
漫画文庫って嫌いなんですよ、僕。
だってサイズが小さ過ぎて、絵のそもの迫力なりの魅力を楽しめないんだもの。
言ったらテレビ放映用に切り詰められた映画のようなもので、それが場合によっては元の作品の魅力を伝えるに適わない状態に、詰まり映画ではない別のなにかになってしまうのと同様に、文庫サイズに縮められてしまった漫画もまた漫画ではない別のものだとさえ、思ってるのね。
さて、本作。
連載誌休刊の煽りを食って、以前に刊行されていた単行本では未完に終わっておりまして。
事故で目覚めた"力"で
妖怪を退治してきた地童悟郎に異変が!?
"力"を消失した原因はいったい?
単行本未収録の幻の最終回を
完全収録した完結編!!
というのが今回の文庫版の売りで御座いまして、その魅力には抗しきれず半ば渋々、購入した次第である訳ですが。
主要登場人物が、2名、追加されまして。
4名のキャラクターの人間模様が、そしてまた各個の人物像が、語られ始めましてこれが本作に新たな一面を加えておりまして。
たがみよしひさ作品の魅力であるところの彼が持つ世界観、それが彩る、事件、これと並んで物語にとっての二本柱を生しておりまして。
簡潔に言えば面白さが加速している訳ですよ、読み進める毎に興味が深まっていく訳ですよ。
そうして迎える、幻の最終回。
いやさ、たがみ作品に相応しい言い方をすれば、まるぼしの最終回。
人間がその都合を優先して侵すべかざる領域に踏み込む、それを或いは見届ける為か、いよいよ顕現する、もの。
それを指して主人公の一人、代々に伝えられし理論を以て鬼部調伏師たる、巫女神唯円が、神、と呼ぶ。
そこまでの物語の中でも散々、妖怪、という呼称は人間の都合による定義、神だ悪霊だ化物だなどと人ならざりしものを振り分けるは人側の認識次第だ、と語られる。
そういう論理に律された物語の中に、いよいよ、或いはその外側から顕現した、もの。
それを指して巫女神唯円が、神、と呼ぶ以外になかったのだとしたら。
物語は更に突っ込んだ段階へと進んでいっただろうに、しかし。
完結しちゃいねー、ちぃともさっぱり何一つとしてまるで完結しちゃいねー。
期待を煽るだけ煽り倒して伏線を張るだけ張り倒してしかし全くを以てこれ完結なんざしちゃいねー。
いやさ。
きっと今回の文庫化こそが続編への伏線なのだよそうだそうに違いないそうに決まった、だってそうでなければこの傑作が浮かばれねぇじゃねぇかよこんちくしょう。
という事で。
今から続編が楽しみです、期待してます。