『K龍/激突!ドラゴン稲妻の対決』 [2007年11月15日(木)]
『K龍/激突!ドラゴン稲妻の対決』'73年製作、監督:羅熾、主演:TONY FERRER
フィリピン功夫映画の大スター、トニー・フェラーを迎えて、香港とフィリピンの合作で作られた作品。香港側プロデューサーは王世立、フィリピン側プロデューサーはBOBBY A SUAREZ。製作公司は不明(フィリピン側はインターナショナルなんとか)ながら、同社は同じような方式で『ASIA COSA NOSTRA』なる映画も製作している。主演はやはりトニー・フェラーで、『K龍/激突!ドラゴン稲妻の対決』もそうだが、香港側にほとんど資料が存在しないところをみると、フィリピン資本の方が大きな映画だったのかも。
日本でも'74年6月15日、第一次ブームの真っただ中に公開されており、観たことある方もおられるだろう。一部資料には'76年7月24日にテレビ朝日系列で放送されたとある。こちらのバージョンでご覧の方もいるのかも。
監督は呂奇説もあったが、『天殘地缺/ミラクルカンフー阿修羅』や『五雷轟頂』を撮った羅熾で間違いない。
英題が『The Black Dragon』ということになっているが、こちらで探しては永久に見つからない可能性も。香港映画に『The Black Dragon』という英題の映画は何本もあるのだ。香港での英題は『Great Dragon Boxer』の方がポピュラー。これはフィリピンでのタイトルが『O Grade Dragao Kick-Boxer/Bandeirantes』というところから来ている。
ちゃんとストーリーが紹介されたことの無い映画だと思うので、この際だからきちんと書いておきます。
黒龍団なるギャングに潜入捜査を試みた刑事・齊琳が殺された。実は今しも彼の誕生パーティが行われる予定で、妻の王莱は久しぶりに帰郷する三人の息子と共に夫の帰りを待ちわびていた。
父の死を知らされ現場に駆け付ける息子たち(トニー・フェラー、ジミー・リー、劉江)、現場を指揮する喬宏警視に黒龍団の存在を知らされる。
葬儀が執り行われ、友人の唐菁もお悔やみを言いに現れた。「まるで私にとって師も同然の方でした・・・・犯人逮捕に出来ることがあればどんな協力も惜しみません」唐菁の言葉に喬宏も肯く。
兄弟たちは父の仇を討とうと独自の調査を開始。それぞれが黒龍団の縄張りに潜入する。密輸の噂を聞き付けた劉江は港湾に、ショバ代を荒らしている噂を聞いたジミーは飲食店に、そしてトニーは売春組織に潜入するためポン引きの馬劍棠に近づいた。
劉江やジミーがそれぞれに成果を挙げていく中、ひとりトニーのみは明らかに目的が違っていた・・・・としか思えない行動に走っていた。
初めに紹介された娼婦のミス・ワンを散々に抱いた後「君はどうしてこんなことをやっているんだ ?!」と説教。風俗嬢に嫌われる客No.1の行為である。帰ろうとした所へ悲鳴が聞こえ、別の娼婦ミス・アローナ(トニーと共にフィリピンから来たと思しい女優アローナ・アレグラ)が客に酷い暴行を受けている所を目撃。ミス・アローナを助けたのはいいが、そのままミス・アローナも抱いてしまうトニー。指名替えは風俗嬢に嫌われる客No.1の・・・・以下、略。
ジミーと劉江は暴走し、度々組織と揉め事を起こすが、その都度喬宏に助けられる。組織と繋がっている汚職警官の何柏光からの注進で、劉江たちが死んだ齊琳の息子だと知る黒龍団。謎のボスは姿を見せず、組織のNo.2である李文泰が報告に現れるのみだ。
弟たちの活躍を他所に、ミス・アローナにドップリのトニー。「こんな関係を続けてはダメだ・・・」自嘲するトニーに、「あなた真面目なのよ、もっと楽しまなきゃ」と娼婦の鏡のような発言をするミス・アローナ。金払いはいいかもしれんが、風俗嬢には間違いなく嫌われるぞトニー!
