旧myroom(香港電影的日常 '01/2/17〜'06/1/29)より移転。

 香港映画を中心に語っていますが、基本的には何でもアリです。
 なお日記に記載の内容は、無断転載、転用はお断りいたしております。ご理解下さい。(by fake)

 ・・・・あと、リンクもフリーではないんです。すんませんなぁ。

『THE LAST SAMURAI/ラストサムライ』 [2008年01月26日(土)]

『THE LAST SAMURAI/ラストサムライ』'03年製作、監督:EDWARD ZWICK、主演:TOM CRUISE

 これは昔、myroom時代の掲示板に書いたものです。先のベスト&ワーストの時、“スクォマン”と書いたら、それは何だ?と質問されまして・・・。以前からもう一度読みたいとのリクエストもありましたし、改めて再録することになりました。少しですが手直しもあります。

 まず公証面から。
 
 ※ガトリングガン

 ガトリングガンは江戸時代には既に日本に存在し、戊辰戦争で実戦投入されています。使用したのは越後長岡藩で、官軍に対してです。薩長の官軍が母体の陸軍は既にガトリングガンの威力を身をもって知っていることになります。

 幕府が海外に注文しておきながら、到着前に明治維新を迎えてしまい、受け取りが叶わなかったアメリカのストーン・ウォール号(通称・甲鉄艦)という船があります。

 その船は結局、官軍側に摂取されてしまったのですが、函館五稜郭を攻めてくる官軍の船として使用された際、これを再奪取しようと提案したのが五稜郭海軍・回天号艦長・甲賀源吾。
 この作戦に同意して、実際の乗り込み戦闘を指揮したのが、元・新選組副長・土方歳三。これが世にいう“宮古湾海戦”で、甲鉄艦の奪取には失敗するものの、本邦初の本格的接舷攻撃として歴史に記憶される。
 この時の新選組残党の切り込みを阻み、回天号艦長・甲賀源吾の命をも奪ったものがガトリングガンなのでした。

 北越戦と宮古湾海戦こそ、日本でガトリングガンが実戦投入された最も初期の例。『ラストサムライ』より時期的に随分早いのですよ。

 ※アメリカが日本の軍事顧問となっている。

 日本が採用したのはフランス。ちなみに戊辰戦争自体は、英仏の代理戦争でもあった。

 ※西南戦争がモデル。

 西南戦争がモデルでありながら、渡辺謙の戦い方や衣装はまるで鳥羽伏見の幕軍だ。

 渡辺謙自体は西郷隆盛がモデルなのだから、あの戦闘は田原坂から城山へと続く西郷軍である。ということはある程度は近代軍の格好でなければならない。

 これは、陸軍の母体である官軍が既にサムライではなかったからだ。散兵式歩兵戦術というものは、鉄砲の数さえ揃っていれば、職業軍人である“サムライ”の技術は必要とされない。官軍が鳥羽伏見から続く幕軍との戦闘で、旧来の幕軍を破りえたのは、正にこの散兵式歩兵戦術と新式銃につきる。

 そんな訳で、明治以後更に近代化された陸軍には刀の切り込みに自信がなかったのである。それもそのはずで。彼らはもはや“サムライ”ではなかったのだ。

 田原坂戦における西郷軍が抜刀術に優れていたのは本当だが、その西郷軍の抜刀隊に手を焼いた陸軍は、恥も外聞も捨て旧徳川家の人間から抜刀隊の募集を募った。

 職にあぶれていた旧徳川家の侍たちは、鳥羽伏見の仇が討てるとこれに募集。西郷軍も旧武士の集まりで抜刀を得意とするなら、今度こそ“サムライ”同士の対決が出来るというのが旧徳川家縁の侍たちの意気地。中には元・新撰組の斎藤一や、会津別選隊の佐川官兵衛などもいたのだ。

 この抜刀隊に敗れた西郷軍は田原坂で敗走し、結果、西郷は城山で自刃をとげるのである。
 本当のラストサムライたちは、西郷軍ではなくそれを破った旧徳川家臣だった、というのが歴史の真実。

