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廉価版と海賊版 [2007年06月28日(木)]

先月、『機甲創世記モスピーダ COMPLETE DVD-BOX』なるものを購入した私ですが、同商品はこれまでに2度の廉価化がなされた代物でして。

2001年、全6巻・各巻4935円で単品売り
→私のTVシリーズDVDの基本的な購入基準は「1話=500円程度」なので、この時は30%引きワゴン品の購入を少し悩んだぐらい。
2004年、18900円でBOX化
→私は発売にまったく気付かずスルー。換算すると1話=700円程度なので、この時に目にしていたら購入してたかも。
そして2007年3月、9975円でBOX再販
→3月発売を5月に入ってから気付き、探しまわった挙げ句、以前は「在庫なし」だった某量販店HPの店頭在庫表示にひょっこり出現したところをなんとかゲット。


というわけで今回の話は「廉価版」

DVDではワーナーが筆頭でしょうか。当初は1500円だった価格帯も今や980円690円にまで下がってきました(むろん期間限定でタイトルの偏りがあってのことですけど)。

他のメーカーも追随して、980〜1980円ほどの廉価版シリーズを展開するようになり、おかげで私は廉価化されそうなタイトルは「待ち」が基本になりました。

これではまるでメーカー側が機会損失をしているようにも聞こえかねませんが、でも値が下がらなければ私は購入しないわけで、どちらかといえば廉価版なら確実に買う「いい客の確保」といえるでしょう。


さて、違法コピー問題でよく「本来なら○億円の利益」などという数字が出ますが、あれは違法コピー商品=海賊版をそのまま正規品に置き換えて計算した数字のマジックなので要注意です。

前述の私の判断基準でいえば海賊版の価格分すら正規品の購入に回すことはないわけで、違法コピー商品が世の中から無くなったからといって5000円の正規品を買うかっていうと買いませんて。

しかし、これが1000円で正規品が買えるなら500円の海賊版なんぞ買わないわけで、廉価版は違法コピー商品への対抗手段でもあるわけです。


消費者にはそれぞれの購入基準があり、適正価格もまちまち。

後々、廉価版が出たとしても、いち早く、そして確実に手に入れたいと思うものなら通常版でも購入しますし(ちなみに私の場合はジャッキー・チェンのDVDがそれですが)。

まあ今回の『モスピーダ』のように廉価に廉価を重ねられると、最初に廉価版を購入した人にとっては微妙でしょうが。

かくいう私も『トゥルーコーリング』のDVD-BOXをメーカー50%OFFキャンペーン時に購入したら、直後に1BOX化&割安になったものが出てちょっとショックだったりしましたもん。

差額は収納ケースが安っぽくなった分と思えば適正ですけど、私はどちらかといえばそのコンパクトさが羨ましくて……我が家はそろそろ棚の収まりがギリギリです(苦笑)。


最近、国内メーカーにもようやく廉価版が見受けられるようになりましたが、まだまだ数は少なく値引きも中途半端。もっとどしどし出してほしいものです。

それこそが真の「海賊版撲滅キャンペーン」になるのですからね。

(でも、コピーコントロールCDを作るようなCD業界同様、メーカーの既得権確保が優先っぽいから、国内ではこれ以上の進展はないんだろうなぁ……)

風車のあの人 [2007年06月24日(日)]

6月18日放送の『水戸黄門(第37部)』で、ついに風車の弥七が復活!

