逃げ得日本 [2007年12月20日(木)]
昨年8月、福岡市「海の中道大橋」で飲酒運転の車に追突された車が海に転落して幼児3人が死亡した事故の裁判に動きが。
検察は元福岡市職員・今林大容疑者(23)に対し「危険運転致死傷罪」「道路交通法違反(ひき逃げ)」を合わせた懲役25年を求刑していたところ、福岡地裁は予備的訴因として「業務上過失致死傷罪」「道路交通法違反(酒気帯び運転)」を追加するよう命じたとのこと。
これはつまり「危険運転致死傷罪(20年)は成立しない。そうすると無罪になってしまうから確実に罪を問える業務上過失傷害(5年)を用意しておいた方がいい」という提案。
昨年、飲酒事故報道が過熱している中、私も感じたことをいくつか書いていましたが、結局、危惧していた結果となるようで虚無感を覚えずにはいられません。
2006/09/12「飲酒運転報道」
2006/09/26「園児の列に車が突っ込み……でもマスコミは」
危険運転致死傷罪の運用に際し、「逃げ得」は当時から指摘されていたことです(逃げている間にアルコール濃度を下げられるため「悪質さ」の証明が難しくなる)。
今林容疑者も事故後逃亡し、友人に用意させた水を大量に飲んだことで、後に測定されたアルコール濃度が「酒気帯び」止まり。飲酒運転を認めながらも「正常な運転ができないほどではなかった」と反論されてはどうすることもできません。
実際にあれだけの事故を起こし、どういう行為がなされたかが分かっていてもなおアルコール濃度うんぬんとは笑止千万ですが、でもそれが危険運転致死傷罪なのです。
しかし、本来は危険運転致死傷罪をアルコール濃度のみで判断すべきではなく、今回のことは福岡地裁のおよび腰にも問題があります。このままこの法律が適用されなければ、もはや危険運転致死傷罪は死に法となることでしょう。
今林容疑者は「泥酔状態ではなく、脇見運転のせい」などと言っていますが、その脇見運転を誘発したのは泥酔であろうがなかろうがアルコールによる判断の遅れによるものです。
酒を飲んで車を運転したという行為(及び逃亡、並びに証拠隠滅)自体がすでに悪質なのです。
だからこそ危険運転致死傷罪などと特例化などでお茶を濁さず、交通事故全体の懲罰見直しこそが必要なのだといい加減分かってほしいものですが、永田町の人たちには何か不都合でもあるのでしょうか?






