旧myroom(香港電影的日常 '01/2/17〜'06/1/29)より移転。

 香港映画を中心に語っていますが、基本的には何でもアリです。
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 ・・・・あと、リンクもフリーではないんです。すんませんなぁ。

『唐人[金票]客/拳鬥王』 [2004年12月16日(木)]

『唐人[金票]客/拳鬥王』'73年製作、監督:劍龍、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーータイトルの[金票]の文字は、一部資料だと"票"になっているものもありますが、台湾の北京語版ビデオパッケージで[金票]だと確認しました。また欧米では『龍虎鬥』の続編『The Chinese Boxer 2』として売られていますが、全く関係ありません。これも欧米ですが、監督が張徹名義にされているものも有ります、張徹はビタ一文関係しておりませんので、誤情報に惑わされぬよう。 ジミー台湾での主演作で、同年はハーベストで『冷面虎』や『戦神灘』等を撮りつつ、『英雄本色/ドラゴンVS不死身の妖婆』や『黒白道/ドラゴン武芸帖』を撮っていた時期にあたる。いわばジミー全盛期な訳で、この映画もノリノリでがんばるジミーの姿が確認できるのだ。 『死闘伝説』にも収められた龍飛との列車ファイトが出てくるのがこの映画で、この場面は本当に凄い!嫌になるくらい存在する龍飛との闘いの中でも、この映画がベストバウトであろう。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日本にやってきたジミー、おのぼりさんよろしく祭り見物だ。羅斌を頭とするスリ集団"熊一家"、下働きの女スリ・張清清はここが稼ぎ時と張り切っていた。 ジミーの懐を狙った熊一家、ジミーに見つかりボコられる。その様子を見ていた虚無僧の古軍、ジミーの後をつけて説教をかます。日本人と見れば誰彼構わず殴りかかるジミーに、俺は中国人だ!と名乗る古軍。 虚無僧の中国人?何故日本に?(笑) 「何故そこまで日本人を嫌う?」という虚無僧に、「奴らは俺の村を全滅させたんだ!父の張亦飛も妹の金蓮も・・・」と己の過去を語るジミー。「でも犯人は分からんのやろ?皆殺しにするつもりか?」と問われ、「そのつもりだ!」と答えるジミー。そんなひとりジェノサイドなジミーに、「昔は植民地だったしさぁ、同じ人間じゃん」と全く効き目のなさそうな説得を試みる虚無僧。でもなんとなく良心が疼くジミーなのであった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー祭り見物を続けるジミーの懐を狙う張清清、気づいたジミー「返せよ、俺の財布」と詰め寄る。持ってないとマニュアル通りの答えをする張清清に、「やんのか?」と脅しをかける。やってきた熊一家共々、ジミーの日本人無差別攻撃に曝される。そんなジミーの姿を遠くから見つめる虚無僧、突然一心に尺八を吹き鳴らした。プロフェッサー・ギルの笛の音に苦しむジローのように、突然苦しむジミー。良心回路か?そんなジミーを満足気に見守る康凱であった・・・・って誰やねん! 隙を見て逃げ出す張清清を追うジミー、元締めの拷問にスリ仲間が殺されるのを見て立ち上がる。 また逃げる張清清を追いながら、屋台の前で立ち止まり「腹減ったから払えよ!」持ってないんだってば!そんなやりとりの後、嫌がる張清清の体をまさぐり、財布を発見するジミー。浴衣をめくり下着を見て彼女が中国人だと知る。隣りでは朝鮮服の魯平が"わんこそば"を平らげていた・・・・。 財布はみつけたが屋台の親父は差別主義者で、中国人のジミーには食べ物をくれない。 祭りの相撲大会に飛び入りし更なる大金を掴み、金に物を言わせて屋台の親父に目に物を言わせようとするジミー。相撲取りは鄭富雄、葛小寶などデブ専おなじみの役者たち。殴る蹴るの反則で勝ちを収めたが、最後は乱闘となり賞金は無理やり奪い取った。 そんなジミーの様子を見ていた張清清、ジミーの財布と一緒に掏り取ったお守りを落としたところを羅斌に見られる。父殺しの犯人に繋がる唯一の証拠に興味津々の羅斌。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー賞金を盗んでホクホクのジミーを待ち伏せる熊一家、蔡弘、薛漢、呉東橋など、いつもの面子だ。後ろを取られたジミーを助けたのは朝鮮服の魯平。「油断するな」と言い残して立ち去るが、今度は自分が狙われる。そこを助けたのはジミー、そんなジミーを満足気に見守る康凱であった・・・・って、だからあんた誰やねん! 疲れたジミーは宿に帰ったが、風呂が混浴と知って驚く。日本は全部混浴なのよ、いい加減な説明でジミーを裸にしようとする張清清。 そこへ飛び込んできたのは魯平、宿の親父をド突き回している。訳を聞くジミーに、宿の親父は「朝鮮人は金払わないで逃げるから、前金で払えっていっただけなんです」それを聞いたジミーは魯平に「彼が正しい、払えよ」 あっ、いやーこの時代の日本人のメンタリティとしては正しいかもしれませんがね、他の民族が差別されているのは無視なんですか? そんなやり取りにも関わらず仲良くなったジミーたちは宴会を始めた。その席に満足気に座る康凱であった・・・・って、だからあんた誰やっちゅーねん!一切の説明はないまま宴会は盛り上がることなくお開きに。言い出しっぺの魯平はひとこと「俺、明日早いんで・・・」いるよな、こーいう奴。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー魯平の用事は仇討ちであった。とある道場に乗り込んだ魯平、山茅や黄飛龍などいつもの面子に囲まれて登場する道場主・龍飛。道場生はみんな熊一家だ。父の仇!・・・あっけなく返り討ちに遭う魯平。瀕死の魯平を助けて匿う康凱。彼の父は地元の名士で剣道場を開いている馬驥。龍飛とは浅からぬ因縁があるのだ。 魯平を渡せ!道場に乗り込んできた龍飛一味を毅然と追い返す馬驥。「なら決闘だ!負けたら道場は閉めろよ!」二日後に決闘が決まってしまったが、寄る年波には勝てない・・・というか端っから龍飛には勝ったことない馬驥は悩むのだった。 羅斌がお守りに興味を持っていた裏を探っていた張清清は、龍飛が昔中国にいたことを探り出す。動きを探られ龍飛に監禁されてしまう張清清、情報を基に黄飛龍をおびき出し、殺すまで尋問するジミー。 龍飛のところを逃げ出してきた張清清だったが、何者かに弓で殺される。瀕死の彼女は龍飛こそ黒幕であると勝手なことを言い残す。 回復した魯平は康凱に仇討ちを手伝うよう頼むが、父に内緒では闘えないと悩む康凱。「父さん、父さんって、この腰抜け!」とても頼みごとをしている人間のセリフではないが、これに発奮した康凱は立ち上がり、ふたりは道場へと向かった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー龍飛と馬驥の決闘の日。決闘場所に現れない父を心配する紫蘭と門弟たち。そこへ馬驥自殺の報が届く。勝ち目の薄い闘いに自信を失い自殺してしまったというのだ。やってきた龍飛は戸板をふたつ担いでいた。そこに乗せられていたのは魯平と兄・康凱。悲憤にくれる紫蘭の前に、一面識も無い男・ジミーが現れた。「龍飛、お前を倒すのはこの俺だ!」 門弟を引き連れて数で勝るはずの龍飛は、何故か一騎打ちを要求、しかも門弟達の邪魔が入らない場所へとジミーを誘導していく。まるで負けるのを承知しているかのように。 走る列車に飛び乗り、貨物列車の上での闘いが始まる。かなり猛スピードで走る列車の上を、トランポリンを使ってノースタントで貨車から貨車へと飛び移るふたり。凄ぇな! 列車から飛び降り闘いの舞台は鉄橋へと移り、足を滑らせたジミーを渓谷へと叩き落す。 ポチャ、落ちたジミーが立ち上がるが、浅っ!膝までやん! 続いて飛び蹴りで飛んでくる龍飛、野を超え、谷越え、河越えて闘うふたりの決着は、でっかい岩で後頭部を殴られた龍飛が滝壷に転落して、幕。 ジミー映画やなぁ。