まあ、あまり出来のいい映画でもなかったが、ここから加速度的にグタグダになっていくのだ。
トニーはミス・アローナとミス・ワンを連れて足抜けの準備。父の仇討ちはどうした!追われるトニーだったが、無線で劉江に状況を連絡、その無線は喬宏にも通じており、全てはトニーの計画(そんなものが欠片でもあったとしてだが・・)通りに進む。
船で二人を逃がそうとするが、そこは待ち伏せされており、ボートの上で闘いが始まる。ジミーと劉江も助っ人に現れ、とりあえず状況を脱するが、どうみても行き当たりばったりの有り様としか思えない展開。またジミーと劉江は姿を消し、「俺たちの正体がバレた以上、母さんが危ない!」と自宅へ急行する。
案の定、王莱は連れ去られており、現場には黒龍団の証である翡翠の指輪が落ちていた。
「兄貴と合流しよう!」ふたりが相談している頃、警察は売春宿を一斉捜査、喬宏は着々と組織を壊滅に追い込んでいく。
ミス・アローナを発見したジミー、「このクソアマ、母さんを何処へやった!」と詰め寄る。知らないわと答えるミス・アローナに対し、売春婦の言うことなんか信じられるかと暴言を飛ばす。
そこでミス・アローナ、実は私は婦人警官なのとバッジを見せるが、あんたずっと客取ってたんかい!
ミス・アローナの手引きで母の行方を追うジミーと劉江。ミス・アローナはミス・ワンを逃すため再びボートへ。やっぱり待ち伏せされ、ミス・アローナは馬劍棠と相討ちで海にドボン。
王莱を人質にとった組織は、いよいよ謎のボスが姿を現した。実は・・・というか、この配役ならやっぱりというか、唐菁が組織のボスで、姿を現したはいいが、組織の命はもはや風前の灯であった。
一方のトニー、もはや目的もなく(彼は母の誘拐を知らないし、ミス・アローナたちや兄弟とも別行動)ただ暴れているだけにしか見えない。どこぞで組織の末端構成員をド突き廻しているその時、劉江はひとりで車を運転し、組織を追っていた。最初に潜入していた港の倉庫に現れ、車やジミーはどうなった?という疑問もほったらかして、周小來他(劉鶴年、任浩、黄國良、湛少雄)の武師軍団と闘う。どこからともなくジミーやトニーも合流し、セスナで上空から警官隊を組織する喬宏も応援に現れ、ダラダラと闘いが続きながらボス・唐菁を追い詰めて行く。
野原で追い回された揚句にタコ殴りにされ、やっぱり倉庫へ戻ってきた唐菁。クレーンでコンテナを持ち上げ、ボスの応援をしようとした李文泰が喬宏に撃たれ、コンテナを唐菁の上に落して全て決着。
誰一人としてミス・アローナのことを話題にしないラストが、この映画のダメ具合だけを物語っているのだった・・・。
フィリピン功夫映画の大スター、トニー・フェラーを迎えて、香港とフィリピンの合作で作られた作品。香港側プロデューサーは王世立、フィリピン側プロデューサーはBOBBY A SUAREZ。製作公司は不明(フィリピン側はインターナショナルなんとか)ながら、同社は同じような方式で『ASIA COSA NOSTRA』なる映画も製作している。主演はやはりトニー・フェラーで、『K龍/激突!ドラゴン稲妻の対決』もそうだが、香港側にほとんど資料が存在しないところをみると、フィリピン資本の方が大きな映画だったのかも。
日本でも'74年6月15日、第一次ブームの真っただ中に公開されており、観たことある方もおられるだろう。一部資料には'76年7月24日にテレビ朝日系列で放送されたとある。こちらのバージョンでご覧の方もいるのかも。
監督は呂奇説もあったが、『天殘地缺/ミラクルカンフー阿修羅』や『五雷轟頂』を撮った羅熾で間違いない。
英題が『The Black Dragon』ということになっているが、こちらで探しては永久に見つからない可能性も。香港映画に『The Black Dragon』という英題の映画は何本もあるのだ。香港での英題は『Great Dragon Boxer』の方がポピュラー。これはフィリピンでのタイトルが『O Grade Dragao Kick-Boxer/Bandeirantes』というところから来ている。
ちゃんとストーリーが紹介されたことの無い映画だと思うので、この際だからきちんと書いておきます。
黒龍団なるギャングに潜入捜査を試みた刑事・齊琳が殺された。実は今しも彼の誕生パーティが行われる予定で、妻の王莱は久しぶりに帰郷する三人の息子と共に夫の帰りを待ちわびていた。
