(追加コメント)その3 携帯電話の世代変化 [2008年10月20日(月)]

[概 要]
iPhone/Android/BlackBerry Boldなどの登場を迎えて、携帯電話の世代交代が始まったと考えられる。

日本は、i-modeをはじめとする携帯電話のネット接続が急激に発展し、携帯電話のインターネット接続で世界をリードすると喧伝されている。しかし、これらの携帯電話のネット接続は、厳密な意味では、インターネット接続の基本的な条件を満たしていない。
即ち、インターネット接続とは、オープンであることが基本原則であるが、いずれも、携帯電話会社固有の電話機で、携帯電話会社のクローズなサイトへのアクセスが中心であり、他社のサイト、あるいは、勝手サイトと言われる携帯電話会社の公式でないサイトをアクセスするときだけにインターネット経由の接続がなされているからである。

iPhone/Android/BlackBerryなどは、このように携帯電話会社に支配されたネット接続を一見行っているようで、これらは、土管としてネットワーク接続を携帯電話会社に依存しているだけで、初期のインターネット接続が、PSTNのダイアルアップ接続に依存したいたのと全く同じものであり、キャリアに支配されたネット接続とは言えない。

以下では、この新しい携帯電話の登場/世代交代とも言える現象について論じてみたい。
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(追加コメント2)キャリアの空洞化 [2008年10月02日(木)]

今回CEATEC2008に行って見て、新たに分かったことがあり、これは今後の動向にとって極めて重要と思われるので、これについて少し、追加のコメントをつけたい。

iPhone 3GとBlackBerryについてであるが、これらは、携帯電話網を単なる土管としてインターネットの世界に出るだけの通り道に使っていると言うことである。
即ち、通常の携帯電話の世界では、全ての通信は、キャリアが管轄し、勝手サイトのアクセスは、gatewayを通してインターネットに出ることで実現されていた。
一方、iPhoneやBlackBerryでは、携帯電話からの接続は、キャリアの網を通ってGatewayに繋がり、そこからApple/RIMのサーバへとRoutingされる。そこで、従来のPCと同じようにIP addressを割り振られ、インターネットの世界に繋がる。結果として、公式サイトを含むキャリアサービスにはまったく関係のない、単なる土管としてしかキャリアの参画のない世界が出来上がってきている。

Android/SymbianもPCと同様なサービスを目指しているので、これらもキャリアサービス素通りの、土管としてのキャリアにしか繋がらない形態になると推定される。

ここから言えることは、携帯電話キャリアは、定額制の音声、データ通信料の収入しか得られないビジネスモデルに追い込まれていくという将来展望である。
音声すらも、WiMAX/LTEの時代が進めばVoIP化され、キャリの手を離れる可能性すら予想される。これを脱するには、グローバルに展開し、ネットワークの規模拡大でコスト効率を求め、生き残ることしかないように思えるが、如何であろうか。
また、携帯電話メーカも、Android/Symbianが主流になると、キャリア中心の公式サイトがなくなり、勝手サイト中心となることから、キャリア独自の機能が携帯電話からなくなる。結果として、PCメーカが嘗て陥ったのと同じ、コモディティ化した水平分業の世界に引き込まれて行くと想像される。

いずれにせよ、日本の将来には暗雲が立ち込めてくる気配を感じたCEATEC2008であった。特に、部品関係が1/3を占めて、日本がパソコン/携帯電話/通信の世界で、材料/部品面で水平分業の一翼を担うと予想されるCEATECの展示風景が目立ってきた今回の展示であったが、その方向も、全て海外から新たなトレンドが出てくるとなると、よく考えないと行き止まりになる可能性があるのではと感じた次第である。

以 上

(追加コメント)Google Chromeについて [2008年09月08日(月)]

