寝ていることに怒る人間がいるのかという話)。周囲のプレッシャーで精神的に追いつめられるのび太=動物園批判には稚拙だし、乾いたブラックネタにもなりきれていない。

やはりこの内容を10分でまとめるぐらいで十分だと思う。


9月11日「ドラえもんの長い一日」


1時間のドラえもん誕生日スペシャル。アニメオリジナルの誕生日ならではの物語が見事なドラマとして完成している傑作。正直、前週の予告を見て、またぞろプチ劇場版な安いドラマ回だと思っていただけに良い意味で裏切られました。

凶悪犯ロボ・デンジャとドラえもんが入れ替わる展開が実にスムーズ。のび太と喧嘩して勢いで未来に帰るドラ→定期検診を嫌がるドラはドラミと入れ替えロープで一旦入れ替わる→元に戻るがポケットからロープがはみ出ている→事故を起こしたデンジャがドラと同室に運ばれる→デンジャはドラのポケットの入れ替えロープに気付き……という絶妙さ。

いざ入れ替わって仏頂面になったドラえもんについても、身近な人間はのび太と喧嘩をしたことが尾を引いているのだと解釈してあまり不審がらないそつのなさ。デンジャの方も事故で音声回路が故障したことで不必要に言い訳をさせず、即行動に移すテンポの良さ。

ドラえもんの体を得たデンジャは、のび太たちと過ごす何気ない時間の中で忘れていた心を取り戻す。その姿を台詞に頼ることなく、ごくごく自然な描写の積み重ねで感じさせる。

赤いビー玉=ドラの鼻は序盤では提示せず上手く隠していたら終盤はもっと感動したかもしれない。冒頭で寝ているドラの鼻を突っついたりせず「目を覚ましたドラの目の前には覗き込むのび太の顔」ぐらいの見せ方にするとか。

作画も良く、改造連結空気砲などアクションがカッコイイ。まあ、毎回このテンションで作られても困りますが、こういうスペシャル回ならOK。「ドラマ性のわさドラ」を名乗って良し!


※「みんなでつくる30年後ののび太の町」発表
7月に投票を終えた「30年後ののび太の町」をアニメにして発表。企画自体に懐疑的な私にはどうでもいい代物でしたが出来も酷いもの。ネズミからのプレゼントを気持ち悪がらないドラだと、これからのネズミ嫌い描写が揺らぎかねん。そもそもこの企画、スネ夫の家とか応募された絵とまったくの別物にしちゃうような体のいい視聴率稼ぎ企画でしかなかった。


9月18日「大あばれ!のび太の赤ちゃん」


スネ夫とジャイアンの模型作りに触発されて何か作りたいのび太がドラえもんに触るなと言われた「架空生物製造機」を勝手に使ってしまう話。これって確か原作だと「人間製造機」だったよね。今のテレビ倫理レベルじゃ改変させられちゃうのか。残念。

人体が身近にあるもので○○が何個、○○が何本で構成されるという具体性が面白いのに、ドラゴンやユニコーンの必要材料が「衛星タイタンの石」「恐竜のウンチ」とかどこの召還魔法なんだか。そもそも人間を造る機械が誤ってミュータントを生み出すから欠陥だというのに、最初から架空生物というミュータントを製造する機械で、超能力を持ったミュータントが生まれることが欠陥と言われてもピンとこない。

しずかちゃんに「赤ちゃん(を一緒に作らない?)」と言うシーンも台詞から「架空生物の〜」を省くのは無理がある。まあ原作シチュエーションを残しただけ天晴れと思うべきか。

原作だと最後は材料に戻して解決してたはずだけど、それも改変され、知識を得た赤ん坊が宇宙へと旅立つラストヘ。別に原作のままでも命を軽んじてはいないと思うのだが。むしろ命を軽々しく生み出してはいけないのだと思わせてくれた。今回のラストは下手すれば逆に命の責任を回避できればいいとさえ見えかねない。どうも最近の過保護倫理はを間違えている気がする。

