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コンスタンティン [2005年02月26日(土)]

●コンスタンティン

監督:
フランシス・ローレンス
出演:
キアヌ・リーブス(『マトリックス』)
レイチャル・ワイズ(『ハムナプトラ』)
ティルダ・スウィントン(『ザ・ビーチ』)
プルイット・テイラー(『モンスター』
ギャビン・ロズデイル


ヘビースモーカーで肺はボロボロの悪魔払い師・コンスタンティン。彼はかつて自己の能力に苦しみ自殺をした過去から死んだら地獄行きが決定している。この世に現れた悪魔を地獄に送り返す日々。しかし彼は感じていた。天国と地獄のバランスが崩れてきていることを……。


いや〜、ものごっつ真面目な作り。
コミック原作で、彼が手にする十字架型ショットガンなどコミックタッチな設定満載なのに、まるではっちゃけるところがない不思議なテンションのオカルトアクション。誤解なきように言っておきますが映像は豪華です。

つまらなくはない。
むしろ面白いとも言える。
でもどうにも琴線に触れない。

生真面目に作っていて遊びがない。同ジャンルでは日本のアニメに近いか。実写の上にあぐらをかかずに緻密に世界観を構築する感じなど特に。その分、画面があまりにもバランスが取れてしまいハッタリ感に欠けたわけだ。ま、こういった映画にもリアリティさを与えるハリウッドパワーには感服ですがね。

とりあえず観て損はないです。
ただ満たされるかどうかは保証できませんけど。
でも意外に過度のハッタリが無い方が一般客には観やすいのかも。ふむふむ。


ちなみにちょいネタばれ注意ネタをひとつ。
ラストは『釣りバカ日誌』とか『課長島耕作』等における「途中の上下関係すっ飛ばしてトップと顔が効くことで一発逆転」的な感じが。まあ、そんな青年誌タイトルを挙げずとも「何故アンタがアイツなんかを気にかけるんだ!?」なんて台詞の関係はよくあるか。

コラテラル・ダメージ [2005年02月25日(金)]

●コラテラル・ダメージ

監督:
アンドリュー・デイビス(『逃亡者』)
出演:
アーノルド・シュワルツェネッガー
フランチェスカ・ネリー
クリフ・カーティス(『ヴァイラス』)


あの「9・11」のNYテロ事件以来、公開延期になっていたシュワちゃん主演作品ですが、最近の主演作の中では久々に面白かったです(1999年『エンド・オブ・デイズ』は手術後の復帰作のため危なげ&キリスト教文化圏でないと実感が薄い内容。2000年『シックス・デイ』に至っては論外)。

この作品の内容が「爆発テロによって家族を殺された男の復讐劇」ということで公開の延期が余儀なくされましたが、それは何もテロを題材にしているためだけではありません。

確かに「NYテロ後の人たちの心情を思って」という側面もあったでしょうが、実際には「映画の中の米政府と現実の米政府の姿勢が相反するため」という部分が強いからではないでしょうか。


劇中ではテロ掃討の直接攻撃を押し進める人間は「危険な存在」として描かれ、米政府の姿勢も「外交のためにはテロの犠牲者は目的のための犠牲=コラテラル・ダメージとして仕方のない事だ」という描かれ方をしています。

しかし、現実ではどうでしょう?
対テロ戦争を急速に押し進めているアメリカがいます。結局のところ、この作品が現実のアメリカの政策と真逆方向に遊離していたための公開延期だったというわけです。

とはいえ、主人公はテロへの復讐に燃え実行に移すのですから現実の米政府と考え方は変わってはいません。まあ、だからこそ公開することも出来たんでしょうな。


前半、テロを行う側にも理由がある描かれ方をしていて、ただのアクション映画ではないと思わせておきながら、後半、結局奴らは目的のためには●●をも犠牲にする人間だという描かれ方にガッカリ。

まあ、病んだアメリカの限界というよりも単純なアクション映画だからでしょうか。テロ要素を抜けば85年『コマンドー』と大差ないので、そういう意味でも久々のシュワちゃんアクション映画を楽しめるかと思います。

コラテラル [2005年02月24日(木)]

