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トリプルX [2005年04月23日(土)]

●トリプルX

監督:
ロブ・コーエン(『ドラゴンハート』)
出演:
ヴィン・ディーゼル(『ピッチブラック』)
アーシア・アルジェント
サミュエル・L・ジャクソン(『チェンジング・レーン』


面白かったぁ。ストーリーとかテーマとか、深みなんてモノとはまったく無縁の壮快アクション映画。

自らの危険なスタント映像をネットで販売しているエクストリーム・スポーツのカリスマ的存在の主人公が、その卓越した能力に目をつけられ、無理やりスパイをやらされるハメに……。


とにかく主人公の描き方が上手い。
序盤、上院議員の車を盗み、あまつさえ橋ゲタからその車ごとダイブしてしまう……というアウトローぶりを見せつけますが、その上院議員もあまり誉められた人物ではないことをスタント撮影用のカメラに向けて喋ることで、それは「天誅」に類する行為のように見えます。

その後、国家安全保障局の強引な「テスト」で単なる筋肉馬鹿ではない判断力と行動力を示し、主人公としての素養を十分持っていると観客を納得させながら話は進んでいきます。この辺りの畳み掛けは他に類を見ません。

また映画冒頭では「敵組織へ潜入するタキシード姿のスパイ」が登場。アイテムを駆使する様など誰が見ても007風の彼は、敵組織=若者文化の中にある現代犯罪事情に潜入するには時代遅れとばかりに殺されてしまいます。

この前フリは必要かつ重要です。どんなに卓越した能力があろうとも「なぜ一般人の、それもアウトローをスパイにしなければならないのか?」を観客に納得させなければお終いですからね。


クライマックスのカーチェイスシーン以降が少々練り込み不足(せっかくの車積装備をもっと活かして欲しかったし、兵器の特性からオチが読めすぎる)で残念ですが、ここまで十分楽しめたので許容範囲。

最近、何故かスパイ映画が増えてますが、今作は痛快ヒーロー路線のトップに立つ快作だと思います(それに最近のハリウッド製品にあって、アメリカ万歳を露骨に掲げていない点も良)。

続編も当然のように作られるそうですが次回ももちろん期待したいですね。

ドリームキャッチャー [2005年04月22日(金)]

●ドリームキャッチャー

監督:
ローレンス・カスダン(『白いドレスの女』)
原作:
スティーヴン・キング
出演:
トーマス・ジェーン(『ディープ・ブルー』)
ダミアン・ルイス(『バンド・オブ・ブラザーズ』)
ティモシー・オリファント(『ロック・スター』)
ジェイソン・リー(『バニラ・スカイ』)
モーガン・フリーマン(『コレクター』)
トム・サイズモア(『レリック』)


子供時代の「ある秘密」を共有する幼なじみ4人組は冬の山小屋に集まるのが毎年の恒例行事。留守番をしていた2人が道に迷ったハンターを助けたことから事件は始まった。男の体に浮き出る赤斑……異常に膨らむ腹……そして遂には……。時を同じくして動き始める軍。その目的は「宇宙人」だった……。


凄ぇ〜。どうやら今作はキングが絶賛しているようですが、キングが好んでいながらまともに出来がいい(笑)。「侵略宇宙人」「超能力」といったベタベタなキーワードが満載ながら、単なる低俗にも堕ちていないという絶妙なバランスで仕上がってます。

キングは『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』といった非ホラー作品群の場合は、まるで別の評価基準があるのか、ことごとくの高評価。ところが、純粋なホラー作品となると好みがめっちゃベタになるんですよね。

有名なところでは、キューブリック版『シャイニング』を本当に心底嫌っているという話がありますが(後にミニテレビシリーズで再映像化を計るぐらい)、キング自ら監督を務めた『地獄のデビルトラック』の低俗なノリを見れば分かる様に、キングはホラー映画というものには高尚さの欠片も求めていないのは明らかでしょう。

今作の製作は上記の2作品を含む非ホラー系キング原作を数々手掛ける《キャッスル・ロック・エンターテイメント》。とはいえ同社は過去に『ミザリー』という傑作サスペンスホラーも手掛けているので別に非ホラー専門という訳ではないのでしょうが、今作の様なキング好みのホラーを作るのはやはり意外でしたね。


