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ソウ2 [2005年03月22日(火)]

●ソウ2

監督/脚本:
ダーレン・リン・バウズマン
製作総指揮:
ジェームズ・ワン(『ソウ』監督)
リー・ワネル(『ソウ』脚本)※脚本
出演:
ドニー・ウォルバーグ(『身代金』)
トビン・ベル(『ソウ』)
ダイナ・メイヤー(『ソウ』)
フランキーG(『ミニミニ大作戦』)
グレン・プラマー(『スピード』)
エマニュエル・ヴォジエ(『ヤング・スーパーマン』)
エリック・ナドセン(『裸のサンタクロース』)
ビヴァリー・ミッチェル(『ザ・クロウ』)
ショウニー・スミス(『ソウ』)


刑事エリックが急遽呼び出された現場に横たわる死体。それはエリックが使っていた情報屋だった。連続殺人犯《ジグソウ》の仕業。死体にジグソウが残したヒントから隠れ家を発見、詰め寄るエリックの前にモニターが。そこに映っているのはとある一軒家に閉じ込められた男女8人。屋敷内には神経ガスが送られており、命が持つのは2時間だという。そして8人の中にエリックの息子の姿もあった……。


『ソウ』の正統なる続編がたった1年で公開とは。
そりゃ前作が100万ドルの低予算で1億ドルを稼げば映画会社は黙ってないですな。即、続編製作決定。しかし脚本がそんなに早く仕上がるのか?と思ったらそこには裏技が。

前作はネタだけは良かったのに見せ方が下手だったため(私的には)駄作でしたが、続編の本作は出来がいい。何故?と思ったら、前作の監督と脚本家(&出演)は製作に回り、別の監督の手によるものでした。うむ、納得。

元々、本作の監督バウズマンが別作品として書き上げていた脚本を手直しして『ソウ』の続編に仕上げたそうな。前作の監督ワンと脚本家ワネルが関わりソウテイストを織り込むことに成功。これが1年で続編が作れた裏技。


屋敷内に捕われた人間の命の制限時間2時間=映画を観る実時間とほぼ同じという作り。これはサスペンスにうってつけで、私はもう大好物(『ニック・オブ・タイム』とか『パニック・ルーム』とか)。本作では観客がリアルタイムに事件を目撃したからこそラストで愕然とするという仕組みとして見事に機能してます。

今回、ジグソウの過去が本人の口から語られますが、どう理解しようとしても結局は自己満足で世間を逆恨みしているにすぎない。人が生のありがたみを感じないことを悪と切り捨てること自体ナンセンス。人が人として真っ当に生きていれば、それそのものが"生"なのだから。そもそもジグソウ本人だって病気を宣告されて初めて考えたくせに。

しかし、刑事の息子が刑事用の餌にすぎない点はジグソウの理屈の矛盾点。結果が決まっているということはそもそもの被験者ではないということ。なのに、あれだけの目に遭わせるとは単なる犯罪者でしかないではないか。通り魔的な無差別殺人犯としてなら成功してますがね。


あと、ラストで明らかになる○○○は本編にかなりヒントが散りばめられているので気付く人は気付くでしょう(私は、余りにも目に付くので「まさかねぇ」ってな目で観てましたが)。それに関しても所詮、新興宗教的な洗脳に過ぎない。だから恐怖なんですけどね。

とりあえず前作よりもお薦め。
しかし今回、シリーズを重ねた時の矛盾点を無くしたけど、また続編を作る気なのかな?

