旧myroom(香港電影的日常 '01/2/17〜'06/1/29)より移転。

 香港映画を中心に語っていますが、基本的には何でもアリです。
 なお日記に記載の内容は、無断転載、転用はお断りいたしております。ご理解下さい。(by fake)

 ・・・・あと、リンクもフリーではないんです。すんませんなぁ。

成記茶樓 [2005年04月21日(木)]

Name:なるこう
Email:
URL:

レビュー堪能させて頂きました。
あの映画にはそこまでの深い社会描写があったのですね。
娯楽映画でありながら香港人が抱える問題点をするどく突き刺したということでそりゃあ話題作になりますねぇ。
また1974年と思えないようなイカしたフィルムセンスは凄いなと思いました。
この頃は語学力の低さでなかなか物語を理解できないジレンマに苦しんでいるなるこうです。せめて英語勉強しなきゃ。

更新 [2005年04月21日(木)]

Name:fake
Email:episodo1@iris.dricas.com
URL:http://myroom.isao.net/room164/0000001000019164

 4/21日記更新。本日は、陳觀泰の『成記茶樓』です。

『成記茶楼』 [2005年04月21日(木)]

『成記茶楼』'74年製作、監督:桂治洪、主演:陳觀泰ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー成記茶楼(レストラン)のオープン日、オーナー"大哥成"陳觀泰は出勤してこない汪禹を呼びつける。「いつまでもフラフラしてていいのか?」難しい年頃の汪禹は、何かにつけて反抗的だ。今日も悪友に強盗話を持ちかけられアベックを襲った汪禹だったが、裸に見惚れているうちに警察を呼ばれてしまう。 懲役一年と罰金だが執行を猶予される、少年ゆえの軽い判決だった。何かと汪禹を庇おうとする楊志卿だったが、成記茶楼に警察沙汰を持ち込みたくない陳觀泰は、汪禹放逐を決定。有志合弁により設立された成記茶楼は、楊志卿、李壽祺他の合議制により運営されているが、重要な決定権を持つのは腕一本で伸上がった陳觀泰なのだ。 汪禹のために厳しくしたのだが、これが面白くない汪禹は陳觀泰への反抗心だけで強盗を試みる。ラブホで襲った相手は訳有りだったため、儲けることに成功。銀行に立て篭もった汪禹は逮捕されるも、人権派の裁判官は甘い判決しか出さない。あくまで逮捕されたい汪禹、法廷で暴れ倒し一年の実刑を勝ち取った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー店が軌道に乗ったところで言いがかりをつけにきたギャングを、楊志卿が毅然と追い返す。だがウエイトレスの劉午がギャングから逃げてきた事情を知らなかった。仕事終りを待ち伏せるギャングたちに襲われる従業員。逃げようとした劉午が車に撥ねられ死亡。 しかしそのギャングは過失致死にしか問われない上、やはり若年ということで放免されてしまう。劉午の弟が法廷から出てきたギャングを刺し殺し、その場で逮捕。若年だが殺人となれば話は別だ。 法の不平等に嘆く陳觀泰。法には法で、人権派弁護士に窮状を訴える劉午の父・[赤+おおざと]履仁、陳立品を病気の祖母に仕立てまんまと泣き落としで同情を買う。一年の感化院送りという判決を勝ち取り喜ぶ従業員。 成記茶楼に現れた乞食の子供・落山を助け、その病気の母・葉靈芝ごと引き取る陳觀泰。成記茶楼から金を取れないギャングたちは、客や近くの住人たちから通行料などを徴集していた。楊志卿からその事実を聞かされた陳觀泰、常連客の沈勞が襲われついに立ち上がる。 だが暴力は暴力の連鎖を生む。ギャングのボス・馮敬文が出馬、陣頭指揮をとるのは樊梅生だ。脅された従業員らは「誰がボスか?」と問われ、いつもの呼び方で"大哥成"と答えてしまう。"大哥"というのはギャングが使う言い回しで"兄貴"のことだ。「何だ、同業か。知らん名だが・・・・」同業なら同業の挨拶があるはずだと呼びつけられる陳觀泰。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー誤解しているならさせておこうと、ギャングの振りをして乗り込む。黒社会のしきたりに詳しい張作舟の機転で、自分より上のランクだと誤解した馮敬文と手討ちを済ませ従業員を解放。何時の間にか"その道"で名を挙げていく陳觀泰に、町の名士・李鵬飛から仕事の依頼が。 実は陳觀泰の台頭を不満に思う勢力の仕掛けた罠だったが、先を読んだ陳觀泰に裏をかかれてしまう。脅された李鵬飛は金で解決しようとするが、その金を寄付に回して驚かれる。農場が地上げ業者に狙われている王清河を助けるために人を繰り出す。陳觀泰は王清河に救われたことで成記茶楼をオープンした経緯があった。地上げの黒幕はまたも李鵬飛、以前の会合を録音したテープで脅し賠償金をせしめた。 チンピラに落山が襲われ、葉靈芝にはこれを機に結婚して暮らそうと申し込む。対立していた組織の揉め事を収めたが、宗燦枝との間に遺恨は残った。結婚式当日、ギャングの集会と目論んだ[イ冬]林の手入れがあり、陳觀泰の仕業と誤解した宗燦枝の襲撃を受ける成記茶楼。 狙っていた[イ冬]林はここぞとばかりに一斉検挙。弱り目に祟り目、馮敬文からは兄弟杯の申し入れが。「ちくしょう!俺は堅気なのに!」進退の窮まった陳觀泰は引退の決意を従業員に告げる。「ここは君たちだけでやっていける・・・」 葉靈芝らを連れて出奔するが「彼らを置いていくの?」と聞かれ、「俺が本当に望んでいるとでも?」と答える。その目前には、道を決めかねる彼らの行く末を暗示する二又路が・・・・。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー140万HKドルを上げる大ヒットで、その年の興收第10位に入った。これの続編が『大哥成』で、陳觀泰らのその後はここで描かれる。張徹と年輕人問題についての『憤怒青年』を仕上げた桂治洪は、若年化する犯罪と少年法の限界や、市民生活における社会正義と私刑の境界線などを盛り込み、テーマそのものを娯楽性の高いドラマの中に転換。極端に作家性に走ることなく手堅いヒット作をモノにした。 この映画と続編『大哥成』で、初めて70年代当時のストリートキッズの話す言葉がそのまま使われ、そのリアルな風俗描写が話題となった。 徐々に黒社会で名前を挙げていく陳觀泰の"大哥成"の姿には、ちょっとピカレスクロマン風の趣もあるが、根本的なところでこれはギャング映画にはならない。桂治洪が描きたいのは、法と正義の矛盾そのものであり、暴力を使わない自己防衛がギャングを演じることだったとしても、結局その先に流血が訪れるのであれば、そこに何の違いがあるのか?という問いかけである。 公務員汚職の最盛期でもあった74年は、法の執行官たる警察も当てに出来ないという時代でもあった。香港の市民にとって、"大哥成"の決断は身に詰まされる決断なのだ。続編『大哥成』
trackback Blog by isao.net