話題の流れが変わっているのですが [2004年11月29日(月)]

Name:愛香
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おひさしぶりです。
以前の話題で恐縮ですけど、fakeさんのご意見には
きちんとレスしたいと思っておりますので。
それに対応するfakeさんがお手間かとも思いますが
何卒ご了承ください。


> 1020代のファンはもっと強い役柄もやって欲しいと
>思っています。何度も打ち合うアクションは"弱い"とい
>う印象を与えていると言っていました。

このへんはブルース・リー世代でもある人間としては
何度も打ち合うのがジャッキー(とその他の武打星)
のアイデンティティーであり、また「動作設計」の妙
だと思うんですけどね。しかしながら、90年代くらいから
香港で撮っていた作品群での何度も打ち合う、
逃げる、物投げたり等、シチュエーション的には
凝ってるのですけど飽きました。
強さを求めるヤングアメリカンのキッズとは感覚が
異なりますが、障害物競走みたいなのばかりでは
「ヤマカシ」見てるのと変わらないし、
そして「ヤマカシ」みたいな映画は一回見れば十分ですし
何回も見れる映画かどうかって疑問ですし。

> アメリカでのジャッキーの強みは人種も世代も階級も
>超えて支持されている点にあります。これは本当に凄い
>ことですよ。
> 逆にこのことがターゲットを絞れない『80デイズ』み
>たいな映画が製作される原因を生んでいるのです。

アメリカのショウビジネスで世代どころか、人種を超越して
支持される芸能人って異例なことですよね。
それは凄いことなのですけど、その世代と人種間のギャップ
が作品に特質を持たせるのではないかと思います。
後述のレイティングの件でも触れますが、
「80デイズ」は誰にでも無難に見れる意図で製作された
のも作品性を希薄にした原因であると感じます。
いや、どんな人間が見ても良い映画ってアメリカは作れる
と思うんですけどね。ジャッキー(というかアジア人)主演
だから映画的クオリティを下げて作ってるのかと
被害妄想的にすら考えてしまうのです。

> 先ほどファンは強いジャッキーを望んでいると書きま
>したが、これが30代以上になると現在のようなスラップ
>スティック調のものの方が好かれたりしますし、
>アクション面を強調すると、バイオレンスだとしてアメリカの
>レイティングに引っかかってしまいます。宗教的理由で
>アクション映画=バイオレンスとして絶対に見ない層が
>アメリカにはいます。

スラップスティック面を強調したからこそ、
カンフーに造詣の無い観客を開拓できたのでしょうし
中国語で言う「打打殺殺」を嫌悪する観客にも受け入れられる
ことになったのでしょう。アメリカのレイティングに相当する
香港の等級制度において、アクションがある作品は二級片に
定められるものでして、以前ジャッキーは何かの作品が
等級の規制の対象にならなかったことに喜んでいたらしいです。
しかし、商売人としては結構な出来事だったのでしょうけど
それが作品のクオリティに貢献するわけではないので
純粋に喜ばしいことなのかわかりません。
事実、90年代2000年代にかけて同時期の
ジャッキー作品よりも面白い香港映画はいくらでもあった
わけですし。
こういった事情はよほどポルノか過激な残酷描写以外では
規制されない日本人には実感できない面でもあります。

> 幅広い人気があるが故のジレンマということになりま
>すが、似たような状況は日本もたどってきたのでは?

それと同じ状況をアメリカでも辿るのかな?という気がします。
日本ではジャッキーの映画が公開されて20数年経過してますし
主演作は頻繁にテレビで放送されてますし・・・
ただ、日本に比べてアメリカではそれほど年月が経っていない
だけの話ですし。実際、ジャッキー自身もアメリカでの
立場は誰よりも理解していると思います。
もっと率直に言えば、ハリウッドが欲しているのは
アメリカ国内の観客以上にジャッキーを通した
中国本土の観客ではないかと・・・
それでは毒にも薬にもならない無難な路線の作品
でないと難しいのでしょうかね。
というか、多少は見る人を選ぶくらいの要素がないと
面白くないんじゃないかなと思いますが。

> それは作り手に、所詮は黒人やホワイトトラッシュが
>喜ぶ映画だ、という思いがあるからでしょうね。おそら
>く永遠にアメリカ映画からは、スポ根もの以外のちゃん
>としたマーシャルアーツ映画は出来ないと思います。
> 私がジャッキーたちに望むのは、いっそのこと東洋を
>バッサリ切り捨てた映画に出演してくれることです。ア
>メリカは他民族・異人種国家なのですから、何人がそこ
>にいても違和感はなく、逆に言えば違和感なくアメリカ
>の風景に溶け込む映画になっていれば、アメリカ映画と
>して本当に成功している、ということになりはしないか
>と思うのですよ。 