ソウ [2005年03月21日(月)]

●ソウ(SAW)

監督/原案:
ジェームズ・ワン
脚本/原案/出演:
リー・ワネル
出演:
ケアリー・エルウェズ
(『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』)
ダニー・グローバー(『リーサル・ウェポン』)
モニカ・ポッター(『スパイダー』)


気が付くと老朽化した建物の一室に2人はいた。部屋の対角線上に配置され、その足には鎖が。そして部屋の真ん中には一体の死体。死体の傍らにはテープレコーダーと拳銃。2人は各々のポケットに封筒が入っていることに気付く。アダムの封筒には「聞け」と書かれた1本のテープ。ゴードンの封筒にも1本のテープ、そして、鍵がひとつと1発の銃弾が入っていた……。


うむむむ、どうにも稚拙なテクニックに走って切り込み方が甘いって感じ。

まず、囚われの1人=アダムの演技が安いなぁというのが第一印象。次が、画面に締まりが無いなぁという印象。気になったので映画鑑賞後に即パンフを読み読み……なるほど、本作は監督とアダム役の2人が映画会社に持ち込んだ企画か。2人は「アーティーな映画学校に通っていた」とのことで納得。これはその手の学生映画の自己完結性だわ。


冒頭、アダムとゴードンの2人が閉じ込められた一室の映像は手持ちカメラの揺れる映像ですが、ここからして失敗と言わざるをえない。ライブ感=手持ちカメラ映像という錯誤。まずは安定した映像で緊迫感を高めて、観ているこっちの胃をキリキリさせてくれなきゃ駄目でしょ。そもそもライブカメラ映像とは、その場に"カメラマン"という第三者を感じさせてしまうんですから。

その後、密室の圧迫感で観ている人間の精神をも追い込んでくれるかと思いきや、ゴードンの回想という形で部屋の外のエピソードが繰り広げられてガッカリ。しかも、ゴードンの回想なのにゴードンが又聞きしたであろう他の事件現場の映像も並列に扱われる始末。それはもはや回想じゃないでしょ。

だったら、謎の一室で顔を見合わせたアダムとゴードンの2人を描写した後は「○週間前」とかいって、すっぱりと時間を遡ってしまえばいいのに。様々なことがあった先にあの部屋に帰結し直せば、室内の緊迫感は持続するんですから。

ゴードンの妻娘が事件に巻き込まれる姿も画面に出さずにゴードンの手にある携帯電話から聞こえる声だけの方が良かった。刑事のエピソードと共に視点がアッチコッチに行ってしまい全体が散漫。また、一部カット(椅子の回り込みやカーチェイス等)をコマ落としでチャカチャカ動かすところが目障り。上記した「稚拙なテクニック」の最たる部分ですな。


まあ観ればバレバレのこととして最後に現れる真犯人がいるわけですが、かなりの無理があります。「エンディングを数種類撮るハリウッドの中にあって我々は別のエンディングを撮る必要がなかった」と監督自身は誇らしげに謳ってますが、そんな問題じゃないだろってば。逆に別のエンディングを撮ってくれてた方が良かったワ。

期待外れ。
観るなら自分のレベルを浅〜くして臨んで下さい

セルラー [2005年03月20日(日)]

●セルラー

監督:
デヴィッド・R・エリス(『デッドコースター』
出演:
クリス・エバンス
キム・ベイシンガー(『L.A.コンフィンデンシャル』)
ウィリアム・H・メイシー(『ファーゴ』)
ジェイソン・ステイサム(『トランスポーター』


それは1本の電話から始まった。
俺の携帯電話に見知らぬ女性から助けを求める電話がかかってきた。その数時間前、電話の女性は誘拐されていた。監禁された部屋にあった壊れた電話をなんとか繋いでかかったのが俺の携帯電話だったのだ。女性の話を信じ、警察に向かうが、対応してくれる部署のある4階はなんと"圏外"。一体、どうしたらいい……!?


"『フォーン・ブース』の原案者が電話ネタで考えたもう1本"という謳い文句の作品。あちらが電話ボックスという限定された舞台で展開するのに対し、こちらは携帯電話というアイテムにより街を縦横無尽に走り回る話になってます。

最初このネタを聞いた時は、じっくりサスペンスフルに展開する作品かと思ったんですけど、これがめちゃくちゃ勢い重視な内容で。監督が『デッドコースター』の監督と聞いて、この突っ走り感に納得。ほど良いB級感も味。

