2007年02月
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第27回ゴールデンラズベリー賞 [2007年02月28日(水)]

●第27回ゴールデンラズベリー賞

最低作品賞:『氷の微笑2』

最低主演男優賞:
マーロン・ウェイアンズ&ショーン・ウェイアンズ
(『Little Man』)
最低主演女優賞:
シャロン・ストーン(『氷の微笑2』)
最低助演男優賞:
M・ナイト・シャマラン
(『レディ・イン・ザ・ウォーター』)
最低助演女優賞:
カーメン・エレクトラ
(『Date Movie』『Scary Movie4』)


最低監督賞:
M・ナイト・シャマラン
(『レディ・イン・ザ・ウォーター』)
最低脚本賞:
レオラ・バリッシュ(『氷の微笑2』)
ヘンリー・ビーン(『氷の微笑2』)


最低スクリーンカップル賞:
ショーン・ウェイアンズ&ケリー・ワシントンかマーロン・ウェイアンズ(『Little Man』)
最低リメイク・盗作賞:『Little Man』
最低序章・続編賞:『氷の微笑2』
最低ファミリー映画賞:『RV』


おぉ、劇場スルーした『氷の微笑2』が最低作品賞&最低主演女優賞を獲っちゃったかぁ。う〜ん、だったら観に行けば良かったわ。もはやラジー賞目当てに作ったような作品だもんなぁ。

なにより『Little Man』とか日本未公開作が受賞しちゃうと面白味に欠けちゃうんで良かったです。こういうビッグネーム(の続編)が賞に絡むと単純に楽しいわぁ。

今回は作品賞・主演女優賞含む6部門ノミネートの『ブラッドレイン』をちゃんと劇場で観れたことが収穫だったかな(苦笑)。受賞にいたらなかったのは残念。いや〜、あれもかなりの代物だったんだけどそれほど『氷の微笑2』は強敵なのか?


『氷の微笑2』7部門
(作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞・カップル賞・序章続編賞)
『Little Man』7部門
(作品賞・脚本賞・監督賞・主演男優賞×2・カップル賞・リメイク盗作賞)
『ブラッドレイン』6部門
(作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞)
『Wicker Man』5部門
(作品賞・脚本賞・主演男優賞・カップル賞・リメイク盗作賞)
『ウォルト・ディズニーのサンタクローズ3』5部門
(主演男優賞・助演男優賞・カップル賞・序章続編賞・ファミリー映画賞)
『レディ・イン・ザ・ウォーター』4部門
(作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞)

今回、シャロン・ストーン以外のビッグネームは、主演男優とカップル賞ノミネートのニコラス・ケイジ(『Wicker Man』)ぐらいかな(ちなみにカップル賞ノミネート対象の「ニコラス・ケイジ&熊の着ぐるみ」「シャロン・ストーンの両側に垂れ下がった胸」というのは毎年あるネタ的候補ですな)。

作品では、助演女優賞で『スーパーマン・リターンズ』(ケイト・ボスワース)、リメイク賞に『ポセイドン』『ピンクパンサー』、序章賞に『テキサス・チェーンソービギニング』がノミネート。う〜ん、『ポセイドン』は個人的には好きなんだけどなぁ。まあ、オリジナルとは別ベクトルで作られてるんで仕方ないか。


今年からリメイク賞と続編賞が分けられたのは、現在、そういった作品群が増えていることへの皮肉なのかも。それぞれ「盗作賞」「序章賞」が付随しているのは特定の作品用ということで(『Little Man』は1954年のバッグス・バニーの『Baby Buggy Bunny』の盗作(パクリ)という理由でリメイク賞を受賞したらしい)。

あと毎年、新設部門がうんぬん言われますが、大抵はそれ自体がネタな中、今年の「ファミリー映画賞」はちゃんと定番化しそうな感じ。逆に今までなかったのが不思議なくらいで。まあ、それほどまでにジャンル向けに作られる映画というものが増えたからでしょうか。


さてさて『氷の微笑2』と『レディ・イン・ザ・ウォーター』は自分の目で確認しなくちゃね。早くレンタルになれ。

日曜朝のヒーロータイム [2007年02月25日(日)]

先週『獣拳戦隊ゲキレンジャー』が始まったことでテレビ朝日の日曜朝7:00〜9:00に新番組が勢揃い。同局のHPなどを見ると4作品まとめて「日曜朝のヒーロータイム」と称してますね。ヒーロー系はまず観ることにしてますが、前後のアニメは初回チェックしてみないとね。


『古代王者恐竜キング/Dキッズアドベンチャー』
(テレ朝/朝7:00)
『甲虫王者ムシキング/森の民の伝説』に続いてセガの同題名アーケードカードゲームをアニメ化。

今回は原作ゲームのカードシステムを反映したド直球な内容になってますね。熱血、クール、女の子という主人公チームや、タイムボカンシリーズの3悪党のような敵キャラなど実に判りやすい作り。個人的には『〜森の民の伝説』の優しい雰囲気が好きでしたが、子供はこういう明朗快活な内容の方が好きなのかも?