甦れ!ドラゴン世代(6)『黒白道/ドラゴン武芸帖』 [2004年07月30日(金)]

甦れ!ドラゴン世代(6)『黒白道/ドラゴン武芸帖』'71('73年説あり)年製作、監督・主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー黒家寨の長・張冲は、馬驥率いる[金票]客の護衛する積荷を襲撃する計画を立案。部下の薛漢、曾江、萬重山らを連れ黒家寨を出発。待ち伏せして襲い掛かる張冲ら多勢を相手に、ひとり奮戦する馬驥だったが、小刀を隠し持つ張冲のだまし討ちに敗れた。流れ者のジミーが街へとやってきた。街では馬驥の娘・上官靈鳳が父の仇討ちをするのではないかということが話題となっていた。王羽もどうやら張冲を探しているらしいが・・・・。父の仇を探して旅に出た上官靈鳳、宿で来訪の目的を告げるが、その宿こそ苗天の差配する盗賊宿だった。上官靈鳳の正体がバレたところへ居合わせた王羽、隠密行動を開始して苗天側の動きを探った。陰ながら上官靈鳳を助けようとする王羽であったが、却って不審人物として怪しまれた。誤解の解けぬ二人が対峙したその時、苗天一味の包囲網に取り囲まれてしまう。呉越同舟、その場はひとまず協力して斬り抜ける。捕まえた苗天から情報を引き出そうとする王羽であったが、問答無用で切り殺す上官靈鳳。今の彼女は復讐の鬼だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー新たな獲物である蘇真平、馮毅らが率いる別の[金票]客を襲う張冲一味。そこへ現れた助っ人こそ、苗天から襲撃の情報を聞き出していた王羽たちで、ここでの上官靈鳳は何故か覆面だ。(理由は後述) 襲撃が失敗に終わった情報に驚愕する張冲。抵抗勢力の存在などついぞ考えたことがなかったからだ。一刻も早く決着を付けたいと焦る上官靈鳳、単独にて黒家寨に侵入するも捕らえられる。鍛治屋の李敏郎に手伝って貰い、武器商人として黒家寨に潜り込む王羽。アイパッチで変相して片目ドラゴンだ!「昔から憧れていたんです」仲間にして貰い、油断させたところで上官靈鳳を救出。薛漢に感づかれるも、これを倒して張冲に迫る。王羽の技を見た張冲、彼が同門の弟子だと知る。王羽は一門中の不逞の兄弟子・張冲を始末するべく遣わされた者だったのだ。負傷している上官靈鳳を逃がそうとするジミーだったが、橋の上で襲撃を受け、ふたりは掘へと落ちる。この後、上官靈鳳の生死は不明のまま、ふたりの死闘は夜が明けるまで続き(本当に)、最後は王羽らしく意外にセコイ手で張冲を倒すのだ。だめだよジミー、主人公なんだからさぁ。(笑)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーージミー作品としては、ショウブラ時代と並ぶ正統派の傑作で、各種武器を使用し、手を代え品を代えするアクションも良く出来ていて飽きさせない。70年代の日本公開作の中でも、間違いなく五本の指に入る屈指の傑作である。これは当時もそう思ったものだ。ところで当時の子供たちはジミーのことをどう見ていたのか?正直に言って、当時はまだジミー映画の面白さは解らなかった。アクションが下手糞なことは一目瞭然で、本場の人間でありながら、空手に縁の無さそうな日本の俳優がやっているアクションを彷彿とさせていたのも戴けない。この『黒白道/ドラゴン武芸帖』くらいの作品ならともかく、闇鍋のようなゴッタ煮感漂う『片腕』シリーズや、武侠片の人物立てを西部劇タッチに置き換えた『四大天王/怒れるドラゴン不死身の四天王』など、もう少し"お兄さん"世代の方がハマったのではなかったろうか?満漢全席をそのまま一個の鍋にぶち込んだようなジミー作品を消化するには、やはりある程度成熟した大人の胃袋が必要だったのだ。自分にとってジミー作品の面白さは、80年代以降のビデオ時代に発見したものであります。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画には有名なエピソードがあるのは、皆さんご存知のことでありましょう。主演のジミーと上官靈鳳は撮影中全くソリが合わず、喧嘩したふたりは以後二度と共演することはなかったという。倉田保昭もその著書にて触れているので、全くのデマということも無いだろう。日野康一先生の本では、実際に闘ったら上官靈鳳が勝つ!とまで言われていますが。(笑) このエピソードの信憑性を裏付けるのが、劇中の上官靈鳳の扱いである。蘇真平一行を助けに現れる上官靈鳳は何故か覆面姿で・・・と書いた。その後覆面をとるのだが、上官靈鳳は後ろを向いたままだ。更には、ラストの要塞での闘い途中で堀に落ちた上官靈鳳は、物語上の生死も不明のまま、何のフォローもなく姿を消してしまうのだ。これってやっぱり、撮影途中で上官靈鳳が降りてしまった、ということなんでしょうねぇ。となると20分にも及ぶ最後のジミーの激闘も、上官靈鳳がいなくなるという物語の整合性を、力づくで観客に悟られまいとする、映画製作者としてのがんばりであったんでしょうな。しかしジミー相手にそこまで我を貫き、同時代をスターとして生き抜いた上官靈鳳も大したものである。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー次回は『新死亡遊戯7人のカンフー』です。

