2006年04月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30


ルパン三世/天使の策略(タクティクス) [2006年04月30日(日)]

●ルパン三世/天使の策略(タクティクス)
 〜夢のカケラは殺しの香り〜

監督:
宮 繁之
声の出演:
栗田貫一 小林清志 井上真樹夫
増山江威子 納谷悟郎
松井菜桜子 ホリ
能登麻美子 新井里美
浅野まゆみ 田中敦子


「ブラッディエンジェルス」
現代のアマゾネスと呼ばれる反米テロ組織。
その中にあって"ラッキークローバー"と呼ばれる4人。
レディ・ジョー:ジークンドーの達人
ボンバー・リンダ:爆薬のプロ
ポイズン・ソフィー:毒薬の使い手
辻斬りカオル:妖刀紅桜を使う手練

いきなりルパン一家と敵の1対1の闘い。不二子が格闘しちゃうのは最近のルパンのキャラ造形じゃ仕方ないのかなぁと思っていたら、2番手の五ェ門が囲んだ敵部隊をバッサリ血飛沫あげてぶった切る様に違和感が。直後、逆にバッサリと斬られる五ェ門で全てがフェイクと理解(その後、次元、ルパンの偽物はあっさり殺される)。敵は女4人組。女性キャラ出しときゃいいと思っているのか。うんざり。

宇宙人の標本がそこかしこにある極秘扱いの「エリア51」を警備する銭形部隊にかなりの違和感。そもそもたかが前フリでエリア51を堂々と存在させ、しかも狙いが《オリジナルメタル》などというSF設定とはね。銭形の助手にドジっ子キャラ(エミリー)が配されていて、さらにうんざり。

偽物と入れ替える作戦で機械を操る怪しい博士3人。内1人は五ェ門なのにテキパキとキーボードを操作する違和感。せめて機械に疎くて銭形が怪しむなどのエピソードを挟めばいいのに。逃走時の斬鉄剣万能主義は見飽きた。何故かゲートを閉めろという指示は全てエミリーに出す銭形。エミリーはエミリーで「わかんな〜い」だし。

ルパンの盗みの動機が不二子ってのも芸がない。

その後、オリジナルメタルを狙いに女3人がルパン一家それぞれに近付くけど、冒頭シーンで敵だとバレているので各エピソードが間延びする。自白剤(毒入り)で自白したルパンが嘘をついてたってことは怪しむべきは当のルパンだろうに、次元の後に五ェ門を疑う敵の女、頭悪くないか?

「アメリカの正義」をキーワードにしているが底は浅い。

エミリーはわざとらしすぎて2度目の登場から完全にバレバレ。
最期なんて手垢がついた展開だし。

昨年夏から録りっぱなしでなかなか観る気が起きなかったけど、その通りの駄作。せめてコレ専用に製作チームが1年動ける環境を金曜ロードショー側で用意しない限り、この低迷は続くんでしょうね。

轟轟戦隊ボウケンジャー イトーヨーカドー武蔵境店に現る! [2006年04月29日(土)]

4月29日(土)、イトーヨーカドー武蔵境店で轟轟戦隊ボウケンジャーショーが行われました。ゴールデンウィーク初日ということもあって数多くのご家族連れの姿が。ちなみにこの日は東京ドームシティ・スカイシアターでもショーが始まりましたが、やはり入場料のかからない、こうした地元のショーで済ませられれば助かるといったところでしょうか。



司会のお姉さんのピンチにレッドとブラックが登場!


「イエローは記憶喪失」という設定をきちんと活かし、正体を知っていると揺さぶりをかけてくる敵。


ショーオリジナルの敵だけでなくTVからリュウオーンも参戦。


最後は大勝利。火薬も使われて派手さはありました。


ショーの後はサイン会。レッド以外は横に立って握手&撮影に応じていました。



う〜ん、ショーの出来はイマイチでした。動きがもっさりしててキレがありません。

例年だと夏休みに行われる「サマーフェスタ」のヒーローショーがイマイチで、ヨーカドーのショーは良い出来だったんですけど。今回、呼んだ所が変わったのかな? 中でもレッドのお腹が出てたのが一番のショックでした(泣)。

実は今回、ショーの開催をヨーカドーHPで見つけたんですが、店舗での告知ポスターなどが前日の段階でも見受けられなかったため、中止になったとばかり思ってました。あぶないあぶない。

そういえば昨年はマジレンジャーショーが無かったなぁと思ってたんですけど、もしや、同様に店内告知をしてなかっただけだったとか!?

