プリントゴッコ [2008年05月31日(土)]
もうずっと昔の話・・
PCなんか全然ない頃、年賀状書くときは、手書きや自作の版画、
スタンプを使ったり、市販の絵付きハガキを使ったりして
出していました・・
それでも、毎年みんな工夫して書いて送ったものです・・
そんな中、1977年に「プリントゴッコ」が発売されたのです。
これは当時画期的なもので、自分で作った版下を用いて
自由にインクを配置し、誰でも容易にカラフルな印刷が
できることがユーザーの高い支持を受け、年賀状作りの
定番として、大人気商品になりました。
また、問屋を排除して小売店と直接販売することで、
製品価格を抑え、「子供がお年玉でも買えるように」という
低価格もあって、お正月前には新製品が出て、ホントに
飛ぶように売れたのです。
私も欲しかったのですが、結局買わずじまいで、
プリントゴッコ持っている友達が羨ましかったものです。
このプリントゴッコの原理はインクが原稿フィルムの
細かい穴から染み出る「孔版印刷」で、基本的には
シルクスクリーンを半自動化したものです。
チョット余談ですが、「孔版印刷」と言うのは、版に微細な孔を
多数開け、圧力によってそこを通過したインクを紙などに
転写する方式のことで、手軽な設備で実現できるのが
特徴です。
別名ステンシル印刷とも言われているものです。
このプリントゴッコ、原稿をカーボンを含む筆記具で作成して
器具に装着し、専用フィルムに密着させてフラッシュランプの熱で
熱転写、感応したカーボン部分だけが透過性を持ったスクリーンと
なって、その部分に同製品純正のチューブ式インクを原稿に盛り、
再び器具に装着して一枚ずつ用紙に押圧によってインクを
透過させるため、ローラーを必要とせず、印刷は本体のみで
済み、1台で製版と印刷が可能という手軽さが魅力のものでした。
発売当初のものは微細な表現を苦手で、色がボテッとした感じの
印刷でしたが、細かい均一な網目を持つハイメッシュマスターと
それに対応したインクの開発によって、本格的シルク印刷に
近いかなり細かな精度を持つ印刷が可能となり、
専用フォトスクリーンの登場で写真の網点製版も実現、
インクの色数も増えたことで飛躍的に表現力や応用性が向上し、
工夫次第で高度な印刷物を作ることもできるようになっていきました。
また、原理的にはフルカラー印刷はできなかったのですが、
三原色に分解した網点原稿を3つ重ねて印刷することで
擬似的にカラー印刷を実現する素材集も発売されたり、
応用製品として、簡易スタンプ作成キットや、布印刷に
対応したキットなどもありました。
さらに、少ない枚数でも安価に自由な印刷が出来ることもあり、
年賀状や暑中見舞いなどのメッセージカードの作成器具の
代名詞として幅広く用いられました。
・・今のPC+プリンターが安価で手軽なセットに
なったようなものです。
このプリントゴッコ、発売以来31年間の累計販売台数は
約1000万台にのぼり、1994年頃をピークに実に5世帯に1台と
広く日本の一般家庭に普及しました。
また、最盛期の1993年には152億円の売り上げがあったそうです。
ですが、その後、PCやインクジェットプリンタの高画質化、
低価格化が進み、家庭に普及していった事、それに伴いPC上で
動作する年賀状作成ソフトが普及したため、販売数が激減しました。
プリントゴッコの販売減は、印刷速度や印刷コストでは
インクジェットプリンタに見劣りするものではなかったのですが、
インクジェットプリンタで作成した原稿はカーボンを含まないため、
そのままではプリントゴッコの原稿にはできないなど、PC、
インクジェットプリンタとの互換性が低い事も
一因となったといえるようです。
そのため、理想科学工業は、2003年に「プリントゴッコjet」を
発売し、対抗。
これは小型スキャナ、メモリーカードリーダ、インクジェット
プリンタ、液晶画面を内蔵した印刷機械で、原稿作成が