 ここから映画について。

 この『ラストサムライ』という映画はジャンル的には"スクォマン"ものというジャンルになります。

 セシル・B・デミルが1913年に撮った『スクォマン』を元祖とするもので、インディアンと結婚した白人をスクォマンと呼ぶことからこのタイトルになりました。

 転じて、未開の部族や異人種に理解を示す白人の物語を"スクォマン"ものと呼ぶようになり、西部劇ではデルマー・デイビスの『折れた矢』、『馬と呼ばれた男』、最近では『ダンス・ウィズ・ウルブズ』など全て"スクォマン"ですね。

 西部劇ではありませんがウイリアム・コンラッドの小説『ロードジム』や『闇の奥』なども"スクォマン"系列になりますし、『ブラッド・ダイヤモンド』なんかも典型的な"スクォマン"。

 この手の"スクォマン"ものは、基本的に社会のはぐれ者が、異人種(部族)に触れることで成長(贖罪)を果たし、異人種(部族)への理解と尊敬を得るというものです。

 『ラストサムライ』も同じでしょ?

 これらは全て白人の視点から作られている、ここに問題があるのですよ。いや、白人しか作っていないと言うべきか。

 かつて七つの海を征服し、世界に植民地を築いたアングロサクソンは、かつての栄光にしがみつこうと必死です。(特にアメリカン・グローバリズムの推進者)
 しかし現実はなかなかうまくいかず、他民族や異人種とも付き合っていく必要もあります。歴史も文化的成熟もアングロサクソン以上のものを誇る民族などがたくさんあることもわかってしまいました。

 そこへのコンプレックスがこの"スクォマン"ものに裏返しとして表れるのですよ。

 なるほど確かにすぐれている異人種(部族)もいる、しかし我々アングロサクソンだけは彼らを理解し、また彼らからも尊敬されるのだ。これが白人側の本音ですよ。"スクォマン"ものという映画の本質はここにあります。

 逆を考えてみましょう。

 アジア人が白人の王になる話や、黒人やユダヤ人がインディアンの酋長になる話が"スクォマン"もののように頻繁に描かれますか?

 そもそも描かれないばかりか、そんなものは存在もしませんね。

 私たち日本人もそうですが、ネイティブ・アメリカンもアフリカン・アメリカンもユダヤも、中国人も、みーんな最初から分かっているはずです。他所の国にも素晴らしい文化が存在し、それぞれの民族を尊敬すべきだということを。

 だから我々からは異人種(部族)の王になる"スクォマン"なんか生み出す必要がないんです。

 白人だけですよ、こんなことやってんの。

 確かに『ラストサムライ』という映画は、我々の文化や歴史を尊敬し、理解してくれています。でもそれは改めてやってみせなきゃならんことなんですかね?

 どうしてもそこに白人だけが理解できるという驕りが見え隠れしていて、私ならそんな尊敬はいらんよ!と言いたくなるのですよ。

 私にとって『ラストサムライ』は虫唾が走る下劣な映画なんです。

2007年度版ベスト&ワースト [2008年01月09日(水)]

2007年度版ベスト&ワースト

 もったいぶった訳ではないのですが、やっと2007年度版ベスト&ワーストです。何分、手順をきちんと踏まないと自分自身が納得できないもので・・・。口上はコチラ。'07年の総タイトル・リストはコチラ。

 まずはワースト10から。

1位『ハンニバル・ライジング』

 何年か前にもこのシリーズをワーストに挙げたっけなぁ・・・。その時よりもまだ酷い出来です。出来も酷いですが、やってはいけないことをやってしまいましたよ。
 そもそも、具体的には“彼”の過去に何があったのか?!がはっきりしないからこそ、ハンニバル・レクターという男は映画界におけるヒールのアイコンとして君臨出来たのですよ。
 その神秘性を剥ぎ取られてしまっては、シリーズの全てがおじゃんになってしまう。作るべきではなかったですね。

2位『パッチギ2/Love&Peace』

 何が一番あきれたかって、あわよくばヒットしたらシリーズ化をってのがミエミエの作りな点。あれだけ大騒ぎした子供の病気も、きちんと話の上で決着をつけずにチャンチャン!