ローレライ [2006年04月23日(日)]

●ローレライ

監督:
樋口真嗣(『ガメラ大怪獣空中決戦』特技監督)
原作:
福井晴敏(『亡国のイージス』
出演:
役所広司(『THE 有頂天ホテル』
妻夫木聡(『ウォーターボーイズ』)
香椎由宇(『リンダ リンダ リンダ』)
柳葉敏郎(『踊る大捜査線 THE MOVIE』)
堤真一(『着信アリ』
石黒賢 佐藤隆太 ピエール瀧 KREVA


第二次大戦末期、1945年8月6日、広島に原爆が投下された。続く本土への原爆投下を阻止するため、朝倉大佐は日本軍がドイツ降伏後、密かに接収していた「伊号第五O七潜水艦」の出撃を命じた。
その艦長に任命されたのは特攻作戦への反対で左遷させられていた絹見少佐。その他、寄せ集めの乗員70名。伊507の"目"、《ローレライ・システム》の責任者・高須。そしてもう1人、謎の少女パウラ。だが、この出撃には裏があった……。


これはアニメですね。そう、戦記アニメを観る感覚で臨めば楽しいんじゃないでしょうか。私は実写映画を期待していたのでイマイチでしたが。

CGはあくまでリアルなCGアニメの域を超えていなかった。対するライブ部分も芝居をまるで引き出せていない。芝居ではなく画面のコントロールをして作っているのがアニメ(&特撮)の絵コンテ演出者の悪いところ。

これなら人物もアニメかCGにしてフルCGアニメとして作った方が良かった。

ヒロインの絵空事加減はただ者ではない。彼女に付随する《ローレライ・システム》もとんでもないけど。ただ見せ方によってはもう少し地に足が着いたと思う。荒唐無稽さを荒唐無稽のままにリアルに感じさせるアニメとは違うのだと監督には理解していて欲しかった。

ただこの辺、テレビで見かけたメイキング&インタビューの中で、監督は「もっと芝居を撮りたくなった」というような発言をしていたので、これを反省材料に次回に期待したい。

でも『ヘルボーイ』の時も書いたけど、ドイツの科学力ってネタとして使いやすいんだなぁ。


製作費などの諸条件もあったとは思うが、全てをCG処理で済ますのは日本の環境では無理があったと言わざるをえない。ああいうのはハリウッド並みのCGワークがあってこそ。潜水艦外シーンは絶対ロケをすべきだった。合成ショットでは開放感は生まれない。画面を作ることではなく人物の心を演出しようと思えば選択肢は決まっていたはずである。


物語はまあよくある話。映画『戦国自衛隊1549』『亡国のイージス』と並べるとどれも根幹は似たり寄ったりだし。ただし本作に限り福井晴敏は正確には原作ではないらしい(映画用にネタを提供し、自らも小説版を書いたという形)。


さて次回作『日本沈没』は大丈夫かなぁ。
樋口監督の念願だった作品だけに期待したいところですが。

鉄人28号 [2006年04月22日(土)]

●鉄人28号

監督:
冨樫森(『非・バランス』)
出演:
池松壮亮(『ラストサムライ』
蒼井優(『害虫』)
薬師丸ひろ子(『レイクサイドマーダーケース』)
阿部寛(『トリック劇場版』)
香川照之(『北の零年』)
川原亜矢子(『旋風の用心棒』)
中澤裕子(『ピンチランナー』)


太平洋戦争末期に開発が進められていた《鉄人計画》は終戦と共に封印された──。時は移って現代。幼い頃に研究者である父を亡くし、母と2人暮しの少年・金田正太郎は突然現れた黒い巨大ロボット《ブラックオックス》が東京タワーを破壊する様を目撃する。
正太郎の前に現れた1人の老人が正太郎を亡き父の研究所跡に導くと、そこには別の巨大ロボット《鉄人28号》が横たわっていた……。


つまらない。サイテー。
とにかくCGがCGくさい。動きに重さを感じない。
歩行姿勢で重心の移動が一切無いデタラメ。
東京タワーに真横に掴まれる巨大ロボットって何?
腕関節も股関節もピタッと微塵も動かないなんてソフビ人形かよ。

最後なんて鉄人のパンチがゴン、なんじゃその威力の無さはと思ってたらブラックオックスがドタ〜ン。酷ぇ。

げっ、今、パンフを読み直してたら、鉄人らの動きってモーションキャプチャーなの!? あの堅い動きが!? しかも旧鉄人と新鉄人では動きの違いを表現するためにスーツアクターを変えてた!? ハイ、無駄無駄無駄。