ちなみに製作がサンライズで主人公の声が松元恵でバトルシーンがCGだと、つい『激闘!クラッシュギアTURBO』を思い出す私です。


『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(テレ朝/朝7:30)
今回のテーマは「拳法」ということでヒーロースーツはまるでブルース・リーのトラックスーツ。腰ベルトのないデザインは写真で見た時はちょっと不安だったけど、いざ動くと違和感をあまり感じなかったのでOKです。

レッドがまるでターザンというかアマゾンライダーな野生児なのに日本語ペラペラなのは今時のヒーローでは仕方ないのかな?

2話目で登場の巨大ロボも格闘戦を繰り広げるのは新鮮。でも実況入りはちょっと微妙な。しかもハエ役が石田彰って声の使い方間違ってますから(笑)。


『仮面ライダー電王』(テレ朝/朝8:00)
あの〜、コレ、面白いんですけど。関俊彦さんの声がいいのかな。ライダーがめっちゃキャラ立ちしてます。「俺、参上」「俺、再び参上」「俺、ようやく参上」の三段活用(笑)にはメロメロですよ。

モードチェンジは『仮面ライダークウガ』の焼き直しと思いきや、憑依したイマジンの人格に支配されちゃうとは想定外。でも、主人公の性格が変化する程度だったらあそこまでいいキャラにはなってないでしょうねぇ。現段階では主人公はただの素体だけど、こうなるとそれはそれでアリです。

桃が割れたマスクデザインも最初に写真で見た時はどうかと思ったけど立体で見ると意外と良い。最近は格好いいデザインの範疇というものが狭くなりがちな中、オリジナリティなラインで勝負してるって感じで好印象。まあ仮面ライダーというブランドにこだわる人には受け入れ難いのも分かるので、あとは肌に合うかどうかですね。


『YES!プリキュア5』(テレ朝/朝8:30)
「ふたり」という縛りを排除して完全なるセーラームーン化を果たしましたね。まあシリーズとしては当然の成り行きかも(『ふたりはプリキュア』で既にコンセプトに中身が追い付かず、続く『〜Max Heart』では1人増員して無理が生じ、『〜Splash Star』では主人公を一新して初心に帰ったら同じような内容になってたし(子供向けとしては否定はしませんけどね))。

視聴者の感情移入度合いを考えるとキャラ分類が5人ぐらいは必要なことはセーラームーンやどれみのヒットで分かっていたわけで、ようやく製作陣も吹っ切ったということでしょうか(初代プリキュアを残してこの路線に移行してたら画期的だったけどなぁ)。

[追記1]最終回だけ録っておいた『〜Splash Star』を見たら、確か途中敵だった女の子2人が味方になって一緒に戦っていた。実はシリーズを重ねる毎に2→3→4→5と順調に人数を増やしていたとは……!

縛りをなくしたことで無理がなくなり実に観やすい。各キャラの決め台詞もいい感じで「夢見る乙女の底力〜」などのベタさ加減は好みです(個人的にはキュアルージュの「純情乙女の炎の力〜」が好きだったりして)。


日曜朝のヒーロータイムと括るだけあって今年は当たり年かも。
うん、しばらくは4作品とも観ていこうかな。

[追記2]……などと思っている矢先、『恐竜キング』は3話目にして演出・作画が破綻してきた。ちょっとアレはないなぁ。セガ絡みなので出来るだけ見ていたいんですけど、私、脱落するかも。

ストリートファイター [2007年02月22日(木)]

●ストリートファイター

監督/脚本:
スティーヴン・E・デ・スーザ(『ダイ・ハード』脚本)
出演:
ジャン=クロード・ヴァン・ダム(『ハードターゲット』)
ラウル・ジュリア(『アダムスファミリー』)
ウェス・ステューディ(『ジェロニモ』)
ミンナ・ウェン(『ER』)
カイリー・ミノーグ(『ムーラン・ルージュ』)
澤田謙也(『デッドヒート』)