容易で手軽にカードが印刷できる点は共通しているものの、
従来のプリントゴッコとは全く異なる完全なコンピュータ機器と
なりました。
でも、プリントゴッコの特長の1つである金や銀、蛍光色といった
特殊インクが使えなかった上、スキャナを備えたインクジェット
複合機がPC用プリンタ販売の主力になったことで、販売終了しました。
結局、PC+プリンターの普及、年賀状からEメールへの変換などに
より、販売が激減、2007年度は、全社売上高926億円と
ピーク時の売上の1%以下の水準にまで落ち込んでしまいました。
ですが、プリントゴッコは、プリンタでは出せない味わいを
もたせたり、プリンタと組み合わせて、プリンタでは
印刷できない金や銀、蛍光色や、立体的に盛り上がるインクなどの
特殊印刷を行う用途などに根強い人気があり、最近は
「簡易シルクスクリーン」として、アート指向の方が
使っているようで、多版刷りにして凝って作られた作品は、
普通の美術作品となんら変わらないほど美しいものです。
そのため、その後もしばらくは販売が続けられましたが、
とうとう、理想科学工業は6/30をもって、プリントゴッコ本体の
出荷を停止することに決定しました。
対象となるのは「プリントゴッコPG-5ベーシックセット」
「同PG-11本体」「同アーツ(紙用セット)」
「同アーツ(布用セット)」です。
ただし、インク、フラッシュランプなどの消耗品の販売は
当面続けるそうです。
・・なんだか、1つの時代が終った気がして、残念な気がします・・
プリントゴッコは、手作りの楽しさ、技術を身近に感じられる
知的玩具としても「いい商品」だった気がします・・
PCでは出せない優しく奥深い雰囲気の出る作品が作れるのも
魅力でした・・
シルクスクリーンが手軽にできるというのもよかったし・・
・・今のうちに買っとこうかなぁ・・
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
PCなんか全然ない頃、年賀状書くときは、手書きや自作の版画、
スタンプを使ったり、市販の絵付きハガキを使ったりして
出していました・・
それでも、毎年みんな工夫して書いて送ったものです・・
そんな中、1977年に「プリントゴッコ」が発売されたのです。

これは当時画期的なもので、自分で作った版下を用いて
自由にインクを配置し、誰でも容易にカラフルな印刷が
できることがユーザーの高い支持を受け、年賀状作りの
定番として、大人気商品になりました。
また、問屋を排除して小売店と直接販売することで、
製品価格を抑え、「子供がお年玉でも買えるように」という
低価格もあって、お正月前には新製品が出て、ホントに
飛ぶように売れたのです。
私も欲しかったのですが、結局買わずじまいで、
プリントゴッコ持っている友達が羨ましかったものです。
このプリントゴッコの原理はインクが原稿フィルムの
細かい穴から染み出る「孔版印刷」で、基本的には
シルクスクリーンを半自動化したものです。
チョット余談ですが、「孔版印刷」と言うのは、版に微細な孔を
多数開け、圧力によってそこを通過したインクを紙などに
転写する方式のことで、手軽な設備で実現できるのが
特徴です。
別名ステンシル印刷とも言われているものです。
このプリントゴッコ、原稿をカーボンを含む筆記具で作成して
器具に装着し、専用フィルムに密着させてフラッシュランプの熱で
熱転写、感応したカーボン部分だけが透過性を持ったスクリーンと
なって、その部分に同製品純正のチューブ式インクを原稿に盛り、
再び器具に装着して一枚ずつ用紙に押圧によってインクを
透過させるため、ローラーを必要とせず、印刷は本体のみで
済み、1台で製版と印刷が可能という手軽さが魅力のものでした。
発売当初のものは微細な表現を苦手で、色がボテッとした感じの
印刷でしたが、細かい均一な網目を持つハイメッシュマスターと