エゴが広がってきた [2009年12月04日(金)]

幾度かソニー・ピクチャーズのエコ対応ケースが酷いと書きましたが、どうも20世紀FOXの廉価版DVDにも同ケースが採用されたらしい。

先日、DVD売り場に行った際に実際に手に取ってみると明らかにベコベコ……。しかも、タチの悪いことにエコ対応ケース仕様を知らせるものが何も無い。そらべあシールで判別できたソニピク以下だと思ったら、当のソニピクも新たな出荷分からそらべあシールが貼られなくなっていた。

これからDVDは店頭で必ずケーズを触ってベコベコするかどうかを確認してからでないと恐くて買えない。


なんて思っていたら、今度はゲームソフトにまでエゴの魔の手が押し寄せてきていた。

Game*Spark:Xbox360用ソフトのパッケージがエコ仕様に
http://gs.inside-games.jp/news/211/21177.html

マイクロソフトだけでなく任天堂ソニーも導入を検討しているとか。ソニーの場合、BD用エコ対応ケースなんてものがあるかは知りませんが、DVDより傷に弱いBD(記録層が表面に近い)では致命的になりかねない。

任天堂のソフトは子供が雑に扱うことも多いだけに導入されたら中古市場には紙が破れている物だらけになりそうな(既に紙リングジャケのGC市場で似たような状況だけど)。

DVD市場に比べれば廉価版に限らない分、エコ名目は揺らがないでしょうが、やはりディスクの傷問題など消費者無視の代物に変わりないと思う。


私は遠慮させていただきます。

ドラえもん2009年8月 [2009年12月03日(木)]

8月7日「のび太の中ののび太」


のび太の誕生日スペシャルという1話30分回。
全体的に悪くはないけど全体的に凡庸に感じる。

ジャイアンたちがのび太の誕生日の準備を密かに行なっているのが一見して判るのは興醒め。3人ひとまとめではなく、個別にのび太が誕生日アピールして回り、ある程度は本当に誕生日を知らないのだと思わせる見せ方は欲しかった。

のび太が浸る過去の記憶が、過去のドラ映画やTVのエピソードから引用されているので説得力は十分。この辺りは歴史の積み重ねの勝利か。

引き籠る意思の違いはあれど友人による説得は「森は生きている」の回と被る。涙の説得は感動の押し売りで強引。今回はのび太の本意ではない引き蘢りなのだから、どちらかというとのび太を想うからこその怒りの説得の方が合っていた気がする。

帰還用のスイッチを壊す行為は、最後は自分が帰るために必死になっているかのようなひねた見方も出来てしまう(スミマセン)。スイッチはドラに一旦返し、いざ夢に捕われようという時にドラが皆に逃げろとスイッチを渡すがそれを叩き壊して再びのび太の説得に向かうという形にすれば良かったかな。


8月14日「幸せな人魚姫」


今回めっちゃ面白い! ドラえもんのハッチャけっぷりとか作画もノリノリで、1話30分回なのに昔のドラを見ている気分になった。いつもはシンプルな原作に贅肉ばかり足しているのに今回は見事な肉付けがなされ、ダレるところが無かった。

泣いてしまった幼いベソ子を見て、のび太ママが問答無用にドラえもんを叱るのがいい。大人と子供の世界にはきちんと壁が存在し、だからこそドラえもんは行動を起こすのだ。

途中、人魚姫がドラえもんのことを好きになってしまう「本当に想ってくれる人は身近にいた」展開も楽しい。またもや感動話にしてしまうのかと思いきや、ドラは人魚姫に欲情しつつもあくまでも王子様とのハッピーエンドを作ることに邁進する。わさドラ見直したわ。


8月21日「恋するドラえもん」


先週のはマグレか、原作のアレンジ具合が凡庸な1話30分回。まあ、この題材だとわさドラなら『男はつらいよ』的なドラマ方向に行っちゃうよね。序盤はドラがもっと盲目的に暴走していた方が最後の身を引くまでの緩急がついたように思う。今のままだといつドラえもんが身を引こうとしたかが分からないし。