視点は、誘拐された女性&犯人、主人公の青年、そして事件を探る退職間際の警官の3つ。それぞれ事件に対して「渦中」「接触」「外側」となってます。これがクライマックスでしっかりと収束していくのは予定調和ながらもいい感じ。

不満は女性の描写がハッキリあること。まあ、キム・ベイシンガーがキャスティングされている段階で仕方ないんですけど。でも、ここは主人公にとって電話の内容が真実かどうか分からないまま展開していく方が観ていて面白かったかなぁ。だって実際には電話の向こうは見えないんだから。


最後のオチは主人公の時間的余裕の無さが描けていれば「おお、その手があったか」と思わせてくれたのに惜しいっ。

十分に楽しめるB級作(褒め言葉ね)。
観て損はないです。

スパイダーマン [2005年03月19日(土)]

●スパイダーマン

監督:
サム・ライミ(『死霊のはらわた』)
出演:
トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
ジェームズ・フランコ
ウィレム・デフォー(『スピード2』)


画面の繋がり等の間違い探しが流行るほどに大雑把な部分も目立ちますが、そんなことが気にならないぐらいめっちゃ面白いです。これはアメコミヒーローの実写映画化作品の中で一番の成功作ではないでしょうか。

サム・ライミ監督が以前撮った『ダークマン』がとてもよく出来たヒーロー物だったので期待していましたが、ここまで突き抜けてくれるとは想像以上です。あれだけのスピード感を持った動きを日本のテレビヒーロー以外で見られるとは思いませんでした。

いかにもなCGキャラにアクションをさせたりもしていますが、そもそもコミックの映画化なんだから下手に現実感を持たせるよりもずっと正解だと思います。

今作の特撮は『ハリー・ポッター』を手がけた所が担当したそうですが納得のCG感(笑)ですね。私は『ハリー・ポッター』の特撮は否定しましたが今作のものは全面的に肯定しますよ。作品の持つイメージに沿っているかいないかが重要なんですから。


『スーパーマン』の成功と失敗の後、永らく停滞していたヒーロー映画が『バットマン』の成功から今日の黄金期を形成しました。ティム・バートン様様です。

とはいえ、その後のヒーロー映画が全て面白かったか?というと正直成功率は低いです。まあ、中にはアメリカ人には受けてるんだろうなぁって作品もありますが。

スタローン主演『ジャッジ・ドレッド』では最後の戦い辺りになるとランニング一丁で殴りあったりしており、ヒーローは単なる前フリ扱い。まあスタローン主演が決まった時点で顔を出さずに作ることは無理でしょうが。

『X−メン』の場合、バットマン的アレンジでデザインされたコスチュームが地味すぎ(ウルヴァリンにマスクが無いことが許せるぐらいに)。アクションのモッサリ感も肌に合いません。アメリカ人がああいうのが好きならもう仕方ないんですけどね。

フィギュアブームの立て役者『スポーン』はその生い立ちの独特さから画面効果は個性的でしたが、やはりアメリカンアクションからの脱却は出来ませんでしたし、逆輸入ヒーロー『パワーレンジャー』は映画用にコスチュームや特撮がパワーアップされ、ロボットをフルCGで表現するという意欲は買いますが、いかんせんメカデザインの履き違いから来るデザインの改悪は脱力物でした。

とはいえ上記の作品郡も嫌いじゃないんですけどね。
唯一、完璧に面白かったのは『ブレイド』ぐらいですか(マスクヒーローじゃないですけど)。2作品の共通点は「スピード感」。やはりヒーローたる者、常人の想像を超えた動きをしてナンボだと思います。


そうそう、今作でも《「感動しました!」CM》は健在でしたが、アノ人たちは恥ずかしくないのでしょうか? 特に「単なるヒーロー物じゃなくてぇ…」などとのたまっていた女性。じゃあ、あなたはどれだけのヒーロー物を観て知っているの?と聞きたいですね。今作は単なるどころかヒーロー物の王道でしょうに。

まあ、実際問題があるのはそのコメントを使って内容を曲解させようとした配給側なんですけどね。もういい加減止めましょうよ、宣伝担当さんたち。

スパイ・ゲーム [2005年03月18日(金)]