それに対応したインクの開発によって、本格的シルク印刷に
近いかなり細かな精度を持つ印刷が可能となり、
専用フォトスクリーンの登場で写真の網点製版も実現、
インクの色数も増えたことで飛躍的に表現力や応用性が向上し、
工夫次第で高度な印刷物を作ることもできるようになっていきました。
また、原理的にはフルカラー印刷はできなかったのですが、
三原色に分解した網点原稿を3つ重ねて印刷することで
擬似的にカラー印刷を実現する素材集も発売されたり、
応用製品として、簡易スタンプ作成キットや、布印刷に
対応したキットなどもありました。
さらに、少ない枚数でも安価に自由な印刷が出来ることもあり、
年賀状や暑中見舞いなどのメッセージカードの作成器具の
代名詞として幅広く用いられました。
・・今のPC+プリンターが安価で手軽なセットに
なったようなものです。
このプリントゴッコ、発売以来31年間の累計販売台数は
約1000万台にのぼり、1994年頃をピークに実に5世帯に1台と
広く日本の一般家庭に普及しました。
また、最盛期の1993年には152億円の売り上げがあったそうです。
ですが、その後、PCやインクジェットプリンタの高画質化、
低価格化が進み、家庭に普及していった事、それに伴いPC上で
動作する年賀状作成ソフトが普及したため、販売数が激減しました。
プリントゴッコの販売減は、印刷速度や印刷コストでは
インクジェットプリンタに見劣りするものではなかったのですが、
インクジェットプリンタで作成した原稿はカーボンを含まないため、
そのままではプリントゴッコの原稿にはできないなど、PC、
インクジェットプリンタとの互換性が低い事も
一因となったといえるようです。
そのため、理想科学工業は、2003年に「プリントゴッコjet」を
発売し、対抗。

これは小型スキャナ、メモリーカードリーダ、インクジェット
プリンタ、液晶画面を内蔵した印刷機械で、原稿作成が
容易で手軽にカードが印刷できる点は共通しているものの、
従来のプリントゴッコとは全く異なる完全なコンピュータ機器と
なりました。
でも、プリントゴッコの特長の1つである金や銀、蛍光色といった
特殊インクが使えなかった上、スキャナを備えたインクジェット
複合機がPC用プリンタ販売の主力になったことで、販売終了しました。
結局、PC+プリンターの普及、年賀状からEメールへの変換などに
より、販売が激減、2007年度は、全社売上高926億円と
ピーク時の売上の1%以下の水準にまで落ち込んでしまいました。
ですが、プリントゴッコは、プリンタでは出せない味わいを
もたせたり、プリンタと組み合わせて、プリンタでは
印刷できない金や銀、蛍光色や、立体的に盛り上がるインクなどの
特殊印刷を行う用途などに根強い人気があり、最近は
「簡易シルクスクリーン」として、アート指向の方が
使っているようで、多版刷りにして凝って作られた作品は、
普通の美術作品となんら変わらないほど美しいものです。


そのため、その後もしばらくは販売が続けられましたが、
とうとう、理想科学工業は6/30をもって、プリントゴッコ本体の
出荷を停止することに決定しました。
対象となるのは「プリントゴッコPG-5ベーシックセット」
「同PG-11本体」「同アーツ(紙用セット)」
「同アーツ(布用セット)」です。
ただし、インク、フラッシュランプなどの消耗品の販売は
当面続けるそうです。
・・なんだか、1つの時代が終った気がして、残念な気がします・・
プリントゴッコは、手作りの楽しさ、技術を身近に感じられる
知的玩具としても「いい商品」だった気がします・・
PCでは出せない優しく奥深い雰囲気の出る作品が作れるのも
魅力でした・・
シルクスクリーンが手軽にできるというのもよかったし・・
・・今のうちに買っとこうかなぁ・・
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