初登場シーンの空中回転して現れる姿や、その時のバサバサバサーって効果音や馴染みのBGMなど、「うわぁ、弥七だぁ」って感じで久々にワクワクしちゃいました。

2代目弥七を演じるのは内藤剛志さん。

初代・中谷一郎氏がお亡くなりになり、うっかり八兵衛同様、他の役者が演じることはなかろうと思っていただけに、嬉しさ半分といった感じもなきしもあらずですが、やっぱり風車を投げるのは弥七じゃないとね。


ただ、レギュラーキャラ数の調整のためか、前回、風の鬼若が生死不明の形で去ってしまったのが悲しくて悲しくて。昭英〜。

まあ、柘植の飛猿が加わった頃のように大所帯になることを避けたかったんでしょうな。でもいつか、実は死んではおらず、アキちゃんの危機に颯爽と駆け付けるものと信じてます。


こうなるとうっかり八兵衛はどうなるんだ?となりますが、高橋元太郎氏はご存命ですし、三波豊和氏のよろず屋の千太以降、現在ではおけらの新助といったコメディリリーフキャラがいるので当分はないでしょうね。


で、内藤さんといえば、先週最終回を迎えたテレビ東京の時代劇『よろずや平四郎活人剣』(金曜夜8時)にも主人公の兄役で出演。

最終回は2時間スペシャルでしたが(初回も2時間スペシャル)、見事に風車の弥七登場とカブらずに終了。やっぱり弥七という歴史あるキャラを演るとなると同時期に別の時代劇に出るのは問題があったりするのかな?と思わせるナイスタイミングっぷり。


この『よろずや平四郎活人剣』は『逃亡者おりん』の後番組なので、てっきりセガサミーシアター継続かと思っていたら、特別な提供枠ではなくなっていてガッカリ。

内容も『逃亡者おりん』のトホホな出来と違い、松竹っぽい丁寧な作りの秀作だっただけに、もしセガサミーがスポンサーを降りていたとしたらなんとももったいない話。

売りとなる特別な要素(例えば剣劇アクションだったり出演俳優だったり)はほとんどなく、どちらかといえば地味な内容でしたが、全体的な平均値が高く、十分楽しめました。

たった8回という短さももったいない。
続編に期待したいところです。


で、同枠のさらなる後番組『刺客請負人』の主演が村上弘明氏ということでまたまた期待。最近は『八丁堀の七人』『銭形平次』『柳生十兵衛七番勝負』と見ている私なので。

まあ、一番は『銭形平次』(テレビ朝日)の第3シリーズを見たいんですけどね。


そんなテレビ朝日の時代劇枠で現在放送中の『八州廻り桑山十兵衛〜捕物控ぶらり旅』(火曜夜7時)。

『子連れ狼』『名奉行!大岡越前』に続く同枠での北大路欣也3部作完結編という体裁になってますが、初めてリメイクではない作品となりましたね。

『名奉行!大岡越前』が大好きだった私にとっては本作もまた、派手さやケレン味とは無縁の丁寧な物語運びと自然な人物描写によるゆったり流れる時間がとても好みでして。

正直、今、良い時代劇を高確率で提供してくれるのは同枠ぐらいではないでしょうか。

各シリーズが8〜10話程度と短めなのが残念ですけど、それでクオリティを維持しているとも言えるので痛し痒しといったところ。


だからといって長寿番組たる『水戸黄門』のあまりにツギハギな作りは、お願いですからそろそろなんとかして下さい(鬼若ラストの回で、部屋で鬼若を待つアキちゃんの辺りなど、かつての仏像を彫る鬼若の姿がそこにオーバーラップするくらいの演出は入れてほしかった)。


あと大河ドラマ『風林火山』は視聴率的にはまずまずらしいですが、中身はかなり迷走している感が強い。はっきり言って製作陣が何を描きたいのか理解不能です。

劇中人物の感情は掴めず、ただあちこちに話が飛ぶばかり。せっかくの山本勘助という主人公像なのだから、もっと勘助視点で突っ走ってもいいんじゃなかろうか。


とりあえず今は風車の弥七の加入で『水戸黄門』が良い方に転がることを期待しております。

我が家に地デジがやってきた・外伝 [2007年06月23日(土)]

我が家の地デジチューナー付きレコーダーで地デジ放送を直に見るとほとんどの4:3番組では画面がひと回り小さくなってしまうという話は以前にしましたが、その後、実際の運用の中で気付いたことがあります。