たとえ人種差別があってもアメリカ社会において、
どの人種が存在しても何の違和感もありませんし、
生活する分に出自云々は関係ないことだと思いますが。
ただ、それが映画の場合どういったことになるのでしょうか。
アメリカの映画は白人を描いていても、主人公がWASP以外
だったりすると、大抵はそこに触れてましたし、
とはいっても、触れてないのも多いですけどね。
まあ、作品の意図が「アクションやってりゃいいよ」
ってことなら、触れる必要ありませんけどね。



> 『ラストサムライ』は幕末歴史好きの私からは絶対に
>許せない映画だったりしますけど。(苦笑) まあこれは歴
>史考証とかの面が大なのですが。

私の好きなイーストミーツウェストものに「レッド・サン」が
ありますが、これも少し歴史公証が適当でした・・・
いえ、勘違いの面があるにしても、外人さんは日本の
武士道を掘り下げようとする敬意が感じられるのに
その他の東洋を描く際には一片の敬意も感じられない
のは何故か(「ホワイトトラッシュが見るもん」なんでしょうね)
ということなのです。
「80デイズ」の中国描写なんて風景から服装まで勘違いの
極みで「これがメジャーが作った映画かよ」と香港映画を通じて
多少中国的な要素を分かる人間としては噴飯ものでした。

ジャッキーにはどういった作品が良いのでしょうかね?
「燃えよカンフー」をジャッキーでリメイクするというのは?
アメリカで製作されたものでは中国功夫に対する敬意はあった
ような気がしますし、勘違い中国の描写を修正すれば
COOLなジャッキー作品にもなり得ると思いますけど。




なぜ

Re:めちゃくちゃ怪しいデス [2004年11月29日(月)]

Name:fake
Email:episodo1@iris.dricas.com
URL:http://myroom.isao.net/room164/0000001000019164

>アメリカやイギリスのはビデオの時代から英語原題が勝手に変えられたりしてますからね。これもDEADLY SILVER SPEARのDEADLYしか合ってない・・・。

 今回の日記でそのタイトル関連の話題にも触れてい
ますが、これだって判明しているだけのものですから、
実際はもっと無数にあるんでしょうね。

>泰盛の受注生産のものの形状がどんなか知りませんが、「狂風沙(THE ADVENTURE)」はちゃんとしたジャケのものでした。

 泰盛のジミーもの受注生産、過去に注文したことあ
ります。ジャケはどれもちゃんとしたものでしたよ。

>泰盛というと何故か泰盛と書かれたシールがジャケに貼ってあったものでしたがこれは直接ロゴがジャケに印刷されています。話はちょっとズレますが泰盛ステッカーの上からDA-WEIという違う会社のステッカーが貼ってあるものもあったりして、このへんなんだったんだろう・・・。

 アメリカ泰盛は、よそのメーカーものも代理販売し
ています。その際に泰盛のステッカー貼ってるんです
よ。

更新 [2004年11月29日(月)]

Name:fake
Email:episodo1@iris.dricas.com
URL:http://myroom.isao.net/room164/0000001000019164

 11/29日記更新。本日は、ブルース・リーという名
の商売第六弾『詠春興截拳』です。哀愁漂う何宗道の
パチもん人生。

ブルース・リーという名の商売(6)『詠春興截拳/詠春截拳』 [2004年11月29日(月)]