片腕ドラゴンズ最終回『獨臂侠大戦獨臂侠/獨臂刀大戦獨臂刀』 [2004年05月31日(月)]

片腕ドラゴンズ最終回『獨臂侠大戦獨臂侠/獨臂刀大戦獨臂刀』'77年製作、監督:金聖恩、主演:王羽、劉家榮ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー片腕ドラゴンズ最終回の攻撃は、今のところ最後のジミー片腕モノ『獨臂侠大戦獨臂侠/獨臂刀大戦獨臂刀』だ。タイトルからも判る通り、この映画も"片腕ドラゴンVS片腕ドラゴン"である。前回の『獨臂雙雄』が複雑怪奇な作品になってしまった為、今回新たに仕切り直しをしたものか。少なくともジミーの求めていたのはあのような作品ではなく、今回の作品のようにストレートな対決ものだったのではないかと推察される。今回、ジミーと闘うもうひとりの片腕ドラゴンは劉家榮。ショウブラ時代から付き合いはあったのだろうが、決定的になったのは劉家榮が『獨臂拳王大戦血滴子/片腕カンフー対空とぶギロチン』の武術指導を手伝った時からだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー当時、張徹の「長弓公司」を手伝っていた劉家良は、台湾へ落剥してきたジミーから新作の武術指導を依頼される。張徹の仕事があるから、そう一旦は断る劉家良に、すっかり往年の威勢を失ったジミーから懇願され受諾する。このことが劉家良と張徹の仲を決定的にし、劉家良は香港に帰るつもりで、弟の劉家榮を呼び寄せ助手を務めさせた。数々の事件やスキャンダルによって香港を追われたジミーにとって『獨臂拳王大戦血滴子/片腕カンフー対空とぶギロチン』は起死回生の作品だったのだ。それを成功に導いたのが劉家班の武術指導で、ジミーはその恩義に報いるため劉家榮を俳優として引き上げた。前年の『虎鶴雙形/少林虎鶴震天下/ドラゴン修行房』でも組んだが、今回は名誉ある"獨臂刀"三代目をジミー自ら襲名させたのだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画、多くの資料がゴールデン・ハーベスト作品としているのだ。実際ビデオにもハーベストのマークが入っており、すくなくとも香港ではハーベスト作品として公開されたようなのだ。だが、実際は台湾「第一影業」作品で、プロデューサーには黄卓漢が名前を連ねている。台湾版のポスターにはハーベストの文字は一切入っておらず、実際の作品にもハーベスト関係者はひとりとしていない。これはいったいどうしたことか?「第一影業」は台湾が本拠だったとはいえ、香港にも支社は有る訳で、「第一影業(香港)」が公開する方が自然だ。考えられる理由は、ショウブラから引き抜いたものの、『獨臂刀』問題で裁判沙汰になったジミーをハーベストが重荷に感じた。更には事件やスキャンダルを起こしまくるジミーを台湾へ厄介払い。その代わりといっては何だが、台湾でのジミー作品は香港でハーベストのラインに乗せて公開する。この様な密約が出来ていたのではなかろうか?『神拳大戰快槍手』など、いくつかの台湾ジミー作品が、ハーベスト作品として名前を残している理由はこれしかないと思うが。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー反清復明組織の大物幹部ジミーは、組織の内紛に巻き込まれ、無実の罪で追われるようになる。実は裏で皇帝(なんと!皇帝役は龍飛、出世したもんだ・笑)とその密偵が暗躍しているのだが、その過程でジミーも片腕を失う。ジミーが疑われる原因を作ったのは、清朝と繋がる裏切り者の組織(事情を知らないで操られる首領に梁家仁)に恨みを持つ若者・劉家榮。彼もまた片腕なのだ。反清復明組織(高飛や王冠雄がいる)の決起集会から始まり、龍飛皇帝の暗躍とスケールの大きな導入部だが、ご心配なく!"個人的な恨みをケチくさい形で果たす"いつものジミー映画へと落ち着くのだ。(笑) この映画の興行成績が20万香港ドル台と揮わなかった(77年頃ならヒット基準は100万香港ドル台だろう)ことから、ジミーは片腕ドラゴンを封印してしまう。ジミー本人の俳優人気もこの77年ころまでがピークであったろう。以後は急速に出演本数が減少していくのだ。76年には『神打』で劉家良が、この77年には『三徳和尚興春米六』でサモハンが、翌78年にはジャッキーが『蛇形刀手/スネーキーモンキー蛇拳』で大ブレイクするのだ。この77年が世代交代の年だったのだ、それは図らずもジミー本人が作品で証明する形となったのは皮肉だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー片腕ドラゴン・・・ひと口に言っても色々だ。ジミーだけでもこれだけのバリエーションがあるのだから。ジミーが片腕に拘り続けた訳、それは自分をスターにしてくれた思い出の作品であること。そしてそのジャンルのパイオニアとしてのプライドだろう。口さがない人は言う、"あの人は功夫の腕前が無いから、片腕でもやってなきゃ人気がでなかったのさ・・・"と。そうであったかも知れない。人のやらない事をやって世間をあっ!と言わせること、それがエンターテイメントであることをジミーは分かっていた。彼の天性の映画人としての存在証明が、この一連の"片腕"モノに集約されている。"獨臂刀王"・・・やはりこれはジミーにのみ冠せられる栄誉の称号である。(終わり)特集トップへ

片腕ドラゴンズ・8thイニングス『獨臂雙雄』 [2004年05月30日(日)]