●コラテラル

監督:
マイケル・マン(『ヒート』)
出演:
トム・クルーズ(『ラストサムライ』
ジェイミー・フォックス(『アリ』)
ジェイダ・ビンケット=スミス
(『マトリックス・レボリューションズ』)
マーク・ラファロ(『イン・ザ・カット』)


マックスはロスのタクシー運転手。その日もいつもと変わらない1日だった……1人の男を乗せるまでは。その男・ヴィンセントは一晩のドライバーをしてくれればチップをはずむと言う。会社設立資金を稼ぎたいマックスは了承し、その場でヴィンセントの帰りを待っていた。その時、タクシーの屋根に死体が落ちてきた……。


全体がまったりしてるなぁ。
内容は無いわ、間は無駄に長いわ。

冒頭、トム・クルーズが空港で鞄を交換する場面は全く必要なし。どう考えても主人公のタクシー運転手の日常で始まって、そこに客としてトム君が登場した方が緊張感が出るでしょうに。スター扱いの完全な弊害。

いや、そもそも死体が落ちてきた時点でタクシーの客が殺し屋なのだと観客が知ってこその話であって、つまりはトム君自体がミスキャスト。

元からトム君じゃ冷酷な殺し屋にまるで見えないし。トム君は冷酷な中にもウィットな側面を見せる人物を演じたつもりのようですが、ただの2流の殺し屋にしか見えませんて。演技力的に無理なんだからせめて冷酷に徹すればいいのに。


それにしても、どうにも画面に締まりがない。

本作ではロスの夜景をそのまま映そうと全体の80%を高感度のデジタルカメラで撮影。映像的にはその効果が出てなくもなかったですが、どっちかってーと、通常のフィルム撮影と比べておそらく簡易な撮影スタイルにしたかっただけじゃないの〜?なんて穿った見方をしちゃいますな。やっつけ仕事で済ませたろ、マイケル・マン。

地下鉄で死んでいると気付かれない男の話は全く意味なし。まさか伏線のつもりか。つーかオチになってないし。

道中、タクシー強盗連中を軽く撃ち殺すトム君のさまにならなさ。相手の倒れ方は安いC級映画並で見てて痛くない。

中盤のクラブでの大銃撃戦も間延びの極地。そもそも殺し屋が堂々と正面から狙うか? だったら、せめて他の客に流れ弾が当たって地獄絵図になるぐらいしてくれ。

クライマックスのノリはまるで別の映画(某自腹コーナーでの例え、"ターミネーター"は実に的を得てますな)。


何ら社会の暗部を切り取ることもなく、単なるサスペンスアクションに終始している大凡作。観てはいけない!

ゴーストシップ [2005年02月23日(水)]

●ゴーストシップ

監督:
スティーブ・ベック(『13ゴースト』
出演:
ジュリアナ・マルグリース(『ER』)
ロン・エルダード
デズモンド・ハリントン
ガブリエル・バーン(『仮面の男』)


とりあえず、十分楽しめました。
ホラーとしては過不足ない仕上がり。冒頭の過去の惨劇シーンでは久々に人の断面を見れて嬉しかったですし(言葉だけ見ると問題発言だなぁ(笑))。特に「幽霊船」というキーワードに惹かれる人は観て損無しでしょう。

ただ、前半は良かったのに後半で雰囲気が変わってしまい残念でしたね。後半は後半でいいのですが、それなら前半から、もっとノリで爆走する感じで作るべきだと思います。

最後のオチも賛否あるようですが、それは、今作がどういうノリなのか?を把握する序盤〜中盤で、今風のゴシックホラーとして面白く仕上げてくれそうだと期待したのに、終盤では、ちょっと軽いモンスターアクションホラー的なノリに変化してしまったためでしょう。

オチを含め、終盤の展開は方向性として十分アリですから、惜しい!って感じですかね。観客を裏切る展開というものもありますが、これは「上手い裏切り」と言うより長編2作目監督の「出来のバラつき」ですね。

私の場合、監督の前作『13ゴースト』が良くて期待し過ぎた分、残念さが倍増されてる感もあるとは思いますけど。

今作は単なるB級作であれば特上の出来なのは確かです。でも、《ダーク・キャッスル》はそんなレベルで満足していいレーベルではないハズ。とりあえず、私の次回作への期待は変わりませんです、ハイ。


