旧myroom(香港電影的日常 '01/2/17〜'06/1/29)より移転。

 香港映画を中心に語っていますが、基本的には何でもアリです。
 なお日記に記載の内容は、無断転載、転用はお断りいたしております。ご理解下さい。(by fake)

 ・・・・あと、リンクもフリーではないんです。すんませんなぁ。

更新 [2004年10月31日(日)]

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 10/31日記更新。本日は、鄭佩佩(チャン・ペイペイ)
のショウブラ引退作品『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』
です。

『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』 [2004年10月31日(日)]

『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』'70年製作('71年説有り)、監督:羅維、主演:鄭佩佩ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画は77/8/24に東京12チャンネルでTV放映された。日本題はその時のものである。ショウブラ作品がTV放映されていたというのも驚きですな。当時の状況ではショウブラ作品が劇場公開されるのも困難だったのだから。理由の一番は権利金の高さによるもので、このことが尾を引き、日本は長きに渡って東南アジアで最もショウブラと縁遠い国となってしまったのである。それにしても一体どういう経緯で輸入されたものか? テレ東が独自に輸入したものではなかろう。テレ東がせっせと放映していたB級作品ならばそれも可能だろうが、そのラインナップには他にショウブラ作品はなく、この『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』のみをテレ東が買い付けるとは思えない。通常このケースはパッケージ(抱き合わせ)で行なわれるはずで、それならばテレ東は別のショウブラ作品も買い付けているはずだ。70年代のドラゴン・ブーム時でも配給会社が敬遠したショウブラだ、権利問題のややこしさからいっても、実際の買い付けはテレ東ではないだろう。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーブーム時にどこかの会社が買い付けていた、もしくはパッケージで買わされたものが何らかの理由でオクラ入りし、それをテレ東が買い取って放映した、これが一番自然な解釈ということにならないだろうか? この映画がTV放映されるまでに劇場公開されたショウブラ作品は全部で9本。(ブーム以前の60年代に『梁山伯興祝英台/梁山伯と祝英台』『江山美人』が公開されたことがある) 公開順と配給会社は以下の通り。『方世玉興洪煕官/嵐を呼ぶドラゴン』(WB)、『龍虎鬥/吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』(日活)、『天下第一拳/キングボクサー大逆転』(東京第一)、『七屍金/ドラゴンVS7人の吸血鬼』(WB)、『三超人興女覇王/アマゾネス対ドラゴン世紀の激突』(ヘラルド)、『女金剛鬥狂龍女/ダイナマイト諜報部員 クレオパトラ・カジノ征服』(WB)、『金瓶雙艶/金瓶梅』(ヘラルド)、『一代巨星/実録ブルース・リーの死』(富士)、『蛇殺手/蛇姦』(富士)。 このうち複数以上輸入しているのは、WBの3本、ヘラルドの2本、富士(系列の「松竹」は後に『猩猩王/北京原人の逆襲』を公開)の2本。ヘラルド、富士がゲテモノ系を輸入していることからみて、WBが抱き合わせで買わされた様な気がしますねぇ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』は鄭佩佩の引退作として71/8/6に香港で公開された。寿引退でアメリカに移住した鄭佩佩は、これを最後にしばらく香港映画界から姿を消した。ショウブラのライバル会社ゴールデン・ハーベストの要請に負けて、『鐵娃』で復帰するのは73年である。この映画が70年の製作というのには訳がある。それは監督が羅維だからで、この映画の公開された71/8月は羅維はハーベストで『鬼流星』を撮っているのだ。ハーベストが始動するのは71年からだが、69年に鄒文懐(レイモンド・チョウ)が飛び出してから旗揚げの準備は開始されており、71/1/22公開の旗揚げ作品『天龍八將』も羅維作品であることから、71年にショウブラで羅維が監督を務めることは有り得ないのだ。であるから、一部資料に記載されている『影子神鞭/空中必殺 雪原の血闘』71年製作説は脆くも崩れることとなる。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー15年前に秘宝を盗み、その時護衛をしていた羅維を殺し、江湖から姿を消した"影子神鞭"田豊。その技を受け継ぐ鄭佩佩が江湖に現れたことから、多くの人間がその行方を巡って彼女の回りに現れ始める。殺された羅維の甥・岳華、羅維と共に秘宝を護衛していた谷峯、事件の影で策動していた盗賊"燕雲十六盗"一味、王侠、李家鼎、高鳴などだ。育ての親・田豊が、江湖の極悪人として追われていることを知って驚く鄭佩佩だったが、あくまでその無実を信じ行動を開始。追われている田豊自身も真犯人を知らず、納得のいく説明が出来ないことが誤解を招くが、迫り来る敵を田豊譲りの鞭でかわしながら、江湖に秘められた謎に迫ってゆく・・・。全体のアクション場面は中々だが、導入部がもたついて話しに入り込み難いのが弱点だ。劇場公開が見送られたのはこの辺が理由だったのかも。そのもたつく理由だが、それはひとえに雪原ロケが原因だろう。西部劇タッチのオープニングから、香港映画には珍しい雪景色のロケがふんだんに登場する。"ふんだんに"とはいっても、同じロケ現場の"絵"が繰り返し登場するもので、非常に限られた"ふんだん"なのだ。雪景色が珍しかったのは解るが、そのために話の展開が疎かになっては本末転倒というものだろう。とはいえ、後半の急展開とアクションに次ぐアクションは、珍しい鞭の殺陣と共に一見の価値ある作品であることも確か。やはりTV放映がお似合いであったということか。なるべくしてなった結果、ともいえるのだ。