 舐めとんのか!

3位『300』

 この映画が、アメリカのイラク派兵のメタファーで、それを賛美するプロパガンダとして作られていることを指摘するプロも見当たらなかったな・・・絶賛している人はいたけど。
 まあ、プロパガンダなのは良しとしよう。支持する人は支持すればいいのだから。

 問題なのは、彼らの肌の色だ。ペルシア戦争当時、ペルシアとギリシア(スパルタ)に、ほとんど差はないはずで、どちらかというとまだあんまり混ざっていないペルシア側の方がアーリア系白人種に近かったはず。
 これを捻じ曲げて、白人が蛮族と戦う映画に仕上げているからプロパガンダなんですが、いくらなんでもこれはなぁ・・・・。 

4位『エラゴン』

 中学生のノートの落書きを映画化すんじゃねぇーよ!

5位『マリー・アントワネット』

 外国でひとりぼっちで、つまんなーい!これって『ロスト・イン・トランスレーション』と一緒じゃん。ということは、この映画のアントワネットは、監督のソフィア・コッポラ自身の投影ということ。

 キルステン・ダンストがアメリカ人にしか見えなくても、現代風の作りでも、流行歌をBGMに使っても構わないけど、マリー・アントワネットみたいな歴史的有名人を描く以上、フランス革命が与えた影響と、彼女の最後だけは描かないと。

 それが描けないのは、この映画が基本的にソフィア・コッポラ自身の物語だから。自分の首チョンパは見たくないってか?!だったらやるな!

6位『サイボーグでも大丈夫』

 これってまずくないか?統合失調症の患者の描き方がこれで許されるなんて。韓国内で許されてるのは構わなくても(それはアチラの事情だから)、我が国で上映するのはまずいでしょ。
 普段、TV番組なんかにせっせとクレームをつけて、「ウルトラセブン」12話や、「怪奇大作戦」24話なんかを封印作品にした団体は、こういう映画にはクレームをつけんの?

7位『椿三十郎』

 ほとんどオリジナル通りなのに、どうしてこうも面白くないものが出来上がるかなぁ・・・?リメイク云々の是非については、もう言いたくないです。少なくとも時代劇には仕上げて欲しかった。

8位『鉄板英雄伝説』

 これはレベルが低いでしょ。ビデオ・スルーで日本でも出たけど、こんなの出すくらいならもっと面白い映画はいっぱいあるはずだけどな。

9位『カタコンベ』

 いやもう純粋につまらなかったです。最初からネタが割れてしまって、まさかあの腰砕けオチ(過去『エイプリル・フール』やフィンチャーの『ゲーム』で使われた)をやるんじゃないだろーな?と序盤から心配していたら・・・やっぱり。

10位『デス・プルーフinグラインドハウス』

 不幸にして、こちらでは単品公開版の方が先になってしまい、USA版を後から見ることになってしまったのですが、USA版の編集ならアリの映画だと思います。

 続いてベスト10

1位『ゾディアック』

 脚本、演出、編集、演技etc、何もかも良く出来ている完璧な映画でしょ。全ての映画がこうあって欲しいけどなぁ。

2位『アヒルと鴨のコインロッカー』

 「ディラン?」この2回使われるたった一言が、一周した時点で全く違った意味に聞こえる映画のマジック!

3位『松ケ根乱射事件』
4位『天然コケッコー』

 同じ監督の、それもネガとポジのような映画が並びました。どちらの作品も田舎の閉鎖性がテーマとなっているのですが、方やシニカルなブラック・ユーモア、方や甘酸っぱいラブコメと描き分けていてお見事。皆さんも二作品続けてどーぞ!

