園児の列に車が突っ込み……でもマスコミは [2006年09月26日(火)]
(2006.09.27)一部加筆修正しました
埼玉県川口市、公園に向かう園児の列にライトバンが突っ込み、園児2名死亡、14名が重軽傷を負った事故。
ライトバンを運転していた井沢容疑者(37)は「トイレを探して脇道に入った」「助手席に置いたカセットプレーヤーのテープを入れ替えようとして脇見運転をした」「直前で園児の列に気付いてブレーキをかけたが間に合わなかった」と供述。
井沢容疑者は放心状態で顔面蒼白だったという。
業務上過失傷害現行犯で逮捕。
業務上過失致死傷容疑に切り替えて調べを進めている。
目撃者などへのマスコミの取材映像を見ていると「男は酒を飲んでいる風だったか?」「車はふらついてなかったか?」という質問が必ずされていました。
まあ、この風潮ですから取材の中で飲酒の有無の確認は必須項目でしょうが、そうした事実は容疑者の様子を見る限りどうやら無さそうです。
警察が現行犯逮捕した時点で当然その有無は確認しているはずですから、その事実があればマスコミにその旨のレクチャーがされるはずです。でも「容疑者が飲酒運転をしていた」という報道は一切されていないわけですからその事実は無かったということになります。
となると目撃者らへの質問とその答えには全く意味はないはずなのに何故か電波に乗っています。さらには「容疑者は昨夜遅くまで遊んだ後、車の中で仮眠を取っており」「飲酒していたかどうかも含め警察は調べを進めています」というコメントを付け加えてます。
どうにもマスコミは何が何でも飲酒運転と絡めたいようで。それだけならまだしも飲酒運転だったかもしれないという意識誘導さえ行おうとしているようです。う〜ん、恐い。
本当に恐いのは「飲酒運転による事故じゃなければどうでもいい」と思ってしまうこと。飲酒運転のみを仮想敵化する、右へ倣え意識に陥りやすい日本人は特に注意するところです。
ま、せっかくのマスコミの口車です。
私も乗せられて飲酒運転に話を広げるとしましょう。
マスコミのキャンペーンでは様々な話題が取り上げられました。
- 【自動車にアルコール検知器搭載】
- アルコールが検知されたらエンジンがかからない機械を全ての自動車に搭載する案。実際に導入された国地域などの例もありますが、導入には首を傾げざるを得ません。対費用に対して違法改造、対応商品、身代わり等々、抜け道が生まれて終わりです。
- 【店側の厳罰化】
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以前の記事で厳罰化を望んだ私ですが、アルコールを提供した店側をも法対象にすべきだという意見には首を傾げます。
極端な例を挙げれば「隠し味でアルコールを使った料理を食べた人がアルコールに弱くて酔いが回った場合」はどうなるのでしょう。それでも自動車での来店の確認や、料理にアルコールを使用している旨の説明責任を義務化するのでしょうか。
車の客が前提のような郊外型の居酒屋などには、客に飲酒運転をさせないようにする配慮はもちろん必要だと思います。
でも、店に責任を押し付けてお終いというのは我々があまりにも無責任ではないでしょうか? まるで「学校の教育が悪い」と言って家庭でのしつけを放棄している親のようです。
どんなものでも使い方を誤れば事故は起こるという単純な理屈。
今回の埼玉の事故は、運転中の運転以外の動作の危険性(カーナビや携帯電話の使用など)への甘い認識がもたらしたものです。それは飲酒運転への甘い認識と根は同じです。
今回のことでカセットプレーヤーを売る店に自動車内での使用の有無の確認を義務付けろと言う人はいないでしょう。しかし、それは飲酒運転問題における店側の責任に線引きをすることの危うさにも通じる部分です。
風邪薬は風邪をひいてから飲むもので、風邪をひかないために飲むものではないということ。風邪をひかないための健康管理には別の手法が必要ということです。
理想論とも取られかねませんが、重要なのは社会全体が持つ雰囲気=モラルの構築を為すこと。それ無くてはどんなシステムも機能しません。
上記のアルコール検知器の搭載や店側への責任の押しつけなどは飲酒事故に対して先手を打ちたいがため生まれたものでしょう。しかし本当に必要なのは後手であってもひとつひとつの事故をきちんと罰し、酒や車との付き合い方を社会全体でもう1度見つめ直すことではないでしょうか。






