格闘技大戦争 [2008年10月02日(木)]

 佐藤戦における魔裟斗のダウンは、そのラウンドが始まった直前のローキックが効いていたからでしょう。丁度、前からのローが入った時、魔裟斗は思わず脚を後ろに引いてましたから。
 これで魔裟斗の出足が止まり、打ち合いで足が揃ったところからダウンになったというのが本当のところでしょう。

 それにしてもここからの盛り返しは凄かった。とにかくリーチのある相手に対して、最初からパンチは伸びていましたけど、足が出なくなってからでもよく前に出ましたよ。
 決勝のキシェンコ戦と合わせれば8Rの激戦を闘い抜いたのですから、今回に限っては魔裟斗にケチを付ける人もいないのでは?

 そのキシェンコ戦ですが、キシェンコ自身が準決勝のサワー戦でローキックのダメージを相当に貰っていました。これがあったから、佐藤戦での激闘というハンデが、魔裟斗にとって深刻なものにならなかったのは幸いでした。
 キシェンコ戦でも魔裟斗はダウンをしてしまいましたが、正直に言ってあそこまで無理して打ち合いをしなくても、ロー主体にいけばもう少し楽に勝てたと思います。
 何が魔裟斗をあそこまでの打ち合いに駆り立てたのか、それは魔裟斗本人しか知る由もないことですけど、とにかくこの準決勝・決勝の二試合は、格闘技史上に残る素晴らしい闘いでした。

 K-1が行っている子供の大会には私は反対です。体も出来上がっていない選手に、二ヶ月に一回試合をさせ、準決勝からはワン・デイ・トーナメントで二試合もするなんて、将来的に傷害の残る子供でも出たらどうするつもりなんでしょうか。
 たしかに、2KO制で5カウントと、ある程度の配慮はされていますが、本来ならヘッドギアくらいは付けさせるべきですよ!
 スター候補のHIROYA選手は、タイへ留学して修行付けの毎日ですから、ある程度体が出来ていましたが、そうなると他の選手との差があり過ぎて、こんなマッチメイクは世界基準なら絶対に通らないものだということは、ファンも理解しておくべきです。

 こんなの放送するべきではありませんよ。

 しかしこの秋は正に“格闘技大戦争”と呼ぶに相応しいほどの興行ラッシュでした。

 9月に入って大相撲の秋場所、23日にはDREAM.6、9月27日にK-1ソウル大会、9月28日には戦國.5、昨日がk-1 MAXで、アマですが10月5日には世界柔道団体戦もあります。

 実は大相撲とDREAM.6は実際に現地で観ました。相撲はDREAM.6の前日、朝青龍の休場前になった取組です。このまま引退ということはないのでしょうが、もしかするともしかするので、貴重な取組を観れて良かったですよ。

 旧PRIDEの流れを色濃く残すDREAMですけど、かつてのPRIDE全盛期の会場の熱気を知る者から見れば、やっぱり別モノなんだという確認をした大会でもありました。
 昔はあんなに観客の集中力が途切れるようなことはありませんでしたけどね。PRIDE崩壊から2年以上が経過し、ブームのファンと様変わりがしてしまったというのが現実のようです。

 ちょうど2年前のPRIDE無差別級GP決勝は、同じさいたまスーパー・アリーナでの観戦でした。一試合も見逃すまいとする観客の視線に支配された会場は、嫌が上でもリング上の熱気を高めたものですよ。
 それがどうです、たしかにミドル級GPのベスト4に残った選手は知名度が低かった、しかしメルヴィン・マヌーフ、ゲガール・ムサシ、ホナウド・ジャカレイ、ゼルグ・弁慶・ガレシックの四選手は、いずれも劣らぬ素晴らしい選手ですよ。

 当日はGPのトーナメント三試合に、リザーブマッチを含む全12試合というラインナップで、実際のところこれも集中力が途切れる原因でもありました。主催者側としては知名度の劣るGPの参加選手をカバーするため、スーパーマッチを並べてサービスしたつもりなんでしょうけど、興行のベストは絶対に8〜9試合までです。事実、2年前のPRIDEミドル級GPでは9試合しか行われませんでした。

 昔のPRIDEファンは随分と減ってしまったという現実を突き付けられたのが、11試合目のアリスターVSミルコが終わった直後でした。
 このカードが知名度のあるカードであることは否定しませんが、旬の過ぎたミルコの試合にそもそも多くは望めません。結果はご存じのようにアリスターの急所攻撃により、ミルコが試合不能となったためノーコンテスト。
 さあ、ここから決勝戦が始まるという段になって、ぞろぞろと帰り支度を始める観客たち。かなりの人数がミルコの試合が終わった後、決勝戦も観ずに帰ってしまうなんて、興行としては失敗でしょう。

 戦國は回を重ねる毎に良くなってはいるのですが、目玉のホジャー・グレイシーが来日中止でボルテージを落としてしまったのは残念です。K-1ソウル大会も、MAXに比べて低調だったヘビー級戦線にしては好勝負の連続で楽しめました。

 本来ならばこの10月にもアメリカでジュシュ・バーネットとアンドレイ・アロフスキーの試合が行われる予定でしたが、主催者側の都合により興行がキャンセル。
 実は私、この8月にアロフスキーが来日した折に本人と会ってるんですよ。その時にはジョシュ戦のことや、予定されているヒョードルとの試合(アロフスキーはヒョードルに最も近い男と呼ばれている)、そして年末にも日本で試合する交渉をしているとの極秘情報を本人の口から聞いていたのですが、どうやら全ての計画が狂ってしまいそうで残念です。
 
 体形こそ大柄なアロフスキーでしたが、握手した手が随分と小ぶりだったのがちょっと気に掛かりました。せっかくだからヒョードルを倒してくれるよう願っているのですけどね・・・。

 視聴率も客入りも、興行の数ほど人気が無いというのが現状の格闘技界。つくづくPRIDEショックが尾を引いていると言わざるを得ない。石井館長も出所したし、年末に向けて仕掛けていくのでしょうけど、03年頃のピーク時の熱気は当分戻ってこないんでしょうね。昨日の魔裟斗の試合なんか、格闘技ファンとしては視聴率20%を上げたい位の熱戦だったんだけど。

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