更新 [2004年10月24日(日)]

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 10/24日記更新。本日は、狄龍VS血滴子!『清宮大
刺殺/殘酷大刺殺』です。

Re:キングのショウブラDVDは造りが丁寧で好感 [2004年10月24日(日)]

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>台風が来て、地震がおこって、大変なことになって
>ますけどいかがですか?

 こちらは18号ほどの被害はないのですが、全国各
地で災害被害が起こっていて大変ですね。みなさま
も無事だとよろしいのですが。個人的には体調を崩
して寝ていました。今日は随分と楽になりましたけ
ど。

>少なくとも3種類が知られているとのこと。残念な
>がら特典映像にこれら別エンディングは収録されて
>なかったですが、その代わりというか、チラリズム
>の本編もぶっとぶような、乳首丸出しの別テイクが
>2カットも使われている「オリジナル劇場予告編」
>入りですわ(←お下劣バカ)。

 キングのDVDはジミーBOXこそ買ったものの、ショウ
ブラものは一本も買ってないんですよ。ジミーのを見
る限り良い仕事をしていますね。
 別エンディングは未収録ですか・・・・フィルムも
存在するんですけどねぇ。残念です。

>……ところで話は全然変わって、日記を読んでいて
>ふと思い出したことなんですけど(すでにどこかで
>説明ずみでしたらゴメンナサイ)、『南拳北腿』に
>「黄正利」の名がクレジットされていない、という
>のには、何か理由があるんですか?

 ふむ、まだ書いていなかったと思います。所有して
いる『南拳北腿』は英語版なので彼がクレジットされ
ているかどうか未確認なのですが、考えられる理由は
まだ"黄正利"名義ではない、ということですね。韓国
時代の"黄泰洙"名義の可能性は大ですね。

キングのショウブラDVDは造りが丁寧で好感 [2004年10月24日(日)]