Google Chrome がIE/FirefoxなどのBrowserの強敵として注目を
集めている。私は、これは、少しGoogleの意図に対する理解が
違っているのではと思う。
即ち、Windowsに対するIE/Firefoxに対応するものではなく、
Cloud Computingを巨大なコンピュータと見立てたとき、
WindowsのDesktopと同じ位置づけのMulitask/MultiWindowのUI
の位置づけに当たるのが、Chromeと見るべきではないかと言う
理解である。如何でしょうかね。
嘗て、Microsoftは、IEとExplorerの統合を目指す動きをして
いたように思うが、結局、中途半端に終わったように思う。
これが成功していれば、ChromeのようにCloud Computing時代の
ネットワーク側のUIとしての位置づけをIEも確保できたとも
考えられる。

以上

第42回 モバイルインターネットアプライアンスのもたらすもの  [2008年08月26日(火)]

既に、第41回のブログでご紹介したように、iPhone 3Gというパーソナルコンピュータの分野から携帯電話を取り込んだ新しい端末が発表され、販売されつつあります。
また、未発売ながら、Androidコンソーシアムから、Android端末向けアプリケーションが次々と開発され、11月10日と目される北米での初のAndroid端末の販売が開始される見込みです。

日本は、i-modeという、日本固有の携帯電話のネットワークサービスを開発し、8000万台以上に及ぶ、携帯インターネットの独自の文化を築き上げてきました。
しかし、欧米では、iPhoneに続いてAndroidというパーソナルコンピュータ文化をベースとする新しい携帯電話のコンセプトを創造し、
「コンピュータ→パーソナルコンピュータ→モバイルインターネットアプライアンス」
という第三世代に属すべき「ネットワークとコンピュータ技術を融合」した新たなIT機器を定義し、新たな時代の幕開けを行ってきています。

日本では、iPhone 3Gの評価は、必ずしも高くなく、様々な批判がなされてますが、「クラウドコンピューティング時代」を迎える今後のネットワーク社会でのアプリケーションの高度化/複雑化を考えると、従来のi-modeに見られる単純さを旨とするアプローチでなく、パーソナルコンピュータと共通な技術の上に、「マッシュアップ」によりユーザフレンドリーで高度に複雑化した使い易いアプリケーションの提供が必須となる時代が近づいてきていると思われます。

その意味で、パーソナルコンピュータと同じ土俵でWeb/mail/IM/VoIPなどを駆使して、様々なサービスを統一的に構築/提供するだけでなく、マッシュアップ技術で、水平展開する各種のサービスを複合化して、より高度なサービスとして提供していく、iPhone/Androidのアプローチが主流となっていくのは、抗い得ない方向と思われます。従って、従来の携帯電話の使い方となじめないからと言って、iPhone/Androidを否定するのでなく、パーソナルコンピュータとの親和性を重視した新たな方向に切り替えていくことを目指すべきではないでしょうか。それを怠ると、このインターネットの分野でも、日本の独自性を主張するあまり、ガラパゴス化現象に陥り、世界の後進国になる危険性が出てくるのではないでしょうか。今こそ、広く世界を見渡し、よりユーザフレンドリーで、効率性の高い社会生活を営める、ユビキタスアクセスを実現する機会の創造を図るべきではないでしょうか。

以上

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第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その3) [2008年08月25日(月)]

第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その1)はこちらから。
第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その2)はこちらから。

ネットを取り込み「携帯」の殻を破る
草の根コミュニティが作る新サービス

(上記の図をクリックすると拡大表示されます)
Android搭載端末の登場は半年以上先と思われるのに、SDKを使ったアプリケーションがインターネット上に多数公開。開発者を駆り立てるのは「自分が作りたいアプリケーションを思いのまま作れる」という喜び。ユーザが本当に欲しいものを開発者同士が手を取り合いながら短期間で作りあげる

WebAPI公開とクラウドコンピューティング

(上記の図をクリックすると拡大表示されます)
インターネットも嘗てはサービス事業者がサービス内容を牛耳っていたが、Amazon、Google、YahooなどのwebAPIの公開でマッシュアップが普及し、多数のサービスが生まれた。クラウドコンピューティングでクラウド側が処理を分担するため、携帯電話側の負担が軽減された。

Androidは、Linuxベースであり、既存の携帯電話が同時に複数のドメインとの通信/サーバ連携ができないという欠点を取り除いた。この結果、携帯電話がPCと同様なマッシュアップが可能な端末にグレードアップした。