余談。上映後、ロビーで女子高生とおぼしき一団の「あれってパクリだよねぇ」との声が耳に入ってきたのですが、最初は何の事やらさっぱりで。映画館を後にしてしばらく経った頃、やっと、クライマックス描写を某豪華客船映画を真似たものだと言っていたと気付きました。そうかぁ、パクリとお遊びの区別がつかない人だって映画を観るんだよなぁ、と再認識した日でした。

K−19 [2005年02月22日(火)]

●K−19

監督:
キャスリン・ビグロー(『ハートブルー』)
出演:
ハリソン・フォード(『逃亡者』)
リーアム・ニーソン(『ダークマン』)


1961年、ソ連はアメリカへの牽制のために原子力潜水艦《K−19》を強引に哨戒に送り出した。しかし、原潜建造でアメリカに遅れをとっていた焦りから艦の安全性はないがしろにされたまま……。そして、原子炉事故は起こった……。


……泣。
2時間強があっという間でした。

どうも世間的にはアクション的な潜水艦モノと思われている節がありますが、もちろんそんなことはない堂々の戦争ドラマ。正確には戦争じゃないですが(劇中、ソ連軍上層部がこの事故の死亡者を英雄として扱わなかった理由も「戦時中ではない」でしたし)。本当に久しぶりに骨太の戦争映画を観た気分。

しかし「急浮上で氷を割って現れる原潜」「ミサイルの発射実験」等の場面では派手なCGが使われており、内容と少し温度差も感じました。氷を割って艦橋が現れる場面に至っては潜望鏡等が潰れない「嘘」を感じましたし(パンフ内で元潜水艦艦長という人の同様指摘あり)。

それがハリウッド的な派手さを求めた結果なのか思わずやってしまったものなのかは分かりかねますが、本作にはフィックスの画で記録映像と見間違えるような地味な映像の方が効果的だったと思います。


ハリソン・フォード演じる厳格な艦長については、当初、印象としてちょっと弱いかなぁと感じました(井筒監督も某自腹コーナーで「ハリソン・フォード、若手に負けてるやん」と言ってましたが)。

どちらかといえば正義感があって部下に慕われる副長の方がハリソン・フォードには似合うよなぁなどと想像したりもしましたが、後半になって「コネで出世したのでは?」と陰口を言われる微妙な立場の人間だと分かってくると、ハリソン・フォードの醸し出す人の良さがいい具合に見えてくるから不思議です。


「アメリカ万歳」意識に染まっている現在のアメリカで、ソ連側の人間を同じ目線でこれ程までに丁寧に描いた作品が生まれた事に大きな拍手を送りたいです。2003年の映画初めでいきなりの当たり。マジお勧め!

ちなみに、何度か涙する場面があるわけですが、私が最も涙したのは様子を見に来た米軍ヘリに尻を見せる若き乗組員たちの姿でした。

クロスゲージ [2005年02月21日(月)]

●クロスゲージ

主演/脚本/製作総指揮:
キーネン・アイボリー・ウェイアンズ(『グリマーマン』)
監督:
デイビッド・グレン・ホーガン
(『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』)
出演:
ジル・ヘネシー
ジョン・ボイト(『ミッション:インポッシブル』)
エリック・ロバーツ(『暴走機関車』)
ポール・ソルビーノ(『スポット』)
ロバート・カルプ
ウォルガング・ボディソン
サイモン・ベーカー・デニー


元海兵隊員のダンは敵伝令の狙撃命令を相手が子供だったことから拒み、結果誤って上官を殺し死刑判決を受けていた。その移送中、何者かがダンを連れ去った。連れ去った相手は政府が裏で組織した暗殺集団だと言う。ダンはバイオ技術を闇に売る製薬会社社長を狙撃する初任務につくが、先に何者かの手で製薬会社社長の隣にいた大統領夫人が狙撃されてしまう。そう、ダンはハメられたのだ……。


