第31回 [米国通信市場動向](その1) [2008年04月10日(木)]
[概要]
従来、米国の携帯電話市場は、技術、端末、サービスなどの種々の面から見て、日本、欧州の後塵を拝しているような感じであったが、ここへ来て、「iPhone/iPod」の登場、 やっと、3Gサービスが普及始めたことなどから、急速に変化を遂げ始めたような感じがする。「Google Android」もあり、ノートブックPCに代わって、携帯電話あるいはPDAが、本格的なモバイル端末となって、新たな使い方をもたらし、パラダイムシフトを久しぶりに米国から発信する可能性を見せている。また、放送と通信の融合も、通信事業者/CATV事業者/放送事業者等が入り乱れて「Triple Play」の第2世代での競争も始まりつつある点も、NGNの本質であるFMCをはじめとするユーザ視点でのアプリケーション競争が始まるなど、今後の展開は注目に値すると思われる。このような流れを作る幾つかの動きを、今回は紹介したい。
1.Verizon、落札した700MHz帯のプラン発表(2008年04月05日)
Verizonは2010年までに、落札した700MHzでLTE(Long Term Evolution、別名スーパー3G)によるネットワークを構築する計画
米政府による700MHz周波数帯競売で落札し、Cブロックの運用計画の一部および落札金額を明らかにした。Verizonはアラスカを除く全米をカバーするCブロック帯、および全米各地の市場をそれぞれカバーするAおよびBブロックの102のライセンスを獲得した。落札金額は合計93億6000万ドル。新しい無線周波数帯は2009年2月半ばまで使用できないが、今回の獲得により、同社の各市場における平均周波数幅は、現在の52MHzから82MHzまで拡大するという。Verizonは2010年までに、新たに獲得した700MHz帯でLTEを採用したネットワークを構築、条項に従ってOpen Development Initiativeを遂行していく計画という。
2.AT&TとQUALCOMM、落札した700MHz周波数帯の利用計画を明らかに(2008年04月05日)
AT&TはCブロックでHSPA+およびLTEによるサービスを、QUALCOMMはEブロックでモバイルTVサービス「FLO TV」を提供する計画
AT&T
Bブロックを獲得した米AT&Tは、競売に先立ち、昨年10月に米Aloha Partnersから700MHz周波数帯免許(Cブロック)を買収している。今回の落札と合わせると、同社の700MHz周波数帯カバー率は米国の人口上位200位の都市で100%、全米の人口でも87%をカバーすることになる
AT&Tは獲得した700MHz帯で、HSPA+(HSPA Evolution)およびLTEによるネットワークを構築する計画という。現在は全米約350都市で、3Gネットワークによる年内のサービス開始を目指している。
QUALCOMM
獲得したEブロック免許のカバー領域には、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコの主要5都市が含まれる。
同社は新たに獲得したEブロック帯において、同社傘下のMediaFLO USAによるモバイルTVサービス「FLOTV」を提供する計画。周波数帯獲得により、1億3000万人以上のユーザーにサービスが提供可能になるという。
3.AT&T、Android携帯電話の採用に興味を示す(2008年04月04日)
AT&Tワイヤレス事業部の責任者であるRalph de la Vega氏は、Androidを詳細に調査した結果、「将来、自社ポートフォリオに取り入れたいものであると確信した」と述べた。
「Open Handset Alliance(OHA)」には、Sprint NextelとT-Mobileが加盟しているが、残る米国キャリアで、国内ナンバー1と2であるAT&TとVerizon Wirelessの2社は、Androidの採用を明らかにしていなかった。Verizonの幹部も、CS向けブランド端末向けとしてAndroidを検討していることを明らかにしている。
携帯端末メーカーがAndroidをベースとした魅力的な端末を作成した場合、VerizonとAT&Tは必ず自社ネットワークで提供するだろう。だがいま現在、Androidをベースとした携帯電話を提供しているメーカーはおらず、これがどのようなものになるのかは、想像しがたい。