それは録画したものを見るとき(再生映像のとき)は別の動作をするということ。

ウチのレコーダーは繋いだモニターに合わせて
16:9
4:3+レターボックス
4:3+パンスキャン
の3パターンから映像出力方式を選択します。

私は通常は16:9にして、4:3テレビ側で16:9画面に切り替えて見ているんですが、これを4:3+パンスキャンで再生したらどうなるかを試してみました。


《デジタルそのままに録画するHD録画した場合》
ほぼ強制的にレターボックス処理されました。

ただ、16:9で作られている番組ならそれが正解なので問題はないんですが、4:3で作られている番組も16:9処理で放送されていることが多いため、左右黒枠+レターボックスで額縁表示(ひと回り小さい画面)になってしまうのが難(※一部放送は対応あり)。
《XP〜EPなどのDVD画質で録画した場合》
これが実にケース・バイ・ケース

4:3製作でも、レターボックス処理でひと回り小さくなる番組もあればパンスキャン処理でちゃんとフル画面になる番組もあったり、逆に16:9製作でも、レターボックス処理されるものもあればパンスキャン処理される番組もある始末。

それも番組ごとに違うなら理解もしやすいんですけど、例えば「木曜洋画劇場」などでは16:9放送をレターボックス処理する時とパンスキャン処理をする時とあったので、正直、判別しきれません


本来なら本体設定通りに出力されるのがベストですが、せめて16:9で作られた番組はレターボックス処理され、4:3で作られた番組はパンスキャン処理されれば分かりやすいのに。

個人的には16:9画面の映画をあえて4:3画面で観るのも好きなんですけどね(笑)。


とまあ、ウチのレコーダーでは上記のような結果になりましたが、他のメーカーの機器では違う動作をするかもしれません(実際、ある地デジチューナーのスペック欄に「フル画面表示機能」と書かれているものもありましたし)。

ただ、コピーワンスのみならず様々な制御信号が混入され、それらが機器を勝手に管理してくれちゃってることに変わりはないでしょう。

コンテンツはバラバラで、その制御もバラバラ。

過渡期と言えば聞こえはいいですけど、今の地デジは中途半端な形でリリースされたβ版ですな。

第5回につづく

新スキン萌えスキン [2007年06月21日(木)]

trackbackブログに長らく待望だった新スキンが加わり、スキンを変更した方も多いようで……なんて言ってる間に今度は萌えスキンですかぁ?

まあ、萌えスキンはともかく、私もちょっと気分を変えてみようかと全部試してみたら……う〜ん、どれもレイアウトが崩れる(Safariならちゃんと表示されるけど、Safariは癖があるからあまり使わないんですよねぇ)。

右下の[ログイン]の文字の下にTOP記事が配置されてしまうようで、そういや旧スキンでも崩れるのがあったっけ。

以下、我が家のブラウザでの状況。
(※赤文字のスキンでレイアウト崩れ)

スキン名 背景/文字 備考
tea time ピンク/紫 横幅広い
eclipse 黒/白 同サイズ
clover 白/グレー 同サイズ
NAKAMURA ピンク/ピンク 同サイズ
White 白/グレー 同サイズ
Camouflage グレー/緑 同サイズ
evening ピンク/黒 同サイズ
まるくくるまるくるま 白/紺 横幅広い
シャボン 白/薄茶 横幅広い
四方田さん、保護色になる 白/薄茶 横幅広い
winter sky 白/黒 同サイズ
checker_03
checker_02
checker_01
白/黒 同サイズ
SIMPLE_DESIGN 05
SIMPLE_DESIGN 04
SIMPLE_DESIGN 03
白/黒 ※現在使用中
プチ・クリスマス 白/黒 横幅狭い
ブリキ君とブログ少年 白/黒 横幅狭い
SIMPLE_DESIGN 02 白/黒 横幅狭い
SIMPLE_DESIGN 01 白/黒 横幅狭い
ISAOカード 白/黒 横幅狭い
テーブル内の文字色が白になる
四方田さん、橋を渡る 白/薄茶 横幅狭い