B級にしては見れる仕上がり。
筋書きはありふれた物ながらも手堅く盛り上げる。

原題は『MOST WANTED』。
中盤、犯人として賞金をかけられて大勢の市民に追いかけまわされる場面があったけど、あそこが本作の肝だったのか。取ってつけたみたいな場面だったけど確かに異様な迫力はあった。

ネタとしては『S.W.A.T.』とかぶるけど、どっちが先だったんだろ? どっちも設定を使いこなしてなくてもったいないのは一緒だけど、映像的にはこっちの方が面白いわ。


主演のキーネン・アイボリー・ウェイアンズは、ジム・キャリー(『マスク』)やジェイミー・フォックス(『コラテラル』)らを育てた人気番組のプロディーサーと紹介されてたからパッと見、気付かなかったけど『グリマーマン』でセガールの相棒だった人じゃん。

御年47才というと『グリマーマン』時で37才ぐらいか。その時でも特にアクションができる印象はなかったけど、今回は1人で陰謀と立ち向かえるデキるアウトローキャラを一生懸命演ってるって感じ。


暇つぶしには十分楽しめるアクション映画。

実は本作はテレビ吹替で観たんですが、原音だと演技がもろB級かもしれない危惧あり。正直、山路和弘の声でなかったらショボいかも。他、脇の俳優陣もそう。その辺の評価はさすがにわざわざDVDで借りなおして確認する気にはなれないのでご容赦を。

ちなみに番組冒頭情報から。ジョン・ボイトはアンジェリーナ・ジョリーの父親というのは有名だけど、エリック・ロバーツはジュリア・ロバーツの兄だそうな。ふ〜ん。

キル・ビル Vol.2 [2005年02月20日(日)]

●キル・ビル Vol.2

監督/脚本:
クエンティン・タランティーノ
(『レザボア・ドッグス』)
出演:
ユマ・サーマン(『ペイチェック』
デヴィッド・キャラダイン(『燃えよ!カンフー』)
マイケル・マドセン(『スピーシーズ』)
ダリル・ハンナ(『ブレードランナー』)
ゴードン・リュー(『少林寺三十六房』)


自分を殺したビルと彼の組織のメンバーへの復讐の旅。残るはバド、エル・ドライバー……そして、ビル。しかし、彼女は知らない。死んだと思っていた娘が実は生きていることを。この復讐の旅の終わりに待つものは……。

(※Vol.1最後に流れたVol.2予告で「娘が生きている」との台詞があったのでネタばれじゃないですよね?)


前作同様、タランティーノがノリで作った作品(って元々1本の作品なんだから当たり前か)。やはり彼のお遊びに付き合える人向けなので、まともに映画として評する人がいたらおかしいと思うべし。

ノリで作品規模が膨らみ2作に分割した結果、逆にボリュームが足りなくなったと見えて、1作ごとが冗長になってしまったのも確か。ただ、ノリを支える演出能力はちゃんとあるので、各場面場面では飽きずに観れましたけどね(※一部除く)。

これが1本に仕上がっていたら最高のお馬鹿作品(※褒め言葉)となっていたかもしれないと思うと残念でなりません。想像してみて下さいな。台所での戦いから刀を手に入れて日本での大立ち回り(アニメ挟む)を経てアメリカの片田舎でのドタバタ(カンフー映画挟む)の後にビルの元へたどり着くという1本の映画を。うわ、面白いじゃん。


かえすがえすも2時間半ぐらいで1本にまとめていたらなぁ(単純に2作を繋げても長いだけ)。そもそも「○部作」とかに出来るタイプの作品じゃないんだから。ここが最大の失敗点。それ以外のディティールはむしろ問題ないでしょ。

結論。言ってみれば分割という行為は場面だけを抽出したも同じ。なので、その場のノリだけを楽しむ見方をするしかないです。出来るなら2作を観て1本の作品に脳内変換して下さい。

聞けばVol.3構想もあるそうですが(10年以上先とか)、今回のVol.1、Vol.2という形を無視するならOK。だって今回は2作で1本として見るべきものだから。なので単純に「続編」としてなら往年の「やたらめったらシリーズ化」作品的になりそうなので期待しますよ?

