『清宮大刺殺/殘酷大刺殺』'77年製作、監督:程剛、華山、主演:狄龍ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画の英題は『FLYING GUILLOTINE 2』で、陳觀泰の
『血滴子』の続編である。画質の極端に悪いアラビア語の海賊版が発見されたのもつい最近のことで、実際にはどんな映画か不明のままであった。今回新たに正規版が発売になり、ようやくその全貌が明らかになりました。この映画は長らく『連環血滴子』という題だと思われていましたが、香港題が『清宮大刺殺』で台湾題『殘酷大刺殺』になります。『連環血滴子』という題は製作期間に発表された仮の題で、一部宣材に使われていることからこの混乱が起こったものだと推察されますね。『血滴子』の続編といえば、同スタッフで作られた
『血芙蓉』という作品もありますが、どっちも雍正帝をメインの悪役に据えたパラレルな続編なんですよ。ややこしい!製作順だとこの『清宮大刺殺/殘酷大刺殺』の方が早くて、公開は78/1/19でした。それに対して『血芙蓉』の公開は78/3/11。推測なのですが、勝手に自作の続編を作られた何夢華が、対抗して作ったのではないでしょうかね?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画が完全に続編になっているのは、前作『血滴子』で陳觀泰が演じた主人公・馬騰の"その後"を描いている点にあります。ただし今回その馬騰を演じるのは狄龍で、前作から3年もたって作られた続編故の変更なのか、この時期に陳觀泰がショウブラと揉めていたからの変更なのかは不明。陳觀泰が揉めていたのは事実で、ショウブラを飛び出して
『鐵馬[馬留]/鐵猴子』を製作したことで一時険悪にはなっていましたからね。7778年の間にショウブラにはほとんど出ていないんですよ。今回、雍正帝を演じるのは谷峯。前作の血滴子隊訓練教官から随分と出世しました。(笑) 血滴子部隊の隊長は羅烈と韋弘。韋弘は『血芙蓉』では雍正帝に出世しますが、羅烈は引き続いて血滴子部隊でした。主人公の狄龍はあまり出番がなく、主役はどちらかというと雍正帝です。ということは"雍正帝"物のジャンルに位置する訳で、当然のことながら雍正帝のライバル江南八大侠も登場します。役名で呼ばれるのは数人で、甘鳳池に史仲田、呂四娘に燕南希、白泰官に王鍾くらい。後は樊梅生、鄭康業、顧冠忠、劉陸華、元華などが出ています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー相変わらず横暴を極める雍正帝、江南では甘鳳池を中心とする反乱軍が組織されつつあった。先走った白泰官は暗殺に失敗、一味のアジトを探知され、血滴子部隊の襲撃を招く。間一髪で救出に現れたのは狄龍。前作『血滴子』でも活躍した傘を改良した血滴子破りの秘密兵器で追い払った。"是非仲間に"という甘鳳池らの誘いを断ると、妻・陳思佳と息子が待つ平和な暮らしへと帰っていった。狄龍出現に激怒する雍正帝は、羅烈と韋弘に江南八大侠ごと殲滅するよう命令を下す。狄龍の義侠心に訴えたおびき出し作戦を展開、出頭した狄龍を今度は江南八大侠が助ける。数ある"雍正帝"物の中でも悪辣さでは一、二を争う谷峯版・雍正帝は、悪行を諌める長年の師匠・顧文宗をも暗殺対象に。これを助けたのは施思。兵部尚大臣・楊志卿の娘だが、漢族の母を殺された恨みから、密かに雍正帝の動きを探っていたのだ。施思は顧文宗を連れ江南八大侠と合流、共同戦線を張る。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー江南八大侠のひとり劉陸華は高麗使節に扮して宮殿に潜入する作戦に志願。密かに想い合っていた施思と別れを済ますと、毒の短剣を献上品に仕込み出発した。