主人公らの少年時代の描写が『スタンド・バイ・ミー』風だったりと、ホラーのみならず非ホラーのキング作品をも総括するがごとくの雰囲気。キングファンなら大満足の出来ではないかと。

血ぃドバドバのSFモンスター映画に拒否反応が出ない限り観て損ナシの傑作。

トランスポーター [2005年04月21日(木)]

●トランスポーター

製作/脚本:
リュック・ベッソン(『レオン』)
監督:
ルイ・レテリエ
出演:
ジェイソン・ステイサム(『スナッチ』)
スー・チー
フランソワ・ベルレアン
マット・シュルツ
リック・ヤング


「一、契約厳守」
「一、名前は聞かない」
「一、依頼品は開けない」

それが凄腕の運び屋・フランクのモットー。だが、その日は違った。依頼品の荷物に入っている"人間"をつい気遣ってしまったのだ。荷物は1人の少女だった。そこから歯車は狂いはじめる。行きがかり上、少女をかくまうハメに。しかもその少女は人身売買される人たちを救って欲しいと言う。そこに追手の襲撃が迫る……!


リュック・ベッソンテイストで手堅くまとめられたアクション映画。『TAXi』+『レオン』と思い浮かべれば間違いない。まあ『WASABI』同様、縮小再生産品。でも、ぞんざいな作りの米産C級アクション映画なんぞより段違いに楽しめるので大丈夫……って比較するのが間違いか。

でも難点がひとつ。
主人公が黒のスーツをビシッと決め、逃走用に改造を施した車を駆り、ドライビングテクを駆使してクールに立ち回る!ってなノリが映画前半だけってのは看板に偽りありでは? 後半になるとヨレヨレのシャツでマシンガン片手にコンテナ倉庫の間を走り回り派手に立ち回るとくれば、坊主頭といい、印象はバタ臭いプチ『ダイ・ハード』です。

違いはその長身を活かしたカンフーアクション。見よう見まねというか教わった通りに動いてるだけながらも様になっているのは、さすが元オリンピック代表選手(飛び込み)。この手の香港スタイルはハリウッドではまともに描けた試しがないので、これは本作のアドバンテージ。

とりあえず普通に観れる佳作。タイトルのトランスポーター=運び屋という部分をもっと突きつめれば本作だけの魅力ってものがもう少し生まれたかも。惜しい。

閉ざされた森 [2005年04月20日(水)]

●閉ざされた森

監督:
ジョン・マクティアナン(『ダイ・ハード』)
出演:
ジョン・トラボルタ(『フェイス/オフ』)
コニー・ニールセン(『ハンテッド』)
サミュエル・L・ジャクソン(『チェンジング・レーン』


密林での訓練に出たレンジャー部隊7名が消息を絶った。後日、捜索ヘリの前に姿を現したのはたったの3名。しかもその眼前で1名が殺された……。一体、密林の中で7名に何が起こったのだろうか?

この手の真相探しタイプは好きなので楽しめましたよ。でも、あの大ドンデン返しラストには「いや〜、見事に騙されたなぁ」なんて嘆く気にもなりませんけど。だって、あれではまるで殺人事件の容疑者が集まっている場で探偵が指差した犯人がそこで初めて顔を出した人間だったぐらいの飛躍がありやしません?


一応、「真相を踏まえた上でもう1度観返せば楽しいでしょ?」ということなんでしょうが、それって映画として成立してるのかなぁ? 

ミステリーとは観客の1歩先を進んで惑わせるものであり、それが半歩程度では凡作、追い付かれるようでは駄作となるジャンル。

今作はヒントの散りばめ方に少々難はあるものの、途中までは見事に1歩先を進んでいた作品。でも、真相だけはいきなりの三段跳びかと。

なので、パンフに寄稿している小説家がミステリー小説は読めば読むほど驚けなくなる物と定義した上で、真相を「読めなかった」ことを褒めていますけど、そういった次元とは違うのでは?(確かに擦れたミステリーファンにはあの真相抜きで終わったら並な作品かもしれないので、なんとも言えないところですけど)

とはいえ、ミステリー好きならとりあえず観て損はないかも。騙される快感とやらを体験してみるのも一興かと思います。


それにしても、マクティアナン監督はこういった心理描写には向いてないのでは? 嵐の密林でのアクション描写なんかは逆に妙に生き生きしてしまってて、ミステリーの空気が大分薄まってましたしね。