現在使用中のスキンの横幅に合わせてテーブル幅などを設定してるので、横幅が狭いタイプにも変えられないし。

ま、基本的には見にきて下さる方の環境で正常に表示されていれば問題はないんですが、自分がまともに見れないのも嫌ですし。

というわけで、ウチは当分このままですかね。
なんとかならんのかなぁ。

ロンドンハーツ恋愛小説 [2007年06月20日(水)]

昨夜6月19日放送「ロンドンハーツ」(テレビ朝日)は、芸人3人に恋愛小説を書かせるドッキリ企画でした。

見終わった私の感想は「角川がうまいこと仕組んだな」というものだったんですが、どうも世の中では庄司の小説をベタ褒めのようで(思わず大手ブログなどで感想を検索してみたりして)。

いやはや角川(&ロンドンハーツ)戦略に見事にハメられている感がなんとも。


今回の執筆メンバーは
アンガールズ田中
安田大サーカスのクロちゃん
品川庄司の庄司──の3人。

それぞれの執筆方法は
田中パソコン
クロちゃん=鉛筆
庄司携帯メール──という三者三様っぷり。

この段階でこの企画が周到に練られていると分かると思うんですが。


田中『幾何学恋愛』
クロちゃん:『僕の詩』
庄司『花のことば』

確かに庄司の小説は完成度は高かったと思います。

物語を構成するパーツパーツは既存のものでしかないんですが、そのパッケージングが実に巧みでした。

今回の執筆作業で庄司が他の2人より優れていたのは、自分の才能の限界を分かっていたこと。その上で売り物を作ることに徹したことだと思います。

庄司は携帯メールで原稿を打ち、逐一、担当者にチェックをしてもらうやり方をとりましたが、言わば芸能人が口頭で録音したものを編集者が原稿におこす雑誌コラムなどと同じようなもの。

つまり庄司の小説の完成度は意外でもなんでもなく、今回の企画の本命として仕上げられたにすぎません。

他2人の小説はアンガールズ田中が言うように前フリでさえあればいいので、文章のシェイプアップ作業など行っていないことでしょう。


今回の企画は角川に協力してもらったウソ企画ではなく、ウソ企画のフリをしたマジ企画だったということ。

「別冊カドカワ」への掲載も緊急決定したと言いつつもきっと当初の予定通りなわけで、以前の青木さやかグラビア写真集のようにTVの力で売る商売ありきの企画だったわけです。

まあ、世の中に溢れる出版物などはすべからくそうした商売の計算の上に世に出ているのであって、今回のことにことさら目くじらをたてることもないんですが、あそこまで露骨なものでも世間は受け入れるんだなぁと少々驚いたものでして。


なので私は、売れ線の内容をきれいにお化粧しただけ庄司の小説よりも、一般的な支持は得られないけど鬱屈した青春を少しでも理解してほしかったであろうアンガールズ田中の小説の方が好きです。

……クロちゃんのは論外だけどね。

※今回の内容はあくまでも私の推測であり、真実は分かりませんのであしからず。

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド最終版 [2007年06月19日(火)]

●ナイト・オブ・ザ・リビングデッド最終版

追加シーン監督/脚本:
ジョン・A・ルッソ(オリジナル版脚本)
追加シーン撮影:
ビル・ハインツマン(オリジナル版墓場ゾンビ)
追加シーン出演:
スコット・ウラジミール・リシナ
グラント・クレイマー
アダム・ノックス
デビー・ロコン
ハイディ・ハインツマン
ビル・ハインツマン