内戦の続く東南アジアの国《シャドルー》。独裁者バイソン将軍は人質を取り、身代金200億ドルを要求してきた。連合軍司令官ガイル大佐はバイソンに通じるサガットという武器商人の元にスパイを送り込み、バイソンの秘密基地の在り処を探る計画を立てる。一方、バイソンを仇と狙うTVリポーターの春麗も闇の武器取引会場に潜入していた……。


『デッド・オア・アライブ』から、つい格闘ゲームの実写映画化としては本作を思い出してしまうということで、これを機に観返してみた次第。

1995年公開作品で、当時、私は劇場に足を運んでいます(苦笑)。確かに出来がいいとは決して言えない映画ですが、でも嫌いじゃなかったりして。もちろんそれはB級的な完成度の低さへの愛だったりしますけどね。


ヴァン・ダム主演ということでガイルが主人公なのは仕方なし(というかアメリカではガイルこそがメインキャラなのかな?)。問題は彼に比べてその他のキャラがあまりにもおざなりなこと。どうにも物語が先にあって、そこに各キャラを無理やりハメこんだ感じです。

リュウ&ケンは完全にチンピラキャラとしてこの手のハリウッド映画におけるコメディリリーフコンビと化してしまっているし、春麗はオバサンで何故かTVリポーターだし、カメラマンはバイソン(※)だし、TVクルーはハワイアンな本田だし、ダルシム&ブランカの「とりあえず出しました」感などなど、原作ゲームとは似て非なる人物設定に脱力必至です。

(個人的には、春麗はゲームCMでコスプレしていた水野美紀に出演して欲しかったとどんなに思ったことか)

ただでさえ多い登場人物を処理しきれない中、何故か映画オリジナルキャラとしてキャプテン・サワダなる日系人キャラを増やす謎。日本市場へのサービスのつもりかもしれないけど、だったらリュウをきちんと描いてくれ。

そもそもベガ(※)役がラウル・ジュリアなのも謎。似てるというほどでもないし格闘家イメージにもほど遠い。今となっては「た〜か〜の〜つ〜め〜」にしか見えません(苦笑)。

(※本作の基礎知識として、海外ではキャラ名が一部異なっていることに注意。ベガ→バイソン、バイソン→バルログ、バルログ→ベガと、まるで三すくみのような名称変更。イメージしやすいように本文中ではオリジナル名称で記してます)


ただし、キャラの改悪を抜きにすれば脚本自体はそれほど酷くない……というかなんの捻りもない話。悪の秘密組織VS世界連合軍という単純な図式。そこにTVリポーター・春麗(と仲間たち)と、詐欺コンビ・リュウ&ケンが絡むだけ。

本作をC級足らしめてるのは演出や物語の紡ぎ方が平板で平凡なところ。後半の集団戦闘描写のなんとダラダラしてることか。

監督のスティーヴン・E・デ・スーザは『48時間』『コマンドー』『ダイハード』『フリントストーン』『ビバリーヒルズコップ3』『ジャッジドレッド』といった作品群を手掛ける売れっ子脚本家で、本作が劇場監督デビュー。とはいえ以降は『エクソシスト/トゥルーストーリー』(TV)ぐらいしか監督していないようで、まあ、さもありなんですな。

「ビデオゲームの大ファンなんだ。ゲームの脚本も書いたことがある」とは本人の弁。でも、だからといってゲームの世界を映像化する手腕を持っているわけではないという当たり前。

ちなみに彼は『ノック・オフ』でヴァン・ダム作品の脚本を再び手掛けてますが、やはり脚本だけやってる方が向いてると思います。う〜ん、『シークレット・ウインドウ』のデヴィッド・コープといい、どうしてこう監督業に手を出そうとするんでしょうねぇ。


ま、絶対にお薦めは出来ませんが、もし観る機会があったなら、ガイルのムーンサルトっぽいキックや、登場キャラが揃ってゲーム画面の勝利ポーズをとるラストカットなど、ヴァン・ダムがガイルのコスプレをしきった瞬間として微笑ましく見てあげましょう。

デッド・オア・アライブ [2007年02月21日(水)]

