ミヨリの森 [2007年10月22日(月)]
●ミヨリの森
- 監督:
- 山本二三(『千と千尋の神隠し』美術監督)
- 声の出演:
-
蒼井優 市原悦子 辻親八 キャイーン天野
元ちとせ(特別出演/主題歌)
高島彩 吉崎典子 伊藤利尋 佐々木恭子 松尾翠
(※以上、フジテレビアナウンサー)
母親が家を出て、父親の実家の祖父母に預けられることになった少女・ミヨリ。家庭環境や学校のイジメなどで心を閉ざしていたミヨリは、森の中で幼い頃に出会っていた精霊たちと再会し、徐々に変わっていく。そんな折り、村がダム建設で無くなるという話が浮上し……。
これは昔よく見たオフシアター系で上映される道徳アニメですね。
ここまで露骨に『千と千尋』+『トトロ』+『もののけ』+『ぽんぽこ』な作りとは、よほどフジテレビはジブリコンテンツを欲してるとみえます。まあ、それにしてはキャラデの方向が随分と間違ってますけど。
演出はアニメっぽい方向を目指しているのにキャラデが地味なため噛み合ってません。犬の毛が真っ白になるところなど、もっと漫画的キャラで動いていれば笑えるシーンだったろうに。
根本的に物語の構築が下手。
プロローグは赤ん坊のミヨリがいなくなって、両親、祖父母が探しているところからカメラ上がって、遠目に見える桜の木に包まれるミヨリの姿にタイトルを被せて終わらせる。
その後、10年経過させてのファーストショットは東京の家を出発するミヨリと父の姿を。ここで車に乗り込む前に家を振り返るミヨリの回想として離婚届を挟んで座る両親の姿とかを挿入すれば状況説明がスムーズ。
森を散策し、満開の桜の下で眠り、都会での嫌な思い出を吸われる(ここでは森の精霊はこの1匹で十分)。眠るミヨリを爺ちゃんと白い犬クロが発見。白い犬の名前がクロということに首を傾げるミヨリ。昔、同じ場所でクロが白くなったと話す爺ちゃん。
その夜、捨てたはずの携帯が戻り再び森へ。枯れた桜を前に幼い日の記憶が蘇り、クロが白くなった経緯もそこで判明して納得するミヨリ。
……ってなぐらいの流れを作って欲しいところ。
またミヨリが村の子供にウザイと言った後にフォローなく馴染んでいたり、ガキ大将との対決中、田舎への暴言を吐き続けることに周りの子供たちのリアクションがないのも気になる。
ここでの子供たちの心的描写がしっかりしてれば、泉の女幽霊エピソード以降に生まれたであろう真の交流も生きるだろうに。
ちなみに泉の女幽霊が妙に浮いてるなぁと思ったら、ミヨリに自覚を促すためのただのパーツか。その薄っぺらな扱いが哀れ。
あと問題は声優の質。本作は魅力は足りないけどオフシアター系道徳アニメとしては無難な出来ではあったのに、それすら完全にぶち壊しているのが素人声優陣。
主演の蒼井優もよくないけど、最近何かと話題の芸能人吹き替えとは逆に、声優のギャラを惜しんだ結果のアナウンサー起用がとどめを刺してます。私は特に出番の多い高島彩の棒読みキンキン声が耳障りで仕方なかったです。
某漫画の紅天女のような存在で作品を引き締めるべき《一本桜の精》の声の力の無さも脱力もので、フジテレビアナの中に名前がないからおかしいと思ったら元ちとせという罠。
野暮ったい脚本に野暮ったい演出をして野暮ったい絵に野暮ったい音楽と素人の声を合わせて完成した野暮ったい作品。
一体、何故、山本二三は監督なんてしたんでしょ。