●スパイ・ゲーム

監督:
トニー・スコット(『トップガン』)
出演:
ロバート・レッドフォード
ブラッド・ピット


レッドフォードとブラピの師弟コンビ共演で話題の作品ですが、それを期待すると肩透かしをくらうのでご注意を。

内容は捕らえられたブラピがどういう人物かをレッドフォードがCIA作戦本部で説明する回想シーンで構成されているため、直接の共演シーンはその回想の中の更にその一部でしかありません。

しかも2人がきちんと同一フレームに収まっているシーンは数える程しかなく、向き合っているシーンでも後ろ姿ナメのカットの切り返しで構成しているものが多く、別人を立たせているのが一目瞭然です。

冒頭でのブラピが中国の刑務所で失敗し警備員に囲まれるシーンでも「車を囲む警備員」と「車内のブラピ」は別撮りという映像が表すように、この作品は「レッドフォード主演作品にブラピが友情出演している」と認識すれば何の問題もなくまあまあ楽しめる作品かと。でも回想ばかりで現実のドラマの転がりがほとんど無いので飽きますけどね。

そもそも予告などで2人が銃撃の中を走り抜けるシーンも実はレストランに向かうちょっとしたシーンでしかないという「東宝東和マジック」炸裂の代物ですから。

スパイキッズ3−D:ゲームオーバー [2005年03月17日(木)]

●スパイキッズ3−D:ゲームオーバー

監督/脚本/製作/音楽/編集/デジタル撮影:
ロバート・ロドリゲス(『デスペラード』)
出演:
ダリル・サバラ
アレクサ・ヴェガ
シルベスター・スタローン
アントニオ・バンデラス
カーラ・グギノ
ジョージ・クルーニー
スティーヴ・ブシェミ


立体映画は『ジョーズ3』『13日の金曜日3』を偏光レンズ式メガネで観て以来(『キャプテンEO』除く)。あ、学生時代に北海道にツーリングに行った時に富良野で『仮面ライダーBLACK』の立体映画を観たなぁ。これも偏光レンズ式。

なので、まさか赤青メガネの3D映画をこの2003年の世に劇場で観ることになろうとは予想だにしませんでしたよ。前作のハリーハウゼンといい、『スパイキッズ』は監督にとって好きなことが何でも出来るいい素材みたいですね。

赤青メガネで思い出すのは3D映画がテレビで放送されるってんでコンビニでメガネを貰おうと奔走した記憶が……って、しっかりパンフにも書いてあるし(笑)。しかも、あまり飛び出して見えなかった記憶は私だけじゃなかったと分かりひと安心。

そんな記憶もあって赤青メガネでは立体感への不安を抱いていたのですが、今作はめっちゃ立体感を感じてビックリ。どうやらデジタル技術が可能にしたそうですがデジタルをアナログの極みに使うとはさすが。

また、偏光レンズ式に比べ劇場を選ばなくて済む利点があるそうですが、それよりなにより、DVD化された時でも立体映画であり続けられるってのがGOOD!

ああ、何か立体部分のことばかり書いてますな(笑)。


内容は、今回は弟くんが主人公で、世界を救うためにネットゲーム世界にダイブするというもの(ゲーム内が立体映像になっていて「GRASS ON」を合い言葉に赤青メガネをかける段取り)。バンデラスやクルーニーらの豪華競演は友情出演程度ながらもクライマックスの演出には大いに楽しませてもらいました。

今作は立体映画というだけでイベント性がメインの作品なわけで、とにかく飛び出す感を楽しみましょう。逆に立体映像に興味が無い人は観ちゃダメです。

合い言葉は「GRASS ON」!