●デッド・オア・アライブ

製作:
ポール・W.S.アンダーソン(『エイリアンVSプレデター』
監督:
コーリー・ユン(『トランスポーター』
出演:
デヴォン青木(『ワイルドスピードX2』
ケイン・コスギ(『ゴジラ FINAL WARS』
ホリー・ヴァランス
ジェイミー・プレスリー(『沈黙のテロリスト』
サラ・カーター(『デッドコースター』
ナターシャ・マルテ(『エレクトラ』)
エリック・ロバーツ(『クロスゲージ』
コリン・チョウ(『SPIRIT』


《デッド・オア・アライブ》(以下、DOA)は世界最強のファイターを決める大会。忍者の里の姫・かすみは、昨年、同大会に参加したまま行方不明の兄・ハヤテを捜すため、抜け忍となり大会に参加する。同じように女子プロレスチャンピオンのティナ、女泥棒のクリスティーたちも大会の招待状を受け取っていた。南海の孤島《ドアテク・アイランド》でDOAを主催する科学者ドノヴァンの目的とは……!?


おぉ?面白いよ、コレ。

原作ゲームファン(一応、私も『2』までプレイしてます)には、デヴォン青木のかすみは欧米顔のあやね共々どうにも受け入れ難いでしょうが、映画としてはDOA世界の再現に成功していると思います。

だって本作は見事にエクスプロイテーション映画風に仕上げられてるんだもん(ちょっとセクスプロイテーション寄りか?)。


エクスプロイテーション映画とは、金儲け(観客から搾取すること)だけを考えて作られる低予算ジャンル映画。大抵、有名ヒット作の二番煎じで、内容説明が「○○みたいな」で片が付く作品を思い浮かべれば正解(例:「ジョーズみたいな」「ダイハードみたいな」)。

中でも本作は金髪ボイン姉ちゃんのゆる〜いアクションとバズーカ抱えたマッチョ兄ちゃんの活躍を描く『グラマーエンジェル危機一髪』とかああいう作品の系譜ね(最後のボート上のカップル描写とか、まさにそんな雰囲気になってるし)。

もちろん本作の場合はコーリー・ユン監督なだけあってアクションはきちんと作り込まれており、製作費もそれなりに掛けてあるので、本気のエクスプロイテーション映画とは一線を画してるので誤解無きよう(あくまでもそれ風に作っているということ)。

原作ゲーム『DOA』自体、『バーチャファイター』『鉄拳』が構築した3D格闘ジャンルに「乳揺れ」という売りを乗っけたエクスプロイテーションの方法論で作られたような作品なわけで、それよりなによりエロビーチバレーゲーム『DOAX』の見事なセクスプロイテーションっぷりには異論はないでしょ?

(『DOAX』といえば劇中にビーチバレーシーンが無意味に用意されてましたが、アレってやっぱり確信犯でしょうねぇ)

それでいてあくまでも作り込み(システム)はしっかりしているという共通点。本作は『DOA』を取り巻く環境すべてひっくるめた本質そのままに映画化した作品と言えるかもしれません。


ちなみに、同じく格闘ゲームの映画化としてジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『ストリートファイター』を容易に想起しますが、あちらの敗因はストーリーを主題に据えたこと。

それに対して本作は格闘アクションに特化した舞台を用意して成功させてます。さすがは『モータルコンバット』『バイオハザード』を仕上げたポール・アンダーソン。ゲームの映画化というものを心得てますな。


格闘ヒロイン映画としてしっかり楽しめます。
キャスティングで食わず嫌いするのはもったいないですよ。

余談。個人的にはケインがハリウッド映画で活躍する姿を見ることが出来て嬉しいです。やはり『カクレンジャー』から観続けてますからね。あとはアメリカでどれだけ認知されているかが気になるところ。「往年のニンジャスター、ショー・コスギの息子」で「パワーレンジャーのオリジナル番組に出演」ぐらいは知っていてほしいなぁ。次回作はジェット・リー作品らしいのでますます期待ですね。

ロードキラー [2007年02月20日(火)]

●ロードキラー

製作/脚本:
J・J・エイブラムス(『M:I:III』
監督:
ジョン・ダール(『アンフォゲタブル』)
出演:
ポール・ウォーカー(『ワイルド・スピードX2』
スティーブ・ザーン(『ナショナル・セキュリティ』)
リリー・ソビエスキー(『グラスハウス』)


大学生ルイスは同じく帰省する幼なじみのヴェナを途中で拾う大陸横断ドライブの計画をたてる。さらにその前に警察に拘留されている兄フラーを引き取ることになった。フラーはちょっとした悪戯心から無線でトラックドライバーをからかっていたが、それを本気にした1人のトラックドライバーは2人の車を執拗に追いかけはじめた……!