スネ夫→最初のプレゼント案
ジャイアン→不良にからまれたところを助ける案
という展開だったので、しずかちゃん案のエピソードもあると全体の構成が良かったかも。野原に連れ出すところをしずかちゃん発案のようにしてもいい気がする。

最後は原作準拠とはいえ飼い猫を失踪させるのは問題あると思うぞ。例えば、飼い主が実は愛情を注いでいないと匂わせる描写があればラストも素直に受け取れるし、ペットを飼う責任ということへの啓蒙にもなったと思う。こういうところこそ改変すればいいのに。


8月28日「ダメ犬、ムク」


これかなりいい。アニメオリジナルの感動エピソードだったけど素直に楽しめた。10分でまとまっていたのが良かった。たぶんこの話で30分回だったら感動の押し売り演出で引き延ばされていたように思う。最初のピーちゃん捜索シーンやジャイアンが自転車に跨がるところなどアニメらしい作画できびきび動いて気持ちいい。


8月28日「こびとロボットははたらき者!?」


原作を真っ当にアニメ化していて悪くはない。飛び抜けて良くもないけどこれを標準にして欲しいところ。のび太の寝姿に美学を感じられないのはマイナス。あれでは昼寝の天才とは言えん(笑)。小人ロボットの仕草を少し愛嬌のある雰囲気にしたのは余計なアレンジ。大勢に頼まれた仕事をこなす場面など、ただテキパキ作業するだけの方がのび太の睡眠量を直に感じさせたと思う。

エコとエゴはちがうんだ ZETTAI!! [2009年11月30日(月)]

ローカルヒーローって本当にたくさんいるんだなぁ。

環境超人エコガインダー

http://www.youtube.com/watch?v=fzQkfFiPyRQ

キッズステーション公式HP
http://www.kids-station.com/minisite/ecogainder/index.html


この主題歌は燃える!ZETTAI!!!!

本作は環境省協力のキッズステーション開局15周年プロジェクトだとか。うちはスカパー入ってないのでTwellv(BS12)のキッズステーションタイムでやっていたのを発見……って、もう終盤じゃん。Twellvってあまり見ないからチェックしてないのよね。

まあ、出来は天才てれびくん内のドラマレベルで、ヒーローというより教育番組のノリ。そんなに面白くはなかったので見れてなかったことは別に悔しくはないぞ。


「エコとエゴはちがうんだ」

ちなみにこの歌を聴いて思わずソニー・ピクチャーズのエコ対応ケースのことを思い出したわ。あれこそ企業のエゴの産物だもの。

ソニー・ピクチャーズ:エコ対応ケース導入のご案内
http://bd-dvd.sonypictures.jp/eco/

通常版DVDも全て同ケースを使うというならエコでしょうが、廉価版だけってのはエゴ以外の何者でもないでしょ。もし必要に迫られてソニーの廉価版を買ったとしたら、私なら市販のケースを買って入れ替えますよ。そしたら元のケースはただのゴミだし、我が家のプラスチック率は変化なしです。

ビクター:DVD-Rディスク
http://victor-media.co.jp/media/visual/vd-r120ec10/index.html

だったら、これ↑とかソニー・ピクチャーズ自身も発売している海外TVシリーズDVD-BOX廉価版のソフトシェルケースのような代物を使える形にすればいいだろうに。問題はジャケット紙を挟みこむスペースだけだと思うし。


なので私はソニー・ピクチャーズのエゴには付き合わないぞ。
ZETTAI!!!!

