極私的『香港国際警察』 [2005年03月23日(水)]
Name:伊東かんふー
Email:kungfubaka@yahoo.co.jp
URL:
大変ごぶさたしております。
『新警察故事』、ここ最近のJC香港作品中でも最高作だと感じました。
ドラマの充実はもちろんですが、アクションとの整合性が見事に保たれてたのが最大の勝因ではないでしょうか? このところの成龍作品はストーリー自体はちゃんとしてても、結局彼の最大のウリであるアクションやコメディー芝居と噛み合っていなかったものがあまりに多かったですからね。その上で、今回設定は異なってても原題が『新警察故事』であるように、ちゃんと警察故事系列であることを観客に意識付けさせてくれてるのはスゴいと思います。
また、ワンマン映画のイメージが強かった成龍作品(だから"成龍作品"なんですが・笑)ですが、今回は若手を中心に魅力ある助演陣が顔を揃えてるのも魅力(韻)です。こうした若手を前に一歩"引く"ジャッキーの姿は、既に『ツインズエフェクト』シリーズで見られますけども、今回自分の主演作ではどうか?ということを彼自身五十路になってようやく試したかったのでしょう。まあそういう意味では明らかに意図的なキャスティングなんですけど、ちゃんと成功してると私は思います。
あと私的には今回"泣くジャッキー"というのがポイント高かったですね。ここ最近のJCは映画の中での表情といえば、必死こいて怒るか逃げるか、あるいは白人に囲まれヘラヘラ笑ってる印象しかなかったんで、なす術なく泣き崩れる彼の姿というのは、結構インパクトありました。でもこの"泣き"の表情があったからこそ、ラストでの感動と余韻が活きるんでよね。そういえばジャッキーは自身のターニングポイントとなる作品では、ただ怒ったり笑ったりしてるだけじゃなくちゃんと"泣いて"るんですよね。初監督の『笑拳』、GHに移籍した『ヤンマス』しかり。『奇蹟』もそうでしょ。でも泣きの代表作といわれてきた『龍的心』は…、微妙ですねえ(苦笑)。
今回の作品自体の成功で、「やっぱジャッキーは香港で撮るべきだ」という意見も出てますよね。JC自身もこれからは中国を拠点にしたいみたいなことを語ってるようですが、自分はちょっと違いまして、やはりハリウッドで作品を重ねてって欲しいという考えです。というのは、今回のJCは以前と比べるとかなり細かい芝居を展開してますよね。これはやはりハリウッド"修業"の賜物ではないかと自分は感じました。ハリウッドでのJCの立場や役柄といったものは(映画の質も含め)、決して恵まれたものとはいえませんが、ここ数年での米国での試行錯誤を繰り返すなかで、本人も気づかぬうちにこのようなキメの細かい芝居を体得してったんじゃないか、そしてそれが久しぶりの香港の現場で確認できたからこそ今回の作品に結実したのではないかと、そんな感慨をも覚えました。
もちろん現在の香港映画界にも演技力のある俳優、そしてキメ細かい芝居を演出できる監督たちはちゃんと存在してます。ただ色んな意味で"王様"のJCにそこまで突っ込んだ演出を出来る人がいるかというと…、ちょっと疑問符だったもんで。
あとこの種の成龍作品でよく言われるコミカルシーンと格闘場面が少ない云々というご意見について。
今回コミカルな場面については、ニコラスからみの場面がほとんどですが、愛香さんのおっしゃる通り、ジャッキーの年齢(役の設定年齢と実年齢両方とも)を考えた場合、この程度で十分だと自分は思います。酔っ払いのコントじゃあるまいし、四十五十にもなってヘンなパントマイムもどきのギャグパフォーマンスやってる場合でもないでしょうしね。
テレンス・インとの格闘については、明らかに手数はテレンスの方が多いように見せてますが、JCにもやはり年齢を重ねたなりのインサイドワークと"受け"を中心にした動作指導が施されていて、唸らされました。今回もクライマックスは格闘ではないですけど、伏線もしっかりしていたし緊迫感も十分で納得の展開でした。
そういうわけで、基本的には大満足だったんですが、ここまで褒めときながらあえて最高"傑作"と呼ばなかったのは、やはり現在の香港映画界を見た際、ジョニー・トー&韋家輝の一派や劉偉強の"無間道"チームなどが、不景気の中で着実に進化を遂げ傑作秀作を続々と送り出しており、それらと比較した場合単純に持ち上げられないなあという部分があるからなのです。負けてはいないと思うんですよ。じゃあ超えてるか?というと…、私自身の勉強不足も含め何ともいえないところです。まあ作風や作品の方向性の違いというのもありますし。ただ、李修賢なんかを筆頭に80年代なかばには『新警察故事』のようなテーマのポリスサスペンスが量産されてたわけで、いくらJCがそれらと一線を画す『警察故事』系列という独自路線を築いたからといえ、もうちょっと早くこれを作れなかったのか…といううらみは多少残るところです。