着ぐるみで作った方がよっぽど良かったんじゃない?
テレビの戦隊ロボの方がよく出来てるよ。


ドラマ部分も出来損ない。
正太郎が気弱でオドオドしすぎ。
見たものを絶対忘れない「直感像資質」って意味分かんないよ。
しかもそれが鉄人操縦に必要だとはどうしても思えないよ。
そもそも「良いも悪いもリモコン次第」というぐらい、鉄人は誰もが操れる「力」の象徴なのに。
正太郎を『エヴァ』の適合者のような存在にするなんて阿呆以外の何者でもない。

そりゃ「テロ対策専門家は15才でマサチューセッツ工科大学成績トップの美少女」なんてキャラを作るようなセンスだもんね。今時のアニメっぽさにうんざり。そもそも天才少女に見えないし。


あ〜あ、本当にこういうのやめて。

DOOM/ドゥーム [2006年04月21日(金)]

●DOOM/ドゥーム

監督:
アンジェイ・バートコウィアク(『DENGEKI/電撃』)
出演:
カール・アーバン(『ゴーストシップ』
ザ・ロック(『ハムナプトラ2』)
ロザムンド・パイク(『007/ダイ・アナザー・デイ』
ラズ・アドティ(『バイオハザードII』


「被検体が逃げた……至急ここを封鎖しろ」
火星にある研究所からの救助要請。それは研究ラボに残された研究員の救出と現場回復、そして必要に応じた掃討だった。海兵隊特殊部隊の精鋭8名は転送装置《アーク》で火星に飛んだ……。


FPS(一人称視点シューティング)ゲームのパイオニア『DOOM』の映画化。この話を耳にした時には、特徴のないただのSFアクション映画にしかならないのでは?と思いましたが、ここまで見事な映画化を成し遂げるとは。

話自体は実にオーソドックス。「宇宙の密閉された研究所が謎の怪物に襲われ、救出に向かった部隊が1人また1人と殺られていく」……こう聞けば、かの『エイリアン2』を思い出す人も多いでしょう。

独特な転送装置など本作ならではのSF表現で、序盤から観客を引き付けてはいますが中盤までは至って普通の密閉型SFアクション。DOOMでなくてもいいわけです。

本作の魅力はなんといってもFPS画面を堂々と採用している点につきます。終盤、主人公が研究所員の姉を救出に走る場面で一人称の視点に切り替わり、延々とクリーチャーを撃ちまくる。このカタルシスはまさにDOOM。しかもこの一人称視点への切り替わりはドラマ上意味を成しているので違和感はゼロ。実に上手い。

ゲームファンならずとも必見です。
ああ、ウーヴェ・ボル(『ハウス・オブ・ザ・デッド』監督)に爪の垢でも飲ませてやりたい(笑)。

サウンド・オブ・サンダー [2006年04月20日(木)]

●サウンド・オブ・サンダー

監督/撮影監督:
ピーター・ハイアムズ(『タイムコップ』)
原作:
レイ・ブラッドベリ(『華氏451』)
出演:
エドワード・バーンズ(『プライベートライアン』)
キャサリン・マコーマック(『ブレイブハート』)
ベン・キングズレー(『ガンジー』)
ジェミマ・ルーパー
デビッド・オイェロウォ


時は2055年、人類は遂にタイムトラベルを実現した。大手旅行会社《タイムサファリ社》は「白亜紀ツアー」で安全なスリルを客に提供していた……はずだった。
ある日、ツアー成功パーティ会場に、システムの本来の開発者・ソニア博士が乗り込んできた。「タイムトラベルは危険よ!」 その言葉に現システム管理者であるトラヴィス博士は、管理が完璧なら大丈夫だと反論したが、その言葉が現実のものとなる日が来た。異常気象、巨大植物、そして奇妙な生物。過去からの《時間の波》が現代を襲う……。


意外に面白かった。
意外につまらなかった。
意外にチープだった。

本作はB級映画だったのね。ピーター・ハイアムズだし、レイ・ブラッドベリだし、予告映像も良さげだったからA級大作と思ってたよ。

冒頭から登場する白亜紀の映像がひと昔前の屋内セットにしか見えない。その後のツアー成功パーティ会場セットも安い。この辺から「むむ?」と疑念が。その後、屋外シーンが完全にグリーンバック合成で、その背景がひと目で分かる安いCG映像だったことで確信。「この映画に過度の期待をしてはいけない」と。

そしてB級映画を楽しむ姿勢に切り替えて臨むようになると、これがまあまあいける不思議。

実際、タイムトラベルシステムのセットに関してはA級映画レベルの作り込みがなされてるし、後半登場してくる奇妙な生物らの映像はCG臭くない。予算の振り分けが下手なのか、効果的に使ったというべきなのか?


