ブルース・リーという名の商売(3)『鷹拳』'79年製作、監督:何誌強、主演:巨龍、黄家達ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画は、とある資料によると79年製作の台湾映画で、監督は何誌強(ゴッドフリー・ホー)ということになっている。多分全部嘘っぱちだ。黄家達が出演しているので台灣か香港の資本も入っているのかもしれないが、出演者の顔触れからみても間違いなく韓国映画だ。79年製作という点も引っかかる。黄家達は79年頃といえば、『雍正命喪少林門』や
『天羅・飛沙・夕陽紅/叛徒』に出演していた頃だが、その頃にくらべてやや太っているようだ。アメリカで『ゴーストハンターズ』(86)に出演していた頃ほどではないが、79年というのもどうかと思う。(カットによって太り方も違う気が・・・追加撮影か?) 監督については言うまでもない。何誌強名義で発表された映画のほとんどが、韓国映画を買い付けて勝手に自分名義に変更、台湾や欧米に売っていたものだったのだから。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画くらいになると、ブルース・リーは最早何の関係もない。巨龍(ドラゴン・リー)にしてからが、リー・スタイルではなくなってしまっている。タイトルは『鷹拳』だが、螳螂拳になったり蛇拳に変化したりする動きで、しかも基本はテコンドーだ。まあ、これでも欧米では
ブルースプロイテーション映画として売られているのだから、何誌強ばかりは責められないのだが。この映画最大のセールスポイントは巨龍と黄家達の顔合わせにあると思うが、ふたりの出番はあまり多くはない。行方不明の父と、消えた秘宝を探る物語は、町の警察長官=黄家達、その息子たち=巨龍、マーティン・チュイの三人でバラバラに進むのだ。一番出番が多いのは韓国俳優のマーティン・チュイで、その間は韓国の俳優ばかりで物語が進行していくのだが、これってやっぱ別撮りなのか?別の映画をツギハギしたとも思えないが、三班体制で作っていたのだろうか?ま、何にせよ安っぽい謎の多い映画ではある。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー韓国のとある田舎町では"中国の秘宝"が発掘されていた。その作業をしている人足の中に秘宝を横流ししているものがおり、直情径行で正義感の強いマーティン・チュイは怪しい人足をド突いていた。町の警察長官・黄家達は「程々にしておけよ」というばかりだ。発掘現場で作業をしていたマーティンの父が、謎のオガワゴム・マスクの男に襲われ、秘宝と共に姿を消す。後には人足の死体が残されていた。巨龍の父も姿を消し、黄家達を含むそれぞれの捜索活動が、てんでバラバラに開始される。お互いの疑心暗鬼は対立を生み、小さな田舎町は騒然となるのだ。避けられない対立に発展したマーティンと巨龍を止めたのは黄家達だ。証拠がない以上、法を遵守しなければならないと、最もらしいことを言うのだ。発掘作業に関わっていたマーティンの叔父の動きは不審だったが、ついにその正体を顕わにした。実は秘宝の盗掘を指図していたのは黄家達で・・・・って、この映画の展開ならそれ以外有り得ない訳だが、突然誰が見ても怪しい行動をとりはじめる叔父ってのもなぁ。叔父を疑ってその動向を追うマーティンに比べ、全く真相に近づいてもいなかった巨龍は呑気に洞窟探検をしていた。止せばいいのに、そんな巨龍に刺客を送り、感づかれてしまう盗掘団。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー秘宝の独り占めを企む黄家達は、村はずれで叔父を殺し、全ての罪を擦り付けるつもりでいた。が、致命的なことに止めを刺さない!というミスを犯してしまう。かなり真相に近づいたはずなのに、この後に及んでまだ巨龍を疑うマーティン。脚本が破綻していると言ってしまえばそれまでなのだが・・・・・。蛇猴拳使いのマーティンVSもはや何拳だか判らない動きの巨龍の闘いは、決着がつかない。叔父の死体(力尽きて発見し易い場所で死んでいた)を発見した巨龍の手下は、死体の側にあった秘宝を手にする。都合が悪いことにそこをマーティンに発見されなぶり殺しに。その頃、巨龍は黄家達にマーティン犯人説を力説していたのだった。しかし、そこで黄家達の手下が泥に汚れた靴を履いているのを発見! だからどうしたとも言えそうだが、ここで巨龍は全ての真相に行き着くのであった。最後は、何時の間にか真相に気づいたマーティンが黄家達にやられ、巨龍との一騎打ちに。全然歯が立たない巨龍を救ったのは黄家達の妹だった。負けた巨龍を色仕掛けで慰め、とりあえず兄を巨龍の復讐から救おうとする妹であった。兄にも悪事を止めるよう説得を試みるが、ふたりとも耳を貸す気は全くなかった。闘いの途中で、完全に別の衣装に着替えてきた黄家達の弱点を制して、これを倒す巨龍。バカ映画、といえるほど弾けてはいないが、それなりに楽しめる映画なのだ。
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