5位『リトル・チルドレン』

 満員の映画館で観たんだけれど、誰一人クスリとも笑わなかったなー。コメディですぜ、コレは。昨年以上に不作なアメリカ映画の中で、1位の『ゾディアック』とコレが、かろうじてアメリカの威信を持ちこたえた感じ。その位良く出来ています。

6位『ラストキング・オブ・スコットランド』

 一見“スクォマン”ものかと思いきや、暗黒大陸アフリカ(その象徴たるアミン)の恐怖に飲み込まれて行くバカな白人の坊や。最近ちょいとしたブームだったアフリカものでも、圧倒的迫力で描く恐怖のエンターテイメント。本当に怖いのは、アミンの時代から30年以上がたった今も、一部に君臨する独裁政権を抱える今のアフリカ。21世紀中にも解決するまいな。

7位『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

 3、4位と同じく田舎の閉鎖性がテーマ。今年の邦画はこういうの多かったが、今の日本を描くなら格好の題材でもあるのは確か。
 しかし、地方の田舎に住んだことない人は、この閉鎖性のリアリズムがピンとこないんでしょうね。ここが映画の肝なんだけど。

8位『サンシャイン2057』

 何年かしたらカルト映画になってそう・・・。こういうのこそ好き嫌いの最たるものでしょうが、細かいSF的描写の羅列に妙な懐かしさを感じました。

9位『ブラッド・ダイヤモンド』

 こっちは完全に“スクォマン”もの。難しいアフリカの情勢を、わかり易い形で再構成して見せるエンタメ系作品だが、意外にグッとくる描写が多く、燃える映画に仕上がっています。

10位『楽日』

 潰れゆく昔ながらの映画館の、最後の上映を描いた作品。セリフもほとんど無く、非常に客観的に淡々と、観客席や映写室を映し続けているだけなんだが、かつてこれほど雄弁な無言があっただろうか!
 劇場至上主義者にとっては、昔懐かしい映画館が閉鎖されていく姿には、体を切られるような痛みがあります。泣けました、マジで!

 <総括>

 1位こそ譲ったけど、全体的にここ数年調子の良い邦画の圧勝だったと思う。

 ただこの場合の邦画という意味は、『日本沈没』とか『どろろ』とか『海猿』とか『蒼き狼』とか『恋空』みたいな映画は含まない。こういう映画も作るノウハウは必要なので、やる意義はあるとは思いますが・・・。

 良質の作品は単館系の映画が多いため、地方によっては全く公開されていない作品も多々あることだと思います。

 単館系で公開されるような作品だから、小じんまりとした映画が多いのですが、今の日本と日本人(便宜上こう呼ぶ)を等身大で描けば、大体が小じんまりとせざるを得ないのが事実。

 日本映画のペイできるキャパは、ハリウッド映画とは比べモノにならないくらい小さく、ここでも身の丈にあった作りをすればどうしても小品になってしまう。ですから、脚本段階で捻った、昔だったら小劇団で演じられていたようなテーマの作品を、ATGのような作りで再現する方向になってしまうんですね。

 しかし、邦画の生きる道はコレしかないんじゃないでしょうか?

 かつて、暗黒時代と呼ばれた'80〜'90年代の邦画界は、この部分が全然駄目で、日本も日本人も全く描けていなかったものであります。それに比べれば、今のクリエイター達はがんばっていると思うな。
 後は時代劇だけはちゃんと作ることだよな。海外に映画を売る時の武器は、チャンバラ以外ないんだから。香港映画のマネや、『マトリックス』モドキはもういい。

 アメリカ映画は・・・・酷いな(苦笑)。

 ランク・インはしなかったけど『ホステル』シリーズとか『Halloween(未公開)』などホラー映画と、圧倒的に未公開のコメディにはオリジナリティのあるものが多かったけどなー。

 いい加減もうリメイクや続編に頼るのは見直さないと、さすがの私でももう無理して(地方では片道1時間30分以上かけて映画館通いですぜ)まで観ることないかと思ってしまいそう。

 '07年もドキュメントは好調で、マイケル・ムーアの『シッコ』や『不都合な真実』、『エンロン』『TOKKO特攻』など、劇映画の限界と比例しているかのようです。

 えー・・・まあ、色々書いていますが、口上のところにもあります通り、ベスト10なんてお遊びでございます。書いてある内容は違いますよ、順位を付けるという行為がです。  

 皆様の昨年はどんなでしたか?劇場で観てなくても構いませんので、同じような“ベスト&ワースト”ありましたら教えて下さい。

2007年映画 [2008年01月08日(火)]