片腕ドラゴンズ・8thイニングス『獨臂雙雄』'76年製作、監督・主演:王羽、姜大衛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー話は『新獨臂刀』まで遡る。この映画の誕生はハーベストのジミー引き抜きに端を発しており、ジミーがハーベストで作った『獨臂刀大戦盲侠/新座頭市破れ!唐人剣』に対抗する手段として、邵逸夫(ランラン・ショウ)のエゴで生み出されたものであった。結果、張徹にも姜大衛にも代表作となる作品になったのであるが、張徹はともかくとして、姜大衛が自ら望んで二代目・獨臂刀を襲名したのかどうかは不明である。ではジミーはどうか?これだけ作り続けるくらいだから、"片腕"モノの第一人者はオレだ!という自負はあるだろう。だが一方でショウブラの後輩スターの挑戦を、笑って受け止める余裕くらいはあったのではなかろうか?そうでなければこの映画の様な企画は思いつかないはずだ。この『獨臂雙雄』は新旧・獨臂刀対決!という夢の顔合わせだけで成り立っているのだから。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画のストーリーは正直いって良く解らない。北京語中文英字幕だが、トリミングの関係でほとんど字幕は読み取れない。さらにこの映画をややこしくしているのは、その人物設定にある。ジミーと姜大衛だけではない、この映画の主要な登場人物全員がみんな"片腕"の上、江湖に起こる謎の殺人事件を巡って、仮面の片腕と覆面の片腕が入り乱れるのだ。この顔を隠した片腕の男たちは、それぞれ事件の関係者の変装であるのだが、本格推理ものよろしくセリフだけで語られる事件の概要からは、北京語だけの映画を見ていても、一度見ただけでは判別がつかないのである。葬儀場に担ぎ込まれた柩を待ち構えている別の棺桶。葬儀場の男たちは突然牙を向き、柩を担いでいた男達を殺し始める。先に在った棺桶から龍頭大と呼ばれる仮面の男が蘇り、全員を殺す。そこへ金九鷹・張翼が現れて挑むが、龍頭大に右腕を切り落とされる。勝ち誇る龍頭大の右腕を更に切り落とすのはジミー獨臂刀。その折れた刀から彼が正統の『獨臂刀』(01/7/5)キャラであることがわかる。ここまでが導入部で、大して説明もない物語は、見るものを完全に置き去りにする。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー話は更に混迷を深める。龍頭大は逃げ、ジミーがどうなったのかも解らないまま、金九鷹・張翼は龍頭大が受け取るはずだった貢物を家に持って帰る。家には幼い弟子・葉小益が待っていた。右腕を失った師傳を気遣う葉小益の面前で、金九鷹・張翼は覆面をした左腕の無い男に殺される。幼い葉小益は師傳の兄弟弟子・羅烈を頼って身を寄せるが、この羅烈も左腕が無いのだ。この後も訳の解らん展開が続き、事件の犯人は少林寺にいることを突き止めるふたりの獨臂刀。身寄りの無い葉小益を預かろうという管長もまた左腕が無く、実はこの管長は張翼の変装だったことが露呈する。(しかし何のためだったのだ?) この複雑怪奇な物語の脚本を書いたのは、実は武侠小説家の古龍。『獨臂拳王勇戦楚門九子』で、徹底的に古龍小説世界のキャラを殺しまくっていたジミーが何ゆえ古龍に脚本を書かせたのか?この『獨臂雙雄』は『獨臂拳王勇戦楚門九子』と同年に製作されている。どっちが先だったのかは判らないが、『獨臂雙雄』の方が先だったとしたら、『獨臂拳王勇戦楚門九子』はやはりジミーからの返答だつたということか。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー新旧・獨臂刀対決とはいってもジミーと姜大衛は本編ではほとんど絡まない。姜大衛は共同監督も務めているが、やはり先輩ジミーに随分と気を使っている。最後の張翼との決闘は、『四大天王/怒れるドラゴン不死身の四天王』以来の"鳥小屋"対決で、ジミー映画ファンを唸らせてくれます。この人はとにかく映画製作というものを楽しんでいたんだろうな。新旧の獨臂刀が競演したら?その敵もみんな片腕だったとしたら?そんな、小学生の机の落書きの様な夢を、大真面目で映画化してみる。ある意味で素晴らしい、愛すべき映画バカ、それがジミー王羽の真骨頂だったのではないか。次回、片腕ドラゴンズ最終回『獨臂侠大戦獨臂侠』、こう御期待!

片腕ドラゴンズ・4thイニングス『獨臂拳王勇戦楚門九子』 [2004年05月19日(水)]