そして…別サイトでどなたかが声高に語っていた『踊る大捜査線 THE MOVIE』との関連について、私なりの意見をあえてちょっとここで。
見終わった限りで正直な思いを吐かせて頂ければ、「もしかしたら影響受けてんじゃねえの?」と思われる箇所が若干見受けられました。
わかり易いトコでいえば、ズバリニコラスの造型とコートのエピソードです。『踊る』でも青島君がいつも着用してるコートについてのエピソードが登場します。そして、『新警察故事』でJCと対峙する"ゲーム感覚で警察へ挑戦的な態度で犯罪を重ねる生活に不自由のない少年"という犯人の設定は、やはり『踊る』で警視副総監を誘拐する子供たちとの共通項を感じました。そしてこれはなるこうさんのプレビューを見て気づいたのですが、劇中犯人同様にゲーム感覚で捜査を語る若い警官たちの会話は、
『踊る』での登場人物たちのおよそ警官らしくない何気ない台詞の数々を彷彿とさせてくれました(なるこうさん、お名前を出したことと記事の引用失礼致しました)。
まあこの点は本当に見た方それぞれで意見はあると思うのですが、私は全編見てこの映画に"香港の踊る大捜査線だ"とキャッチコピーをつけた某地方の宣伝担当の方の気持ちがほんの少しわかったような気がしました。もちろん集客目的ではあったにせよ、闇雲に付けたのではないんじゃないかなあという思いを強くしました。
最後に師父がシャウトした
>てめぇらは恵まれてんだよ!
という台詞について私も。
私も地方出身者ですが、まあ…恵まれてますわね、やっぱ(苦笑)。
確かに上映劇場は少なくなりましたけど、前もチラっと言いましたが御大イーストウッドやスタローン、そしてヴァンダムやセガールなんかは最近シネパトスというエンターテインメント中心の小劇場のみでの単館上映がほとんどなんですよね。ドルフラングレンなんかもう、未公開作ばっかで日本でいやあ竹内力か相川翔みたいな"何とかの帝王"扱いでしょ。それに比べたら数館でやってもらえるんだからまだマシですよね。しかもこんだけ最近作が惨敗してるのに。
まあ…ご意見番もおっしゃってるように、劇場が少ないなんてのたまってるのは、色んな意味で視野の狭い方たちが多いようですし。私はまた、ここで師父や愛さんや皆様と明るく楽しく激しく濃密な話がしたい! それだけでございます。
長々失礼致しました。
Email:kungfubaka@yahoo.co.jp
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大変ごぶさたしております。
『新警察故事』、ここ最近のJC香港作品中でも最高作だと感じました。
ドラマの充実はもちろんですが、アクションとの整合性が見事に保たれてたのが最大の勝因ではないでしょうか? このところの成龍作品はストーリー自体はちゃんとしてても、結局彼の最大のウリであるアクションやコメディー芝居と噛み合っていなかったものがあまりに多かったですからね。その上で、今回設定は異なってても原題が『新警察故事』であるように、ちゃんと警察故事系列であることを観客に意識付けさせてくれてるのはスゴいと思います。
また、ワンマン映画のイメージが強かった成龍作品(だから"成龍作品"なんですが・笑)ですが、今回は若手を中心に魅力ある助演陣が顔を揃えてるのも魅力(韻)です。こうした若手を前に一歩"引く"ジャッキーの姿は、既に『ツインズエフェクト』シリーズで見られますけども、今回自分の主演作ではどうか?ということを彼自身五十路になってようやく試したかったのでしょう。まあそういう意味では明らかに意図的なキャスティングなんですけど、ちゃんと成功してると私は思います。
あと私的には今回"泣くジャッキー"というのがポイント高かったですね。ここ最近のJCは映画の中での表情といえば、必死こいて怒るか逃げるか、あるいは白人に囲まれヘラヘラ笑ってる印象しかなかったんで、なす術なく泣き崩れる彼の姿というのは、結構インパクトありました。でもこの"泣き"の表情があったからこそ、ラストでの感動と余韻が活きるんでよね。そういえばジャッキーは自身のターニングポイントとなる作品では、ただ怒ったり笑ったりしてるだけじゃなくちゃんと"泣いて"るんですよね。初監督の『笑拳』、GHに移籍した『ヤンマス』しかり。『奇蹟』もそうでしょ。でも泣きの代表作といわれてきた『龍的心』は…、微妙ですねえ(苦笑)。
