日本柔道 [2008年08月13日(水)]

 「一本を取る柔道を教えられた、私はそれを貫いた」

 アテネに続いて、オール一本勝ちで金メダルを獲得した谷本歩美選手は、試合後のインタヴューで誇らしげに語った。

 決勝の相手は因縁のルーシー・デコス(仏)。ジュニア時代からの谷本のライバルで、01年の福岡国際で勝って以降、谷本はデコスに負け続けた。アテネではデコスが先に負けたため対戦は無かったが、ドイツ国際、世界柔道、ワールドカップと、ことごとく勝てなかったのである。

 福岡ではポイント勝ちだった。

 試合後、そのデコスに「一本を狙いに来い」と叱咤される。谷本の一本を狙う柔道はこの時から始まったのだ。
 
 デコスだけではなかった。今回、谷本が対戦した相手(孔慈英、ゴンザレス)は、いずれも過去に谷本が敗れた相手。彼女はその全てに、一本を取る柔道で勝ちを収めたのである。

 デコスとの対戦は今回がラストチャンスになるかもしれない・・・。次回大会からは階級を上げてくるだろうと言われているデコスには、どうしてもリベンジしておく必要があった。

 攻め合うことが信条の二人の戦いは、デコスが大内刈りを仕掛け、それを谷本が内股で返すことで決着がついた。

 「日本の柔道は一本を取る柔道だから・・・、将来柔道を始める子どもたちにも一本を取る柔道を目指して欲しい」

 総合柔道に屈することなく、柔の道を全うした谷本は、柔道における“強さ”とは何かを、身をもって後進に示したのだ。

 「一本を取る柔道」

 それは、非常に美しい柔道であった。

 願わくば、この美しい柔道が世界のスタンダードと成らんことを!

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