『鐵証』製作年度不明、監督:張揚、主演:金振八ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー金振八の主演作である。もちろん韓国モノであるが、香港ロケも多々あり、香港の製作会社と共同で製作されているようである。米雪、向華強、丁珮ら香港のスターも出演(スタッフでは陳勲奇が音楽担当で参加、これは彼のフィルモグラフィには載っていない)しており、もしかすると新たなスターと目されていたのかも。日本では山下タダシと共演した『ザ・カラテ2』でのみ知られている金振八だが、案外本国では国際スターとして認知されていた可能性はある。海外ロケに加え、ヘリやボートを使った大掛かりなアクションもあり、B級度の高い70年代韓国モノにしては大作だ。実はこの映画のストーリーは完全には解らない。入手したビデオは北京語オンリーで中文英字幕も無く、物語の解読は推測に頼るのみである。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー暗黒街に関係あるジゴロと付き合っていた米雪は、韓国で国際的な誘拐組織に攫われる。事件を依頼された探偵(多分)金振八、米雪の家族に会いに香港へとやって来る。香港の刑事(多分)向華強と共同捜査を開始するが、向華強はクラブのマダム・丁珮(ベティ・ティンペイ)と情を深めていく。実はこの丁珮は誘拐組織と関係あるのだが、それを知らない向華強は彼女にのめり込む。事件の目撃証人を誘惑して始末するなど、着々と手を打つ丁珮だったが、証人の着ていた衣服が彼女の部屋に有ったのを見つけた向華強に疑いの目を向けられ始める。丁珮を尾行した金振八によってアジトが判明、向華強と急襲し米雪の奪還に成功。この映画が面白いのはここからだ。韓=香合同コンビは人質を連れた逃避行を開始、追いかける組織の人間と大アクションを展開するのだ。組織の国際性をアピールするためか、何処の何人だか判らないのも多数混じっており、国際色豊な(?)アクションが構築されている。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー実際絡みの多くは韓国系だが、テコンドー、功夫系に始まり、角力、フィリピン・カリ、アラブの鞭使い、ムエタイなどバラエティに富んでいる。ちょっとここだけ『獨臂拳王大破血滴子/片腕カンフー対空とぶギロチン』みたいです。金振八の技は、テコンダーらしくバネの利いた素早い連続蹴りがウリだ。ジャンプして180度開脚、ふたりの敵を同時に倒したり、二段蹴り、三段蹴りは当たり前。大きく身を翻すモーションからの脚払いなど、テコンダーの必須科目はクリア。鞭使いとの対決では、いったん相手に鞭を打たせてからそれを体に巻きつけ、巻き込むように接近して相手を倒すという実に合理的な技を見せている。(もちワンカットで) 向華強も負けてはいない。立ち技の打撃から立ち関節に移行したりと、香港功夫代表らしく手技を駆使。ナイフ使いとの対決では、木切れを使って棒術も披露。武術指導は不明なのが残念だが、恐らくは香港側の人間であろう。逃げ送れた米雪が再び捕まり、危うし!となったところで丁珮がボスを裏切った。「この包囲を逃げられると思うのか?」もう警察を呼んであるという丁珮のセリフに続いてサイレンの音が。金振八と向華強は組織を一網打尽にし、丁珮も実は潜入捜査官だった!というあり得ないオチを迎えて大団円。拾い物、と言っておこう。