その日、幼い少女に性的暴行をし殺害した男が死刑となった。少女の両親は男が埋められるところを見たいと墓場まで死体を運ぶよう頼んだ。両親と牧師が死体を後にした直後のことだった。穴を掘ろうとしたマイクとダニーの前で死体が動き出したのだ。そして男の死体は時を同じくして墓参りにきていた兄妹に襲いかかった……。


『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に脚本で参加していたジョン・A・ルッソが『30周年記念バージョン』([最終版])と銘打ち、新たなプロローグとエピローグを付け加えた代物。

>>「オリジナル版と最終版の違い」

確か、オリジナル版で使用されたのと同じフィルムが見つかったのでそれを使って新撮したとかなんとか当時聞いた気がします。

付け加えられたのは主に「ビル・ハインツマン演じる墓場ゾンビの背景」「死体運搬役のマイクとダニーと食堂のロージーの物語」「ゾンビと信仰の関係について自説を説く牧師」の3点。


しかし当然ながらこれがまったくの蛇足。

バーバラたちを襲うゾンビは無個性な集団性こそが恐怖だというのに、墓場ゾンビに特殊な背景を付け加えてはバーバラを襲うことにまるで意味があるかのように映ってしまいます。

マイクとダニーの物語は新しいゾンビシーンのためだけ。

牧師にいたっては、死体をただの物質として扱うオリジナルの良さを完全にスポイルし、ゾンビを再びオカルト世界に連れていこうとしています。


15分間の新撮を加えても上映時間は変わらず96分。

つまり15分間分オリジナルをカットしているという事実。前後にエピソードを付け加えるだけならまだ許せますが、本編にまでハサミを入れるとは愚行としか言い様がありません。

ちなみに1998年に[リマスター版]という音楽の大部分が差し替えられたバージョンが作られていますが、その音楽を担当したのが本作で牧師を演じているスコット・ウラジミール・リシナ。

差し替わった音楽はどうにもB級ホラーチックな音色で映像の緊迫感を台無しにしてくれていますが、この[最終版]も[リマスター版]をベースにしているため同様に台無しです。

私はどう酷いのかが気になって観てしまいましたが、普通の映画ファンなら絶対にオリジナル版を観るように。


【余談】
本作のDVDは唯一、日本語吹替音声が収録されている点が吹替好きには欠かせないアイテムでして。パッケージのどこにも声優表記がないので自分の耳でヒアリングした結果──

バーバラ:篠原恵美
ベン:大塚芳忠
ジョニー:堀内賢雄
ハリー:石塚運昇
トム:高木渉

──といった豪華キャスティング。あぁ、改悪版には勿体ないったらありゃしない(女性の声の聞き分けが苦手なので間違ってたらごめんなさい)。


2004年の廉価版発売に気付かず、本DVDを手に入れそびれていたんですが、先日たまたま通りかかった店で1枚発見。とうとう我が家には3種類(+α)が揃った次第で。

>>「DVD内容比較」

さらに最近、関西中心に流通している500円DVDシリーズに字幕を新しくした[新訳版]というものがあるらしく、それもちょっと気になっている私です(苦笑)。

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド [2007年06月18日(月)]

●ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

監督/原案/撮影:
ジョージ・A・ロメロ(『ランド・オブ・ザ・デッド』
出演:
ジュディス・オディア
デュアン・ジョーンズ
ラッセル・ストライナー
カール・ハードマン/マリリン・イーストマン
カイラ・ショーン
キース・ウェイン/ジュディス・リドリー
ジョージ・コサナ
ビル・ハインツマン


その日、バーバラとジョニーは墓参りに来ていた。そこへ近付いてきた1人の男が急に2人に襲いかかる。無我夢中で逃げるバーバラは郊外の一軒家に逃げ込み、同じように逃げ込んできた黒人青年ベンと共に一軒家に立てこもることになるが……。


言わずもがなのゾンビサーガの記念すべき1作目。

視点を一軒家に限定する作りはこうした低予算ホラーでは定石ですが(『死霊のはらわた』等々)、ロメロは徹底的にリアルな描写で物語を紡ぎ、これが本作を本作たらしめるポイントになっています。

