東南角部屋二階の女 [2008年09月21日(日)]

なにかっつーと直ぐに深刻振って周囲に陰気を撒き散らすような、「楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家」の西島秀俊が扮する主人公の逡巡、これを軸に。
「パコと魔法の絵本」の加瀬亮が演じる、何も考えてないような後輩の、飽く迄も受動的なぼんやりとした生き方だったり。
竹花梓が演じる、不条理が邪魔をしてままならぬ日々をただ直向きに実践主義的にこなす三十路を控えた女の姿だったりを、絡めて見せて。
そこに折に。
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の塩見三省が演じる畳屋の親父が、晩酌の酒を舐めながらのいい具合に、いい加減な例え話を披露して以て道標足ると云うには怪しい何某かを示して見せたりなどして、折り目をつける、と。
その道標の先に在るらしき祖父さんの、口を噤み続けて孫にも語ろうとしない想いとは、そして時代から取り残されたようなアパートに集った主人公ら三人の行方は、果たして。
という物語。
公式。
いやさ、即物的な意味を求めたがる女を否定するようなエピソードが冒頭辺りに語られるんですが、これが象徴的、物語らしい物語なんかはなくって。
空気感だか雰囲気だか、間だか情緒だか風情だか、そういった何某かで主人公の逡巡を云う作りの映画になって御座いまして。
機微を読んで感じ入るに能う感受性に欠くような、それこそ物語に即物的な意味を求めてしまうようなあてくしにゃあ、互いにもやもやとした気分を抱えた主人公と後輩とが取っ組み合いの喧嘩を始める場面の、その無意義さと映画的な取って付けた感に居た堪れない気分を味わわされてしまいまして。
結末でもまたその取って付けた感が表れまして、そのエピソードで以て後輩のキャラクターがぶれてしまうという体たらくを晒して御座いまして、こりゃ酷い代物だなぁと感じてしまいまして。
物語が動いて見える前半と、竹花梓嬢の風情、これは楽しめたんですが。
展開と結末、そして後半に入ってからの雰囲気、これを他愛無く感じてしまい辟易してしまいました、と。
個人的適正価格 300円