父の死を知らされ現場に駆け付ける息子たち(トニー・フェラー、ジミー・リー、劉江)、現場を指揮する喬宏警視に黒龍団の存在を知らされる。
葬儀が執り行われ、友人の唐菁もお悔やみを言いに現れた。「まるで私にとって師も同然の方でした・・・・犯人逮捕に出来ることがあればどんな協力も惜しみません」唐菁の言葉に喬宏も肯く。
兄弟たちは父の仇を討とうと独自の調査を開始。それぞれが黒龍団の縄張りに潜入する。密輸の噂を聞き付けた劉江は港湾に、ショバ代を荒らしている噂を聞いたジミーは飲食店に、そしてトニーは売春組織に潜入するためポン引きの馬劍棠に近づいた。
劉江やジミーがそれぞれに成果を挙げていく中、ひとりトニーのみは明らかに目的が違っていた・・・・としか思えない行動に走っていた。
初めに紹介された娼婦のミス・ワンを散々に抱いた後「君はどうしてこんなことをやっているんだ ?!」と説教。風俗嬢に嫌われる客No.1の行為である。帰ろうとした所へ悲鳴が聞こえ、別の娼婦ミス・アローナ(トニーと共にフィリピンから来たと思しい女優アローナ・アレグラ)が客に酷い暴行を受けている所を目撃。ミス・アローナを助けたのはいいが、そのままミス・アローナも抱いてしまうトニー。指名替えは風俗嬢に嫌われる客No.1の・・・・以下、略。
ジミーと劉江は暴走し、度々組織と揉め事を起こすが、その都度喬宏に助けられる。組織と繋がっている汚職警官の何柏光からの注進で、劉江たちが死んだ齊琳の息子だと知る黒龍団。謎のボスは姿を見せず、組織のNo.2である李文泰が報告に現れるのみだ。
弟たちの活躍を他所に、ミス・アローナにドップリのトニー。「こんな関係を続けてはダメだ・・・」自嘲するトニーに、「あなた真面目なのよ、もっと楽しまなきゃ」と娼婦の鏡のような発言をするミス・アローナ。金払いはいいかもしれんが、風俗嬢には間違いなく嫌われるぞトニー!
まあ、あまり出来のいい映画でもなかったが、ここから加速度的にグタグダになっていくのだ。
トニーはミス・アローナとミス・ワンを連れて足抜けの準備。父の仇討ちはどうした!追われるトニーだったが、無線で劉江に状況を連絡、その無線は喬宏にも通じており、全てはトニーの計画(そんなものが欠片でもあったとしてだが・・)通りに進む。
船で二人を逃がそうとするが、そこは待ち伏せされており、ボートの上で闘いが始まる。ジミーと劉江も助っ人に現れ、とりあえず状況を脱するが、どうみても行き当たりばったりの有り様としか思えない展開。またジミーと劉江は姿を消し、「俺たちの正体がバレた以上、母さんが危ない!」と自宅へ急行する。
案の定、王莱は連れ去られており、現場には黒龍団の証である翡翠の指輪が落ちていた。
「兄貴と合流しよう!」ふたりが相談している頃、警察は売春宿を一斉捜査、喬宏は着々と組織を壊滅に追い込んでいく。
ミス・アローナを発見したジミー、「このクソアマ、母さんを何処へやった!」と詰め寄る。知らないわと答えるミス・アローナに対し、売春婦の言うことなんか信じられるかと暴言を飛ばす。
そこでミス・アローナ、実は私は婦人警官なのとバッジを見せるが、あんたずっと客取ってたんかい!
ミス・アローナの手引きで母の行方を追うジミーと劉江。ミス・アローナはミス・ワンを逃すため再びボートへ。やっぱり待ち伏せされ、ミス・アローナは馬劍棠と相討ちで海にドボン。
王莱を人質にとった組織は、いよいよ謎のボスが姿を現した。実は・・・というか、この配役ならやっぱりというか、唐菁が組織のボスで、姿を現したはいいが、組織の命はもはや風前の灯であった。
一方のトニー、もはや目的もなく(彼は母の誘拐を知らないし、ミス・アローナたちや兄弟とも別行動)ただ暴れているだけにしか見えない。どこぞで組織の末端構成員をド突き廻しているその時、劉江はひとりで車を運転し、組織を追っていた。最初に潜入していた港の倉庫に現れ、車やジミーはどうなった?という疑問もほったらかして、周小來他(劉鶴年、任浩、黄國良、湛少雄)の武師軍団と闘う。どこからともなくジミーやトニーも合流し、セスナで上空から警官隊を組織する喬宏も応援に現れ、ダラダラと闘いが続きながらボス・唐菁を追い詰めて行く。
野原で追い回された揚句にタコ殴りにされ、やっぱり倉庫へ戻ってきた唐菁。クレーンでコンテナを持ち上げ、ボスの応援をしようとした李文泰が喬宏に撃たれ、コンテナを唐菁の上に落して全て決着。
誰一人としてミス・アローナのことを話題にしないラストが、この映画のダメ具合だけを物語っているのだった・・・。