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台風が来て、地震がおこって、大変なことになって
ますけどいかがですか? 先日は台風で仕事も休み
になっちゃって、その機会に脳天気にも『北京原人
の逆襲』観ちゃいました。ライナーノーツによれば
この映画のエンディングには、1)サマンサが死ぬ
インターナショナル版、2)生き残るアジア版(こ
れが以前fakeさんのおっしゃっていたやつですね)
3)死んで、最後にビキニ姿のサマンサのイメージ
ショットが挿入されて終わるヨーロッパ版、という
少なくとも3種類が知られているとのこと。残念な
がら特典映像にこれら別エンディングは収録されて
なかったですが、その代わりというか、チラリズム
の本編もぶっとぶような、乳首丸出しの別テイクが
2カットも使われている「オリジナル劇場予告編」
入りですわ(←お下劣バカ)。
……ところで話は全然変わって、日記を読んでいて
ふと思い出したことなんですけど(すでにどこかで
説明ずみでしたらゴメンナサイ)、『南拳北腿』に
「黄正利」の名がクレジットされていない、という
のには、何か理由があるんですか?

『清宮大刺殺/殘酷大刺殺』 [2004年10月24日(日)]

『清宮大刺殺/殘酷大刺殺』'77年製作、監督:程剛、華山、主演:狄龍ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画の英題は『FLYING GUILLOTINE 2』で、陳觀泰の『血滴子』の続編である。画質の極端に悪いアラビア語の海賊版が発見されたのもつい最近のことで、実際にはどんな映画か不明のままであった。今回新たに正規版が発売になり、ようやくその全貌が明らかになりました。この映画は長らく『連環血滴子』という題だと思われていましたが、香港題が『清宮大刺殺』で台湾題『殘酷大刺殺』になります。『連環血滴子』という題は製作期間に発表された仮の題で、一部宣材に使われていることからこの混乱が起こったものだと推察されますね。『血滴子』の続編といえば、同スタッフで作られた『血芙蓉』という作品もありますが、どっちも雍正帝をメインの悪役に据えたパラレルな続編なんですよ。ややこしい!製作順だとこの『清宮大刺殺/殘酷大刺殺』の方が早くて、公開は78/1/19でした。それに対して『血芙蓉』の公開は78/3/11。推測なのですが、勝手に自作の続編を作られた何夢華が、対抗して作ったのではないでしょうかね?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの映画が完全に続編になっているのは、前作『血滴子』で陳觀泰が演じた主人公・馬騰の"その後"を描いている点にあります。ただし今回その馬騰を演じるのは狄龍で、前作から3年もたって作られた続編故の変更なのか、この時期に陳觀泰がショウブラと揉めていたからの変更なのかは不明。陳觀泰が揉めていたのは事実で、ショウブラを飛び出して『鐵馬[馬留]/鐵猴子』を製作したことで一時険悪にはなっていましたからね。7778年の間にショウブラにはほとんど出ていないんですよ。今回、雍正帝を演じるのは谷峯。前作の血滴子隊訓練教官から随分と出世しました。(笑) 血滴子部隊の隊長は羅烈と韋弘。韋弘は『血芙蓉』では雍正帝に出世しますが、羅烈は引き続いて血滴子部隊でした。主人公の狄龍はあまり出番がなく、主役はどちらかというと雍正帝です。ということは"雍正帝"物のジャンルに位置する訳で、当然のことながら雍正帝のライバル江南八大侠も登場します。役名で呼ばれるのは数人で、甘鳳池に史仲田、呂四娘に燕南希、白泰官に王鍾くらい。後は樊梅生、鄭康業、顧冠忠、劉陸華、元華などが出ています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー相変わらず横暴を極める雍正帝、江南では甘鳳池を中心とする反乱軍が組織されつつあった。先走った白泰官は暗殺に失敗、一味のアジトを探知され、血滴子部隊の襲撃を招く。間一髪で救出に現れたのは狄龍。前作『血滴子』でも活躍した傘を改良した血滴子破りの秘密兵器で追い払った。"是非仲間に"という甘鳳池らの誘いを断ると、妻・陳思佳と息子が待つ平和な暮らしへと帰っていった。狄龍出現に激怒する雍正帝は、羅烈と韋弘に江南八大侠ごと殲滅するよう命令を下す。狄龍の義侠心に訴えたおびき出し作戦を展開、出頭した狄龍を今度は江南八大侠が助ける。