 2007年映画

 昨年、私が劇場で観た映画です。DVD、TV、ビデオ等で観た映画は一切含まれていません。何度も申しますが、私は“極右の劇場至上主義者”であります。劇場以外の場所で映画を観るのは基本的にキライなんです。

 私は特殊な職場で働いているため、日本未公開の映画も含まれていますが、ちゃんと劇場で観た作品です、念のため。

 後日発表のベスト&ワーストは、この中から選ばれます。あくまで参考資料ということで。

 邦画
 『どろろ』『愛の流刑地』『市川昆物語』『それでも僕はやってない』『バブルへGO!!タイムマシンはドラム型』『さくらん』『悪夢探偵』『ヅラ刑事』『叫』『アルゼンチン・ババア』『蟲師』『口裂け女』『松ケ根乱射事件』

 『大帝の剣』『神童』『カインの末裔』『しゃべれどもしゃべれども』『風林火山』『大日本人』『パッチギ2/Love&Peace』『監督バンザイ』『素晴らしき休日』『舞妓Haaaan!!!』『憑神』『歌謡曲だよ人生は!』『あしたの私の作り方』『吉祥天女』『怪談』『鉄人28号白昼の残月』『アヒルと鴨のコインロッカー』

 『Genius Party』『天然コケッコー』『ベクシル』『伝染歌』『キサラギ』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』『図鑑に載ってない虫』『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『ストレンヂア』『スキヤキウエスタン・ジャンゴ』『サウスバウンド』『サッドヴァケイション』『めがね』『エクスマキナ』『クワイエットルームへようこそ』

 『仮面ライダーNEXT』『自虐の詩』『やじきた道中てれすこ』『黒帯』『クローズZERO』『ミッドナイト・イーグル』『椿三十郎』『エクスクロス』『魍魎の匣』『茶々』『0093女王陛下の草刈正雄』『転々』


 アメリカ
 『ナイト・ミュージアム』『ボラット』『エラゴン』『プレステージ』『ホステル』『UNKNOWN』『不都合な真実』『エンロン』『イカとクジラ』『マリー・アントワネット』『硫黄島からの手紙』『幸せのちから』『ロッキー・ファィナル』

 『ディパーテッド』『キング罪の王』『守護神』『ボビー』『団塊ボーイズ('08/2月公開)』『The Hitcher('08公開予定)』『ドリーム・ガールズ』『ゴースト・ライダー』『プレスリーVSミイラ男』『鉄板英雄伝説(ビデオスルー)』『300』『セレブの種』

 『デジャヴ』『ブラッド・ダイヤモンド』『俺たちフィギュア・スケーター('08公開予定)』『Reno 911:Maiami(未公開)』『サンシャイン2057』『ハンニバル・ライジング』『バベル』『ラブソングができるまで』『スパイダーマン3』『ラストキング・オブ・スコットランド(英)』『華麗なる恋の舞台で』『主人公は僕だった』

 『リーピング』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『ロング・グッドバイ』『今宵、フィッツジェラルド劇場で』『ゾディアック』『ダイ・ハード4.0』『アポカリプス』『Brick(未公開)』『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

 『シュレック3』『オーシャンズ13』『呪怨パンデミック』『毛皮のエロス』『ラッシュアワー3』『トランスフォーマー』『デス・プルーフinグラインドハウス』『消えた天使』『TOKKO特攻』『ミリキタニの猫』『ブリッジ』『ファンタスティック・フォー銀河の危機』

 『パーフェクト・ストレンジャー』『プラネット・テラーinグラインドハウス』『さらばベルリン』『リトル・チルドレン』『ローグ・アサシン』『カタコンベ』『キングダム見えざる敵』『ゴースト・ハウス』『インベージョン』『シッコ』『Balls of Fury(未公開)』

 『グッドシェパード』『インランド・エンパイア(ポーランド・フランス)』『Halloween(未公開)』『Shoot'em Up(未公開)』『ブレイブワン』『スターダスト(英)』『ヘアスプレー』『バイオハザード3』『3:10 to YUMA('08公開予定)』『Mr.Woodcock(未公開)』『ボーン・アルティメイタム』『ディスタービア』『モーテル』

