”お前なんかがオレになれるワケねえだろ” -「黒博物館 スプリンガルド」- [2007年09月29日(土)]

ある意味真骨頂だな
藤田和日朗の青年誌2作目、「黒博物館 スプリンガルド」購読。小学館からでて、講談社にいっちゃったけどね。ゴシックロマン的な面白さと漢らしさは相変わらず。「吼えろ ペン」でも書かれてたけど、風呂敷はきちんとたためる人なのにね。これぐらいの長さでするっとまとめてくれると何度も読めるし、刺さるところはぐっさり。
かるーく、あらすじを書くと
19世紀のロンドン。
女性だけを襲う、「ばね足ジャック」という怪人がいた。
ただ、女性を驚かすだけで、それ以上のこと(いや、いちおうおっぱいさわってたりはするんだけどさ)をしない、一種の愉快犯のまま、正体もしれず姿を消した。
3年後、再び現れた「ばね足ジャック」は殺人鬼となっていた。果たしてジャックの正体は?
ってところかな。
ダークヒーローものだね、これ。屈折した男の子が、人の気持ちに触れて立ち直る話というか。「やせがまんの美学」が貫かれててかっこいいぞ。
かっこいいせりふは2つあって
「ここから先は敬虔で善良なる者以外立ち入り禁止だ……オレたちは入れない」
「きれいな花を咲かせる人は孤独な時を耐えなければいけない」
だな。ぐっと手を握るところだね。
惚れた女の幸せを願いながら、でもその女性を幸せに出来るのは自分ではない、と悟った上でその女性のために命をかける男の話だからね。いやー熱い!
さらっと読めて熱くなれるから、けっこう万人におすすめ。ちょっと表現をうまくすれば少年誌でやれると思うしね。「邪眼は月輪に飛ぶ」もよかったけど、こっちも構想がしっかりしてて非常に良い。また続き描いてくれないかな。
