片腕ドラゴンズ・4thイニングス『獨臂拳王勇戦楚門九子』'76年製作、監督:徐増宏、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー雄雄しく岸壁に立ち尽くすジミーの姿にタイトルバックが被る。そこへデーンと「香港富都影業公司」、続いて「香港真広影業公司」聯合出品という文字が二段ブチ抜きで出る。さらに「六福影業公司」榮誉發行という文字が・・・。三つも公司の名前が出てくるが、いずれも馴染みの無い会社ばかりで、だいいちコレ台湾映画じゃん!という突っ込みも入れたくなろうというもんだ。(笑)さすがはジミー、初っ端から飛ばしてくれるぜ。当たり役の"獨臂刀"であったが、ショウブラとの版権問題で揉めたジミーは、当時流行の功夫片へとリメイクすることを思いつく。それが『獨臂拳王/片腕ドラゴン』で、ジミー・ワールドに於いては髷物の武侠片(チャンバラ)は"刀王"、民国初の功夫片は"拳王"という振り分けになるのだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー76年、ゴールデンハーベストでジミーは最後の大作『鰐澤群英會』に出演。これを期に本格的に台湾での活動(都落ちともいう)を開始。劉家良曰く、「台湾に移ってからのジミーに、往年の勢いはなかった・・・」。そんなジミーに懇願され、張徹との契約にひびを入れることになりながらも劉家良が引き受けた武術指導が『獨臂拳王大戦血滴子/片腕カンフー対空とぶギロチン』。この作品はジミーにとっては起死回生の大ヒットとなり、"生涯一片腕"を心に誓うジミー。この同じ年、一本のノンスター映画が大ヒットし、それによって"第二次新派武侠片"ブームが起きる。(01/7/1〜30日記参照) その映画『流星・胡蝶・劍』は、武侠小説家・古龍のベストセラーの映画化で、"第二次新派武侠片"ブームとは古龍ブームと同義語であったのだ。台湾のジミーも古龍映画に引っ張り出された。羅維プロが売り出しに掛かっている成龍という俳優と共演することを頼まれ、その彼が武術指導兼任で手にするはずの四倍のギャラで出演を快諾。それが『風・雨・雙流星/キラードラゴン流星拳』であった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの時期ジミーの古巣ショウブラでは『流星・胡蝶・劍』をヒットさせた楚原の手により、狄龍、爾冬陞、岳華らの主演で古龍映画の量産体制が始まっていた。原作者・古龍のお膝元である台湾での人気ももの凄く、孟飛、衛小雲、凌雲らの古龍映画がスクリーンで競い合った。ジミーはこのブームをどうみていたのか?そのジミーからの回答がこの映画なのだ。OPが終わって顔を出すのは宗華。彼の役名は"孟星魂"!これは『流星・胡蝶・劍』で宗華が演じた役だ。古龍映画の主人公らしく、ひとりニヒルなセリフを吐いている宗華"孟星魂"をあっさりとブチ殺すジミー。"孟星魂"殺される!の報は江湖に轟き、"孟星魂"の庇護者・孫玉伯(『流星・胡蝶・劍』で谷峯が演じた役)は片腕の刺客の存在に怯える。どうやらジミーは"楚九指"と呼ばれる謎の暗殺組織のボスを探しているらしい。"楚九指"の子分たちを"楚門九子"といい、ジミーは彼らとひとりづつ対決していくのである。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーージミーは汚名を着せられて殺された父の仇を探していることが追々と解ってくるのだが、その仇が"楚九指"であり、この物語構成が古龍の小説のパターンの踏襲なのだ。ジミーが闘う"楚門九子"の面子が傑作で、陸暁風は「陸小風傳奇」から、傳白雪は「辺城浪子」『天涯・名月・刀』(原作未訳)の傳紅雪。英雄涙涙は「英雄無涙」(原作未訳)、陽姫と花和尚は共に「楚留香・天一神水」(原作未訳)の水母陰姫と無花和尚から。美女をはべらせて登場するのは楚香留、いうまでもなく『楚留香』だ。六少爺はちょっと解り難いが、これは『三少爺的劍』(原作未訳)、木子飛刀は小李飛刀こと李尋歓で、彼が登場するのは『多情劍客無情劍』である。最後に登場するのは蕭十一郎(同名原作は日本未訳)で、彼と孟星魂、孫玉伯のみ名前を変えられていない。何でだ?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーご覧の通り、オール古龍キャラ総進撃!状態だ。これを演じているのが、大物のゲストだったりすると凄い映画なんだけど、孟星魂の宗華、六少爺の陳鴻烈、蕭十一郎の羅烈以外には大した役者は出ていない。・・・惜しいな。で、この古龍キャラをたいして意味もなくブチ殺して回る狂乱のジミー。台湾へ落ち延びたばかりのジミーにとって、後輩ショウブラ・スターたちが古龍武侠片で華々しくやっているのが眩しかったに違いない。そうとしか思えない!(笑) この映画、古龍武侠片のパロディであるから髷物のチャンバラなのですが、映画のタイトルは『獨臂"拳王"勇戦楚門九子』 。各人、特殊武器を使う古龍キャラに、あくまで素手で立ち向かうのですよ、ジミーという男は!しかも片腕。嫌味もここまでくれば芸の域だと思います。勿論、最後にはボスの"楚九指"を追い詰めるのですが、その正体と、あっ!と驚く(噴出す?・笑)驚愕のオチについては、ここでは書かないことにしておきます。次回は、ジミー以外の片腕ドラゴン登場!『獨臂空手刀』です。

『馬素貞報兄仇』 [2004年02月01日(日)]

『馬素貞報兄仇』'72年製作、監督:丁善璽、主演:燕南希、王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー同年に作られたジミー版"馬永貞"『覇王拳』の正統な続編で、数ある馬素貞ものの中でも同スタッフ・キャストで作られたものはこのシリーズだけということになる。シリーズとはいっても最初から企画されていたのではなく、前作『覇王拳』大ヒットの後を受けて急遽製作されたらしい。ヒットの余韻冷めやらぬ三ヵ月後には公開されたということだが、急造仕様とは思えない出来に仕上がっている。本来ならば、この三月に日本で発売される予定であった"ジミーDVD BOX"に、『覇王拳』と共に収録される予定であったが、諸般の事情により"DVD BOX"そのものが無期限発売延期(03/3/3現在)となっている。"馬素貞"ものといえば、日本でも公開された嘉凌(ジュディ・リー)の『仇/地獄から来た女ドラゴン』が最も有名だろう。他に龍君兒の『上海灘馬素貞』もあるが、三本の中ではこの『馬素貞報兄仇』が最も異色作だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー前作のラスト、斧頭一味に殴り込みをかけた馬永貞は、卑怯な罠にかかり眼を潰され、全身を斧で貫かれて死亡する。前作『覇王拳』も参照にして貰えば良く分かるが、この作品自体は普通の"馬永貞"だ。『馬素貞報兄仇』は、そこでジミー馬永貞に殺された日本人武術家・易原の仇を討つべく、日本で江南、李強らが立ち上がる場面から始まる。中国へやって来て白癩痢(馬譲)に接近した李強は、馬永貞が既に死んでいることを聞かされる。しかしその死体は発見されず正確なところ生死は不明であるため、山茅、蔡弘、潘村鈴の日中共同戦線により捜索隊が結成された。『馬素貞報兄仇』の異色さはこの点にある。何故死体が発見されないのか?全身斧まみれで倒れた馬永貞に、生き抜くことなど不可能なはずだ。しかしこの作品は王羽の映画である。"ジミー・ワールド"に不可能の文字は無いのだ。馬永貞は生きていた。負傷はしているものの、眼が見えない以外は大した怪我ではない。さすがはジミーだ。陳莎莉の看護で一命を取り留めた馬永貞、山東にいる妹・馬素貞(燕南希)に助けを求め手紙を書く。手紙は陳莎莉と共に白癩痢の手に落ち、妹がいる事を知った一味から刺客が送られる。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーかくして兄の危機を知った馬素貞は上海を目指すのだが、この兄妹は運命のアヤに弄ばれることになる。アジトの知れた馬永貞は襲撃を受け脱出。道中、刺客を振り払いながらやって来た馬素貞も、白癩痢の罠にかかり捕らわれの身となってしまうのだ。善人を装って近づいた白癩痢に、宴席で斧頭一味を襲撃する計画を持ちかけられ、給仕に扮した馬素貞が"魚臓剣"(『刺客列傳』参照)のように命を狙う場面が面白い。捕らわれた馬素貞を助けるべく、負傷の癒えた馬永貞が殴り込みをかける。この映画最大のジミーの見せ場だ。陳莎莉に救われた馬素貞も脱出するが、多勢の敵に囲まれ兄の元へは辿り着けない。ツルハシを振るって暴れ回るジミー馬永貞は、憎き白癩痢を追い詰め塔から転落死させた。そのころ、馬素貞はドラム缶攻撃により危機一髪となっていた。駆けつけた馬永貞、助けようと試みるが四方から飛来する斧によって全身を貫かれた。ドラム缶の山から這い出した馬素貞が見たものは、もはや助けようの無い兄の姿であった。斧頭一味に怒りの鉄拳を叩き込んだ馬素貞、兄の元へと駆け寄るが、瀕死の兄との最後の再会を果たした。嘉凌、龍君兒に比べるとアクションに難のある燕南希だが、デヴュー直後の初々しさが"凛"とした馬素貞の美しさを上手く表現している。