 『SAW4』『ナンバー23』『ベオウルフ3D』『グラインドハウスUSA版』『アイ・アム・レジェンド』『ホステル2』『酔いどれ詩人になるまえに(ポーランド)』『ゾンビ3D』『AVP2』『ナショナルトレジャー/リンカーン暗殺者の日記』

 アジア
 『西瓜』『楽日』『迷子』『ドラゴン・スクワッド』『百年恋歌』『幻遊伝』『墨攻』『プロジェクトBB』『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』『女帝エンペラー』『エレクション』『傷だらけの男たち』『絶対の敵』『強敵』『卑劣な街』『公共の敵2』『サイボーグでも大丈夫』『SOMEサム』

 フランス
 『あるいは裏切りという名の犬』『ダニエラという女』『13ザメッティ』『恋愛睡眠のすすめ』『ルネッサンス(英・ルクセンブルグ)』『パラダイス・ナウ(独・オランダ・パレスチナ)』『ストーン・カウンシル』『TAXI-4』『エディット・ピアフ(英・チェコ)』『石の微笑(独)』

 イギリス
 『007カジノロワイヤル』『グアンタナモ』『クィーン』『あるスキャンダルの覚え書き』『ルワンダの涙(米)』『大統領暗殺』『タロットカード殺人事件(米)』

 その他
 『パフューム(独・仏・スペイン)』『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー(独・米)』『ブラック・ブック(オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー)』『中国の植物学者の娘たち(カナダ・仏)』『それでも生きる子供たちへ(伊・仏)』『パンズ・ラビリンス(メキシコ・スペイン・米)』

 以上194本。( )内は共同製作国。

2006年度版ベスト&ワースト [2008年01月07日(月)]

2006年度版ベスト&ワースト

 2006年度版ベスト&ワーストです。口上はコチラ。遅ればせなので、年間の総タイトル表はつけません。

 まずはワースト10から。

1位『マイアミ・バイス』

 TVシリーズもつまらなかったけど、輪をかけてつまらない。そういう意味では良くできたリメイクといえるか(笑)。悪しき'80年代の古びた遺産。
 この映画アメリカ人の劇場で観たんだけど、ほとんどの客が途中で帰って行きましたよ!最後まで残ったのは、私と連れの東洋人二人のみでした。

2位『ライフ・イズ・ミラクル』

 40年近く映画を観てきたけど、この映画くらい理解不能だったものは無い。誰か私にこの映画の見方を教えてくれ!

3位『タイフーン』

 最近の韓国映画はもうこんなのばっかり。いつかどこかで観たような場面の羅列と、絶対あり得ない展開。これでどうしろというのだ?

4位『デュエリスト』

 いくらなんでも少女漫画のようだ・・・・と思っていたら、本当に漫画が原作だった。漫画という文化が悪い訳ではないけど、悪い意味での比喩に使われるようなメンタリティそのままの映画。
 少しだけ弁護しておくなら、日本での公開は恋愛映画に特化した再編集バージョンとのこと。完全版でもさほど印象は変わらないとは思うが・・・。

5位『ラストデイズ』

 カート・コバーンのような人物の、カート・コバーンみたいな死を、分からない事実を想像だけで描ききった疑似人物伝。それをカート・コバーンの映画として売ったらイカンだろ!
 薬中の人間が死の間際にグスグスしているだけの映像を、これといった説明もほとんどなく、カート・コバーンの死を想像して下さいという他力本願な酷い映画です。

6位『着信アリ final』

 毎年毎年ワースト1に輝いていたこのシリーズも、最後に至って少し順位を下げました。でもこれってスティーブン・キングじゃん!

7位『デストランス』

 日本映画のあるべき道はこっちじゃねーよ!