放心のバーバラは急にヒロインに目覚めることもなく、リーダーシップを発揮するベンは仲間を救うことがないばかりか混乱を生み、迫りくる生ける屍に対して人の心は何の力もない。

そして生き残った者の最後すら……。

ちなみにこうした登場人物の性格設定は脚本段階ではずいぶん違ったものだったのが(バーバラは活発な女性、ベンは粗野なトラックドライバー)、キャスティングの段階で俳優に合わせて変更したとのことで、奇跡的な巡り合わせで本作は出来上がった模様です。


1968年製作のモノクロ作品ということで、今の目で見るともっさりと感じる部分がないとは言えませんが、その底流に流れる恐怖の本質は色褪せることはありません。

いや、むしろモノクロで最大の効果が得られるように作られているのだとカラー着色版などを見ると感じます。近年『ドーン・オブ・ザ・デッド』などでゾンビに興味を持ったならその原点も是非。

古臭さがどうしても駄目な人は、ロメロ自身が脚本を手掛けたリメイク作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記』を観ることをお勧めします。


さて、この後、ロメロは『ゾンビ』『死霊のえじき』とリビングデッドシリーズを手掛けていくことになるわけですが、脚本のジョン・A・ルッソもまた独自にリビングデッドを商売にしていきます。

一番有名なのが1985年にダン・オバノン監督の手で『バタリアン』として映画化された原作小説を書いたことでしょうか。

この辺りは「〜リビングデッド」というタイトルの使用でちょっとロメロと揉めたぐらいでまだまだ可愛いものでしたが、問題は1999年に本作に新たなフッテージを"勝手に"付け加えた「30周年記念バージョン」なるものを作ったこと。

その出来は……。

NOLD:内容の違い [2007年06月17日(日)]

オリジナル版と最終版の違い

オリジナル版 最終版
最初のゾンビが甦るまで(7:35)
墓場にジョニーとバーバラの車が到着

物音がして窓の外を見ると墓場ゾンビが
繋がらない電話に焦るバーバラ(0:27)
隣の部屋から外を見るバーバラ

2階から血が滴り落ちてくる
手の血を拭うバーバラ/家捜しするベン(0:36)
車のヘッドライトを割るゾンビ

部屋の明かりをつけるベン
工具を探すベン/バーバラに板きれを探すよう指示(1:48)
オルゴールに触れるバーバラ
台所中の板きれをかき集めるベンと暖炉の薪を抱えるだけのバーバラ(0:48)
薪を抱えて台所に戻るバーバラ

窓に板を打ち付けるベン
「長い釘を探してくれ」(0:05)
居間でここにたどり着くまでの経緯を語るベン

「父の墓に花を供えようとして…」
兄が墓場で襲われた経緯を話すバーバラ(2:11)
兄を助けてと懇願するバーバラ
※ラジオ内容の変更(食堂絡みのニュースを伝える)

たばこに火をつけ一服するベン
ゾンビの群れ(1:34)
戸棚から靴と銃を見つけるベン

ベンが2階の死体を片付けにいき1人になるバーバラ
階段上の死体をかたすベン(0:29)
死体を引きずって奥に運ぶベン

窓から銃で頭を撃たれ倒れるゾンビ
家に歩み寄るゾンビの群れ(0:43)
板を張り直そうというベンと地下室へ入ろうというハリー

地下室の扉を内側からかんぬきをかけるハリー
地下室の扉越しにハリーを説得するトム(0:24)
「地下室に閉じこもるなんてバカげている」とベン

「今に泣きついてくる」と強がるハリー
ラジオの存在を知り夫を責めるヘレン(1:15)
テレビが見つかったと言うトムの声
娘のそばにジュディをお願いするヘレン(0:14)
ジュディを説得するトム