スパイキッズ2/失われた夢の島 [2005年03月16日(水)]

●スパイキッズ2/失われた夢の島

監督/脚本/製作/音楽/編集/デジタル撮影
プロダクションデザイナー:
ロバート・ロドリゲス(『デスペラード』)
出演:
アレクサ・ヴェガ
ダリル・サバラ
アントニオ・バンデラス(『デスペラード』)
カーラ・グギノ(『ザ・ワン』
スティーヴ・ブシェミ(『アルマゲドン』
マシュウ・オリアリー(『ドメスティック・フィアー』)
エミリー・オズメント
(※ハーレー・ジョエル・オズメントの妹)


うわ……めっちゃ面白いやん、コレ!
一応、予告でハリーハウゼン風の映像を見て「やっぱロドリゲスも好きだったんだ!」とワクワクしつつも、正直、前作が期待した程には楽しみきれなかった身としては今作への不安がどうしても頭にあったんですが…なんだ、心配して損しちゃったじゃん!

前作の功績から「スパイキッズ部門」が組織され、正真正銘のスパイになった2人。そして子供スパイがたくさんいて……ってまさに私が前作に期待した内容!(まあ、スパイキッズたちはほとんどが親もスパイという環境にあるようで、人知れずスパイ活動をしているわけではなさそうですが)

考えてみれば前作は「普通の子供がスパイごっこをする」映画だったわけで、今作こそ真の意味での『スパイキッズ』だと言えるでしょう。


さて、序盤はハイテクスパイツール満載でスパイキッズワールド全開!ですが、中盤からは舞台をハイテクツール使用不能の謎の島に移します。

ああ…もう…この島のノリについていけるかどうかが今作の肝と言っても過言ではありません。『シンドバッド』シリーズをテレビで観て『タイタンの戦い』を大スクリーンで堪能して育った世代としてはもうワクワクしっぱなしですよ。

近年のリアルな様でいて生命感に乏しいCGモンスターたちに寂しい思いをしていましたが、今作のモンスターたちのなんと生き生きしていることか。

分析してしまえば「観ている人間が頭の中でぎこちない動きの間を補完しているから」にすぎないのでしょうが、本作におけるアニメ的なCGモンスターたちのそれは、確実に生命を吹き込まれていると言えるのではないでしょうか。


……かなり映画の話から脱線したような気もしますが何故か脱線していないようにも思えるのは、それがロドリゲスがやりたかったことだからなのかも。

結局、今作は『スパイキッズ』らしい「おもちゃ箱映画」ってことですか? ある意味、真に子供に向けた映画だと思います。

もちろん大人の内にいる子供にも向けられてますよ。

スパイキッズ [2005年03月15日(火)]

●スパイキッズ

監督/脚本:
ロバート・ロドリゲス(『デスペラード』)
出演:
アレクサ・ヴェガ
ダリル・サバラ
アントニオ・バンデラス(『デスペラード』)
カーラ・グギノ(『スピン・シティ(TV)』)
ロバート・パトリック(『ターミネーター2』)


映画の公開期間チェックを1週怠った間に都内では公開が終了してめっちゃショックだった作品。でも、もうどうしても観たかった作品だったので結局埼玉の劇場まで足を運んで観てきました。

あのテーマ曲が頭から離れず、予告の余りのテンポの良さに期待は膨らむばかり。で、実際観た内容はというと期待とは微妙に違いましたがそれでも十分楽しかったです。

まあ、一番のズレは敵のテレビ番組のキャラクター「フーグリーズ」の存在でしょうか。スパイ映画の子供版を期待していたのにファンタジー世界が半分を占めているとは思いませんでしたから(CM、予告からも意図的に外した節がありますね)。

でも、いざ単純な子供スパイの話を考えた場合、大人の世界に縛られてしまい、意外に窮屈に成りかねないのでは?とも思いましたのでこれでいいのかもしれませんね(『キャッツ&ドッグス』の様にそのスパイ世界を構成する住人が同一なら大丈夫ですが、子供が人知れずスパイ組織を運営していたら不自然ですし)。

元々、ロドリゲス監督が子供向けに製作した意図を考えるとこのごった煮感あっての楽しさなんだと思います。

ステルス [2005年03月14日(月)]