うわ、こりゃいい拾い物したぞ。
見事なホラー映画を楽しめました。

前半はスピルバーグの『激突!』を彷佛とさせますが、まず、ここで負けてません。顔の見えないトラックドライバーとのやりとりにトラック無線を使うアイデアが上手い。直接会うことはなく、さりとて接点が設けられます。

じっくりと恐怖感を蓄積させることで追う者と追われる者の関係性を成立させた『激突!』を評価することはやぶさかではありませんが、かといって比較して本作を貶める必要はまるでありません。

無線というエッセンスで「暴走トラック」という色褪せたシチュエーションに新たな息吹を盛り込んだことを評価しましょう。

ちなみに私はTV吹替版で見たんですが、トラックドライバーの声を担当する銀河万丈氏が、不器用で一般常識に欠ける人物像というものを見事に演じていて恐怖感倍増でした(DVD版では吹替キャストが違っているようなのでそちらは判断しかねますが)。


本作の評価を難しくしているのが、ひと山越えて幼なじみのヴェナと合流して以降の後半。

サスペンスで始まった本作はここからホラーに変化していきます。
(※以下、ちょいネタバレ注意)

「犯人は何故主人公たちの居場所を知り得るのか?」という根本的な謎がどうしても解けないこともあり、サスペンスを期待した観客を面食らわせることは間違いないでしょう。

後半は一転して都市伝説的なモンスターホラー作品として観なければいけません。引きのある終わり方などはまさにその典型で、この殺人鬼は今もアメリカのどこかを走り続けているのです。

これを一粒で二度美味しいと感じられるか。
ここが評価の分かれ道。


まあB級はB級なんですけど面白いB級。『アンフォゲタブル』の監督と知って納得。さすが通り一遍なジャンル分けでは収まりませんね。あと、やはりJ・J・エイブラムスはこういうアイデア勝負の作品の方が向いてるんじゃないでしょうか。

ホラー嫌いでないなら一度お試しを。

第30回日本アカデミー賞 [2007年02月17日(土)]

●第30回日本アカデミー賞

最優秀作品賞:
『フラガール』
優秀作品賞:
『明日の記憶』
『男たちの大和 YAMATO』
『THE有頂天ホテル』
『武士の一分』
最優秀監督賞:
李 相日《り・さんいる》(『フラガール』)
優秀監督賞:
佐藤純彌(『男たちの大和 YAMATO』)
中島哲也(『嫌われ松子の一生』)
三谷幸喜(『THE有頂天ホテル』)
山田洋次(『武士の一分』)


最優秀主演男優賞:
渡辺謙(『明日の記憶』)
優秀主演男優賞:
オダギリジョー(『ゆれる』)
妻夫木聡(『涙そうそう』)
寺尾聰(『博士の愛した数式』)
役所広司(『THE有頂天ホテル』)
最優秀主演女優賞:
中谷美紀(『嫌われ松子の一生』)
優秀主演女優賞:
檀れい(『武士の一分』)
長澤まさみ(『涙そうそう』)
樋口可南子(『明日の記憶』)
松雪泰子(『フラガール』)
最優秀助演男優賞:
笹野高史(『武士の一分』)
優秀助演男優賞:
大沢たかお(『地下鉄に乗って』)
香川照之(『ゆれる』)
佐藤浩市(『THE有頂天ホテル』)
松山ケンイチ(『デスノート前編』)
最優秀助演女優賞:
蒼井優(『フラガール』)
優秀助演女優賞:
蒼井優(『男たちの大和 YAMATO』)
富司純子(『フラガール』)
もたいまさこ(『かもめ食堂』)
桃井かおり(『武士の一分』)


新人俳優賞:
須賀健太(『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』)
塚地武雅(『間宮兄弟』)
速水もこみち(『ラフ』)
松山ケンイチ(『男たちの大和 YAMATO』)
蒼井優(『フラガール』)
檀れい(『武士の一分』)
山崎静代(『フラガール』)
YUI(『タイヨウのうた』)
話題賞俳優部門:塚地武雅
話題賞作品部門:『フラガール』

最優秀アニメーション作品賞:
『時をかける少女』
優秀アニメーション作品賞:
『あらしのよるに』
『ゲド戦記』
『ブレイブストーリー』
『名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌』