過去が現代に影響を及ぼす過程はちょっと首を傾げてしまうけど、SF小説的な大局設定で面白い。最後のタイムトラベル後の現代に残されたソニア女史の姿なども実に小説っぽいし。

対して展開描写は普通のアクションアドベンチャー的。奇妙な生物が現代に現れてからはまるでゲーム『ディノクライシス』を見ているよう。「何々のために誰々に会って何処々々に移動する」なんてのは、まるでゲームのフラグを立てているが如し。

時間旅行物としての見応えはある。
アクション映画としてだけ楽しむことも可能。
そんな幅広い作りが中途半端な印象になった原因か。


製作のフランチャイズ・ピクチャーズはあの悪名高き『バトルフィールド・アース』を作ったところだそうで、なるほどねぇ。大コケ映画も数多い映画会社みたい。本作もそうなるのかな?

ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女 [2006年04月19日(水)]

●ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女

監督:
アンドリュー・アダムソン(『シュレック』
原作:
C.S.ルイス
出演:
ジョージー・ヘンリー
ウィリアム・モーズリー
スキャンダー・ケインズ
アナ・ポップルウェル
ティルダ・スウィントン(『コンスタンティン』
ジェームズ・マカヴォイ(『ウィンブルドン』)
ジム・ブロードベント(『バンデッドQ』)


第二次世界大戦時、子供たちはロンドンを離れ疎開生活をすることになった。ペベンシー家の4人兄弟も例外ではない。田舎のカーク教授の家に預けられることに。家政婦のマクレディさんの目を盗んで屋敷内でかくれんぼをした末っ子ルーシーは衣装ダンスが《ナルニア》に繋がっていることを見つける。そこは《白い魔女》が永遠の冬の世界にしてしまっている世界。兄弟は誰も信じなかったが、ある日、全員がそこに足を踏み入れることになる……。


これは見事なおとぎ話。
想像していたよりも良く出来てました。

映画としての印象は有り体に言えば『ハリー・ポッター』+『ロード・オブ・ザ・リング』。実際、子供たちが現実世界から扉の向こうの異世界へ行くしね。こちらの原作の方がファンタジーの古典なのだからそれも当然だけど。

『ロード・オブ・ザ・リング』との違いは、異世界が全くの別世界ではなく、現実世界が反映されている点(子供たちが好きなお菓子名やサンタクロースの存在などが異世界でも通用している)。これが本作をおとぎ話たらしめている要因。

戦時下の疎開生活が舞台なのは、原作執筆当時の反映なのだろうと容易に推測。その中にあって平和を願って本作を書いた……とは思いますが、やはり長男が奮い立つ様を見せられては、戦争の終結は自国の勝利によってのみ得られるという考えが根底にありそうな。そうだとしてもそれもまた時代性なので、そう思って観る分には問題ないけど。


映像的には『ロード・オブ・ザ・リング』の後では大人しいけど、おとぎ話としてはこのぐらいの塩梅で十分でしょう。

ちなみにライオンの王・アスランのあの姿は予告で使わないで欲しかったなぁ。展開が読めるじゃん。まあ見てなくてもほぼ読めるけどさ。

最後は一瞬「…えっ?」と思ったけど、ああ、そうなるのか。
この引き方もまたおとぎ話的。

『ロード・オブ・ザ・リング』のように重くなく、『ハリー・ポッター』のようにあざとくなく、素直に観れるファンタジーとして観て損はないかと。


第2章の製作も決定したそうで。原作は未読なので各章の関係性は知りませんが、全7章で2555年の年代記……全部作るのかなぁ?