ドクター・モローの島 [2005年04月19日(火)]

●ドクター・モローの島

監督:
ドン・テイラー(『新・猿の惑星』)
出演:
マイケル・ヨーク(『オースティン・パワーズ』)
バーバラ・カレラ(『ネバーセイ・ネバーアゲイン』)
バート・ランカスター


男は難破した船からたった1人脱出し、とある島に流れ着いた。そこで出会ったのは天才科学者・モロー博士とマリアという女性。男は彼の家で厄介になる中、島の他の住人たちの雰囲気に違和感を感じていた。ある日、その理由が明らかになる。なんと島の住人たちは博士の実験で獣から人間に変えられていた獣人だった……!


『宇宙戦争』のH.G.ウェルズの同名原作を1977年に映画化した作品(※ちなみに本作以前にも『獣人島(モロー博士の島)』の題名で映画化されている)。遂にDVD化され、嬉々として即購入した次第。

うん、今観ても衝撃的。
技術的には今の方が圧倒的に表現力があるはずなのに、1970年代のこの手の作品の方が逆にリアルに感じる不思議。1996年にヴァル・キルマー出演でリメイクされた『D.N.A.』のあまりの出来にガッカリした記憶が蘇るわ。

(ちなみに『D.N.A.』は邦題。原題では『THE ISLAND OF DR. MOREAU』のままだったはず。ま、あんな内容では『ドクターモローの島』を名乗る資格はないですが)


さて、私の興味はラストシーン。
パッケージには「本DVDのエンディングはアメリカ劇場公開バージョンです」の文字。
※以下、完全なるネタばれなのでご注意

中盤でマリアが「この島を出ることは出来ない」と口にしていたことを踏まえて……本作のクライマックスは「男はマリアを連れて小舟で脱出した。長い長い漂流。マリアはぐったりして顔を伏せている。その時、大きな船影が見えた。男は船に向かって大きく手を振る……」というもの。


私が昔に観たこの後の展開は「「助かったぞ!」とマリアを見るが反応しない。心配して近付く男。振り返ったマリアの顔は獣人に変わっていた。そして男に襲いかかり……」というものでした。救助された後も船員たちを襲うのだろうか?などと想像させるラストでした。

しばらくして再び本作を観た時は「「助かったぞ!」とマリアを見るが反応しない。心配して近付く男。振り返ったマリアの顔は獣人に変わっていた」までは一緒。しかしその後は「獣人となったマリアはしくしくと泣き崩れる。呆然と立ちすくむ男……」に変わっててビックリ。

そして三度、本作を観た時は「「助かったぞ!」とマリアを見るが反応しない」まではやはり一緒。しかしその後は「男は船に手を振り続ける。しかしマリアが起き上がることはなかった……」という全くの別物でビックリ。つまりマリアは島を出ると獣人になるのではなく死んでしまうという設定に。

さ〜て、本DVDのアメリカ劇場公開バージョンはどれだろうなぁと観てみたら「「助かったぞ!」とマリアを見る。顔を上げるマリア。男は船に手を振り続ける……」という何も起こらない終わり方であんぐり。え〜っ、4パターンめですか? しかも一番つまらない終わり方だなぁ。


試写の反応でラストを差し替えるハリウッドが生んだバージョン違い(そう考えるとアメリカ人のセンスって……)。それはそれで面白いけど、観たいものを観れるようにDVDには全バージョン収録を切に願います。

ドーン・オブ・ザ・デッド [2005年04月18日(月)]

●ドーン・オブ・ザ・デッド

監督:
ザック・スナイダー
出演:
サラ・ポーリー(『イグジステンズ』)
ヴィング・レイムス(『M:I−2』)
ジェイク・ウェバー(『ザ・セル』)
特別出演:
スコット・ラインガー
トム・サヴィーニ
ケン・フォーレ


説明不要の『ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)』のリメイク作。しかし、邦題の『ドーン〜』はカッコ悪いのでやめて欲しかったなぁ(私にとってのロメロ完全版はあくまで英題の印象)。原題そのままにカタカナにしただけでは芸無さすぎです。