ドラえもん2009年7月 [2009年11月29日(日)]

7月3日「あべこべ惑星」


あべこべの星が反地球(太陽を挟んだ正反対の位置にあるもうひとつの地球)という設定じゃないのは寂しい。今となっては古いSFだけどワクワクするんですよね。物語もアレンジしまくり。利口になりたいと短冊に書いたのび太の悩みが途中でどこかに消えてしまった。

それでいて天才少女のび太誘拐というドラマを付け足すプチ劇場版仕様。間延びするので1話30分回は自重して欲しいなぁ。

最後は天才少女のび太がわざと間違える方が確実なので、てっきりのび太が適当にやったら成功しちゃう展開だと思ったら普通に失敗。テンポが悪いからミスリードがうまく機能していない。内容を半分に削ればまだ面白いのに。


7月10日「スネ夫ゆうかい事件」


誘拐されることを過敏に恐れたスネ夫が、のび太とドラえもんをボディガードに雇うアニメオリジナル。繰り返される犯人探しの部分が煮詰められていないので飽きる。結局、予想通り誘拐したのはのび太とドラえもん自身だったという「迷探偵のび太」と同じオチで面白くもない。オリジナル回でギャグは無理。


7月10日「ドラえもんやめます」


こちらもアニメオリジナル。タイトルからドラえもん話かと思いきや、ドラはのび太が道具の力で周囲の人間を辞任させていく内の1人でしかない。話の中心はママの辞任なので、タイトルは「ママやめます」か「辞ニンジン」と道具名にした方がしっくりくる。のび太のママがママとしての感情を取り戻す感動ドラマは短編ギャグには邪魔でしかないと思うんですが、わさドラには必須のようで。


7月17日「コンチュウ飛行機にのろう」


原作はあるはずだけど、後半の昆虫世界アドベンチャーは完全にアニメオリジナル。スズメバチに襲われるジャイアンを皆で助けにいく大冒険っぷりとか、1話30分回はもはやプチ劇場版として確信的に作ってますね。

小さくなっていると道具の力も弱くなっているという言い訳設定はいらない。どこでもドアを使えばいいんだし、逆に違和感を覚えます。何も考えずに昆虫世界アドベンチャーで突っ切りましょうよ。

昆虫世界の弱肉強食をちゃんと描いているのはいいんですが、のび太らが利用した昆虫が巻き込まれて死ぬことに無頓着なのはいただけない。それでいて最後はたかが昆虫と心が通えてしまうファンタジーでちぐはぐな印象。だったら自分たちがここまで連れてこなければと悔いるぐらいしてもいいんじゃないかい?


7月24日「海に入らず海底を散歩する方法」


スネ夫のクルーザーに招待されないという原作エピソードで出来もストレート。のび太を連れてきても意味がないというジャイアンたちの話にしずかちゃんが納得して「そっか〜、それじゃかえってかわいそうよね〜」と言い切っちゃうのはなんとかならなかったのかな。わさドラ版しずかちゃんってドラマ寄りな作りで描写や台詞を増量される分、薄情になりがちだよね。


7月24日「真夏に冬がやってきた」


原作ありきの2本目。日付をいじってクリスマスプレゼントをゲットしたり、夏に戻してしずかちゃんとプールに行こうとしたり、正月にしてお年玉をゲットしたりというのび太の悪ノリにもうひとテンポ欲しくなるけど、これ以上はわさドラには酷な注文か。最後はイメージ映像なのだからパパやママらが加担する必要はないけど原作はどうだったっけ? どうもわさドラって親とのコミュニケーションシーンが多い気がする。過保護すぎるというか、もっと子供たちのミニマムな世界で完結してほしい。


7月31日「だから、ユーレイは出た」


アニメオリジナルの1話30分回。この前はハブられていたのび太がスネ夫の別荘に呼ばれることに違和感を感じる(笑)。不良の暴走車に腹を立てたり、廃校を守ろうとするなど道徳的な内容。でも砂浜のゴミを全て不良たちのせいにするにいたっては少々偏向的すぎて嫌な感じ。

ちなみに雑用を押し付けられるのび太たちに無関心のしずかちゃんというのはわさドラ仕様ではキツい。せめて一緒に手伝うわとかなんとか言って欲しいなぁ。

話は、肝試し→廃校発見→翌日探検→地元の子供と交流→夜に不良退治という流れ。肝試しが廃校への誘導用でしかないのが少々雑。「幽霊が出ると評判の廃校で肝試し」にすれば、のび太たちも清廉潔白ではなく、最初は不良たちと同じように廃校を見ていたけど考えを改めたという流れがより際立つと思う。どうせやるならもう少し深みが欲しい。

