アルタード・ステーツ [2007年09月14日(金)]
●アルタード・ステーツ
- 監督:
- ケン・ラッセル(『チャタレイ夫人の恋人』)
- 出演:
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ウィリアム・ハート(『白いドレスの女』)
ブレア・ブラウン(『ノイズ』)
アーサー・ローゼンバーグ
メイソン・バリッシ
ボブ・バラバン(『ゴスフォードパーク』)
ドリュー・バリモア(『チャーリーズエンジェル』)
外界と遮断された水槽に長時間浸かる実験でトリップ感を覚えた学生が多かったことから、自らの体で実験に臨む学者エリック。そこでは過去のトラウマ等が強烈なイメージとして襲いかかってきた。エリックは心の更なる奥──人間の細胞にある太古の記憶を探ろうと実験に傾倒していく。だが実験は彼の体に影響を及ぼし始めるのだった……。
1979年作品。
幻覚イメージを並べることを楽しんでいるかのような内容。
水槽実験描写で走りきっていればSFマインドは維持していたと思いますが、中盤、メキシコのインディアンがキノコを使ってトリップしていることを耳にした主人公が彼らの地を訪ね、その力によって幻覚を見る段に至っては、ただの麻薬中毒者の心的物語に過ぎなくなっています。
一応、人間の細胞一つ一つには原始(から進化の全て)の記憶が刻み込まれている、という前提が劇中で語られてはいますが、その描写自体が精神に問題がある人間の戯言としか映っていないため、科学的アプローチとは認識しにくい。
結局、全体的にSF的な理詰め描写に欠けるので、麻薬患者の妄想(精神)が肉体に影響を与えているだけというレベルのお話になってしまっているのがもったいない。
異形の物への変身など、実にクローネンバーグ的なモチーフで、『ザ・フライ』などに近いものを感じます。
終盤で、SFなのかホラー(オカルト)なのか境界線が曖昧になってしまっているのはご愛嬌。精神が肉体に影響を与えた結果であれば、それは本人の意思の発露以外で元に戻れるはずもないけれど、そこは愛の力とかなんとか。
マーベルヒーローが誕生しそうな勢いの最後の大オチは正直困っちゃいますが、まあそれも含めて本作の味ってことで(それに問題点はそこだけじゃないですし)。
完成度は高いとは言えないけど(多分に監督のSFマインドの欠如に起因すると思いますが)、とりあえず70年代らしいちょっと変わったB級SFを観たいならどうぞ。






