第37回 iPhone 3GとIT機器の変遷(その2) [2008年06月17日(火)]

第37回 Apple iPhone 3GとIT機器の変遷(その1)はこちらから。

<Apple iPhone 3G - Beginning of a Wireless Services Platform>

参考記事
Frost & Sullivan
 inside Mobile & Wireless by Gerry Purdy

Frost&SullivanのGerry Purdy氏の見解を以下に簡単にまとめておく。
AppleiPhone3Gをデバイスの視点でなく、サービスの視点から発表したことが興味深かった

・昨秋に3Gサポート時にはGPS機能を入れるべきと指摘したとおり、今回GPSが内蔵されたのはご同慶の至り

AT&TがMediaFLOをサポートしているにも拘らず、放送受信機能を入れなかった事、メッセージングやメールを多用するユーザ向けにキーボードを装備したモデルを追加しなかったが、これらは来年以降に期待したい

AT&Tから通信料のキックバックを得る代わりにデバイス価格を半値に下げたが、これにより一段と多い台数の販売が可能となり、更には、Apple Storeを通じたソフトウェア収入の一部がAppleに入ることで、従前よりAppleの収入が増える可能性がでてきたと言える。また、AppleAT&Tとのexclusiveな契約期間を縮めて、Sprint/Verizon/T-Mobileなど向けのiPhoneを販売できる時期が早くなることを期待したい。

・企業向けのユーザは、Microsoft Exchange ActiveSyncがサポートされたお陰で、会社のPCのメール/アドレス帳/カレンダーとiPhoneの自動同期が取れることになった

・一般ユーザは、「MobileMe」のサポートで、ネットワーク上のメール/アドレス帳/カレンダ/ギャレリー(写真の保管・共有)とiPhoneとのプッシュ/同期が取れる「MobileMe iDisk」では、20GBのストレージを$99/1年間で、追加の20GBを$49/1年間でネットワーク側に持つことが出来る。但し、これは、バックアップと考えると極めて割高であり、 Exchangeサーバ無しの環境でOutlookのメール/予定表/アドレス帳などのネットワーク側とiPhoneとの同期を取るためのものであろう。

以上の通り、この発表は、ハードの発表と言うよりは、サービスの発表と捉えるべきものであり、その意味で、GPSのLBS(Location Based Service)活用、高速web accessなどのサービスなどがどのようになるか、Apple Store・MobileMeなどに注目していきたい。
[iPhone 3Gの出現に伴う今後の動向雑感]
iPhone 3GおよびBlackBerryBoldの出現で、携帯電話機能/ミュージックプレイヤー機能を内蔵したPDAは、インターネットアプライアンスの基幹機種としての地位を求めて、PCおよび携帯電話と激しく競合することになろう。以下では、インターネットアプライアンスとしてのIT機器の今後の競合状況を模索して見たい。



(1)PC領域
既に、PCでは、NotebookがDesktopを追い上げ、台数ベースではNotebookがDesktopを追い抜く状況になっており、今後ともこの傾向は加速することはあっても、覆ることはないであろう。

Desktop PCは、この秋からQuad Coreの機種も出現が予想され、ますますHighendの複数ドライブ内蔵の方向に進み、台数が伸びないことと相まって、価格が据置になり、家庭内およびオフィスの両面において上位機となってメジャーの位置を追われる運命にあるように思われる。

Notebook PCは、Desktop PCに代わる主力機種になり、企業内にThin Clientが普及することと相まって、一層、PC主力機種としての基盤を固めることになろう。

但し、モバイル環境で使われるPCとしては、ファイル更新を必要とする業務/用途に限られ、単にweb access/メール送受信で済むようなモバイル環境での用途向けには、PDAにその位置を譲ることになると思われる。

(2)PDA領域
小型手帳の大きさで100数10gと携帯電話並みの重さになってきたiPhone 3G/BlackBerry Boldは、ブロードバンドデータ通信機能と携帯電話機能を内蔵し、VGAクラスのLCD表示、Full Browser、Excel/Wordの編集機能、Powerpoint表示機能を持つことで、通常のモバイル環境でのNotebook PCを代替することで、存在感を増し、大いに伸びていくであろう。
更には、Music/Video Player機能を合わせもつことで、企業向け以外に個人の用途にも十分受け入れられる物となって、インターネットアプライアンスの盟主の地位を獲得する可能性も出てきたと思われる。特に、Intel Atomプロセッサ内蔵のiPhoneまたはBlackBerryが出てくれば、この傾向は確実になろう。

PDA下位機では、Full Browser/Mailer/Music・Video Playerなどの基本機能に特化し、軽量/廉価/長寿命バッテリーをポイントにしたiPod touchのような機種が伸びてくるのではないであろうか。また、価格を下げ、軽量化、長寿命バッテリーのためには、携帯電話機能をVoIP化することが、通信キャリア側でなく、機器ベンダ側の意向で進むのではないであろうか。

このPDA領域の新たなキラーアプリケーションとしては、LBS(Location Based Service)が登場し、広告料収入の増大と相まって、この領域の一層の拡大傾向を増すであろう。更には、車にMonitorのみを搭載し、これに接続するLBS機能を内蔵したPNDおよびMusic/Video Playerの代替機種として、この下位領域PDAが伸びてくることも予想される。

(3)携帯電話
以上のような状況になった場合には、携帯電話機は、電話機能とIM/メーラー機能を併せ持つ低価格の単純な電話機の領域に追い込まれるであろう。

トラックバック

コメントする

名前



Email



URL



クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク
画像認証

半角で入力してください(大文字・小文字の区別なし)。

文字が読みづらい場合はこちらをクリックしてください。

captcha


コメント

trackback Blog by isao.net