●ステルス

監督:
ロブ・コーエン(『ワイルド・スピード』
出演:
ジョシュ・ルーカス(『セッション9』)
ジェシカ・ビール(『テキサス・チェーンソー』
ジェイミー・フォックス(『コラテラル』


近未来、アメリカはテロ対策用ステルスを開発。選ばれた3人のパイロットが演習で十分な結果を出したことで、プロジェクトリーダーのカミングス大佐はもうひとつの計画を推し進めた。それは人工頭脳《エディ》搭載の新型無人ステルス機の実戦テストだった。しかし、ふいの落雷がエディを狂わせた……。


酷い。何が酷いって根本的な物語の立ち位置が酷い。

近未来などという逃げ場所を用意してるけど、アメリカ=ステルス機が勝手に他国に入り込んでミサイル撃ち込んでテロを"するかもしれない"人間を勝手に処刑して回るという恐ろしい計画に、登場人物の誰一人として疑念を抱かない気持ち悪さ。

そう、本作はアメリカが世界各国に対テロ攻撃という名のテロ攻撃をする話。「全世界を破壊するステルスの暴走を阻止せよ!」というコピーは無人ステルス機ではなくステルス部隊全体を揶揄しているのだと、せめて思いたい。いや、思わずにはいられない。

さて、ネタばれ無視で書いていきます。


街の中心部にある一棟のビルだけを攻撃する最初の作戦で、横から攻撃するとビルが倒れて周りの住民に被害が出るからと、主人公・ベンは成功率の低い「真上から急降下してミサイルにスピードを乗せる」作戦を実行。爆撃成功。ビル崩壊の映像はまんま9.11テロの貿易センタービル崩壊のよう。……それでいいの?

その後、やはりパイロットは気を失いかけるがなんとか持ち直してビルの間を急上昇……あの〜、ソニックブームは? 周りの被害は尋常じゃないはずが1コマも描写なし(『パールハーバー』ラストの日本空爆と同じ感覚か)。それ以前にそもそも失敗してたら住民巻き込んで墜落してたわけで。勝手に背負うリスクに意味はない。


核の扱いの軽さはどうにもならんのか。中盤、核を扱う作戦で「今の風向きでは人の住む村に放射能が流れるから中止すべき」などと言っているが、明日は?来週は?来月は?来年は? 核が当たった瞬間だけ風がなければ大丈夫なわけがないのに。

「核の恐怖をちゃんと扱ってますよ」という顔をしながら、所詮は「風が吹かなきゃ隣町は安心」レベルでしかない認識の露呈。他のあらゆるハリウッド映画を観れば、これがアメリカ人全体の共同認識と見て間違いない(現実世界でも劣化ウラン弾を躊躇せずバラまいてるわけだし)。


女性パイロット・カーラは機体が故障してたまたま北朝鮮に落下。不審人物の通報を受けてやってきた北朝鮮軍人から逃走する際に銃を躊躇なく撃ちまくる姿の傲慢さ。そりゃ北朝鮮はあんな国だけど、だからって殺しまくっていいはずがない。そもそも武装した不審人物が攻撃してくれば追跡するのは当たり前の行動でしょ?

しかし、北朝鮮軍人の描写は完全にステレオタイプの悪人集団的。ちょい前まで仮想敵国にしていた中東諸国の軍人描写(『ランボー3』等々)を置き換えただけ。あんなマッチョな北朝鮮軍人なんかいないっての。『007/ダイ・アナザー・デイ』以来の愚行。


人工頭脳・エディがベンと心を通わす描写が浅い。あっさり。淡白。舌っ足らず。ていうか実際は心なんか通わせてない。エディは修理が必要だったから単に利害関係で繋がっただけ。なのに最後はエディが身を挺してベンとカーラを助ける。安いヒューマニズムで泣かせようという魂胆見え見えの展開にゲンナリ。

機械が感情を持って我が身を投げ出すオチにしたいなら、エディは中盤で無関係の人を死に至らしめた(被ばくさせた)ことを悔いていなければならない。その上で「命を守る」ことを理解している必要があるのに。『のび太の海底奇岩城』のバギーの方が100万倍泣けます。