4.米Googleのホワイトスペース開放周波数帯を利用するモバイル構想が明らかに(2008年03月27日)
米Googleが3月21日に米連邦通信委員会(FCC)に対し、テレビ放送向けの免許対象外の周波数帯「ホワイトスペース」を開放するよう意見書を提出。
Googleはこれを基に、「Wi-Fi 2.0」と称する最新の自社モバイル計画を打ち立てるようだ。ホワイトスペースは、テレビ放送向けの免許対象外の周波数帯。米国は2009年にアナログからデジタルTVへの移行が完了する予定。テレビチャンネル2〜51の間だが、Googleでは今回電波干渉などの懸念から、36〜38をホワイトスペースにするよう求めているようだ。FCCに提出した意見書でGoogleは、ホワイトスペースの開放を求める理由について、「すべての米国市民にいつでも、どこでものユビキタスな無線ブロードバンドインターネットアクセスを提供できる絶好のチャンス」と説明しているという。また、この周波数帯の開放は、既存のブロードバンドサービスプロバイダに競争をもたらすことや、インフラが行き届いていない農村部だけではなく、緊急時の連絡を可能にするなど政府組織にもメリットとなる、などと主張しているようだ。ホワイトスペースの利用を巡っては、コンピュータ業界が積極的なのに対し、テレビ局からは電波への影響を理由に反対の声が上がっている。このため、昨年12月には推進のための業界団体「Wireless Innovation Alliance(WIA)」が発足、Googleのほか、Microsoft、Dell、Hewlett-Packard(HP)などが参加している。Googleが24日に明らかにしたモバイル計画「Wi-Fi 2.0」「Wi-Fi on Steroids」は、開放されたホワイトスペースと自社の携帯電話向けプラットフォーム技術「Android」を組み合わせたものとなる。Googleでは、Androidベースの携帯電話はホワイトスペースにフィットすると見ているようだ。
[米国通信市場動向](その2)へ続く
従来、米国の携帯電話市場は、技術、端末、サービスなどの種々の面から見て、日本、欧州の後塵を拝しているような感じであったが、ここへ来て、「iPhone/iPod」の登場、 やっと、3Gサービスが普及始めたことなどから、急速に変化を遂げ始めたような感じがする。「Google Android」もあり、ノートブックPCに代わって、携帯電話あるいはPDAが、本格的なモバイル端末となって、新たな使い方をもたらし、パラダイムシフトを久しぶりに米国から発信する可能性を見せている。また、放送と通信の融合も、通信事業者/CATV事業者/放送事業者等が入り乱れて「Triple Play」の第2世代での競争も始まりつつある点も、NGNの本質であるFMCをはじめとするユーザ視点でのアプリケーション競争が始まるなど、今後の展開は注目に値すると思われる。このような流れを作る幾つかの動きを、今回は紹介したい。
1.Verizon、落札した700MHz帯のプラン発表(2008年04月05日)
Verizonは2010年までに、落札した700MHzでLTE(Long Term Evolution、別名スーパー3G)によるネットワークを構築する計画
米政府による700MHz周波数帯競売で落札し、Cブロックの運用計画の一部および落札金額を明らかにした。Verizonはアラスカを除く全米をカバーするCブロック帯、および全米各地の市場をそれぞれカバーするAおよびBブロックの102のライセンスを獲得した。落札金額は合計93億6000万ドル。新しい無線周波数帯は2009年2月半ばまで使用できないが、今回の獲得により、同社の各市場における平均周波数幅は、現在の52MHzから82MHzまで拡大するという。Verizonは2010年までに、新たに獲得した700MHz帯でLTEを採用したネットワークを構築、条項に従ってOpen Development Initiativeを遂行していく計画という。
2.AT&TとQUALCOMM、落札した700MHz周波数帯の利用計画を明らかに(2008年04月05日)