イーオン・フラックス [2006年04月14日(金)]

●イーオン・フラックス

監督:
カリン・クサマ(『ガールファイト』)
原作:
ピーター・チョン
(『リディック・アニメーデッド』)
出演:
シャーリーズ・セロン(『モンスター』
マートン・ソーカス(『トリプルX』
ジョニー・リー・ミラー(『サイバーネット』)
ソフィー・オコネドー(『ホテル・ルワンダ』)


2011年、人工的に生まれてしまったウィルスで人類の99%が死滅した世界。トレヴァー博士が開発したワクチンによって500万人の人間が辛うじて生き延び、外界と遮断した都市で暮らしていた。 完璧な秩序ある世界。しかし君主のトレヴァー8世は秘密の人体実験をし、その弟は圧政を敷いていた。それに対抗する秘密組織《モニカン》に所属する戦士、それがイーオン・フラックスである。この都市に隠された秘密とは一体……。


おぉ、ネタはきちんとSFしてるじゃん。
生活している世界の根幹を揺さぶるネタとしては『マトリックス』に肉薄するんじゃない?

アクション部分も『マトリックス』の系譜を感じさせながらも、予告・CM等でよく目にした、あの「這いつくばり」「棘になる芝生」「開脚」などで独創性を生むことに成功。どうやらセキュリティを自然物に偽装するというのは映画版のオリジナルだそうなので、これは上手い映像化といえるでしょう。

シャーリーズ・セロンはアクションを頑張っているとは思いますが、キアヌ同様、キレに欠ける感が。ガタイも良くて軽やかさを感じさせるには無理があるのでは? まあでも外国人の目からするとそうでもないのかな?

イーオンの相棒、足を手に改造した南米系の女戦士・シサンドラは個性が強い割には活躍が中途半端だったのがもったいない。でも2時間の映画ではこんなもんか。原作アニメではスマートな白人だったそうで、映画内の人種配分のための変更でしょうか。でも、これは大正解。

ラストが原作に沿っているかは分かりませんが、完結していないであろう原作アニメに比べ、明確な決着を提示していることは映画ならではでしょう。トレヴァーの弟も映画オリジナルキャラだそうだし、こうして見ると、この作品は映画化によるアレンジ部分が魅力になっていますね。


ただ作品としてはSF要素とアクション要素が中途半端な印象。アクション映画としてはアクションが弱いし、SF映画としてはプロップが単純。もう少しどちらかに針を振れば面白いのに。

まあ、マトリックス風な物を求めるなら十分満足できる仕上がりではあるので、興味があれば。

エミリー・ローズ [2006年04月13日(木)]

●エミリー・ローズ

監督/脚本:
スコット・デリクソン
出演:
ジェニファー・カーペンター(『最凶女装計画』)
トム・ウィルキンソン(『イン・ザ・ベッドルーム』)
ローラ・リニー(『ミスティック・リバー』)
キャンベル・スコット(『愛の選択』)
コルム・フィオール(『ペイチェック/消された記憶』


19歳の女子大生、エミリー・ローズ。彼女は悪魔祓いの儀式の後、謎の死を遂げた。そして悪魔祓いを行なったムーア神父が過失致死罪で起訴された。エミリーは悪魔憑きだったのか、それとも精神疾患だったのか? 裁判が進むにつれ、担当の女性弁護士・エリンは神父の無罪を信じ始め、法廷で悪魔の存在を争うことにした……。


くそつまらない映画。
もちろんホラー映画とは思ってなかったけど、法廷サスペンスドラマとして、ここまで出来てないとは思わなかった。

視点の軸が不明瞭。
エミリーの目線の映像と証言者の見た映像と推測の映像がごちゃまぜになっていて、何を見せたいのかがまったくわからない。

このネタを扱うなら「悪魔憑きが存在すると観客に思わせておいて、実際はエミリーは精神的な病気で死んだ」か、「悪魔憑きは存在せずエミリーは精神的な病気で死んだと観客に思わせておいて、実際は悪魔はいる」のどちらかでしょうに(※そこからさらにひっくり返すパターンもアリ)。

本作はこのどちらでもないのですよ。序盤は凡庸な法廷ドラマがぐだぐだ続くばかりで、悪魔憑きが存在するのかしないのか曖昧なまま展開し、争う論点が不明瞭で、エミリーが死んだ原因も真実は伝わってこず、判決が正しいのかどうか判断できやしない。


それで「(裁判の)衝撃の結末」がアレですか。
(以下、裁判結果なので読みたくない人は飛ばして下さい)

結局、悪魔憑きなんて有り得ないから、神父は有罪だけど、彼はエミリーのためを思い、悪魔祓いを信じていたので、この裁判期間を刑の執行に見立て、この場で釈放とする……って、確かにある意味、衝撃だよ。

悪魔の存在を初めて裁判で明らかにしたなんて大嘘を宣伝はよくついたなぁ。「この映画はホラーではない、実話である」というコピーの通りではあるけれど、予告編は恐怖描写ばかりで煽りまくり。それを信じて観た客は2度と映画館に足を運ばなくなるぞ。