無人ステルス計画が失敗しそうになって、トカゲの尻尾切りを目論むカミングス大佐(と、その上の政治家)もまさにステレオタイプ。ベンが生き残り、裏工作が露呈して、いざ逮捕される段になると「少し1人にしてくれ」と言って銃で自殺するよくある展開。あほくさ。

あと何故か挿入されるタイでのバカンスシーンは無駄。主人公とヒロインの関係はそれ以外の描写で必要十分(ちなみにヒロインの水色の水着を見て「双葉里保?」と思った人、手を挙げて(笑))。他にも冒頭の寿司バーとか、無駄に世界配給前提の作り方をしてることに拒否反応。


良かったのはステルス機の映像だけ。物語はカス。とにかく、よく見る話をツギハギしただけ。本作は『アイランド』同様、米国内で惨敗したそうですがそれも当然かと。とはいえ、米海軍=世界の処刑人という設定への批難があったかは疑問ですが。

観る価値なし。
(※星は全てステルス機の映像に対して)

実はこの映画、始まる前に「この映画はエンドクレジット後にもエピソードがあります。最後まで席を立たずに観て下さい」てなテロップが出ます。私はいつだって最後まで居るので余計なお世話です。でも、わざわざテロップを出すのは珍しいので、さぞかしすごい大オチなんだろうと期待してたんですが……え〜と、書いちゃいますね。エディの残骸の中で人工頭脳部分のランプがピコーンと点きます。終わり。ありきたりにも程があります。

スチュアート・リトル2 [2005年03月13日(日)]

●スチュアート・リトル2

監督:
ロブ・ミンコフ(『ライオン・キング』)
出演:
ジーナ・デイビス(『テルマ&ルイーズ』)
ヒュー・ローリー(『101』)
ジョナサン・リップニッキー(『ザ・エージェント』)
声の出演:
マイケル・J・フォックス(『さまよう魂たち』)
メラニー・グリフィス(『ワーキング・ガール』)
ジェームズ・ウッズ(『ハードウェイ』)
日本語吹替版:
藤原竜也(『ラマになった王様』)
島本須美(『風の谷のナウシカ』)
磯部勉(『カウボーイビバップ/天国の扉』)


前作に比べて更に子供向け映画としての方向にパワーアップした続編。路線修正の善し悪しは取り敢えず置いとくとして、きちんと面白かったです。

前作は「話すネズミが普通に人間社会に受け入れられている」という大嘘を見事について、一種の寓話的に「自分と違う他者を受け入れることの大切さ」を子供に分かりやすく、且つ、大人にも頭ではなく感覚的に理解出来るように描いていました。

しかし、やはり世間的には単なる子供向け映画以上の評価は得られなかったのも事実ですから、今回は思い切って子供向けにシフトしたのも当然の流れですかね。


今作ではスチュアートが自分が他者と違うことに悩みます(もちろんネズミということではなく単に「小さい」ということに)。そんなある日、同じ目線の友達《小鳥のマーガロ》と出会うけれど……。

人を信用すること。
人に信用されること。
人が生きていくために必要な友達の大切さをオーソドックスな物語の中に詰め込んでいます。

それと親にとっては「親は子供に対してつい過保護(手を貸す)になりがちだが、それは見守ることの難しさからの逃避ではないか?」と思わせる部分もありますし、是非とも親子で観て欲しい映画ですね。


それにしても今回は区分は一般映画ですが中身はCGアニメに近いです。前作はCGキャラがスチュアート1人だったのに対し、今作では小鳥のマーガロと大鷹のファルコンが加えられ、且つ、マンガチックな造形。これが前作のノリで作られていればもっと実写風のモデリングがされているんでしょうが。

言わば『トイ・ストーリー』の人間キャラを実写で撮った感じ。観客層を考えれば仕方がないことと分かりながらも、そこを一歩踏みとどまったものも観てみたかったですね。

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