旧myroom(香港電影的日常 '01/2/17〜'06/1/29)より移転。

 香港映画を中心に語っていますが、基本的には何でもアリです。
 なお日記に記載の内容は、無断転載、転用はお断りいたしております。ご理解下さい。(by fake)

 ・・・・あと、リンクもフリーではないんです。すんませんなぁ。

『怒れ!タイガー必殺空手拳』 [2002年08月05日(月)]

Name:なるこう
Email:
URL:

ご紹介誠に有難うございます。
とても参考になりました&fakeさんの「やめとけっ!」って気持ちが伝わってきました。
これは・・・・怖いモノ見たさで・・・(だめだこりゃ)

ウチのPCは取り敢えず冷やしてから起動させることで、
今のとこは正常動作しています。
こちらのお気遣いありがとうございました。

更新 [2002年08月05日(月)]

Name:fake
Email:episodo1@iris.dricas.com
URL:

 8/5日記更新。黄正利ショウブラ功夫片に登場!
『廣東[青見]仔玉/烈火神功』だ。

『廣東[青見]仔玉/烈火神功』 [2002年08月05日(月)]

『廣東[青見]仔玉/烈火神功』'82年製作、監督:徐蝦、主演:汪禹ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画はショウブラザース功夫片の歴史を知る上で貴重な一本である。'78年、『蛇拳』でブレイクした成龍(ジャッキー・チェン)の存在はショウブラにとって脅威であった。ずっと東南アジアにおける功夫・武侠片のショーケースとして存在してきたショウブラには、全く居ないタイプである新しいスターがジャッキーだったのだ。同等の技量を持つものなら、いた。ジャッキーと同じ「中国戯劇學院」出身の孟元文や元徳を主役に抜粋したり、子飼いの程小東に主演させたりもした。 彼らの技量は素晴らしく時にはジャッキーをも凌いでいただろう、しかし彼らにはジャッキーの持つ個性が欠けていた。彼らがジャッキーの追従者であればあるほど、その違いは決定的なものとして表れたのである。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー実際のところジャッキーより数年早くブレイクして、コメディ・クンフーの礎を作りつつあった兄弟子のサモ洪金寶ですら脅威に感じていたのだ、ショウブラとてなりふり構ってはいられなかった。羅維(ロー・ウェイ)プロからゴールデンハーベストへの移籍の際、ハーベスト側は随分強引なことをやらかした。いわゆる"ジャッキー・ジャック"事件である。これには羅維からのジャッキー強奪だけでなく、移籍攻勢を仕掛けていたショウブラから守る意味も含まれていたのだ。(この時ショウブラが提示した移籍金額は、ハーベストの二倍の額であったといわれている。) ジャッキー本人は『師弟出馬/ヤングマスター』の後、従来の功夫路線からの軌道修正を宣言していたが、この時期まだまだ観客の要望は高く、ショウブラとしても劉家良・張徹・楚原らの巨匠たちとは違うコメディ・クンフーという路線を、老舗のプライドにかけても提示して見せたかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの『廣東[青見]仔玉/烈火神功』は、従来のショウブラ功夫片の中にジャッキー映画的シチュエーションをぶち込み、さらにはショウブラ・スターとジャッキー映画的配役による組み合わせを実現させた作品だ。この映画の監督・武術指導の徐蝦はもともとショウブラ出身だが、袁和平と共同で武術指導を担当した『蛇拳』『酔拳』でその評価を確立した人物だ。本人も『蛇拳』では鷹爪派の殺し屋、『酔拳』では棒使いで出演している。主演の汪禹は劉家良に見い出されてスターになった。彼の初主演作『神打』は本格的にコメディを功夫に持ち込んだ最初の作品といわれており、いわばこの路線でのパイオニア格である。(『神打』の作られた'75年はまだジャッキーはオーストラリアにいたのだ。) この汪禹をライバル視してことあるごとにイジメる金持ちの息子役には、『蛇拳』で同様の役を演じていたデブの蒋金。