厳重なボディチェックの後、雍正帝に拝謁したが、高麗使節の習慣を知らなかった劉陸華は即座に雍正帝に見抜かれてしまう。白泰官が特攻をかけた時発見したのは惨殺された劉陸華の姿だった。度重なる暗殺騒ぎに怒り心頭の雍正帝は、宮殿内部で働くラマ僧を訪ねる。ラマ僧・井森は血滴子の開発者で・・・・って、おかしくねぇか?前作では谷峯の訓練隊長が自分で研究開発していたはずだぞ!雍正帝は血滴子が狄龍の傘戦法に破れたことで叱責に現れたのだが、井森は"そんなバカな"と取り合わない。証拠の傘を見せられると"これは素晴らしい装置ですな"と目を輝かせる井森。科学オタなのだ、こいつ。バカな事言ってないでこれに勝る新兵器の開発を急げ!雍正帝に怒られた井森、"やってみますけど、ローマは一日で成らずですよ"とのたまう。食えないおっさんだ。完成した新兵器を披露にくる井森。従来の血滴子が狄龍の傘に止められてしまっていたため、ネット部分を長くし、傘に絡みついた後に上部が離脱するように仕掛けてあるのだ。名づけまして"連環血滴子"でございます。なーるほど、ここでこの名前が出てくるのか。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー新兵器を使った新部隊の創設を下命された韋弘、兵部尚大臣・楊志卿を訪ね命令を下す。その様子を聞いていた施思、連環血滴子の秘密を探る必要を感じる。その頃、隠れ家を突き止められた狄龍は、妻子を人質にとられ縛についた。抵抗を止めた狄龍の目の前で妻子が殺され、救出に現れた江南八大侠と共に立ち上る決意を固めた。兵部省から集められた有為の若者たちが新血滴子部隊として選抜式に出席。目を細める雍正帝の前に現れた施思は、腕前を披露し女血滴子隊の新設を進言、これを受け入れられる。信頼を得た施思はラマ僧院を訪ね連環血滴子の設計図を入手するも、警備の山怪に後をつけられてしまう。韋弘に報告後見張りを続けていたが、気配を察知した施思に殺される。韋弘の注進で雍正帝も現れ、山怪殺しを詰問されたが、突然忍び込んだので驚いて殺してしまったと告げ、切り抜ける。以前より旋思を疑っていた羅烈らは、ラマ僧・井森を呼び出し、設計図は無事か?と問う。本当は紛失しているのだが、そんな事は告げられない井森は懐から設計図を取り出し取り繕う。結果的に救われた旋思だが、無実を晴らすためある裏切り者を始末するよう命令される。皇帝から聞かされた反乱軍を支持する裏切り者の名前は、父の楊志卿であった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー父に全てを話した旋思は、このまま雍正帝の横暴を見過ごせないと語る。娘の意を汲み取った楊志卿は自ら毒をあおり娘を助けた。雍正帝の信頼を得て側室にのし上がった旋思に、顎で使われて面白くない羅烈と韋弘。父親が毒殺だったことから完全には信用していないのだと、雍正帝に打ち明けられ引き続き動向を見張るよう命じられた。設計図を渡された狄龍は連環血滴子破りの新兵器開発に余念が無い。蜂起の日が近づいていることを知らされるが、開発にはまだ数日を要すると告げる。旋思の行動から甘鳳池の居場所がバレ、血滴子部隊と壮絶な相討ちを遂げる。遅れて駆けつけた狄龍に旋思らを救うよう言い残して息絶える甘鳳池。蜂起した江南八大侠は、旋思の手引きで宮殿に侵攻。衛兵に扮した袁信義、袁振洋、袁祥仁、袁日初、戚毅雄、錢月笙、徐忠信、黄志強、徐發、馮克安、元奎、元彪、元彬らと乱戦を繰り広げる。追い詰められる雍正帝だが、皇帝仕様の連環血滴子を駆使して呂四娘をバラバラにする。駆けつけた狄龍が新兵器・哨子棍でこれを破ると、奪い取った連環血滴子で逆襲に転じ、雍正帝の首は「清史遺聞・雍正外傳」の通りハネられるのだ。だがその狄龍たちも清朝正規軍の包囲から逃げることは敵わなかった・・・・。