数ある"雍正帝"物の中でも悪辣さでは一、二を争う谷峯版・雍正帝は、悪行を諌める長年の師匠・顧文宗をも暗殺対象に。これを助けたのは施思。兵部尚大臣・楊志卿の娘だが、漢族の母を殺された恨みから、密かに雍正帝の動きを探っていたのだ。施思は顧文宗を連れ江南八大侠と合流、共同戦線を張る。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー江南八大侠のひとり劉陸華は高麗使節に扮して宮殿に潜入する作戦に志願。密かに想い合っていた施思と別れを済ますと、毒の短剣を献上品に仕込み出発した。厳重なボディチェックの後、雍正帝に拝謁したが、高麗使節の習慣を知らなかった劉陸華は即座に雍正帝に見抜かれてしまう。白泰官が特攻をかけた時発見したのは惨殺された劉陸華の姿だった。度重なる暗殺騒ぎに怒り心頭の雍正帝は、宮殿内部で働くラマ僧を訪ねる。ラマ僧・井森は血滴子の開発者で・・・・って、おかしくねぇか?前作では谷峯の訓練隊長が自分で研究開発していたはずだぞ!雍正帝は血滴子が狄龍の傘戦法に破れたことで叱責に現れたのだが、井森は"そんなバカな"と取り合わない。証拠の傘を見せられると"これは素晴らしい装置ですな"と目を輝かせる井森。科学オタなのだ、こいつ。バカな事言ってないでこれに勝る新兵器の開発を急げ!雍正帝に怒られた井森、"やってみますけど、ローマは一日で成らずですよ"とのたまう。食えないおっさんだ。完成した新兵器を披露にくる井森。従来の血滴子が狄龍の傘に止められてしまっていたため、ネット部分を長くし、傘に絡みついた後に上部が離脱するように仕掛けてあるのだ。名づけまして"連環血滴子"でございます。なーるほど、ここでこの名前が出てくるのか。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー新兵器を使った新部隊の創設を下命された韋弘、兵部尚大臣・楊志卿を訪ね命令を下す。その様子を聞いていた施思、連環血滴子の秘密を探る必要を感じる。その頃、隠れ家を突き止められた狄龍は、妻子を人質にとられ縛についた。抵抗を止めた狄龍の目の前で妻子が殺され、救出に現れた江南八大侠と共に立ち上る決意を固めた。兵部省から集められた有為の若者たちが新血滴子部隊として選抜式に出席。目を細める雍正帝の前に現れた施思は、腕前を披露し女血滴子隊の新設を進言、これを受け入れられる。信頼を得た施思はラマ僧院を訪ね連環血滴子の設計図を入手するも、警備の山怪に後をつけられてしまう。韋弘に報告後見張りを続けていたが、気配を察知した施思に殺される。韋弘の注進で雍正帝も現れ、山怪殺しを詰問されたが、突然忍び込んだので驚いて殺してしまったと告げ、切り抜ける。以前より旋思を疑っていた羅烈らは、ラマ僧・井森を呼び出し、設計図は無事か?と問う。本当は紛失しているのだが、そんな事は告げられない井森は懐から設計図を取り出し取り繕う。結果的に救われた旋思だが、無実を晴らすためある裏切り者を始末するよう命令される。皇帝から聞かされた反乱軍を支持する裏切り者の名前は、父の楊志卿であった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー父に全てを話した旋思は、このまま雍正帝の横暴を見過ごせないと語る。娘の意を汲み取った楊志卿は自ら毒をあおり娘を助けた。雍正帝の信頼を得て側室にのし上がった旋思に、顎で使われて面白くない羅烈と韋弘。父親が毒殺だったことから完全には信用していないのだと、雍正帝に打ち明けられ引き続き動向を見張るよう命じられた。設計図を渡された狄龍は連環血滴子破りの新兵器開発に余念が無い。蜂起の日が近づいていることを知らされるが、開発にはまだ数日を要すると告げる。旋思の行動から甘鳳池の居場所がバレ、血滴子部隊と壮絶な相討ちを遂げる。遅れて駆けつけた狄龍に旋思らを救うよう言い残して息絶える甘鳳池。蜂起した江南八大侠は、旋思の手引きで宮殿に侵攻。衛兵に扮した袁信義、袁振洋、袁祥仁、袁日初、戚毅雄、錢月笙、徐忠信、黄志強、徐發、馮克安、元奎、元彪、元彬らと乱戦を繰り広げる。追い詰められる雍正帝だが、皇帝仕様の連環血滴子を駆使して呂四娘をバラバラにする。駆けつけた狄龍が新兵器・哨子棍でこれを破ると、奪い取った連環血滴子で逆襲に転じ、雍正帝の首は「清史遺聞・雍正外傳」の通りハネられるのだ。だがその狄龍たちも清朝正規軍の包囲から逃げることは敵わなかった・・・・。