『威震四方』 [2003年02月24日(月)]

『威震四方』'74年製作、監督:王洪彰、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー台湾をメインにしていたとはいえまだまだジミーさんがブイブイ言わせていた頃の主演作だ。'74年といえば『四大天王/怒れるドラゴン不死身の四天王』や『直搗黄龍/スカイハイ』の間にあたり、ジミーさんにとっても最後の黄金時代であった。これを裏付けるエピソードとしては、'76年の『獨臂拳王大戦血滴子/片腕カンフー対空飛ぶギロチン』の製作に武術指導として参加した劉家良から、この頃はハッキリ落ち目になりつつあったことが証言されている。この『威震四方』は奇をてらわずに正統的な功夫路線で勝負した作品で、どちらかと言えばショウブラ時代の武侠片を思わせる作りだ。共演の焦[女交]は台湾映画でデビューしたあと香港に移りショウブラに入社、ジミーさんの『獨臂刀』で脚光を浴びた女優である。そんなキャスティングも往年のショウブラ路線をなぞってのことだったのかもしれない。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー焦[女交]の父は武館を経営していたが、同業の薛漢からの恨みを買い武館は襲撃された。腕で劣る薛漢はタイから助っ人として田野、龍飛、山茅、羅斌の四人を呼んでいたのだ。焦[女交]は襲撃の中から逃れ、弟・李藝民がやっかいになっている曹健の家へと急いだ。復讐を叫ぶ李藝民であったが、その腕はさらに未熟でありとても仇討ちは叶えられそうにない。曹健の息子・康凱からある男を紹介される。その男はかつて英雄とうたわれたジミーさん。現在は自ら武芸を禁じ、年老いた母・張泳玉(『少林寺木人拳』で少林寺に住む尼僧を演じていた人)と共に静かに暮らしていた。漁師をしてその日暮しの生計を立てているジミー親子、母「・・・・いつもすまないねぇ。」ジミー「母さん、それは言わない約束でしょ。」今日もコントのような会話は快調だ。康凱の手引きでジミー親子に会いにきた焦[女交]と李藝民だったが、平和な暮らしを望む張泳玉にキッパリ断られてしまう。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー短気な李藝民は怒って帰ろうとしたが、焦[女交]は「劉備も孔明を迎えるにあたっては"三顧の礼"を尽くした」てなこと言って門の前に座り込んだ。それから何日かたった(!)或る日、焦[女交]が毒蛇に咬まれてしまったので治療のために家に引き入れることに。長い間のやもめ暮らしのジミーと、危ない所を助けられた焦[女交]の間に恋心が芽生えた。治った焦[女交]を曹健のところまで送り帰す途中、薛漢の部下につけられ曹健の家を発見される。曹健は捕まった焦[女交]を逃がすため、我が子・康凱に李藝民の服を着せ敵陣に送り込み時間を稼ぐ。康凱の死を犠牲に難を逃れた一行はジミーのところへ。話を聞いて怒り心頭のジミーはひとりで薛漢の屋敷に乗り込むが、山茅、龍飛、蘇真平らに返り討ちにあう。顔を腫らして帰ってきた我が子の顔を見た張泳玉は、平和な日々は帰ってこないことを悟った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー今度はジミーの家が捜し当てられた。ジミーの不在をついて襲撃を受け、帰ってきたジミーが目にしたものは皆殺しの惨劇であった。ブチ切れたジミー、薛漢の家に乗り込むといきなりブっ殺した。田野たちとは海岸で決闘だ!いちおうタイっぽい動きを披露する田野、龍飛、山茅、羅斌、蘇真平ほとんどひとり一撃づつくらいで倒されていく・・・・あっけない!蘇真平なんか海岸の砂浜に頭から突っ込まれて逆立ち状態のまま絶命だ。まるで『犬神家の一族』の佐清(スケキヨ)さんみたい。(厳密にはあの場面で殺されていたのは佐清に化けていた青沼静馬なんですが・・・そんなことはどうでもいいか) 肝心の田野も一発でやられた。んー、一発で倒すほどの怒りということを表現したかったのかもしれないけど、功夫映画のラストがこれではなぁ。ストーリー的にはしっかりした作りだっただけに惜しいな。

『鐵漢/鐵人/強漢』 [2002年10月30日(水)]

