『廣東salmusa(蝮)』'83年製作、監督・主演:黄正利ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー祖国韓国で黄正利自らが監督した映画だ。入手したビデオは全編ハングルだが、香港での公開も視野に入れていたのか、黄正利は中国人役のようだ。(この映画が実際に香港でも公開されたかは不明) 怪しげな党派集会が開かれている。どうやらこの地に現れた黄正利をどうするか?について話し合いが持たれているようだ。長老格の僧侶はその相手に街の使い手・権一秀に依頼する。妻子のいる権一秀であったが、その依頼に応じ黄正利退治へと赴いた。ここからがこの映画最初の見せ場である。広い野原で黄正利を取り囲む権一秀の軍団。長回しのワンカットで見せているが、その数ざっと50人。黄正利VS権一秀と50人の軍団!まぁ実際には50人が一度には襲い掛かることはなくって、5〜15人くらいが次々とって感じです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの冒頭の場面で度肝を抜いてやろうと黄正利も考えたんでしょうね。かなり気合の入ったアクションを見せては・・・・います。しかしアクションというのは、やはり武術指導と受けのスタントの力量にかなり左右されるのだな。黄正利の技はさすがに凄いものだが、それを連続技に繋げて見せる演出力も、受け切る能力もない。残念だがこの時代のコリアン功夫はこのレベルなのだな。武術指導も担当している権一秀は、さすがのアクションで黄正利と渡り合う。テコンドー同士で変化には乏しいが、集団戦よりは一騎打ちの方が出来は良いのだ。50人と闘ってフラフラの黄正利であったが、権一秀が足を滑らせたのを機に逆転。妻子を残して権一秀は息絶える。傷ついた黄正利はとある民家で助けられたが、そこが実は権一秀の家であったとは、助けた妻の韓姫とて知る由もなかった。お互い知らぬままに生活が流れていく。黄正利がこの地に現れたのは、少年の日に母・呉英花をレイプして殺した連中に復讐するためであった。とあることからこの母子が権一秀の妻子であると知った黄正利。父の仇を討ちたいという権一秀の息子・趙仁表に、自ら武術を仕込むことで贖罪を果たそうとする。"いつの日かはこの子が俺を倒しに現れるのだ・・・かつての俺のように"ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー親子のように暮らす黄正利たちであったが、幸せはそう長くは続かない。彼らの知らないところで悲劇への幕が静かに開こうとしていた。黄正利の復讐相手こそ権一秀に黄正利殺しを依頼した長老であった。その事を掴んだ黄正利の友人は殺され、長老率いる6人衆と雌雄を決する黄正利。全員がテコンドーなのだが、武術指導的には蟷螂拳や猴拳を使う男を混ぜたり、酔拳使い(!)がいたりするのが面白い。酔っ払いの乞食スタイルの酔拳使いを蹴り倒す黄正利。やっぱリベンジなのでしょうか。水や風をも自在に扱う黄正利に敵はなく、長老たちを片付けて去っていく。そこへ父の仇がいると聞いて駆けつけたのは趙仁表と母の韓姫。復讐を果たして仏前に祈る黄正利は母の棺桶を担ぎ出す。そこへ仇討ちの名乗りを挙げる趙仁表。振り返った黄正利に驚きを隠せない母子だったが、"俺は躊躇わずにやれと教えたはずだぞ!"と叱咤をかける。涙にくれる趙仁表の槍を体で受け止めた黄正利。その姿はまるで、父が我が子を抱きしめるかのようであった・・・・。