更新 [2004年10月14日(木)]

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 10/14日記更新。今回もやっぱり怪作?!陳惠敏VS
カサノヴァ・ウォン実現『火爺』です。

『火爺』 [2004年10月14日(木)]

『火爺』'83年製作、監督:崔永哲、主演:卞薩伐(王虎/卞の正字は上/下)、陳惠敏ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『火爺』が85年製作で、陳惠敏が勝つ通常版と、カサノヴァ・ウォンが王虎名義で監督したカサノヴァ・バージョンがある、という情報は不完全なものである。元々『火爺』は83年の韓国映画で、監督は崔永哲。このオリジナル韓国版を元に、カサノヴァが監督したニンジャ軍団と闘う場面を追加したカサノヴァ版。陳惠敏中心に再編集したインターナショナル版『NINJA HOLOCAUST』の二つにに分かれるのである。一番有名なのは『NINJA HOLOCAUST』の方であろうか。カサノヴァが王虎名義で・・・というのも可笑しな表現だ。カサノヴァ・ウォンを漢字で表すなら卞薩伐(カサノヴァ)・王(ウォン)であり、卞薩伐・王虎と書き表すのが妥当であろう。彼は中華圏では卞薩伐であり、本国韓国では王虎、英語表記がカサノヴァ・ウォンなのだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー資料によればオリジナル韓国版のストーリーはこうだ。韓国ボクサーのカサノヴァは、プロモーター・パク・ミンジュ(役名か役者名か不明)に誘われ、香港の試合に出場する契約を交わす。実は香港のプロモーターに借りのあるパクが、金塊の在り処を示すネックレスを探していて、六人の猛者と共に雇われたのだ。これが陳惠敏、金英一(現:イーグル韓鷹)と不破万作に似た日本の侍、三人の白髪の男か?カサノヴァを仲間に引き入れるためリンダ(Chae Eun-Hee)に誘惑させるが、ふたりの間に恋が芽生える。ボスとパクも殺され、金塊を狙う六人組に襲われるカサノヴァ。リンダが誘拐され殺されるが、カサノヴァは金英一、不破万作似を倒し、陳惠敏と激闘を展開。見事に仇を討ったカサノヴァは全てを警察に告げ、自らも服役する。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこれが『NINJA HOLOCAUST』版になるとこうなるのだ。1940年香港。白昼、黒装束のニンジャ軍団に追われているイタリア人・ジョン・レズウィック。危機一発を助けたのはその辺の農夫であった。ジョンはネックレスを農夫に託し、「これはとても大事なものだ、戦争が終わったら取りに来るから」と言い残す。農夫はそれを守り、ニンジャ軍団の追撃を振り切る。ここでOP、逃げ延びたイタリア人・ジョン・レズウィックはまだニンジャと闘っていた。合間合間にスタッフ・キャスト名が表記され、陳惠敏の試合の場面が挿入される。これは現役時代の本物の試合映像で貴重である。時は流れ85年の香港。試合を終えた陳惠敏はプロモーターの招きでナイトクラブを豪遊していた。そこへプロモーターを訪ねて現れるイタリアン・マフィア。「ネックレスを返せ!」こいつらはジョン・レズウィックの使いで、プロモーターは農夫の息子であった。「何分昔のことですし、無くしました・・・」本当のことだが、マフィアには通用しない言い訳だった。どうやら韓国人の"誰か"が持っているらしい。非常にアバウトな情報を元に香港側からネックレス争奪戦が開始された。