『火爺』'83年製作、監督:崔永哲、主演:卞薩伐(王虎/卞の正字は上/下)、陳惠敏ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『火爺』が85年製作で、陳惠敏が勝つ通常版と、カサノヴァ・ウォンが王虎名義で監督したカサノヴァ・バージョンがある、という情報は不完全なものである。元々『火爺』は83年の韓国映画で、監督は崔永哲。このオリジナル韓国版を元に、カサノヴァが監督したニンジャ軍団と闘う場面を追加したカサノヴァ版。陳惠敏中心に再編集したインターナショナル版『NINJA HOLOCAUST』の二つにに分かれるのである。一番有名なのは『NINJA HOLOCAUST』の方であろうか。カサノヴァが王虎名義で・・・というのも可笑しな表現だ。カサノヴァ・ウォンを漢字で表すなら卞薩伐(カサノヴァ)・王(ウォン)であり、卞薩伐・王虎と書き表すのが妥当であろう。彼は中華圏では卞薩伐であり、本国韓国では王虎、英語表記がカサノヴァ・ウォンなのだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー資料によればオリジナル韓国版のストーリーはこうだ。韓国ボクサーのカサノヴァは、プロモーター・パク・ミンジュ(役名か役者名か不明)に誘われ、香港の試合に出場する契約を交わす。実は香港のプロモーターに借りのあるパクが、金塊の在り処を示すネックレスを探していて、六人の猛者と共に雇われたのだ。これが陳惠敏、金英一(現:イーグル韓鷹)と不破万作に似た日本の侍、三人の白髪の男か?カサノヴァを仲間に引き入れるためリンダ(Chae Eun-Hee)に誘惑させるが、ふたりの間に恋が芽生える。ボスとパクも殺され、金塊を狙う六人組に襲われるカサノヴァ。リンダが誘拐され殺されるが、カサノヴァは金英一、不破万作似を倒し、陳惠敏と激闘を展開。見事に仇を討ったカサノヴァは全てを警察に告げ、自らも服役する。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこれが『NINJA HOLOCAUST』版になるとこうなるのだ。1940年香港。白昼、黒装束のニンジャ軍団に追われているイタリア人・ジョン・レズウィック。危機一発を助けたのはその辺の農夫であった。ジョンはネックレスを農夫に託し、「これはとても大事なものだ、戦争が終わったら取りに来るから」と言い残す。農夫はそれを守り、ニンジャ軍団の追撃を振り切る。ここでOP、逃げ延びたイタリア人・ジョン・レズウィックはまだニンジャと闘っていた。合間合間にスタッフ・キャスト名が表記され、陳惠敏の試合の場面が挿入される。これは現役時代の本物の試合映像で貴重である。時は流れ85年の香港。試合を終えた陳惠敏はプロモーターの招きでナイトクラブを豪遊していた。そこへプロモーターを訪ねて現れるイタリアン・マフィア。「ネックレスを返せ!」こいつらはジョン・レズウィックの使いで、プロモーターは農夫の息子であった。「何分昔のことですし、無くしました・・・」本当のことだが、マフィアには通用しない言い訳だった。どうやら韓国人の"誰か"が持っているらしい。非常にアバウトな情報を元に香港側からネックレス争奪戦が開始された。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーネックレスにはイタリアン・マフィアの隠し口座のナンバーが記されており、情報を聞きつけた韓国マフィアも争奪戦に乗り出す。何故?大戦中の香港で、イタリアン・マフィアとニンジャが隠し口座を巡って争っていたのかは、映画が終わるまで一切明かされることは無い。まあ、よーするに80年代のニンジャ映画ブームのおりに、冒頭にニンジャの出番を付け足して改変しているからこんなことになっただけなのだが。韓国マフィアがスカウトのパク・ミンジュ(役名か役者名か不明)に頼んで見つけて貰った人材がカサノヴァだ。韓国マフィアのボスの女で、パク・ミンジュの妹・リンダ(Chae Eun-Hee)も行動を共にした。陳惠敏は真っ当なボクサーで、マフィアの用心棒・ジョン・ラダルスキー(!)に襲われていたプロモーターを助けはしたものの、ネックレス争奪戦には加わらなかった。プロモーターのカミさん・リサは、旦那に構って貰えない寂しさを紛らわせるため、陳惠敏と浮気を始める。兄のパク・ミンジュを抗争で殺されたリンダもカサノヴァと・・・。ネックレスよりも女である、という彼らの生き様が非常に男らしい。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーどっちも浮気がバレ、カサノヴァは組織から命を狙われ、陳惠敏はそれをネタにNo.2から強請られる。無理やり仕事を手伝わされることになった陳惠敏は、三人の白髪の男を手下に連れ、さっそく韓国へ飛びカサノヴァに宣戦布告。「ネックレスは渡さないぜ!」そんな頃、金英一率いる別の組織も争奪戦に乗り出してきた。こっちは大戦中から狙っているニンジャ軍団が仲間だ。彼らは不破万作似の侍に率いられていた。ここで金英一と不破万作似が会見する場面は明らかに別撮りだ。後の金英一登場場面より彼が随分と太っているため、一目瞭然である。ニンジャ軍団の標的はカサノヴァだ。リンダを誘拐しおびき出すと軍団総出で迎え撃つ。このカサノヴァVSニンジャ軍団も追加場面で、すっかり太ってしまったカサノヴァが・・・・一目瞭然なのは良いがたった2年で二人共こうも太るかね?軍団を倒し、ダイエットしたカサノヴァは敵のアジトを目指す。不破万作似と、やはりダイエット済みの金英一のふたりを相手に『小子明大/ドラゴンカンフー龍虎八拳』に良く似た倉庫で死闘を開始。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっと倒したと思ったら、どこかに事件の黒幕のごとく隠れていた陳惠敏が現れる。その辺の箱に押し込まれていたリンダの死体を発見し、愕然とするカサノヴァを容赦なく攻める陳惠敏。飛蹴りで倒れたカサノヴァがストップモーションになったところで死亡。場面変わってプロモーターの部屋。イタリアン・マフィアからNo.2まで全員で連絡を待っていた。「ネックレス見つけましたよ」何処で?誰から?という演出は一切なく、電話一本で済ます見事な省略法だ。(笑) 電話で番号を確認すると、乾杯して一件落着・・・・かと思いきや、突然No.2が銃を向ける。プロモーターを殺して組織を乗っ取ると、新たなビジネス関係をマフィアと築いた。まだまだ終わらないのだ。帰国した陳惠敏を出迎える恋人と弟分の韓国才。そこには手錠で繋がれたNo.2と警察が。警察がNo.2に確認し、プロモーター殺しで逮捕される陳惠敏。めでたしめでたし、な訳なかろーが!んで、カサノヴァ版の方は、飛蹴りでは死ななかったカサノヴァが起き上がり、元の『火爺』と同じく陳惠敏を倒し、カサノヴァが逮捕されて幕ということになるんですな。めでたしめでたし!