《走るゾンビ》に代表されるように、本作はアクションテイストが強いので、印象としてはゴブリンサウンド炸裂のアルジェント版に近い(ちなみに私はどちらかというとロメロ版が好き)。まあ、今時なら『バイオハザード』的と言った方が通りがいいのでしょうが。


序盤、主人公たちがショッピングモールにあっという間にたどり着いてしまうのがちょっと拍子抜け。さあ、ここからどうゾンビが蠢く町を乗り越えるのか?と思ったら、横の柵を乗り越えるだけ。スピード感重視とはいえオリジナルを知る人間には残念なところですな。

しかも、消費文化の象徴としてのショッピングモールがただの居場所扱いでしかないのも残念。オリジナル版の「異常な環境の中で生活を続ける異様な日常の先の世紀末感」こそがゾンビの肝だと思う私にとっては、まったくもって物足りない。

《走るゾンビ》も激しく襲ってくる分、恐怖も倍増かと思いきや大して怖くない。バッと来てバッと噛んで、ハイ、お終いって感じ。人肉を喰らう描写も皆無なのでゾンビである必要すら感じないほど(そもそも「死体が動き出す」と「死んだ人間が動き出す」ではまるで違うのだ)。

R−15指定という枠内に収めた結果のマイルド感……先の『テキサス・チェーンソー』と一緒や。もはや現代の表現コードの中ではこれ以上は無理なのかも。


社会派の欠片もなく、観終わって残るものも無い。今さら、こんなスタンダードなゾンビ映画を作る必要があったのか甚だ疑問(だから変化としての《走るゾンビ》が必要だったんでしょうが)。とはいえ、別棟の銃砲店店主とのやり取りのような上手いアレンジなど、これはこれで良い部分もあるので、一概に否定するのももったいない作品ではあります。

ゾンビファンとしてはついつい点数が辛くなりますが、単品で観るなら十分及第点。「リメイク=今の人向けに作る」とするなら星1個プラスしてOK。オリジナル版未見なら十分楽しめますよ。

ちなみにエンドロール後にスコット・ラインガー、トム・サヴィーニ、ケン・フォーレの名前が日本語(カタカナ)でわざわざ紹介されてましたけど、一般客には何のこっちゃさっぱりでしょうね。完全にゾンビファン向けの配慮でした(スコット・ラインガーは上映中には気付かなかったもんなぁ)。


リメイク版公開で期待したいのはオリジナル版DVDの再リリース(私、こればっかやな)。どうせなら「リビングデッドBOX」なるもので、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』『同リメイク版』『DAWN OF THE DEAD(ロメロ完全版)』『ゾンビ(アルジェント版)』『ドーン・オブ・ザ・デッド』『死霊のえじき』の6枚組なんてのを期待したいです(出来れば『ゾンビ』は1枚でバージョン切り替えが出来る仕様でテレビ放送版吹替が収録されたら最高!)。淡い期待を込めつつ。

トータル・フィアーズ [2005年04月17日(日)]

●トータル・フィアーズ

監督:
フィル・アルデン・ロビンソン
(『フィールド・オブ・ドリームス』)
出演:
ベン・アフレック(『パール・ハーバー』
モーガン・フリーマン(『コレクター』)
ジェームズ・クロムウェル(『ベイブ』)


ジャック・ライアンシリーズ映画化第4弾。
細かい部分では色々と言いたいこともありますが、全体としては面白かったです。特に核がスタジアムに仕掛けられたと判明してからの東西の緊張が高まっていく感じが良かったです。

映画ライアンシリーズの1作目はショーン・コネリー出演の『レッド・オクトーバーを追え』。ライアン役はアレック・ボールドウィンでしたが、取り立ててライアンが主人公の位置にはいなかった(と思う)作品。

2作目『パトリオット・ゲーム』、3作目『今そこにある危機』はハリソン・フォードがライアンを演じ、ここで初めてライアンを主人公としたシリーズになったと思いますが、原作がまだまだある中で、そもそもハリソンの年齢にも無理があったため、今回は思い切って若返りを計ったようです(確かハリソン主演でもう1作撮る契約があったハズですが)。


今までのシリーズは無かったことにしてライアンは新米CIA情報担当官としてベン・アフレックが演じることになったわけですが………これが似合わない!!