今回の作品自体の成功で、「やっぱジャッキーは香港で撮るべきだ」という意見も出てますよね。JC自身もこれからは中国を拠点にしたいみたいなことを語ってるようですが、自分はちょっと違いまして、やはりハリウッドで作品を重ねてって欲しいという考えです。というのは、今回のJCは以前と比べるとかなり細かい芝居を展開してますよね。これはやはりハリウッド"修業"の賜物ではないかと自分は感じました。ハリウッドでのJCの立場や役柄といったものは(映画の質も含め)、決して恵まれたものとはいえませんが、ここ数年での米国での試行錯誤を繰り返すなかで、本人も気づかぬうちにこのようなキメの細かい芝居を体得してったんじゃないか、そしてそれが久しぶりの香港の現場で確認できたからこそ今回の作品に結実したのではないかと、そんな感慨をも覚えました。
もちろん現在の香港映画界にも演技力のある俳優、そしてキメ細かい芝居を演出できる監督たちはちゃんと存在してます。ただ色んな意味で"王様"のJCにそこまで突っ込んだ演出を出来る人がいるかというと…、ちょっと疑問符だったもんで。
あとこの種の成龍作品でよく言われるコミカルシーンと格闘場面が少ない云々というご意見について。
今回コミカルな場面については、ニコラスからみの場面がほとんどですが、愛香さんのおっしゃる通り、ジャッキーの年齢(役の設定年齢と実年齢両方とも)を考えた場合、この程度で十分だと自分は思います。酔っ払いのコントじゃあるまいし、四十五十にもなってヘンなパントマイムもどきのギャグパフォーマンスやってる場合でもないでしょうしね。
テレンス・インとの格闘については、明らかに手数はテレンスの方が多いように見せてますが、JCにもやはり年齢を重ねたなりのインサイドワークと"受け"を中心にした動作指導が施されていて、唸らされました。今回もクライマックスは格闘ではないですけど、伏線もしっかりしていたし緊迫感も十分で納得の展開でした。
そういうわけで、基本的には大満足だったんですが、ここまで褒めときながらあえて最高"傑作"と呼ばなかったのは、やはり現在の香港映画界を見た際、ジョニー・トー&韋家輝の一派や劉偉強の"無間道"チームなどが、不景気の中で着実に進化を遂げ傑作秀作を続々と送り出しており、それらと比較した場合単純に持ち上げられないなあという部分があるからなのです。負けてはいないと思うんですよ。じゃあ超えてるか?というと…、私自身の勉強不足も含め何ともいえないところです。まあ作風や作品の方向性の違いというのもありますし。ただ、李修賢なんかを筆頭に80年代なかばには『新警察故事』のようなテーマのポリスサスペンスが量産されてたわけで、いくらJCがそれらと一線を画す『警察故事』系列という独自路線を築いたからといえ、もうちょっと早くこれを作れなかったのか…といううらみは多少残るところです。
そして…別サイトでどなたかが声高に語っていた『踊る大捜査線 THE MOVIE』との関連について、私なりの意見をあえてちょっとここで。
見終わった限りで正直な思いを吐かせて頂ければ、「もしかしたら影響受けてんじゃねえの?」と思われる箇所が若干見受けられました。
わかり易いトコでいえば、ズバリニコラスの造型とコートのエピソードです。『踊る』でも青島君がいつも着用してるコートについてのエピソードが登場します。そして、『新警察故事』でJCと対峙する"ゲーム感覚で警察へ挑戦的な態度で犯罪を重ねる生活に不自由のない少年"という犯人の設定は、やはり『踊る』で警視副総監を誘拐する子供たちとの共通項を感じました。そしてこれはなるこうさんのプレビューを見て気づいたのですが、劇中犯人同様にゲーム感覚で捜査を語る若い警官たちの会話は、
『踊る』での登場人物たちのおよそ警官らしくない何気ない台詞の数々を彷彿とさせてくれました(なるこうさん、お名前を出したことと記事の引用失礼致しました)。
まあこの点は本当に見た方それぞれで意見はあると思うのですが、私は全編見てこの映画に"香港の踊る大捜査線だ"とキャッチコピーをつけた某地方の宣伝担当の方の気持ちがほんの少しわかったような気がしました。もちろん集客目的ではあったにせよ、闇雲に付けたのではないんじゃないかなあという思いを強くしました。
最後に師父がシャウトした
>てめぇらは恵まれてんだよ!
という台詞について私も。
私も地方出身者ですが、まあ…恵まれてますわね、やっぱ(苦笑)。
確かに上映劇場は少なくなりましたけど、前もチラっと言いましたが御大イーストウッドやスタローン、そしてヴァンダムやセガールなんかは最近シネパトスというエンターテインメント中心の小劇場のみでの単館上映がほとんどなんですよね。ドルフラングレンなんかもう、未公開作ばっかで日本でいやあ竹内力か相川翔みたいな"何とかの帝王"扱いでしょ。それに比べたら数館でやってもらえるんだからまだマシですよね。しかもこんだけ最近作が惨敗してるのに。
まあ…ご意見番もおっしゃってるように、劇場が少ないなんてのたまってるのは、色んな意味で視野の狭い方たちが多いようですし。私はまた、ここで師父や愛さんや皆様と明るく楽しく激しく濃密な話がしたい! それだけでございます。
長々失礼致しました。