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーネックレスにはイタリアン・マフィアの隠し口座のナンバーが記されており、情報を聞きつけた韓国マフィアも争奪戦に乗り出す。何故?大戦中の香港で、イタリアン・マフィアとニンジャが隠し口座を巡って争っていたのかは、映画が終わるまで一切明かされることは無い。まあ、よーするに80年代のニンジャ映画ブームのおりに、冒頭にニンジャの出番を付け足して改変しているからこんなことになっただけなのだが。韓国マフィアがスカウトのパク・ミンジュ(役名か役者名か不明)に頼んで見つけて貰った人材がカサノヴァだ。韓国マフィアのボスの女で、パク・ミンジュの妹・リンダ(Chae Eun-Hee)も行動を共にした。陳惠敏は真っ当なボクサーで、マフィアの用心棒・ジョン・ラダルスキー(!)に襲われていたプロモーターを助けはしたものの、ネックレス争奪戦には加わらなかった。プロモーターのカミさん・リサは、旦那に構って貰えない寂しさを紛らわせるため、陳惠敏と浮気を始める。兄のパク・ミンジュを抗争で殺されたリンダもカサノヴァと・・・。ネックレスよりも女である、という彼らの生き様が非常に男らしい。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーどっちも浮気がバレ、カサノヴァは組織から命を狙われ、陳惠敏はそれをネタにNo.2から強請られる。無理やり仕事を手伝わされることになった陳惠敏は、三人の白髪の男を手下に連れ、さっそく韓国へ飛びカサノヴァに宣戦布告。「ネックレスは渡さないぜ!」そんな頃、金英一率いる別の組織も争奪戦に乗り出してきた。こっちは大戦中から狙っているニンジャ軍団が仲間だ。彼らは不破万作似の侍に率いられていた。ここで金英一と不破万作似が会見する場面は明らかに別撮りだ。後の金英一登場場面より彼が随分と太っているため、一目瞭然である。ニンジャ軍団の標的はカサノヴァだ。リンダを誘拐しおびき出すと軍団総出で迎え撃つ。このカサノヴァVSニンジャ軍団も追加場面で、すっかり太ってしまったカサノヴァが・・・・一目瞭然なのは良いがたった2年で二人共こうも太るかね?軍団を倒し、ダイエットしたカサノヴァは敵のアジトを目指す。不破万作似と、やはりダイエット済みの金英一のふたりを相手に『小子明大/ドラゴンカンフー龍虎八拳』に良く似た倉庫で死闘を開始。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっと倒したと思ったら、どこかに事件の黒幕のごとく隠れていた陳惠敏が現れる。その辺の箱に押し込まれていたリンダの死体を発見し、愕然とするカサノヴァを容赦なく攻める陳惠敏。飛蹴りで倒れたカサノヴァがストップモーションになったところで死亡。場面変わってプロモーターの部屋。イタリアン・マフィアからNo.2まで全員で連絡を待っていた。「ネックレス見つけましたよ」何処で?誰から?という演出は一切なく、電話一本で済ます見事な省略法だ。(笑) 電話で番号を確認すると、乾杯して一件落着・・・・かと思いきや、突然No.2が銃を向ける。プロモーターを殺して組織を乗っ取ると、新たなビジネス関係をマフィアと築いた。まだまだ終わらないのだ。帰国した陳惠敏を出迎える恋人と弟分の韓国才。そこには手錠で繋がれたNo.2と警察が。警察がNo.2に確認し、プロモーター殺しで逮捕される陳惠敏。めでたしめでたし、な訳なかろーが!んで、カサノヴァ版の方は、飛蹴りでは死ななかったカサノヴァが起き上がり、元の『火爺』と同じく陳惠敏を倒し、カサノヴァが逮捕されて幕ということになるんですな。めでたしめでたし!