このふたりに武術を教える反清派の人物に『笑拳』の鉄の爪・任世官。その脇を元徳、劉家勇、顧冠忠、強漢、關鋒などショウブラ役者で固め、メインの悪役として抜擢したのが黄正利だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー任世官の教える私塾には汪禹、蒋金、元徳、劉家勇などが通っている。汪禹と蒋金は親の代からのライバルでことあるごとに揉め事を起こしていた。任世官は実は反清派として活動していて、私塾は隠れ蓑であった。汪禹らが帰宅途中に見かけた不審人物・強漢は任世官に組織の長が殺されたことを告げにきた。殺したのは組織の裏切り者で清朝の殺し屋となった黄正利。殺された組織の長の娘・楊[目分][目分](パメラ・ヤン)は仇討ちのため黄正利を追って町に来ていた。町外れでパメラを見かけた蒋金は一目惚れをするが、このことが後の悲劇を生むことになるとは知る由もなかった。黄正利の追求の手は凄まじく強漢ら反清派の人間は次々と血祭りにあげられていた。任世官も見つかり負傷したがパメラと合流、時を待った。任世官のための薬を買いに出たパメラは町で清朝の人間に正体を見破られるが、これを殺して逃げ延びた。しかし現場にアクセサリーを落としてしまったことから犯人探しが始まった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー町の代表者が集められ黄正利の前で審議が開始されたが、アクセサリーを見た蒋金はそれがパメラのものであると気づき汪禹と共に姿を消した。黄正利の高圧的な物の言い様に反抗した蒋金の父・關海山は黄正利と闘いになるが、これに汪禹の育ての親である叔父の顧冠忠や蒋金の弟・元徳も加わった。日頃は対立していた両家であったが清朝の犬には屈服しない気概を見せた。健闘した三人も情け容赦の無い黄正利の前にはついに力尽きた。パメラに危急を知らせに来たふたりだったがそこで任世官と再会、さらには肉親の死を知らされ復讐を誓う。闇雲に突撃したふたりは当然のごとく返り討ち寸前、そこをパメラの母に助けられるが無謀な行動がさらなる犠牲を増やした。汪禹、蒋金、パメラ、任世官にとって共通の敵である黄正利を倒すための特訓が始まった。敵の攻撃を封じ込めて反撃に転ずる関節技の修得が重点的に行われた。全体の構図と関節を取り合う動きををスプリットスクリーンで同時に見せる演出が秀抜だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー弟子たちの不在をついて隠れ家を急襲した黄正利と任世官に激闘が開始される。得意の猴拳を駆使して立ち向かう任世官であったが、変幻自在の脚技でついには息の根を止められた。帰宅した汪禹らは怨敵・黄正利に挑むが、その圧倒的な実力差は如何ともし難く序々に劣勢に立たされていく。やみくもに振り回した線香の束で相手に火傷を負わせながら三人で攻め掛かる。黄正利が火のついた靴を脱ぎ捨てて裸足になったことから床に線香をバラ撒き脚技を封じ込めた。三人それぞれの思いでとどめを刺して肉親の仇を討った。ショウブラ的空間に異質な緊張感を与える黄正利の悪役振りが素晴らしい。もともとこのタイプの悪役はショウブラには居なかったため、すべての顔合わせが異種格闘技戦っぽいのだ。しかしこれで02/4/30の『五爪十八翻』から繋がるではないか、独立プロとはいえショウブラ勢と顔を合わせた黄正利は本家本元に登場、'70年代後半'80年代前半のNo.1悪役としての凄味をショウブラ映画史に残した。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー余談。劇中、正月の祝いで汪禹と蒋金が鶏とムカデの被り物で対決する場面があるのだが、これは李連杰が『黄飛鴻鐵鶏鬥蜈蚣/ラストヒーロー・イン・チャイナ烈火風雲』で見せていたのと全く同じ。では製作年度の古いこの『廣東[青見]仔玉/烈火神功』の方が原点か?というとそうでもなくて、元々は關徳興が'56年の『黄飛鴻鐵鶏鬥蜈蚣』でやっていることなんですね。ふたつともこれのパロディだったのです。
trackback Blog by isao.net