ブルース・リーという名の商売(6)『詠春興截拳/詠春截拳』'76年製作、監督:陳華、主演:何宗道ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー何宗道(黎小龍=ブルース・ライ)主演作だ。呂小龍(ブルース・レ)、巨龍(ドラゴン・リー)とくれば何宗道も登場しなくてはなるまい。 数ある何宗道作品からは、やはり彼の最大の特徴たる"傳奇"モノを紹介したい。真摯に作られた『李小龍傳奇/ブルース・リー物語』は、最初のブルース・リー傳奇であった。 この映画だけであれば、彼もブルース・リーをやらされていたことがトラウマにはならなかったかもしれないのだが、02/10/26に紹介した『唐山截拳道』や、この作品のような傳奇映画のようなモノにまで出演してきたことが彼を苦しめた。 ところでこの映画、中国題でも二通りあるが、英語になると五通りも存在するため、タイトルに騙されて同じ作品を何度も購入する被害が続出している。『STORY OF THE DRAGON』『BRUCE LEE'S SECRET』『BRUCE LI'S JEET KUNE DO』『A DRAGON STORY』『HE'S A LEGEND HE'S A HERO』これらは全て『詠春興截拳/詠春截拳』のことだ。 ややこしいことに『BRUCE LEE A DRAGON STORY』という別の映画も存在し、これが『一代猛龍/詠春大兄』のことだったり、『HE'S A LEGEND HE'S A HERO』というタイトルで『奪命截拳道』が出ていたりするため、更に混乱の度合を深めている。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの手のパチもん傳奇の楽しみは、本物のブルース・リー傳奇に近づけようとする努力と、そこから脱輪していく逸脱感にある。となると、ブルース・リーその人に精通していることが映画を楽しむ条件になってくるため、案外と見る人を選ぶ映画でもあるのだ。 この映画はブルース・リーがアメリカに到着してから始まるので、まずはそこの所だけは抑えてから話を進めたい。 サンフランシスコへとやってきたブルースは、父の知人を頼ったがそこを飛び出しシアトルへ。有名なルビー・チヨウのレストランはここで、住み込み店員として学業を修める。ワシントン州立大学へ進み、駐車場の片隅で最初の功夫教室を開く。ターキー木村の挑戦を受け、これを倒して尊敬されたブルースは、彼と親友になり「振藩國術館」を開設。キャンパスで出会ったリンダとの結婚を機に大学を中退、李峻九の進めもあってオークランドへ。 中国人以外には門外不出であった武術を、アメリカ人に教授していることから、在米中国人から抗議を受ける。意に介さないブルースにウォン・ジャックマンという代表者が挑戦に現れた。すぐに片付けられると踏んでいたブルースだったが、勝てないと感じたジャックマンは逃げ回って仕留められない。クロース・イン・ファイトを身上とする詠春拳がベースのブルースにはこれがショックで、この経験が截拳道創始に繋がっていくのである。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画『詠春興截拳/詠春截拳』はこの部分を下敷きにして作られている。 サンフランシスコにあるルビー・チョウ(呉燕)のレストランで働く何宗道と親友の曾明昌。ふたりは大学そっちのけでひとやま当てることに余念がない。功夫オタの何宗道は、トレーニングに熱中するあまりバイトにすら身が入らない。遅れてやってきた何宗道、店で暴れる白人客を蹴散らしたが、バイトはクビになり、白人からは恨まれた。 港の労働者として働く日々、社長(蘇祥)の娘・泰之敏はワガママで、ボンクラな二人を明らかに見下していた。白人たちは空手の師匠である"黒人"の林仲に相談。怒った林仲は波止場に乗り込んできたが、泰之敏のいとこ・黄家達(カーター・ワン)が登場。おいしい所は全部持っていった。やっぱりボンクラね!泰之敏に罵られるが、何がやっぱりなのか、そもそも何でそんなに嫌われているのかが、何宗道はおろか、観客にも一切伝わらない。 林仲は師匠のロイ・ホランに相談し、そのホランは何宗道が倒したことで、中国人社会のヒーローへとなっていく。マカオに「振藩國術館」を設立した何宗道に激しくジェラシーを燃やす黄家達。そりゃそーだ、だって最初にやっつけたのは黄家達だもんな。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー中国人以外に功夫を教えることはならん!中国人社会を代表して挑戦を表明した黄家達だったが、あっさりと軍門に下り、インストラクターとして働く日々。ウォン・ジャックマンとターキー木村を足したキャラを一人で担う黄家達、大変だな。 ロイ・ホランの師匠・ロバート・カーバーは、アメリカの面子をかけてマカオの「振藩國術館」を潰すことを宣言、韓国から黄正利を呼び寄せた。ここで黄家達VS黄正利、何宗道VS黄正利が実現。これを喜ぶ人がどのくらいいるかは不明ながら、レア対戦マニア垂涎の顔合わせだ。黄正利のテコンドー攻撃に、踏み込めない詠春の何宗道。 一敗地にまみれ失意の何宗道に、師匠・葉問の言葉が響く。木人相手の打ち込みと、師匠との"チーサオ"からヒントを得て、何故かステップワークでテコンドーの攻撃レンジをかわすことを思いつく。ちなみにだが、葉問とのチーサオ場面は、残されたブルースと葉問のスチールに似た画を作っています。細かいね。 改めて黄正利を倒し、ロバート・カーバーのところへ『燃えよドラゴン』のように乗り込んだ何宗道は、傲慢な白人に截拳道の教えを体でわからせるのだった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー当時もそうだったろうが、今見ても一体何が目的でこんな傳奇モノを作っていたのかが不思議である。ストーリーを読んで貰えばわかると思うが、実際のブルース・リーの人生を実に中途半端になぞっているのだ。ブルースが好きな人なら周知の事実であり、その人たちからはおそらくこの映画は認めては貰えないだろうし、知らない人には説明不足だったりマニアックだったりして、何のことだか分からない。 何宗道に限ってこんな傳奇が何本もあるのも不思議だし、その全部を並べて見ると、どの映画も整合性がとれていないことに驚くばかりである。ブルース・リー・ビジネスとして最も深いところでこれと関わり合った何宗道、彼は自分の人生を非常に恥じて悔やんでいるのだ。観客は気持ちを切り替えさえすれば、こんな映画でも楽しむことは出来る。実はこの人が一番の犠牲者ではないか。次回へ
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