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第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その2) [2008年08月21日(木)]

第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その1)はこちらから。

Androidから始まるモバイル・マッシュアップ
日経コミュニケーション 2008年7月15日号

Googleの狙い
携帯電話の世界にインターネット並みの革新のベースを持ち込むこと。このために、マッシュアップ可能な仕組みを携帯電話の世界に提供、クラウドコンピューティングと連携することで従来想像できないサービスを提供。

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第41回 新しいインターネットアプライアンスの本命登場(その1) [2008年08月21日(木)]

[概要]
従来、モバイル環境のインターネットアプライアンスとしては、NotebookPCが最初に登場し、続いて、携帯電話が登場して、今や、モバイル環境では、NotebookPCを抜いて、携帯電話が主流の位置を占めている。そして、2007年に入って、AppleからiPhoneが発売され、更に、Googleを中心に、Android構想が発表され、この11月には、Android端末が発売されようとしており、これらが、本命のモバイルインターネットアプライアンスとして大いに発展を遂げるであろうとの期待が高まっている。以下では、このiPhoneとAndroidの将来性を捉えた2つの記事の概要を紹介したい。

[参考記事]
CNET Japan
iPhoneという奇跡/江島健太郎・Kenn's Clairvoyance

Androidから始まるモバイル・マッシュアップ
日経コミュニケーション 2008年7月15日号


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第40回 携帯電話市場の最近の動向 (その2) [2008年08月07日(木)]

第40回 携帯電話市場の最近の動向(その1)はこちらから。

<ケータイ制覇を狙うGoogleの野望>
日本の携帯電話はどこへ行く?
中道 理@日経コミュニケーション

携帯電話機メーカーにとってのAndroidのメリット
無償で提供される携帯電話ソフトで携帯電話開発費の削減を狙う

Googleの狙い
携帯電話上でもGoogleのサービスを使ってもらえるようになれば、Google全体としてはAndroidに開発費をかけても十分に元は取れるという計算。世界の携帯電話ユーザーはすでに32億人おり、今後さらに伸びていく。従って、10億のユーザーしかいないパソコンよりも大きく稼げる可能性が高い。

Googleの富の源泉はユーザーの行動履歴の収集
Googleは、その収益のほとんどをインターネット上の広告で稼いでいる。ここで競争上、重要になるのが、精度の高い広告を出せる仕組みを用意すること。これを実現するために、Googleは大きく2つの仕組みを用意した。

1
Google自身がインターネット上で無償サービスを提供し、
この無償サービスで利用される情報からユーザーの動きや嗜好を収集する。このために、メールサービス「Gmail」、地図サービス「GoogleMap」、スケジュールサービス「Googleカレンダー」、Microsoft Office対抗サービス「Googleドキュメント」、ブログやニュースの最新トピックを1画面に収集できるサービス「Googleリーダー」、デジタルカメラで撮影した写真を整理・保存できるアルバムサービス「Picasa Webアルバム」などがある。

2
ユーザーの行動履歴を収集するもう1つの仕組みは、直接サービスを提供するのではなく、他のサイトに部品として提供する。企業の紹介ページで、自社の案内地図にGoogleMapの部品を使っているケースがあるが、まさにこの仕組みを利用している。他社のWebサイトであっても、その一部にGoogleのサービス部品を使われていれば、そこを通してユーザーの履歴情報がGoogleに集まってくる。Googleのサービス部品が利用できることは、一から全ての機能を自分で作らなくても良いため、Webページを作る開発者にとってもうれしい。Web開発者は開発を省力化できる一方で、Googleはユーザーの情報を収集できるという共生関係が成り立っているわけだ。

携帯電話のしきたりを壊す
ところが現在の携帯電話では、パソコンのインターネットで作り上げてきたこうした仕組みがうまく生かせない。メールやカレンダーなどの機能は携帯電話事業者や携帯電話メーカーが管理しており、Googleとしては手を出すことができない。携帯電話に搭載されているWebブラウザの機能が少なく、開発者がGoogleのサービス部品を使ってWebページを作れないなどの問題がある。