AT&TはCブロックでHSPA+およびLTEによるサービスを、QUALCOMMはEブロックでモバイルTVサービス「FLO TV」を提供する計画
AT&T
Bブロックを獲得した米AT&Tは、競売に先立ち、昨年10月に米Aloha Partnersから700MHz周波数帯免許(Cブロック)を買収している。今回の落札と合わせると、同社の700MHz周波数帯カバー率は米国の人口上位200位の都市で100%、全米の人口でも87%をカバーすることになる
AT&Tは獲得した700MHz帯で、HSPA+(HSPA Evolution)およびLTEによるネットワークを構築する計画という。現在は全米約350都市で、3Gネットワークによる年内のサービス開始を目指している。
QUALCOMM
獲得したEブロック免許のカバー領域には、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコの主要5都市が含まれる。
同社は新たに獲得したEブロック帯において、同社傘下のMediaFLO USAによるモバイルTVサービス「FLOTV」を提供する計画。周波数帯獲得により、1億3000万人以上のユーザーにサービスが提供可能になるという。
3.AT&T、Android携帯電話の採用に興味を示す(2008年04月04日)
AT&Tワイヤレス事業部の責任者であるRalph de la Vega氏は、Androidを詳細に調査した結果、「将来、自社ポートフォリオに取り入れたいものであると確信した」と述べた。
「Open Handset Alliance(OHA)」には、Sprint NextelとT-Mobileが加盟しているが、残る米国キャリアで、国内ナンバー1と2であるAT&TとVerizon Wirelessの2社は、Androidの採用を明らかにしていなかった。Verizonの幹部も、CS向けブランド端末向けとしてAndroidを検討していることを明らかにしている。
携帯端末メーカーがAndroidをベースとした魅力的な端末を作成した場合、VerizonとAT&Tは必ず自社ネットワークで提供するだろう。だがいま現在、Androidをベースとした携帯電話を提供しているメーカーはおらず、これがどのようなものになるのかは、想像しがたい。
4.米Googleのホワイトスペース開放周波数帯を利用するモバイル構想が明らかに(2008年03月27日)
米Googleが3月21日に米連邦通信委員会(FCC)に対し、テレビ放送向けの免許対象外の周波数帯「ホワイトスペース」を開放するよう意見書を提出。
Googleはこれを基に、「Wi-Fi 2.0」と称する最新の自社モバイル計画を打ち立てるようだ。ホワイトスペースは、テレビ放送向けの免許対象外の周波数帯。米国は2009年にアナログからデジタルTVへの移行が完了する予定。テレビチャンネル2〜51の間だが、Googleでは今回電波干渉などの懸念から、36〜38をホワイトスペースにするよう求めているようだ。FCCに提出した意見書でGoogleは、ホワイトスペースの開放を求める理由について、「すべての米国市民にいつでも、どこでものユビキタスな無線ブロードバンドインターネットアクセスを提供できる絶好のチャンス」と説明しているという。また、この周波数帯の開放は、既存のブロードバンドサービスプロバイダに競争をもたらすことや、インフラが行き届いていない農村部だけではなく、緊急時の連絡を可能にするなど政府組織にもメリットとなる、などと主張しているようだ。ホワイトスペースの利用を巡っては、コンピュータ業界が積極的なのに対し、テレビ局からは電波への影響を理由に反対の声が上がっている。このため、昨年12月には推進のための業界団体「Wireless Innovation Alliance(WIA)」が発足、Googleのほか、Microsoft、Dell、Hewlett-Packard(HP)などが参加している。Googleが24日に明らかにしたモバイル計画「Wi-Fi 2.0」「Wi-Fi on Steroids」は、開放されたホワイトスペースと自社の携帯電話向けプラットフォーム技術「Android」を組み合わせたものとなる。Googleでは、Androidベースの携帯電話はホワイトスペースにフィットすると見ているようだ。
[米国通信市場動向](その2)へ続く