ベン・アフレックはどう見ても筋肉バカタイプにしか見えないですよ(『ハール・ハーバー』でも同印象!)。新米という部分を差し引いても「使えないキャラ」でしょ、アレは。

でも、原作者はお気に入りのようで(だから分かんないんだよなぁ、アメリカ人の感覚って)、この布陣でシリーズは続きそうです。……まあ、成長を期待しましょう。

あと、やっぱり核の扱いが軽い。
こればかりはどうしようもないんですかね?

病院でのライアンの恋人(医者)の偽善的な対応も興ざめ。
次々と大量に運び込まれてくる患者がいる中で、助からない患者に対してスタッフに「出来るだけのことを」と言いますが、そんな安いヒューマニズムかまされても興醒めするだけです。その分の労力を助かるかもしれない患者に向けるべきでしょうに。

「素晴らしきアメリカ」も結構ですが、それ以外が良かっただけに早く正気に戻って欲しいものです。

トゥームレイダー [2005年04月16日(土)]

●トゥームレイダー

監督:
サイモン・ウエスト
(『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』)
出演:
アンジェリーナ・ジョリー(『ポイズン』)


『シェンムー・ザ・ムービー』『ファイナルファンタジー』と、今のところゲーム絡み映画しか扱ってませんが折角なのでわざとやってますですハイ(※当時)。

さて今作品ですが知らない人はいないでしょうが、女性版『インディ・ジョーンズ』というか『ハムナプトラ』ですね。予告はカッコ良かったです。でも実際の本編は……映画ではないです。

いざ振り返って内容を思い出すと単にイベントを並べただけに終始しています。ララ側とライバル側の2つのお宝探しの動きが単にそれぞれでしかなく、しかもあっさりと合流してしまいます。エピソードの蓄積が紡ぎ出す深みなどまるでありませんでした。

ラストにしても何故ララに銃を差し出す必要があるのか私にはわかりません。ララに女性らしくと言っていた執事なら「おしとやかに振る舞うララに感激してお茶の支度をしていたらララに新しい遺跡の情報が入って颯爽と飛び出すいつものララにがっかりしつつも仕方ないなぁという顔をする」ってのが筋でしょう?

では肝心のアクションは?というとこれまた大味。テンションが高いままで緩急がなく平坦。演出ってものを放棄したような感じです。まさかそれが狙いだと言うならもう言うことはありませんけど。

ただ、トゥームレイダーのゲームを1本クリアした気分にさせてくれましたから、ゲーム原作の映画化としてはある意味正しい出来なのかも?

デッドコースター [2005年04月15日(金)]

●デッドコースター

監督:
デヴィッド・エリス
(※様々なメジャー作品の第二班監督)
出演:
A・J・クック(『クールボーダー』)
マイケル・ランデス(『ジャスティス』)
ジョナサン・チェリー(『House of the Dead』)
アリ・ラーター(『ファイナル・デスティネーション』)
トニー・トッド(『キャンディマン』)


前作『ファイナル・デスティネーション』で描かれた180便事故から1年後。奇跡の生還者たちが次々と謎の死を遂げたことも有名な話になっていた。そんなある日、主人公・キンバリーは友人らと自動車旅行に出掛ける。しかし、ハイウェイに差し掛かった時、彼女はハイウェイが地獄と化す《予兆》を見る。「死」の運命が変わった時から運命という名の死神が彼女らの頭上を舞い始めた……。


今度はハイウェイだ!
前作が飛行機事故という集団性で成立させていたネタだっただけに続編をどんな形で作るかと思っていたらそうきましたか。列車事故なんかにしないところに企画の本気を感じます。

いわゆる、話の骨格が同じで登場人物を入れ替えたタイプの続編としてよく出来てます。前作のラストで3人が死なずに今作も続投する続編というのもアリだったかもしれませんが、このシリーズの猟奇殺人犯はマジで《死神》なので、逃れる事は絶対に不可能だと思い知らされて物語が始まる方がやっぱりいいですね。

以下少々ネタバレなのでご注意を。

キンバリーは180便の唯一の生存者・クレアにアドバイスを求めようと精神病院を訪ねながら、けんもほろろに断られる場面があります。キンバリーはクレアを臆病者だと罵り、クレアはその後、意を決してキンバリーの元に現れるのですが……ここが唯一、私が納得出来ないところ。