キル・ビル Vol.1 [2005年02月19日(土)]

●キル・ビル Vol.1

監督/脚本:
クエンティン・タランティーノ
(『パルプ・フィクション』)
出演:
ユマ・サーマン(『パルプ・フィクション』)
ルーシー・リュー(『チャーリーズ・エンジェル』)
ダリル・ハンナ(『ブレードランナー』)
ヴィヴィカ・A・フォックス
(『インデペンデンス・デイ』)
マイケル・マドセン(『スピーシーズ』)
栗山千明(『バトル・ロワイアル』)
千葉真一(『風雲/ストームライダーズ』)
大葉健二(『宇宙刑事ギャバン』)

アニメ製作:
プロダクションI.G(『攻殻機動隊』)


4年前、ビル率いる《毒ヘビ暗殺団》に殺された花嫁《ザ・ブライド》。しかし彼女は奇跡的に一命をとりとめた。そして、かつては毒ヘビ暗殺団の腕利きのメンバーであった彼女は自分の夫とお腹の子供を殺した者たちへの復讐の旅に出るのだった……。


まず、冒頭「ショウ・ブラザーズ」マーク&割れた音源に「……確かに奴はオタクだ」と再認識。この段階で離れる客と食い付く客が判別できます。

ミニチュアっぽい飛行機&東京の街並の微妙なチープ感も狙いだと分かる人分からない人。ブラックマスク(字幕のカトーマスクは意訳か?)や、黄色いトラックスーツ辺りの元ネタにいたっては説明不要でしょうが、そもそもああいった物に説明を求めるような人は観てて楽しいですか?

どうも「タランティーノぐらいレンタルしとかなきゃなんて」てな具合で、暴力的だけどオシャレな映画と認識されている一連の作品。しかし、今作はタラちゃんのオタク心のみで作った映画なのでオシャレと思っている人間がいたら私は白い目で見まっせ(『オースティン・パワーズ』を渋谷系みたいに持ち上げていた人間は今回もやってそうだよなぁ)。


今作は各メディアで語られる通り暴力的なのは確か。
でも、それらは既存の作品(※ホラー含む)でも見られるレベルのもの。問題はその暴力表現自体に温度差があること。

クライマックスの青葉屋での大立ち回りなんてのはもはや漫画であってタランティーノがケラケラ笑っているのが目に見えるほどですが、序盤で主人公の頭を撃ち抜く銃弾の痛さとか、トランクに詰められた人間の手を切り落とす痛さなんてのは嫌悪感がつきまとい、私は正直戸惑いました。

この辺りタランティーノが遊びまくった結果であって、それを許せるかどうかで見方も変わるはず(それ以外のオシャレ基準は認めませんてば)。私はその辺りの乖離でちょいと気持ちが離れました。

前半のまともなノリ(あくまでタランティーノ作品として)を面白いと思って観ていると、後半を漫画チックだからの一言では済ませにくいです。最初っから漫画チックであれば割り切れてたんですがね。

そんな中、女子高生用心棒《ゴーゴー夕張》にはときめきましたね。あそこまでアニメっぽいと頭が強引に切り替わります(つーか、あそこだけアニメっぽいのか)。


面白いんだけど結局はパロディ的で上っ面なだけとも言えるし。序盤の「2人目」とのバトルなどは日用品を使う点から香港映画のパロディなのは一目瞭然ですが、あんな動きでは自主映画レベル(西洋人の限界か?単なるお遊びか?)。あちらの文化なら本来ドアを開けたら銃をバーンで終わりなのに〜との思いが頭の中をぐるぐるぐるぐる回りっぱなし。

う〜ん、B級要素をA級的手法でB級のまま映像化したとでも言えばいいのかな? そんなジャンク感をして「それが面白い」という人と「だから最低」という人で評価がまっぷたつに分かれる作品なのは確かでしょうな。

(余談。パンフにウェイン町山(町山智浩)氏とギンティ小林氏の名前がぁ! うむ、確かにこの作品を任せられるのはあなたたちしかいませんわ(パンフはまるで映画秘宝状態だ(笑)))

あと個人的なとこでは、オープニングにKENJI OHBA(スペルはこうでしたっけ?)の名前を見つけてワクワクして待ってたら……そ、そんな役なのぉ? ガッカリ。そもそも千葉さんもウサン臭い寿司屋=実は服部半蔵その人役なのにアクション無しとは如何なものか?(脚本段階では主人公に剣を教える場面もあったそうですがそれでも不十分だいっ)