『鐵漢/鐵人/強漢』'74年製作、監督:張一湖、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー今月の日記は"ドラゴン・リー"やら"エイプ・ガール"やら"ブルース・ライ"やらと、実に"いかがわしい"系のラインナップだった。そこでその手の"いかがわしさ"にかけては王道を行くこの人、ジミー王羽先生にお出まし願って締めてもらおうと思います。この『鐵漢』の製作された'74年は、そろそろ私生活の方がヤバくなってはきていたがまだまだ羽振りの利いている時期で、ジミーさんにとっても黄金時代であった。何だかんだいってもこの人が人気があったのは事実で、'72〜'77年頃の間にはコンスタントに年間95本もの映画に出演していたのだ。翌'78年くらいからはさすがに神通力も失せたのか製作本数はガタ落ちとなっていった。'75年以降は香港での仕事は無くなっていたのだから、数々のスキャンダルを起こしながらでも結構長く活動出来たのは、やはり大衆の支持があってこそだったのであろう。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー冒頭、ナレーションで説明がある。「1937年、日本軍が侵略を開始。中華民族は誇りを持ってそれに闘い、多くの同胞の血を流しながらも勝利した。」ナレーションのバックは大戦当時の実写フィルムで空襲にさらされる中国の町並みなどが映されるのだ。そしてナレーションは続く、「ーーーここにその戦火の闘いと同じように、父を殺された仇を血で償った男がいた。」・・・・・???よーく考えたら戦争とかは関係ねーじゃん!よーするにジミー得意の「個人的なうらみをケチくさいスタイルで果たす(by 日野康一)」だけじゃんか!(笑) 少年時代のジミーが家族で団らんしていると、そこへ数人の男たちが現れる。男たちは日本軍に抵抗している組織の長であるジミーの父に連絡をとりにきたのだ。ところが男たちは既に日本軍に内通しており、乗り込んできた日本軍将校・龍飛に父を殺され、母を犯された。犯された母は自殺し、止めに入ろうとした少年ジミーは片手首を斬られて意識を失った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーここからタイトルバックである。軽快な音楽に乗せて修行中のジミーの姿が映しだされる。『片腕ドラゴン』ならぬ"片手首ドラゴン"である。(好きやね、しかし) 手首が無いとイマイチ不便を感じたのか、近所のオヤジと"My義手"作りに所為を出すジミー。おぉっ!手彫りだ!完成した"My義手"を装着、必殺の木拳パンチを編み出してご満悦。さぁ、復讐戦の開始だ。道のド真ん中で車を止めてイチャつくアベック。後続のトラックがクラクションを鳴らしても知らん顔。前方に気を取られ過ぎた運ちゃん、荷台に誰かが乗り込んだのにも気がつかない。そのままトラックは発進、荷台の男たちは川縁に差し掛かると荷台から古タイヤを川に投げ入れた。待機していた船頭が船でタイヤを拾い上げ・・・・えーい、まどろっこしい!手間ばっかりかかる方法で古タイヤを手に入れて満足気なのは蔡弘だ。蔡弘はジミーの父を裏切った仲間のひとりであった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー蔡弘に報酬を渡せという船頭、偉そうにと思ったらジミーだった。蔡弘を捕まえ、次々と仲間の居所を白状させていく。その仲間たちを実に手の込んだ方法で追い詰め、その苦労の割には追い詰めただけで最後は暴力に訴えるジミーであった。残るひとりは憎き日本軍将校・龍飛だ。満州の情報将校から帰国後はヤクザになっている龍飛、児○誉○夫(自主規制)みたいなもんか。失敗をしでかした部下が命乞いをしている、すんなり許してその場を去らせると後ろから"吹き矢"で射殺した。ふ、吹き矢ってあんた・・・。この龍飛、満州時代から女癖の悪さは変わらず、一膳飯屋の看板娘・花子に目をつけていたのだ。その一膳飯屋で飯を食っているのは、誰あろう我らがジミーだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー酔っ払いのハナ肇に似た兄が妹の花子な怒られている。「兄さんまたバクチ?」「今度は勝てるよ」そんなふたりのやりとりを見たジミー、ハナ肇について賭場へ。デカイ口叩いてもボロ負けのハナ肇、ついには妹を借金のカタに金を借りる。もちろんこの賭場は龍飛の賭場で、花子を手に入れるために仕組まれたイカサマ博打である。見兼ねたジミーはハナに手を貸し、山本隣一似の壷振りのイカサマを暴いてみせる。大喜びのハナ肇、家に帰ってジミーを誉め称えた。すっかりジミーに惚れた花子であったが、兄貴の書いた借金証文で龍飛に売られてしまう。ここからの展開が凄い、売られた花子、カット変わって吹き矢の練習に余念の無い龍飛、またカット変わると龍飛の屋敷で暴れているジミー。恐ろしいまでの省略手法だ。暴れるジミー、お前は父の仇!逃げる龍飛、暴れるジミー・・・・以下略。そんなことを繰り返しつつ地下におりてきたジミー、罠にはまって閉じ込められた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーついに龍飛得意の吹き矢の出番だ!動いているジミーには当てられなくても、檻の中なら大丈夫。吹き矢を食らって倒れたジミーを助けたのはハナ肇、あれだけの乱闘の後でも花子をモノにしようとがんばっていた龍飛のところへジミー登場だ。「吹き矢には毒が塗ってあったずだ」驚く龍飛に義手に刺さった吹き矢を見せるジミー、得意気だ。暴れるジミー、逃げる龍飛・・・・どさくさまぎれに花子を拐って逃げる。追いかけるジミー、助っ人に呼ばれたバイカー軍団を蹴散らし、龍飛のマウントをとったぁ、石で殴る!石で殴る!立ち上がって踏みつける!ひどいぞジミー。因縁渦巻く龍飛をなぶり殺しにしたジミーは、日本の警察に捕まることなく台湾へと帰っていった・・・・。ジミーさん、あんたってやっぱり凄いよ。こんな映画誰にも作れないぜ。

『覇王拳』 [2002年09月15日(日)]

『覇王拳』'72年製作、監督:丁善璽、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーージミーさんの馬永貞ものであり、ジミーさんにとっては代表作の一本である。(馬永貞については日記の02/7/1802/7/19なんかも参考にして下さい。) '71年、ショウブラからゴールデンハーベストへの強引な移籍で告訴されたジミーさんは、裁判沙汰の喧騒を逃れ、ハーベストでの活躍もそこそこに台湾へと一時退避することになった。(その後の数々のスキャンダルで結果的には香港に居られなくなるのだが…) 台湾の「第一影業」と契約したジミーさんは、ふたたび'73年にハーベストで映画を撮り始めるまでここを拠点にしていたのだ。'71年といえばブルース・リーが凱旋帰国して大ブームになっているころで、ハーベストはこれで一躍のし上がるきっかけを掴み、一方のショウブラも張徹監督が発表した姜大衛&狄龍のコンビ作でそれに対抗、香港映画界は熾烈な興行戦争で賑わっていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその場に居合わせることが出来なかったジミーさんは、遠く台湾の空の下でひとり闘争心を燃やしていた。ブルース・リーの『精武門/ドラゴン怒りの鉄拳』に対抗すべくシヨウブラが発表した大作が張徹監督の『馬永貞』であった。そこへジミーさんが全く同じ企画を同時期にぶつけるという暴挙に出た、新たなるライバルと古巣への意地、それがこの『覇王拳』であったのだ。筋立てそのものは基本的な"馬永貞"ものである。上海に出てきた馬永貞(ジミー)が斧頭党一味(田野、苗天、山茅、龍飛、蘇真平)と対立、一味のボス・白癩痢に卑怯な手で目を潰され、最後は死闘の末に全身を斧で斬り刻まれて息耐えるのだ。馬永貞の憧れる譚四の役は無く、馬永貞は友人の仇を討ちに来たらしいことがそれとなく語られ、白人ボクサーとの対決の代わりに日本人柔道家(易原)と闘う。いつもは奇をてらうジミーさんも今回は本格派として勝負しており、作品としても堂々たる大作で、その辺の野っ原でロケするばっかりの「第一影業」作品としては破格のセットを組んでいる。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー史実の"馬永貞"は実際にはヤクザな武術家であったろう。陳觀泰はそれを資本家の金に力で闘いを挑む労働者の代表として演じ、金城武は1800年代後半の魔界都市・上海で、権力に立ち向かう青春群像として演じた。その実像はもっとも"馬永貞"本人に近いジミーさんは、逆に徹底して"馬永貞"をヒーローとして演じている。日活映画の主人公のようにフラリと上海に現れたジミー"馬永貞"は、女性を食い物にする組織と闘い、社会のはぐれ者や子供を守って日本人武術家を倒す、最後は子供への優しさが仇となって罠にはまり、兄弟分と共に『傷だらけの人生』における鶴田浩二&若山富三郎そのままに命を落とす。その"リアリティ"の無さこそが役者・ジミーとしての"リアリティ"だと思うのだ。ようするに如何わしいのであるが、ブルース・リーとショウブラザースに真っ向から対抗してみせたこの気概、こんなところも実はジミーさんの人気の秘訣であったのではないだろうか。続編へ