だって死神に狙われているんですから怖くて当たり前。まずは電話でアドバイスを始めて、にっちもさっちも行かなくなった時に部屋を出るというなら気持ちの流れとして納得出来るんですが。

でもまあ、そんな気持ちの流れなんか気にするような作品じゃないんですよね。今作は「勢い」重視ですから。冒頭のクラッシュシーンで上がったテンションを落とすことなく走り続ける感じで、前作と作りの骨格は同じでも印象はしっかり変わってます。


最後はちょっとブラックジョーク入っちゃってますけど、それも含めてホラー映画好きなら観て損ナシ。でも、そうでない人、特にスプラッター系が苦手な人は決して観ちゃ駄目ですからね〜。

テキサス・チェーンソー [2005年04月14日(木)]

●テキサス・チェーンソー

監督:
マーカス・ニスペル
出演:
ジェシカ・ビール(『ブレイド3』)
ジョナサン・タッカー(『スリーパー』)
エリカ・リーアセン(『ブレアウィッチ2』)
マイク・ヴォーゲル
エリック・バルフォー
R・リー・アーメイ(『フルメタル・ジャケット』)


アメリカを車で旅する5人の若者。ある日、テキサス州の道路上で放心状態で歩く女性を保護することに。しかし、その女性は「あそこに戻さないで」と叫び、遂には車内で拳銃自殺をしてしまう。仕方なく地元の警察に届けようとするが、保安官は製粉所まで来るように指示するのみ。5人の恐怖はここから始まった……。


おおっ、ちゃんと怖いじゃん。ホント、アメリカの田舎ってこんなカルト的で閉鎖的なコミュニティが形成されていそうで怖いですな(私、町ぐるみで悪魔崇拝の『悪魔の追跡』を観てからこっち、アメリカ縦断旅行なんて一生出来ないと思ってる人間ですし(笑))。

観た人全員思ったでしょうが、冒頭&ラストでの「警察の記録フィルム」という手段は、今だとどうしても『ブレアウィッチ』っぽく感じちゃうのがもったいないところ。だったら、ナレーションなんて入れずに記録フィルム映像を流すだけの方が効果的。だって、我々観客は、これは『悪魔のいけにえ』のリメイクだと知っているんですから。

確か、オリジナル『悪魔のいけにえ』が16mm撮影からのブローアップで粒子が粗かったり、繰り返し上映によるフィルム傷で、当時は「スナッフフィルム?」とまで噂された作品だったと記憶しているのですが(違ってたらゴメンなさい)、おそらく、その雰囲気に肉薄させようとした結果が記録フィルムという小道具なんでしょう。

本作の映像は総じてまともなので、屋敷内の汚臭感や気持ち悪さは弱め。ショックシーンがありながらも見せ方は一般映画のパッケージでまとめていて、ホラー映画というよりもサスペンス映画に近い印象。そういう意味ではマイルドリメイク作。それが嫌ならオリジナル『悪魔のいけにえ』を観ましょう。


構成なども特に悪くもなく、冒頭の出来事が最後の最後まで伏線として機能しているところなどは上手いと感じます。観て損はないですよ。

ちなみに今回のリメイク版公開で私が期待してるのが、オリジナル『悪魔のいけにえ』DVDの再リリース。手に入れ損なっているもので(確か以前発売してましたよね?)。是非、本作のDVD化の際は同時発売お願いしまっせ。


P.S. 宣伝では「『悪魔のいけにえ』のリメイク」というキーワードはかなり御法度だったみたいですねぇ。レザーフェイスなんて完全に隠されてましたもん(公開直前にようやく見た記事も恐る恐る触れてる感じでした)。

幅広く客を集めるにはリメイクと宣伝するより「本当にあった怖い話」的なノリの方がアピールできるんでしょうけど、だからといって、テレビの映画紹介で(レザーフェイスを伏せた上で)「実際にアメリカであった事件」だと断言してたのは問題ないのかな? まるでこのまんまの虐殺事件があったかのような印象を与えちゃってて。そりゃ確かに《エド・ゲイン事件》を下敷きにしているという点では嘘じゃないけど……って、どうも私は宣伝に文句をつけることが多いですね(苦笑)。

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