8位『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』

 これを観たのは1月でねぇ・・・。これより面白くない映画が↑こんなにあるなんて思いもしませんでしたよ。

9位『DOOM』

 ゲームが原作の映画を観ていて思うことはいつも一緒。自分がプレイしたら、こんなヘタはうたない!ということです。

10位『キング・コング』

 やっぱ長ぇんだよ・・・・この映画。

 続いてベスト10

1位『Beerfest』

 理由は本文で。

2位『デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2』

 ギリギリまで1位とどっちか迷った。ただ、この作品の本旨が基本的にノスタルジィの方向に向かっているのに対し、『Beerfest』は全く新しいものを提示した点を買った。好き嫌いにしても差はないです。

3位『ゆれる』

 真木よう子の映画でしょ。彼女には『雨の町』という作品もあったのだが、どちらの作品も田舎の美人を好演しておりました。彼女がみせる“場末の華”的存在感の凄味、中々出せるもんではありません。

4位『ヨコハマ・メリー』

 伝説の“ハマのメリー”を追ったドキュメンタリー。もはや若い人にとっては都市伝説化した感もある実在の人物が、いったい彼女はどうやって戦後の日本を生き抜いたのか?
 見るべし!!

5位『うつせみ』

 純愛を描く方法が“難病”しかなくなった感もある昨今、こういう方法論で描いて見せるのが作家の仕事でしょ。韓国映画もまともに観れるのはキム・ギドクだけ・・・・か。

6位『嫌われ松子の一生』

 日本でこういう映画が出来るとはなぁ・・・。ミュージカル・ナンバーが成功しているのが大きいにしても、ありとあらゆるテクニックを駆使した実験作でありながら、きちんとエンタテイメントとして成立しているのが凄い。

7位『ブロークン・フラワーズ』

 ビル・マレーレイのワンマン・ショウ。ほとんどがアドリブだったらしいですから、芸人としてのビル・マーレイが好きな人には堪らんでしょ。

8位『メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー』

 ドキュメントが二本もランクインしているということは、劇映画は不作だったってこと。音楽のジャンルとしてのメタルにはあまり興味がないのですが、この映画は偉大なる文化人類学の成果ですよ!

9位『初恋』

 背景としての三億円事件に目を奪われると、この映画の持つ切なさが理解できなくなります。タイトルが『初恋』であることの意味を考えるべき。

10位『アサルト13/要塞警察』

 映画史上最も成功したリメイク作品では?これはいずれブログで取り上げる!

「ベスト10について」 [2008年01月06日(日)]

「ベスト10について」

 以前のmyroom時代から、映画ファンらしく、その年に観た映画のベスト&ワースト10を発表していました。その名残りなのですが、毎年のことなので、その趣旨をテンプレ化するため口上を別に書いている次第。

 基本的に、その年に劇場で観た作品の中からベスト&ワースト10を決める訳ですが、私(fake)は地方に住んでいるため、映画の公開時期に若干のタイムラグが生じる場合があります。その場合は、当地で初公開であるならその年に観た映画として勘定しています。旧作のリバイバルに関しては初見でもその限りではありません。

 別掲で一年間に観た映画のタイトルを載せていますが、ビデオ、TV、DVD等で観た映画は一切含まれていません。私は“極右の劇場至上主義者”でありますので、そういう形で鑑賞した映画につきましては、評価の対象外とさせていただきます。

 ところで、各映画雑誌などでも、この時期になれば映画評論家の方々が選ぶベスト&ワースト10が発表されているかと思います。映画ファンの方ならば一度ならず眼にされた方も多いと存じます。

 このベスト&ワースト10選出方法の問題点について、皆さんは考えたことがおありでしょうか?

 基本的にこのような仕組みで作られています。

1位・・・・・10点

2位・・・・・9点

3位・・・・・8点

4位・・・・・7点

5位・・・・・6点

6位・・・・・5点

7位・・・・・4点

8位・・・・・3点

9位・・・・・2点

10位・・・・・1点


 評論家100人なら100人のサンプルを採り、100種類のベスト&ワースト10を以下の得点形式によって再集計されたものが、雑誌に載っているベスト&ワースト10ということになります。基本的にはどの雑誌もこれと同じですね。

 これのどこに問題があるのか?

 そう思う方もいるでしょう。

 実は大ありなのですよ!