『鐵鋼殺星/判決』 [2002年06月30日(日)]

『鐵鋼殺星/判決』製作年度不明('78年説あり)、監督:李溯、主演:王羽ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーータイトルの"殺"の字は本当は旧字体なのですが、変換のしようがないため"殺"のままです。ご了承下さい。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこれまたジミーさんの珍品である。製作年度他細かいことはデータ不明であるが、ジミーさんの顔つきからいって'80年代ころの作品のようだ。おってストーリーも紹介したいが、北京語オンリーの字幕無し作品であるためこれまた細部は言及しようがない。ジミーさんの台湾時代のB級作品にはこういう場合が多く、はっきりいって紹介者泣かせである。しかしこの作品随分と変わっているのだ、そこらへんにジミーさんらしさがあるのもまた事実です。OPのクレジットでジミーさん以外にも王引、李湘、匂峯などそれぞれピンで名前が出るのだが、正直いって王引以外は誰が誰だか判らない。まったく困った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー女が取り引き現場へと向かっている。女には刑事の尾行がついており現場で現行犯逮捕された。一転して裁判になり女が証言台に立たされている。その女を見つめる裁判官の王引が回想に入るところから本筋となる。王引の家にその女と情夫らしき男がいる。この女と王引の関係は不明だ。言葉では説明されているのかもしれないがビシュアルからは最後まで読み取れなかった。ヤクザもののような情夫の振る舞いに腹を立てた王引が警察に電話をしようとすると、男と揉み合いになり止めに入った王引の息子が刺し殺してしまう。王引は女を説得すると現場を去らせ、息子を連れて警察に出頭した。兄が警察に連れていかれるのを見た幼い妹はショックを受けそのまま家を飛び出した。ここまでが回想部である。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー仮釈放された女と軽い挨拶を交わし、帰宅すると待っていたのはヤクザであった。先頃女と一緒に捕まった仲間について、今度の裁判で有利な判決を下すよう買収にきたのだ。毅然と跳ねつける王引に、ヤクザたちはいまいましげに家を出た。ヤクザたちのボスは龍飛である。実生活でもジミーさんの舎弟を務める龍飛は『片腕ドラゴン』のころからジミーさんの映画に出演しているのでお馴染みだろう。釈放された女は現在では龍飛の情婦らしく、ゆくゆくついていない女のようだ。王引の息子が出所してくる。いつのまにか随分とたくましく育った息子を演じるのは、勿論この作品の主役であるジミーさんだ。しかしここまで20分弱、1時間20分強の映画にしては遅い登場だ。ジミーさんを迎えにきたのは王引だけではなかった。いなくなった妹はム所のジミーさんとは連絡を取り合っていたのだ。兄を警察に売り渡した父に冷たい一瞥をくれる妹。挨拶もそこそこにジミーさんを自宅に連れ帰った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー彼氏と同棲している妹は人の良い彼氏に兄の面倒をみて貰うことに。就職が決まるまでと金まで貸してくれる彼氏、いい男だ。ジミーさんは職探しにかつてのム所仲間・李強を訪ねる。この李強のボスがなんと龍飛で、気に入られたジミーさんさっそく取り立て屋の仕事を得た。(いいのか?普通堅気の仕事探すだろ、まず。) 初仕事は李文泰からの取り立てだ。ジャッキー映画でお馴染みの李文泰をボコると、まんまと金を取り返した。お喜びの龍飛はジミーさんにボーナスを弾むと、もっと大きな仕事につけるよう指図した。もっか龍飛一味の最大の関心事は例の裁判の行方で、言うことを聞かない王引に脅しをかけるのがその仕事だ。困ったことになったのはジミーさんだ、その乏しい表情演技からはいまいち本音は読み取れないが、困っているのだけは確かのようだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー怪しい仕事に従事しているらしい兄を心配している妹の頼みで奔走する彼氏、本当にいいやつだ。王引に相談にいったり、ジミーさんを諭したりするのが目障りになったので龍飛からボコってくるよう指示が出る。妹と一緒のところに襲撃をかけ致命傷は負わさないよう激しくボコるジミーさん。すっかり妹の信頼を失った。急にのし上がったジミーさんを気に入らないNo.2が罠を仕掛け、現金輸送しているジミーさんを高飛らに襲わせた。現金を奪われたジミーさん、汚名挽回とばかりに出張った仕事は、何と王引を痛めつける仕事だった。いまいち腰の引けた脅ししか出来ないジミーに見切りをつけ、王引殺しを目論む龍飛一味。龍飛の女に成り下がったが恩のある女は危急を知らせようとするが、いち早く察知した龍飛一味に殺されてしまう。しかし女は息も耐え耐えで王引に知らせた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーージミーと王引と女の関係もバレ、せっぱ詰まったジミーは龍飛一味に襲撃をかける。襲撃前に妹の彼氏に警察を呼ぶよう指示したジミーは、組織相手の殺し合いに警察を踏み込ませることで一網打尽を計った。計画通り全員逮捕され、裁判も滞りなく行われた。龍飛たちも当然罪に問われることに。無断使用!のアニマルズの名曲「朝日の当たる家」をバックに収監されていくジミー、面会にきた王引との間に親子の信頼が戻り、劇終。(このあと『炎の大捜査線』でもみればパラレルに続いて面白い。) ジミーさんが主役だが、物語り自体は王引の視点で進むという変な作り。家族主体のホームドラマ調なのに、妙に功夫シーンに力が入っているのも笑わせる。本人きっと大真面目で作ってんでしょうけどね。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー[追加情報]あまり信用出来ない資料からなので明言は避けたいが、本作が'78年製作であるとの情報を得た。また『判決』という別題もあることが判ったが、社会派作品のようで"ジミーさんもの"にはそぐわない。まぁ、確かに"判決"を巡る映画だったんですけど・・・ね。 [追加情報2]この映画の再編集版が、その昔の"ニンジャ・ブーム"に発売された『The Thundering Ninja/ニンジャ・ファイター機密ファイル奪回作戦』であることが判明。
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