SPIRIT [2006年03月31日(金)]
●SPIRIT
- 監督:
- ロニー・ユー(『フレディVSジェイソン』)
- アクション監督:
- ユエン・ウーピン(『マトリックス』)
- 出演:
-
ジェット・リー(『HERO』)
中村獅童(『男たちの大和』)
ユエツー
ドン・ヨン
コリン・チョウ(『ターゲットブルー』)
ネイサン・ジョーンズ(『ファイナルプロジェクト』)
原田眞人(『ラストサムライ』)
時は1910年9月14日、霍元甲(フォ・ユァンジャ)VS外国勢4人という変則試合が組まれた。中国の外国商会は中国人の反欧感情を鎮めるため「霍元甲の敗北姿」が必要だったのだ。そんな思惑をよそに霍元甲は次々と対戦相手を制していく。彼はなぜそこまでして闘うのか? そこには幼き日の父の敗北姿に始まる悲しい物語があった……。
う、これ書いてたらまたうるうるきちゃった。
「最後のマーシャルアーツ」とリーが本当に言ったか言わないかは分かりませんが、本作がひとつの到達点であることは間違いないです。しかし、それは殺陣がもの凄く激しかったり洗練されていたりアクロバティックだったりということではありません。
心の闘い。
敵に勝つのではない。
己に克つために。
これこそが武道の到達点。
リーの闘う姿に心を見ました。
闘うために闘う拳はただの暴力でしかないのだと、若き日の霍元甲を演じるリーの姿を見れば痛いほどに苦しいほどに胸に突き刺さります。
憂いのある表情が似合うリー。私が『ダニー・ザ・ドッグ』を彼の代表作としたその点についても、本作で遂にリー本人が持つ武道家としてのパーソナリティとの融合まで果たしては、もはや言うことなしの最高傑作です。
霍元甲は1911年《辛亥革命》直前に活躍した実在の人物。ブルース・リー主演の『ドラゴン怒りの鉄拳』でのリーの師匠といえば通りがいいでしょうか。殺された師匠・霍元甲の仇討ちをする陳真の物語。
実はジェット・リーも同作品のリメイク『フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳』に主演。以来、霍元甲の映画を作りたいと思っていたそうな(ちなみにジャッキー・チェンは正統続編『レッドドラゴン(新精武門)』に、ドニー・イェンはTV映画『精武門ドラゴン怒りの鉄拳』に主演しており、ある意味、香港アクションスターの登竜門的タイトルになっているのが面白い)。
霍元甲が実際に日本人に毒殺されたかどうかハッキリしてはいないながらも毒殺説は根強いそうな。これは日本における忠臣蔵と同じで「師匠の仇討ち」というお約束の物語になっているため。
でも本作では向いている方向は180度違う。
復讐の空しさ、争うことの愚かさを説いている。
ちなみに霍元甲の子孫は「本作は事実と違うところが多い」と文句を言っているそうですが、本作はあくまでもフィクションなんだからお門違い。それよりも史実に縛られることより中身(武道の精神)を映画として完成させたことの方が重要だと思いますがね。
格闘トーナメント映画のような宣伝に、ちょい眉に唾しながら劇場に足を運びましたが、良い方向に裏切られてひと安心。世間的にはああいう宣伝でないと客が入らないんだろうから仕方ないけどさ。
ジェット・リー最高傑作。
絶っっっ対にお勧め!
あ、やば、またうるうるしてきた。