更新 [2004年10月11日(月)]

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 10/11日記更新。怪作特集という訳でもないのだが、
王道のトンデモ伝記に続いて劉忠良の最低駄作『龍之髭』
です。ある意味素晴らしい映画ですよ。

『龍之髭』 [2004年10月11日(月)]

『龍之髭』'82年製作、監督・主演:劉忠良ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー劉忠良が監督・主演ばかりか、製作・脚本・武術指導も務めた"オレ"映画。ジミーもそうだが、独立志向の強い我儘なスターは結局のところこういう道をたどるしかないのか。得てしてこの手の作品はトンデモ映画であることが多いが・・・。舞台はアメリカメキシコ国境近くの砂漠、ひとりその砂漠を劉忠良がフラフラと歩いているところから始まる。1886年と字幕が出るが、南北戦争の英雄・グラント将軍が死に、偉大なる酋長・ジェロニモも捕らえられた年だ。「OK牧場の決闘」で有名なドク・ホリデイが死ぬのが翌87年で、アメリカ政府が事実上の開拓終焉を発表するのが89年である。1886年とはようするにそういう時代なのだ。その砂漠を旅するパツキン美女、ラクウェル・ウェルチのように何故か薄物一枚だ。何事もなく通り過ぎるだけのふたり、一体なんやっちゅーねん!ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとある民家で乾いた喉を潤し、メキシコへとやってきた劉忠良。どうやらお尋ね者らしくガンマンに追われるが、得意のテコンドーで次々と倒す。銃を持っている功夫使いのガンマンと闘い、結局は銃で脅され捕まってしまう。砂漠で拷問を受け、龍のペンダントの在り処を吐くよう詰め寄られるが、それは砂漠で落としてしまっていた。再び砂漠に放り出される。実にまどろっこしい展開だ。最初っから追われていればこんな二度手間な描写は必要ないんだが。広い砂漠のど真ん中でそのペンダントと鋏を拾うパツキン。この砂漠でか・・・凄い確率だな。「ああ・・・これは、あの人の・・・」知り合いだったのかよ!戻って劉忠良を見つけたパツキン、熱で眼を焼かれ盲目となった劉忠良を助ける。ここからパツキンの回想になり、荒野を旅していたパツキンが夫と父を殺されたのを劉忠良に助けられたことを思い出す。どうやら彼は死んだ兄弟の仇を探しているらしいが。意識を快復した劉忠良は、見えぬ目でこれまでのことを語り始めるのだが、どうもふたりのセリフは噛合っていない。回想場面では間違いなく知り合いなのだが、まるで初対面のような会話だ。もしかしてまた英語吹き替えによるストーリー創作か?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー武状元として皇帝よりその証のペンダントを拝領した劉忠良、帰宅途中を高飛に襲われる。物陰から狙っていた謎の人物に毒のナイフで狙われ、高飛にペンダントを託す。「3才の息子に渡してくれ・・・」高飛も途中で狙われ、彼がどうなったのかも判らないまま、劉忠良の回想は劇的な展開をみせる。アメリカは鉄道開発のため中国人を大量に騙してアメリカへと送った。劉忠良と彼の兄弟も捕まったが、脱走しペンダントの行方を追い始めた。「3才の息子・・・」確かそう言ったはずだよな、何年たっとるんや! で、さらに問題なのは、彼の兄弟というのがセリフだけでしか語られないことで、これがさらなる混乱を招いている。アメリカ中を探し回るが、行く先々で消される証人たち。中国人同胞を助けた時に人を殺し、その同胞も喧嘩でメキシコ人を殺し、妻と子をほったらかしにして逃げる。残された妻はリンチで殺され、息子は行方不明。この状況をずーーっと、ずーーっと陰ながらみている高飛。