今作は60年代の日本映画、香港映画、アニメ(ジャパニメーション)、特撮、エクスプロイテーションの数々のエッセンスだけを楽しむ映画……だったはずが、ちょっとまともなタランティーノ味が入ったことで痛さと笑いがない混ぜになってしまった問題作。感情移入せずに観る作品かと。まともなものを期待する人は観てはいけませんゼ。

キリング・ミー・ソフトリー [2005年02月18日(金)]

●キリング・ミー・ソフトリー

監督:
チェン・カイコー《陳凱歌》(『始皇帝暗殺』)
出演:
ヘザー・グラハム(『フロム・ヘル』)
ジョセフ・ファインズ(『恋におちたシェイクスピア』)


何故邦題が「やさしく殺して」ではアカンかなぁと思いつつ観に行きましたが、おっさん率が普段より高かったですねぇ……スケベ(笑)。

でも、オジサン連中はガッカリだったでしょうね。SEXシーンは予告で見たのが全てでR−18にする意味は余り無かったと思いますから。

愛した男が過去の恋人を殺しているかも……
予告ではその葛藤の中で愛欲の果てを描く話という印象でしたが、何のことはない普通のサスペンスに落ち着いちゃっていました。

ラスト等、原作から変更されているそうで、そのせいかは分かりませんがかなりハリウッド的明朗快活さに拍子抜け。期待した自分も悪いんですけどね。

でも期待しなければ普通のサスペンスとして十分楽しめる出来なので大丈夫でしょう。

ギャング・オブ・ニューヨーク [2005年02月17日(木)]

●ギャング・オブ・ニューヨーク

監督:
マーティン・スコセッシ(『タクシードライバー』)
出演:
レイナルド・ディカプリオ(『タイタニック』)
キャメロン・ディアス(『チャーリーズ・エンジェル』)
ダニエル・デイ=ルイス(『ラスト・オブ・モヒカン』)


映画というものは「面白くなさそう」という先入観を持って観ると、意外と面白く感じたりするものですが、本作はそのまんま面白くなかったハリボテ大作。

150億円を掛けて19世紀末のニューヨークを完全再現した大層なセット、大層な衣裳、大層なエキストラの数で、スコセッシ監督とくれば重厚な傑作が生まれる可能性もあった訳ですが、とんだ拍子抜け。


物語の幹が見えないのが最大の難点かと。
もっとレオ様演じるアムステルダムの主観視点で物語を進めれば面白くなったのではないでしょうか?

冒頭、彼の父親とダニエル・デイ=ルイス演じるギャングのボス、ビル・ザ・ブッチャーの争いの場面では、それを見ている子供時代のアムステルダムの心情に迫るべきで、そうすれば青年になった彼が初登場する場面にも感情移入が出来るというもの。

アムステルダムの内面がまるで見えてこなくては、彼がビルに対して父権を感じていく様も見えず終い。そのため最後の対決に内包されるべき2人の心の交差など描かれようもありません。

(だったら、暗黒街の顔役(アル・パチーノ)と若き潜入捜査官(ジョニー・デップ)との友情を描く『フェイク』の方が、立場や年齢を超えた絆というものをしっかり描いているよなぁ)

群衆劇というスタイルでニューヨークそれ自体を描こうとしていたと思うので一概に悪いとは言いませんが、出来ていなくては意味ないです。あの「象」に至っては今作の迷走ぶりがよく分かるというもの。シニカルのつもりだったかもしれませんが、あれでいきなり作品が軽くなりましたし(つーか、あの場面だけ浮いてます)。


観てない人はテレビ放送待ちで十分。まあ、金掛かってんど〜ってな見た目に価値を見出す人ならレンタルぐらいまでの出費はアリ……かな?

しかし、ダニエル・デイ=ルイスがアカデミー主演男優賞にノミネートされてますが何故??? ま、どうでもいいですけど。どんな理由であろうとダニエル・デイ=ルイスが主演ととられた時点で今作は失敗作だと証明されたようなものですな。

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