最優秀脚本賞:
李 相日/羽原大介(『フラガール』)
最優秀美術賞:
松宮敏之/近藤成之(『男たちの大和 YAMATO』)
最優秀撮影賞:
長沼六男(『武士の一分』)
最優秀照明賞:
中須岳士(『武士の一分』)
最優秀録音賞:
松陰信彦/瀬川徹夫(『男たちの大和 YAMATO』)
最優秀編集賞:
小池義幸(『嫌われ松子の一生』)
最優秀音楽賞:
ガブリエル・ロベルト/渋谷毅(『嫌われ松子の一生』)
協会特別賞:
鈴木和幸(映画美術特殊工作)
会長特別賞:
故 伊福部昭(音楽)
故 今村昌平(監督)
故 田村高廣(俳優)
故 丹波哲郎(俳優)
故 永山武臣(松竹)
会長功労賞:『LIMIT OF LOVE 海猿』企画チーム
岡田茂賞:株式会社ロボット

最優秀外国作品賞:『父親たちの星条旗』


映画関係者4376名の会員投票で決定する日本アカデミー賞。
2006年は21年ぶりだかで邦画が洋画の興行収益を上回った年だそうで、そのおかげか今年は例年に比べタイトルの一極集中がありませんでした。その点は非常に良かったですね。

(ノミネートを"優秀賞受賞"と言ってはばからないことだけは受け入れられませんが)

番組としては、ステージインタビュアーの南海キャンディーズ・やまちゃんがあまりにも堅くなっちゃってて正直見ていられなかったです。新人賞を獲った相方のしずちゃんとの絡みトークを期待しての抜擢なんでしょうが、持ち味の"例えツッコミ"がまったく出ず、間を悪くするばかりでした。

それにしても会場にいる俳優陣は共演者インタビューで話を振られるんだから、もう少し受け答えを用意しといてあげて下さいな。そんな中、監督賞発表直後に三谷幸喜が酒をあおってうなだれるという小芝居は"らしく"て面白かったです(笑)。

今回、音が出ない等の放送トラブルが多かったですが、それ以前に授賞式番組としてグズグズなので、別段問題なし。

今回、日本アカデミー賞30周年企画として「映画ファンが選んだ名場面コレクション」を合間合間に放送。1978〜2007年の作品からテーマ別アンケート調査したそうですが、正直「?」な結果。

テーマは「涙」「絶叫」「ビンタ」の3つ(最初の画面にはあった「キス」は前述の放送トラブルで時間が足りなくなりカットされた模様)。でも、あの順位が本当に獲得票数通りだとすると私はちょっとピンとこないですな。


今回、主演は男優・女優ともに思った通りでした。ていうか主演女優というものがハッキリしていたのって中谷美紀ぐらいでは? 他はキャスト名が最初にくる女優って感じ(まあ毎年のことですが)。どうも邦画(※大手映画会社作品)では女性主人公映画って少ない気がするけど気のせいですか?

今年から新設されたアニメ作品賞の扱いが小さかったのが残念(ジブリ作品が獲ってたら長々とやったかもしれないけど)。しかし『名探偵コナン』をノミネート……あ、優秀賞でしたっけ、にしちゃうってのもどうかなぁ(まあ『ゲド戦記』の方がアレだけど)。無理に5作品選ぶ必要はないのではなかろうか。

あと外国作品賞はやはりという感じ。日本が舞台だしさ。優秀作品賞は『クラッシュ 』『ダ・ヴィンチ・コード 』『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 』『ホテル・ルワンダ』でしたが、『ダ・ヴィンチ・コード』が入っている時点で底が知れてます。


あ〜、でもなんか久しぶりに納得する結果を見れた感じがします。とはいえ相変わらず会長功労賞とかで邦画興収1位『LIMIT OF LOVE 海猿』をフォローしたりする「持ち合い賞」は健在ですけどね。あと亡くなった人に賞をあげても意味がないんで。評価するべき人はきちんと生前に評価して下さい。

映画ファンが選んだ名場面コレクション [2007年02月16日(金)]

※第30回日本アカデミー賞授賞式番組内企画

■ ベスト・オブ・涙 ■
遥かなる山の呼び声('80)
高倉健
(監督/脚本:山田洋次)
千年の恋 ひかる源氏物語('01)
天海祐希
(監督:堀川とんこう)
いま、会いにゆきます('04)
竹内結子
(監督:土井裕泰)
学校II('96)
吉岡秀隆
(監督/脚本:山田洋次)
おはん('84)
吉永小百合
(監督/脚本:市川崑)