見ているのはいいが、どうして彼が劉忠良の回想に出てくるのかは不明だし、そもそも彼や劉忠良の父を襲ったのは誰だったのかは永遠に謎だ。これだけの事を語り終えると、盲目の劉忠良はパツキンに助けられ盲目で闘う特訓を始める。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー劉忠良が特訓場面によってはアメリカにいたり、香港にいたりするし、髪型が変わったり髭が生えていたりするのも不思議だ。この特訓場面というのが、卵を割るだけなのに永遠と続き、この映画の意図は全く読めてこない。というか、この映画を説明することはもはや文章として成立しないぞ。ちょっとパツキンが買い物に出かけている間に、必死になってパツキンの行方を捜す劉忠良。散々な特訓の割りに家の近所も這ってでしか歩けないのはどういうこと?町で暴漢に襲われたパツキンを助けたのは高飛。「何かご用?」と聞くパツキンに「今はない」といって立ち去る高飛。パツキンの帰りを待つ間、周囲を飛ぶハエを杖で叩き落す劉忠良。だが、パツキンが帰宅するとまた元の障害者に逆戻りだ。わけわからんよ、もう。ちなみにパツキンは偶然出あった子供を連れて帰ってくるが、その子供が例の行方不明の子。何故か保安官に命を狙われる高飛の描写を挟み、その子の父親と再会する劉忠良。何故かお互いが判らずに闘い続け高飛に止められる。「争っている場合ではない」それだけ言うとまた立ち去った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーまた特訓に戻る劉忠良、その時々で達人になったり、ならなかったり・・・。砂漠に住んでいたり、海辺だったり、家があったり・・・。いい加減にしろっ!特訓中にパツキンと子供を人質にとられ、保安官一味に捕まり拷問を受ける劉忠良。それを物陰からじっと見ている高飛。劉忠良をビシビシしごいていたはずのパツキンは、何の抵抗もせず彼らにレイプされ、一味はそのまま立ち去る。物陰からじっと見ている高飛、助けんかい!意識が戻った劉忠良、何故か視力が快復し、パツキンがレイプされたことを知る。「復讐だーーーー!」また盲目に戻って特訓・・・・って、もう疲れたましたよ。こんな映画どーでもええわ。特訓中に何時の間にか保安官一味の人質となっているパツキン。それを物陰からじっと見ている高飛。「何故なの?」の問いに「おれは昔中国で兄弟を殺されたんだ」と答える保安官。無差別中国人逆恨み状態かよ!自分の子供も人質となっているにも関わらず、一緒に助けようとの劉忠良の要請を断る親友。決闘を始めるふたり。本気でやっつけてしまい、結局助っ人の要請は断られる。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー人質交換は罠だった。それはいい。何事もなかった様に荷物持参で現場に現れるパツキンと、ハッキリ断ったにも関わらず助けにくる友人。それも、まあいい。そして、砂漠でパツキンが拾ったはずのペンダントは保安官一味が持っていた。それは・・・よくないだろ!女殺し屋を捕まえようとしたら何故かそれを止める高飛。彼は清朝の官吏だった。父親殺しから始まる一連の事件は、全て高飛の仕組んだ・・・・。ここまで酷い映画もそうあるもんじゃないっしょ。だから劉忠良なんかに"オレ"映画を撮らせてはダメなんだよ。劉忠良VS高飛の決闘場面のアクションは良い出来です。この映画、この後も蛇足がダラダラと続くんですが、最後のパツキンのセリフがこの映画の混乱を象徴していますよ。「ねぇ、秘密を教えてあげる、私たち過去にも会っているのよ。それにペンダントは私が持っているの」・・・だって!
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