この現状を打破すべくGoogleが携帯電話の世界に送り込んできたのが、「Android」である。
Androidでは、携帯電話上でGoogleのサービスを思う存分使える仕組みがあらかじめ用意されている。Android端末が使われるようになれば、Googleはこれまで手の出せなかった携帯電話でやり取りされる情報にもアプローチすることができる。
さらに、携帯電話アプリケーションの開発者がGoogleのサービス部品を使って新しい魅力的なサービスを作ってくれるようになれば、Googleの情報収集能力はさらに拡大する。

達成されつつあるGoogleの思惑
世界中にAndroid端末を広げるというGoogleの思惑が成功するかどうか、普及のハードルとなりそうな点が2つある。

1
携帯電話事業者がGoogleのサービスを自由自在に使える端末を自社の携帯電話網につなぐことを許すのかという点である。これについては、既に、サービス収入が携帯電話事業者でなく、アップルに流れる「iPhone」が受け入れられており、問題にはならないであろう。従って、Android端末が魅力的であれば、携帯電話事業者は、Android端末の接続を認めるであろう。

例え、大手携帯電話事業者が提供を拒んだとしても、彼らのネットワークを借りてサービスを提供する「MVNO」(仮想携帯電話事業者)が、Android端末を出す可能性がある。MVNO事業者にとっては、Androidを使うことでメールサーバなどを自社で用意しなくて良いため、安価に携帯電話事業に参入できるというメリットがある。

2
多くの携帯電話メーカーが本当にAndroid端末を作るのかという点である。最近、Androidの最大のウリであった無償というアドバンテージが消えつつある。2008年7月に携帯電話の開発プラットフォームとして最大の勢力を誇るSymbian(シンビアン)が2009年から無償にすると発表した。これまでの実績を考えれば、多くのメーカーがこちらに流れる可能性は高い。

しかし、GoogleがAndroidに込めた狙いは、携帯電話でインターネットを自由自在に使えるようにすることにある。iPhoneに象徴されるように、携帯電話のインターネットへの接続はオープンになっており、例え、Androidが普及しなくても、Googleの思惑はほぼ達成されつつあるかに見える。

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第40回 携帯電話市場の最近の動向 (その1) [2008年08月07日(木)]

[携帯市場構造変化]
iPhone 3Gの登場で、携帯電話市場は新たな競争環境に入り込んだ。この最近の動向を示す3種の記事の概要を以下では紹介したい。

[参考資料]
NBonline(日経ビジネスオンライン
・ケータイ市場、歴史的な失速
 iPhone人気の裏で静かに進む構造変化


・ケータイ制覇を狙うGoogleの野望
 日本の携帯電話はどこへ行く?


Milan-IN
・The Platform Wars Continue 
 Nokia Buys Symbian


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第39回 発売1年,欧米に見る初代iPhoneの本当の実績 [2008年07月15日(火)]

はじめに、以下の3つの発言に象徴されるように、「iPhone」は、新たなパラダイムシフトを起こし、ライフスタイルの変革を実現するIT機器として、華麗な実績を積みつつある。この動向を解説する「林信行氏」の日経BP社「ITpro」での記事の概略を紹介する。

「あなたは3番目となるメジャー・コンピュータ・プラットフォームの誕生を目撃しようとしている。WindowsMac OS X、そしてiPhone
byデビット・ポーク@ニューヨーク・タイムズ

「電話のあるべき姿を永久に変えてしまった電話」
byスティーブ・ジョブス@2008WWDC

Appleは電話を再発明する」
byスティーブ・ジョブス@2008WWDC

[参考記事]
発売1年,欧米に見る初代iPhoneの本当の実績ITpro

[概要]
日本に上陸する「iPhone 3G」の底力を紹介しながら、これからの我々のライフスタイルや携帯電話業界にどのような影響を与えるか考察してみたい。まず、2007年6月29日の発売から1年で「iPhone」が、ライフスタイルをどう変えたか、欧米の状況を中心に紹介する。

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