■ ベスト・オブ・絶叫 ■
蒲田行進曲('82)
松坂慶子「あんたぁ〜!」
(監督:深作欣二)
GO('01)
窪塚洋介「おぉおおお!」(※飛び蹴り)
(監督:行定勲)
八甲田山('77)
北大路欣也「天は我々を見放した」
(監督:森谷司郎)
鬼龍院花子の生涯('82)
夏目雅子「なめたらいかんぜよ!」
(監督:五社英雄)
世界の中心で、愛をさけぶ('04)
森山未來「助けて下さい!」
(監督/脚本:行定勲)


■ ベスト・オブ・ビンタ ■
家族ゲーム('83)
松田優作
(監督/脚本:森田芳光)
あげまん('90)
津川雅彦&大滝秀治
(監督/脚本:伊丹十三)
家なき子('94)
安達祐実
(監督/脚本:細野英延)
Wの悲劇('84)
薬師丸ひろ子
(監督/脚本:澤井信一郎)
鬼畜('77)
緒形拳&岩下志麻
(監督:野村芳太郎)

Service Temporarily Unavailable [2007年02月15日(木)]

そこかしこで見かける「Service Temporarily Unavailable」というメッセージ画面についての記事……良かった、僕は一人じゃないんだ……ということで、私もご他聞に漏れず最近頻繁に遭遇してます。

私はログイン時にたまに
「Service Temporarily Unavailable」

ログインして足跡等を見ようとする時に5割の確率で
「Service Temporarily Unavailable」

記事をUPしようとすると3割の確率で
「ID・パスワード入力画面」

入力して再ログインしようとすると3割の確率で
「Service Temporarily Unavailable」

──てなぐらいでしょうか(※注:確率は体感によるもので実際の数値とは異なります(笑))。

記事が消えた(UPしたのに反映されなかった)ことは1回だけ。直接入力はしていないので実害はありませんでしたが。

先日にいたっては友達登録承認の際に発生して、その影響なのか全然ネットワーク欄に反映されず焦りまくりました。「全ての友達を見る」をクリックすればそこでは登録されてるのに……もはや何がなんやらでパニック状態でしたよ(現在は解消)。


Service=サービス
Temporarily=一時的に
Unavailable=利用できない
それに続く文言が「一時的にサーバーメンテかキャパに問題が発生したことが原因なので時間を空けてもう一度うんぬんかんぬん」ということなので、これはサーバーに負荷が掛かっているということでしょうか。

ISAOにはなんとか早い対応をお願いしたいですね……って、この記事をUPする前、映画感想をあげた後、星取り一覧の更新をしようとしたらやたらとハネられまくりましたぁ。うわぁ、ホント早いトコなんとかしてぇ。

完全犯罪クラブ [2007年02月14日(水)]

●完全犯罪クラブ

監督:
バーベット・シュローダー(『絶体×絶命』)
出演:
サンドラ・ブロック(『デンジャラス・ビューティー』)
ベン・チャップリン(『レジェンド/三蔵法師の秘宝』)
ライアン・ゴズリング(『タイタンズを忘れない』)
マイケル・ピット(『ヴィレッジ』)


金持ちの息子で人気者のリチャードと、頭はいいが気の弱いジャスティン。世間的にはまるで接点のない2人だったが、実は密かに完全犯罪を計画する仲だった。そして犯行は実行された。森の中で見つかる死体。女刑事キャシーは死体に残された手がかりから浮かび上がる容疑者に疑問を抱き、リチャードとジャスティンに疑惑の目を向けるのだった……。


非常にかったるい内容でサスペンスでもなんでもないですね。

「完全犯罪クラブ」という邦題は出色の出来ですが、いかんせん内容がともなってません。タイトルで期待して観ると、その似て非なる内容にガッカリすること間違いなしです。

クラブと比喩するにはあんまりな高校生2人の犯行。
完全犯罪と呼ぶには大してレベルの高くない計画。
頭脳担当と実行担当の関係性の緩さ。

犯罪の進行と日常生活における2人の心理描写の推移こそが本作のキモだというのにまるで締まりがありません。


そして最大の問題は、この緩い犯罪ドラマに加え、事件を追う女刑事に必要以上のパーソナリティを与えて物語を散漫にしたこと。

本作は、命に価値を見いだせない現代の若者が犯す犯罪こそを主題とするべきなのに、過去のトラウマで精神を病んでいる女刑事の物語が割り込んできてはグダグダになるのも当然。