椅子に腰をおろすヘレン
放心のバーバラを横目にヘレンとハリーがタバコを吸う(1:23)
テレビを運んでくるベンとトム
政府やマスコミが最初の通報を信じなかったことを伝えるキャスター(0:33)
ワシントンの民間警備隊本部からの報告を伝えるキャスター
金星探査衛星の概要を伝えるキャスター(0:36)
屋外でののインタビュー映像
屋外でのインタビュー映像後半(0:46)
避難所に向かう話をする
医者のコメント後半(0:14)
火炎瓶の準備

トムとジュディのキス
バーバラを地下室へとうながす(0:33)
ドアに打ち付けた板をはがすベンとトム

焼けたトラックの死体を食べるゾンビたち
ゾンビの群れに新メンバー(0:22)
外の様子を確認してほっとするベン

バーバラに車の場所を聞いている最中、呻き声が
腸を奪い合うゾンビ(0:05) 新ゾンビ映像と差し替え(0:06)
慌てて外を確認するベンとハリー

森の向こうから飛来するヘリ
ゾンビ掃討に向かう列(0:10) 牧師へのインタビュー/墓場でのゾンビ掃討/牧師VSゾンビVS父親(2:09)
ヘリが着陸する

「今の奴もたき火で燃やそう」と保安官
1年後、医療センターでの牧師へのインタビュー(3:51)
エンドクレジット→炎 炎→エンドクレジット

NOLD:DVD比較その1 [2007年06月16日(土)]

DVD内容比較

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド[デジタル修復版]
デジタル修復版 ビームエンタテインメント
3990円
2chモノラル
オリジナル劇場予告編
オリジナルTVスポット

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド最終版
コレクターズエディション
30周年記念バージョン
(最終版)
ハピネットピクチャーズ
2800円
ドルビーデジタルステレオ
(英語/日本語)
最終版メイキング
最終版オリジナル予告編
ダンス・オブ・ザ・デッド
1998年バージョン
(リマスター版)
 

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
コレクターズBOX
スペシャルエディション デックスエンタテインメント
7140円
(単品3990円)
ドルビーデジタル5.1ch
5.1chDTS
モノラル
オーディオコメンタリー
(ロメロ監督&スタッフ)
(キャスト)
劇場版予告編
TVスポット
デッドリーカラーエディション ドルビーデジタル5.1ch
5.1chDTS
日本オリジナルコメンタリー
劇場版予告編
TVスポット
特典ディスク
スクラップブック&ギャラリー
キャストインタビュー
ロメロ監督らの会社の歴史
(TVCM映像など)
幻の作品「There's Alway Vanilla」紹介


[デジタル修復版]は数箇所のシーン(主にカット終わり)で一瞬画面が止まったり、変化のない風景シーンがまったくの静止画になってしまっているのが難(権利元が行ったデジタルリマスター処理からしてそうなってるから仕方ないとはいえ、パッケージ表記は必要では?)。


どうやらこれはフィルム繋ぎ部分の映像のガタつきを避けたことに起因するらしく、ガタつきをそのままにしている[最終版]では映像が止まるようなことはありません(一長一短?)。

[スペシャルエディション]でもこの点があまり改善されていないのが残念(少し減ってる感じではあるけれど)。

一応、[デッドリーカラーエディション]ではデジタル着色作業の副次的効果なのかは分かりませんが映像が止まりません。なのでモニター側で色味を落として本ディスクを観るというのも手です(笑)。


ちなみにこの[デッドリーカラーエディション]とはモノクロ映像を着色してカラーにしたバージョン。以前、カラー着色版ビデオというものを見かけたことがありますがこれは今回新たに制作されたもの。

色はのっぺりしていて、昔に流行った数々のカラー着色映画に比べればちょっとはマシというレベル。カラーで楽しむにしてもモニターの色調整を少し淡めにした方がいいでしょう。