 これは極端な例だと思って下さい。ですが、最も分かり易い例で問題点を説明しますから。実際のベスト&ワースト10がこの通りになるという(可能性はあっても)訳ではありません。

 100人の映画評論家からベスト&ワースト10のサンプルを採ったとしましよう。

 そのうち過半数を超える59人が『恋空』をベスト1に推したとしましょう。1位の得点は10点ですから、『恋空』の得点はこの時点で590点。

 一方、100人の評論家100人ともが5位が妥当だろうと考えた映画があったとします。タイトルは別に何でもいいのですが、仮に『クローズド・ノート』としておきましょうか。100人が5位に推せば、5位の得点は6点で総計600点となり、過半数が1位と考えた映画を超えてしまうのですよ!

 勿論、実際には2位に入れる人や、10位に入れる人もいるので、最終的な得点はもっと上下するものです。しかし、この得点形式での集計だと、実に凡庸な(100人が5位に推すような)作品が、年間のベスト1に選出されてしまうことが、実のところ多々あるのですよ。

 手近にこの雑誌しかないので、「映画○宝」'06年度のベスト&ワーストを例にとります。この年のベスト1は『グエムル』だったのですが、これを1位に推したのはわずかに3人。2位票が一番多く6人で、次いで6位票が5人と続きます。10位以外はまんべんなく1〜2票入っているのですが、これにより総合得点で『グエムル』が1位となった訳。以下、『硫黄島からの手紙』『トゥモロー・ワールド』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『007/ガジノロワイヤル』『デビルズ・リジェクト』『ホステル』『父親たちの星条旗』『ユナイテッド93』『ヒルズ・ハブ・アイズ』と続きます。

 1位票を取った作品だけを集めて、つまり一票の重みを大切にしてベスト10を作り直すとこうなります。

1位『トゥモロー・ワールド』

2位『ヒルズ・ハブ・アイズ』

3位『007/ガジノロワイヤル』

4位『ユナイテッド93』

同率『硫黄島からの手紙』

同率『グエムル』

同率『スーパーマン・リターンズ』

8位『ミュンヘン』

同率『父親たちの星条旗』

同率『時をかける少女』

同率『Exiled放・逐』

同率『ホステル』

同率『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

同率『スキャナー・ダークリー』

同率『レディ・イン・ザ・ウォーター』


 以下、一票のみ獲得した作品が31作品続きます。

 まあ、上の集計だけを見ても、最終的には中庸な作品が1位になるということがおわかりいただけますでしょうか?

 何故、こんなことになるのか?

 自分でベスト10を作っていてわかるのですが、結局はこんなもの個人の好き嫌いだけで出来ているからですよ!

 1位に一票だけ入った作品が31本もあった!ということがそれを裏付けていますね。これは「映画○宝」を例にとりましたけれど、集計方法が一緒なら他の雑誌も似たり寄ったりの展開になるのです。

 我々ファンは、映画雑誌の選ぶベスト10なら、何やら権威めいたものを感じがちですが、実際は映画評論家も好き嫌いで選んでいるのです。好き嫌いではなく質(技術的なことや、映画史的観点からの作品の位置や価値のこと)だけを優先させた評価によるなら、実はもう少し同じような作品に票が集中するはずで、一票のみ獲得した作品が31作品も並ぶようなことにはならないはずなのですよ。

 結局は、ベスト10であろうとワースト10であろうと、個人の好き嫌いが反映された結果であり、そのことによって票がバラつくのを考慮した結果の得点方式による集計方法であり、その結果、中庸な作品がベスト1に輝くベスト10が生まれるのです。

 ベスト&ワースト10の本当の楽しみは、集計された結果の中庸なベスト&ワースト10ではなく、集計前の個人のベスト10の方にあるのです。

 それすらも好き嫌いに過ぎない訳ですから、好きな作品の評価が低くても、嫌いな作品の評価が高くても、目くじら立てるほどのことも無いのですよ。

 映画にコレ!といった解答など無いのですから、年に一度のお祭りとして楽しむ方が宜しいのではないでしょうか。
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