「それでもボクはやってない」 [2007年01月19日(金)]
実は去年の暮れに
ふくらマンと試写会で観てきました。
「それでもボクはやってない」

「Shall we ダンス?」の周防正行監督の最新作です。
が、今作は娯楽作品ではありません、
社会作品とでもいうのでしょうか?
現代日本の司法制度に対する驚きと不満が、
たっぷりとぶちまけられています。

電車内における痴漢犯罪のえん罪と裁判。
社会的にもかなり問題になる事柄です。
どっかの手鏡教授みたいに、
あきらかに痴漢行為をしているのに、
でっち上げだと言い張るバカもいますが、
この映画を語るには論外ですね。
痴漢行為の犯罪はともかくとして、
無実の人間でも簡単に警察によって
拘留されてしまうという現実に驚かされてしまう。
さっきまでの普通の生活が、
まったく無くなってしまう恐ろしさをまず痛烈に叩き込まれる。
拘留中の生活も驚く事の連続で、
前半は驚きのうちに映画は進んでいってしまいます。

そして中盤からはいよいよ法廷でのお話が展開されるわけですが、
これはここでどうこう書くよりも、
実際に映画を見て、
その場でじかに感じて欲しいと思いました。
日本の裁判、司法制度というのは、
こんな制度だったのか?ということ。
司法制度の矛盾点、問題点の数々。
映画の時間は2時間半弱ありますが、
その話の展開にはグイグイ引き込まれます。

今回の試写会場では、
周防監督のティーチインも上映後に行われました。
そのなかでも監督自らが、
なぜこの映画を作りたいと思ったかなどを、
切々と語ってくださいました。
「日本の司法制度の現実を、みなさんにわかって頂きたい。」と。
実はこの映画のネタバレ的なお話を少しするなら、
脚本上で考えると、起・承・転・結の
転の部分で終わってしまっています。
そのため、観ている観客には
あまりにも理不尽な救いようのない出来事に、
裁判官、あるいは司法制度に対する激しい怒りのまま
映画はエンディングとなってしまいます。
つまり結の部分がないことによって、
より観客に訴える手法に大成功しているのです。
この理不尽さこそ、
まさに監督が描きたかったことではないでしょうか?
この理不尽な現実に行われている司法制度の正体を、
是非とも観賞した人は感じ取ってもらいたいです。
軽い気持ちで見に行く娯楽作品ではございませんが、
誰もがひょっとしたらなりえるかもしれないと考えて、
心して観賞していただくことをお勧めいたします。
私はできるなら、満員通勤電車には乗りたくないですね。
あとエッチな本やDVDはやはり処分しなければ…。
本気です。
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