あと[最終版]は画角が少し狭く、映像が寄り気味なので注意。

NOLD:DVD比較その2 [2007年06月16日(土)]

セリフ訳の比較

[デジタル修復版]のセリフは直訳的で流れが悪く、意味もちょっと把握しづらい。最初のシーンで比較してみると──

デジタル修復版 スペシャルエディション
バーバラ サマータイムが早すぎるのよ 夏時間を実感するわね
ジョニー (なし) 何?
バーバラ 8時なのに明るいわ 夜8時なのに明るい
ジョニー 昼が長くて助かる もうそんな時間か
帰り道に3時間
12時過ぎの帰宅だ
帰りも3時間かかる
着くのは真夜中だ
バーバラ イヤなら来ないでしょ 文句言わないで
ジョニー こんな所で貴重な日曜を? せっかくの日曜が台無しだ
母さんを引っ越させるか墓を動かすかだ 母さんがここに引っ越すか墓を移すしかない
バーバラ あの体じゃムリよ 引っ越しは無理よ
ジョニー 言えてる 分かってる
キャンディは? アメ残ってる?
バーバラ (なし) ないわ
ジョニー 何が”故人を偲んで”だ "父さんを忘れない"?
どんな男かも覚えてない 俺は顔も忘れちまった
バーバラ 5分で済む事よ 5分で済むのよ
ジョニー 花輪を飾る5分のために往復6時間だぞ 墓に花を供えるために往復6時間の運転か?
家にいる母親のために320キロの墓参りさ いくら母さんの頼みでも納得いかないね
バーバラ もう着いたのよ 行きましょう
ラジオ放送 テスト?
入ってるのか?
テスト中 どうだ?
聴取者の皆さま みなさん…
電波妨害をクリア
放送再開です
ご迷惑をおかけしました
放送再開です
ジョニー 故障じゃなかったようだ ラジオは壊れてない
バーバラ どこの区画? どの列?
ジョニー 誰もいない 誰もいない
バーバラ 兄さんが寝坊したからよ もう夜だもの
ジョニー サマータイムに眠りを奪われた 俺が寝坊したせいか?
バーバラ 不平不満にはウンザリ 兄さん いい加減にして
あったわ あったわ
ジョニー 去年の花輪の運命は? 去年の花がなくなってる
毎年高いカネを払い
墓へ来ると前のが消えてる
高かったのに
誰かに持ってかれたか
バーバラ 花は枯れるわ
管理の人が片付けてるのよ
枯れたから墓守か誰かが捨てたのよ
ジョニー ツバをつけて磨けば翌年売れる 花にツバつけて土台を磨けば来年も使えるぜ
何度同じのを買った事か どうせ毎年同じ花だ

──といった感じで、[デジタル修復版]のジョニーのセリフはかなり皮肉をこめた言い回しになってます……アメリカンジョーク?


花輪に刻まれている言葉を「故人」とし父親の墓参りという情報がセリフに折り込まれていないため「どんな男かも覚えてない」というセリフがピンとこなかったり。

「イヤなら来ないでしょ」「こんな所で貴重な日曜を?」のやりとりなども意味が繋がってません。

「誰もいない」以降のやりとりも顕著で、バーバラの方からジョニーを責めておきながら「不平不満はウンザリ」では意味が通りません。対する[スペシャルエディション]では流れを重視しバーバラがジョニーを責めない形に意訳されています。

ちなみにこの場面の日本語吹替は以下の通り。
バーバラ 兄さんがぐずぐずしてるから悪いんでしょ
ジョニー サマータイムのせいで調子がおかしいんだ
バーバラ そうやってすぐ何かのせいにするのよね
[デジタル修復版]のセリフと同じ流れでありながら自然な言い回しになっていてベストだったりします。


先行して作られた[最終版]の新撮部分以外のセリフ訳は[スペシャルエディション]と同じなので、おそらくは同じ翻訳制作と思われます。

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