この女刑事のドラマが事件の推移とリンクでもしていればまだ救いもありましたが、これがまるで無関係。しかもラストカットは女刑事の個人的エピソードで幕……って、これじゃ高校生2人の犯罪はただの当て馬じゃん。

(ま、原因は主演のサンドラ・ブロックが製作総指揮もしているせいだろうけど)


冒頭にクライマックスの1シーンを先に見せる作りが、まったく効果的に働いていない。もっと仰々しく、丁寧に見せた上で、犯罪の共犯関係を観客に錯誤させ、2人の「契り」が成立していると感じさせる必要があるのに。

2人の精神的結びつきとその崩壊を描かなければ、ラストでの犯罪計画を主導する立場と感化される立場の逆転に驚愕も納得もできやしない。(←一応ネタバレになるので伏せ字)

監督は『ルームメイト』『絶体×絶命』のバーベット・シュローダーなのに、今回はなんでこんなに出来が悪いんだろ。あ、そもそも脚本がアカンのか? 脚本……トニー・ゲイトンか。他タイトルでは『ソルトン・シー』ぐらいしか見当たらないけど以後要注意ですな。


完全な失敗作なので観るならそのつもりで。

女刑事要素を排除して脚本をシェイプアップしてたらそこそこの佳作にはなったろうに《製作総指揮サンドラ・ブロック》が完全に足枷になってます。女優としてひと癖あるキャラクターというのは演じたくなるんでしょうが、こういう辛気くさい役柄はイマイチかと。とりあえず作品を巻き込むのだけはやめてほしいですね。

新・刑事コロンボ/殺意のナイトクラブ [2007年02月12日(月)]

●新・刑事コロンボ/殺意のナイトクラブ

製作総指揮:
ピータ・フォーク
監督:
ジェフリー・ライナー
出演:
ピーター・フォーク
マシュー・リス
ジェニファー・スカイ
ダグラス・ロバーツ
ジョン・フィネガン
ヴァレリー・ランズバーグ


トニーは元妻ヴァネッサの家を訪ねた。ヴァネッサが友人のジャスティンと付き合っていると知って逆上したトニーをヴァネッサは誤って殺してしまう。助けを求められたジャスティンだったが、彼は新たなクラブ建設の資金をトニーから出資してもらうことになっていた。振り込まれるのは36時間後。2人はトニーが36時間生きているように偽装する。しかし、それをどこからか嗅ぎ付けたゴシップ記者に脅迫された2人はもうひとつ殺人を犯すことになった……。


本作はコロンボ通算69作目で現在最終作。
前作『奪われた旋律』('00年)を観てから随分経ちましたが、本作は2003年作品だそうで、やっと地上波で放送です。

でも字幕放送ってどういうこと?

ピーター・フォークのちょっとしゃがれた地声だと「ウチのカミさんがね〜」のあの飄々とした雰囲気は出ないってのに。なにか吹替版を放送できない舞台裏でもあるのかな?(吹替なら堂々と金曜ロードショーで放送してるだろうし)

そもそも『新〜』は未だにDVD化されてないし。コンパクトなパッケージで旧作とまとめてDVD-BOX化してくれないかなぁ(現在発売されているDVD-BOXはあまりにかさばるので未購入)。


画作りが今時のドラマっぽいのは仕方がないことかもしれないけど、今さらコロンボでそんなことしなくてもいいのに。ファンはクラシックで落ち着いたものが観たいと思うんですがね。

本作の特徴は、コロンボがどういった目線で犯人を特定していくかを丁寧に見せていること。ともすれば先入観で事件を追っているように見えがちなコロンボのフォロー編とでも言えばいいでしょうか。

ただ、その段取りを面白いと見るか冗長と見るか。まあ、奇をてらい過ぎたエピソードも多いシリーズ後期の作品の中では地味ながらも佳作ではないでしょうか。

コロンボ好きなら観て損はないけど、絶対に吹替推奨。
吹替での再放送を望みたいです。


余談。
事件解決の鍵でもある「鯉」だけど英語でも「コイ」なのね。
あと、床に埋め込む水槽だと常に上に人影(と振動)があるから魚にはストレスなのにってことばかり気になって。動物虐待にうるさいアメリカのくせに魚のことは考えてくれないのかしら?

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