『上海大亨』 [2001年06月29日(金)]
『上海大亨』製作年度不明(多分'77〜'78年頃)、監督:梁哲夫、主演:陳観泰ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー何とも奇妙な映画である。私の入手出来たありとあらゆる資料をひっくり返しても陳観泰のフィルモグラフィにこの題の映画は無い。但し似た様な題の映画はある。'79年の『上海灘大亨』だ。初主演の功夫黒社会物ともいうべき『馬永貞』が代表作でもある陳観泰は、続く『仇連環』などでもそのイメージを保持、そっち系の人をやらせれば逸品である。『上海灘大亨』もその流れの映画だが、私はこの映画を見ている。今日の『上海大亨』とは何の関係も無い。いったいいつ製作された映画なのか?何故フィルモグラフィには出ていないのか?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーまずこの映画の出演者だが、陳観泰以外は同じSBの胡錦と林珍h(劉家良の『神打』で初主演、その後も張徹監督のオクラ入り問題作『殺出鬼門関』やツイ・ハークの名を世に知らしめた『ミッドナイトエンジェル』など、その出演作は多くは無いが香港映画の転回点には何故か姿を現す女優。)の女優ふたり以外はまるで知らない顔ばかりだ。スタッフも武術指導の陳木川(陳観泰の実弟)以外は知らない名前ばかり。思うにこれは韓国映画ではないのか?ーーでは何故?この推測なら以外と簡単に成り立つのだ。陳観泰は'77年に念願の企画であった『鐵馬[馬留]』をSBに無断で自社プロで製作、SBとは裁判沙汰となり『鐵馬[馬留]』は上映差し止め、陳観泰自身も'78年にSB復帰するまで逼塞を余儀なくされた。で、陳観泰のフィルモグラフィを見ると'77〜'78年の間が3本しかないんですよね、その前後はコンスタントに年45本出ていた人なのに。だからこの'77〜'78に裁判沙汰で揉めていた間にSBの目の届かない韓国で主演したのではないか?と思うのですが。(この間の真相をご存じの方、もしおられましたら管理人までお知らせ下さいませ。)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画、珍品ではあっても映画としては語るべきところは無い。はっきりいってかなり酷い出来である。ストーリーは、対立する組織の抗争が激化する上海('70年代の韓国にしか見えんが・・・)にやって来た陳観泰がひょんなことから一方のボスの命を救い組織でノシあがる様を・・・描こうとしたようだ。(そんな風にはとても描けてはいない!)最後に字幕で、本作は25年前(製作年度から逆算して1952(?)年頃。)の上海で起きた実話を元に・・云々と出る。最後も"劇終"ではなく"再會"だ。(続編が作られたとはとても思えないが。)ま、ハッタリも時には必要ですからねー。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー最後にウンチクをひとつ。通常"上海大亨"といえば日中戦争から国共内戦("国"民党と"共"産党が内線の末に覇権を争った様をこう呼ぶ。毛沢東率いる共産党軍が勝ち、国民党は台湾へというのは現在が示す通り。)頃に実在した、杜月笙の事。にっかつが社運をかけて見事にコケた『落陽』で元彪が演じていたのがこの"杜月笙"です。『落陽』香港公開時は元彪を中心に再編集、タイトルも『上海大亨杜月笙』として公開された。