今更ながらドラえもん [2009年11月28日(土)]

30周年企画「心に残るお話30」を終え、間髪空けず「30年後ののび太の町」などというつまらない企画を始めたドラえもんにホトホト嫌気がさし、録画しっぱなしになっていた私。

でも、年末に向けてHDDレコーダーの空きを作っておかなければと一念発起して5月中旬からの分を消化中。せっかくなのでいくつか感想を少々。


5月15日「しずかちゃんが消えた!?」


しずかちゃんが5月生まれということでしずかちゃんをメインに据えた話。原作のないアニメオリジナルとしてはまあまあな出来。冒頭、猫に変身したのび太がねずみを退治する場面で、ねずみが無駄に擬人化されていたりするのはどうも好きになれない。

このねずみ、野良猫が餌としてくわえてくるねずみ(の死骸)も同じようにマンガチックに表現されており、"命"の表現として違和感が凄いことになっている。子供向けのつもりなら魚の骨でもくわえさせればよかろうに。


全体的に無駄にリアクションやエピソードを増やしているのが今のドラ。原作や旧作で10分に収まるような話を無駄に引き延ばして20分に水増ししています。


6月19日「雨男はつらいよ」


原作にある話ながら、晴れ女しずかちゃんをどこでもドアでゴルフ場にお風呂ごと呼んだ場面以降は完全なオリジナル。雨の中、接待ゴルフを成功させるために奮起するのび太の父とのび太の感動物語に成り果てました。

確か原作ではお父さんたちは無事に晴れのゴルフを享受したけれど、その裏ではのび太とドラえもんは怒ったしずかちゃんからお風呂のお湯を浴びせられて「こっちはどしゃ降りだ」といったオチだったはず。ところが本作ではのび太らを前にのんびりお風呂に入り続けるしずかちゃんというトンデモ展開だったり。

藤子先生の描く原作は掲載誌的にも数ページの短編であり、その中に面白さを凝縮する演出・間となっています。言わば俳句や川柳のように余分な部分を削ぎ落とした面白さです。ところが今のドラえもんはせっかく削ぎ落とした贅肉を再び付け足すという愚行を行なっているわけです。


そしてアニメオリジナルエピソードとなると途端に"プチ劇場版"としての感動の押し売り話が多くなります。


6月26日「のび太を愛した美少女」


お風呂の日スペシャルと冠しておきながら内容に全くお風呂が関係ない点でまずアウト。話は「ロボ子が愛してる」の焼き直しに『T・Pぼん』のぼんの歴史への影響要素をパクり、中途半端なターミネーターパロをゴテゴテと加味したもの。玄田声でもないし。

未来の犯罪者たちは本気でのび太たちの命を消そうとする展開なのに全体の描写が日常ドラと変わりないなど色々と酷い。最後は身を挺してのび太を守る美少女ロボット・ルリィという死で感動を作る話。まさに劇場でやれと言いたい。

そもそも最初の映画「のび太の恐竜」が通常の1エピソードから話を膨らませて長編として作られたように「ロボ子が愛してる」を膨らませて映画にしてもいいじゃないか。


TV版は「他愛無い日常」、劇場版は「非日常的な冒険」という不文律がわさドラでは完全に壊されてしまった。


それでもそんなドラえもんを子供が楽しんでいるならいいじゃないかという意見もあるとは思う。それはある意味正しい。しかし、今のドラはドラに似た何かでしかなく、ドラえもんの登場人物を使ったただのアニメでしかないとも思うのです。

30周年などと過去の遺産にすがるくらいなら、製作スタッフにはきちんとドラえもんの本質を見極めて欲しい。今のドラえもんで作りきる気概があるなら30周年などと口にして欲しくない。それが往年のファンとしての正直な気持ちです。

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