観たらアカン。

監督のプロフィールを見ると脚本業がメインのようなので、2度と監督業に手を染めないことを祈るばかりです。

THE MYTH/神話 [2006年04月05日(水)]

●THE MYTH/神話

監督/原案/脚本/アクション監督:
スタンリー・トン(『レッド・ブロンクス』)
出演:
ジャッキー・チェン
キム・ヒソン(『天国からの手紙』)
チェ・ミンス
レオン・カーフェイ(『ツインズエフェクトII』)
マリカ・シェラワット
スン・チョウ(『始皇帝暗殺』)
マギー・ラウ(『香港国際警察』


考古学者ジャックは数カ月前から同じ夢を見ていた。それは秦の始皇帝時代、近衛将軍として妃を警護する自分の姿だった。
そんなある日、反重力を研究する物理学者の友人に反重力に類する言い伝えのあるインドの古代遺跡への同行を求められる。そして忍び込んだ遺跡には謎の隕石と古代の剣と共に、夢で見た女性の肖像画があった……。


秦の始皇帝時代と現代、2つの時代を舞台にしたジャッキー初の大型武侠映画。別に『HERO』『PROMISE』等の後馬に乗ったというわけでもないでしょうが、現代を絡めることでひと味違う作品に仕上がっています。

時代劇オンリーの映画だったらおそらく浮いていたであろうジャッキーを、現代の考古学者というもう1役を演じさせることで自然に見せているのが上手い。企画の勝利です。

ただ、2つの時代の行き来がちょっと大雑把。始皇帝時代に舞台が移る時は現代のジャッキーが意識を失った時限定にするなどして、もう少し2つの時代のリンク具合を綿密に計算していれば傑作になったろうに惜しい。


考古学者という設定の現代のジャッキーなれど、やはり"体力あり"系なので、どうしても《アジアの鷹》(『サンダーアーム』『プロジェクトイーグル』のトレジャーハンター)にしか見えないのがなんとも。

インド古代遺跡内での活劇〜逃走場面は同シリーズの冒頭場面の雰囲気まんまだし、マリカ・シェラワットと繰り広げるドタバタ活劇などはいつもの成龍節だし。

思いきってアジアの鷹シリーズ第3弾の側面を用意するのも手だったのでは?(インディジョーンズシリーズに数でも並ぶしね(笑))


作品としてはクライマックスの○○を荒唐無稽に感じてしまうところが難。でもこれは中国の歴史観が体に染み付いてない身には仕方のないことか。

歴史書「史記」によると、始皇帝は広大な陵墓を建設し、さらにその地下には地下都市とも呼べるほどの宮殿を作っていたという。
等身大の武官像100体、天井に埋められた宝石が形作る夜空、水銀の河川。人魚の脂のローソクが永遠に燃え続け真昼のように照らし、侵入者を撃退する罠も完備していた(※以上パンフより)。

ここまで聞くとかなり眉唾物ですけど、現実に陵墓近くで数千体の武官像類が発見されていたりして、こうした伝説は中国人の間ではポピュラーなネタの模様。他にも始皇帝が不老不死の薬を追い求めていたという話もあり、いわば日本における「卑弥呼伝説」のようなものでしょうかね。

本作はそうした伝説を上手に物語に組み込んでおり、それが結実するのがクライマックスの○○ということ。これを理解してから映画に臨みましょう。


つつがなく運ばれる物語の中で、唯一、違和感があったのが最後の○○でのジャッキーの立ち回り。いつものコメディチックさが"場"の緊張感から浮いてしまっていてもったいない。本筋から外れた場所で繰り広げられているし、必要なかったのでは?

スタンリー・トン監督は『ポリス・ストーリー3』『レッド・ブロンクス』のというよりも『ファイナル・プロジェクト』の、と言った方がいいかも。作品規模が大きくなって散漫な印象を与えるところがそう感じさせる要因ですが、前述2作品が傑作だっただけにこの変化は残念。頑張れスタンリー・トン。


観て損はない……と思う。
ジャッキーの武侠アクションは新鮮ですよ。

P.S. 中国映画になってからのジャッキー映画の公開状況は厳しいまま。今回は『香港国際警察』の時よりか少しはマシながらも上映回数が少なかったりして、やはり1日中上映している有楽町まで足を運ぶはめに。しくしく。

| 次へ
trackback Blog by isao.net