新ヤッターマンOPの話 [2008年01月17日(木)]
リメイク版『ヤッターマン』のOPアレンジにガッカリしていたら、実はそこに至る過程でオリジナルを作曲した山本正之さんが半ば騙されたような経緯があったらしく──。
それは山本正之さんがベラ・ボーエンタテインメントHPに寄せた文章「ヤッターマンについてファンのみなさまに報告」で明らかになったそうな(※現在は削除)。
簡単にまとめてみると──
山本氏が最初に聞かされた話では「ヤッターマンの歌」は第一期の9話までで、その後は誰の作品によるものかは未定とのこと。氏が「10話以降は山本正之以外の作家が作った主題歌が流れるのか?」と確認すると、読売テレビ側は「そうです」と答えます。
山本氏が「このお話、成立しません」と言うと、意見交換の後、テレビ側は「わかりました、最後まで山本正之の作品でいきましょう。新曲を作っていただくか、もしくはヤッターマンの歌をクールごとに歌手を変えて」と言うので山本氏も了承します。
この時、制作側はヤッターマンを知らない子供たちをファンにするため、歌手は若い人──たとえばアイドルなど──を起用したいとの提案だったので山本氏は快諾したといいます。
ところが蓋を開けてみれば皆さん周知の「ヤッターマン主題歌を歌いたい有名人募集!」ですから山本氏には寝耳に水です。そうして1本のデモテープが山本氏の元に届きますが、それは若い人などではなく"50代のロックスター"のアコースティックギターのみの演奏で、ところどころメロディーが間違っている代物でした。
そうこうする間に完成したOP曲は、この時、山本氏がデモテープと思い込んでいた録音物のメロディーの間違ったところを直しただけという事態です。
そして製作者側からは「もう放送に間に合いません。これでいきますので」との返答──。山本氏はヤッターマン復活を楽しみにしていた反動から悲壮感が全身に漂い、「もうヤッターマンは切り捨てよう」とまで落胆したそうです(後に氏は自分の迂闊さがいけなかったと思い直し、製作者側とコミュニケーションを密にしようと心に誓ったそうですが)。
YAHOO!ニュース「ヤッターマン主題歌作者 リメイク版の曲に恨み節」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000004-jct-soci
では、この経緯を逆にプロデューサー視点で見てみましょう。
読売テレビ・諏訪道彦氏の日記ブログ「スワッチのアニメ日記」にはこうあります。
新しい「ヤッターマン」のオープニング曲「ヤッターマンの歌」ですが、今回はアニメ史上初?の“主題歌公募”にドーンと応じてくれました世良公則さんと野村義男さんのユニット・音屋吉右衛門に歌ってもらいます。
「山本さん本人に歌って欲しい」「山本さんの声を聞きたい」というファンの声もありますし、山本さんからも「この歌はこうしたい、この人に歌って欲しい」的な意見をもらっていますが、今回は最終的に山本さんの了解もいただき、こちら側で選ばせていただいた音屋吉右衛門に歌ってもらうことにしました。
いずれにしろ「ヤッターマン」の音楽世界では新BGMも含めて新しい「ヤッターマン」のいろんな所で、オリジナルなエネルギーと新しい山本さん色をいっぱいいただきたいと思ってます。
スワッチのアニメ日記
http://www.ytv.co.jp/anime/suwa/back16122.html
……なんとも山本氏が全て快く了承したような書きっぷりです。この「最終的に」って言い回しってズルいですね。山本氏の意見を無視していても嘘ではないんですから。
いかにもな建前的文章ですが、だからといって「今時のオシャレなアニメにしたいから山本節でコテコテにしたくない」みたいな本音を書かれてもそれはそれで気分が悪くなるのでどちらにしてもですが。
ちなみに主題歌公募には「入札」があるそうです。
山本氏曰く「当社ベラ・ボーエンタテインメントに入札に参加する予算があるはずもないし、始めから入札のお誘いも無かった」とあり、より高く付けたところが落とすってことでしょうか。
なんとも劇場版Zガンダムの声優交代騒動と同じ匂いを感じますが、結局、この手の話って作品の知名度だけいただいて中身よりも視聴率さえ稼げればどうでもいいんでしょうな。
現在、YouTubeなどに歌だけを旧版に差し替えている映像が数々UPされていますが、見ていたら思わず泣きそうになりました。だってちゃんとカッコイイんだもの。次々と削除されているようなのでいつまで見れるかはわかりませんが。
YouTube「新ヤッターマンOP山本正之調整版」
http://jp.youtube.com/watch?v=gsGXRPAH04U
YouTube「真ヤッターマンOP2」
http://jp.youtube.com/watch?v=NZ53bmiMoyQ
YouTube「ヤッターマンOP修正(山本正之ver.)」
http://jp.youtube.com/watch?v=q6uim4ssBTM
YouTube「ヤッターマンOP」
http://jp.youtube.com/watch?v=eLUnEU79kaE
YouTube「旧ヤッターマンOP」
http://jp.youtube.com/watch?v=wmLD8sHsIK8
YouTube「【MAD】真・ヤッターマンOP&ED(完成版)」
http://jp.youtube.com/watch?v=7vl0D-5QtcU
見つからなかった時は「ヤッターマン」で検索かけて下さい。
これらを見ると絵は良いんだということがよく分かります。駄目なのはやはり歌なのだと。
山本正之テイスト含めてのタイムボカンシリーズなのに、あのOPに関わった人たちは氏をただの作曲者としか思っていないようで、そこにタイムボカンシリーズへの愛の無さというものが見えて嫌なんですよね。だったらリメイクなんぞするなと。いや、愛がないからこそ安易にリメイクなどと言えるんでしょうけどね。







