「さて助手くん」
「何でしょう博士」
「
宅配ピザでお馴染みのドミノ・ピザが今夏限定で
焼肉ピザを発売する訳なんだけれども」
「特製タレとコチュジャンで辛味付けした牛カルビと、とろけるような脂の旨味がたまらない豚カルビにとろ〜りチーズをたっぷりとトッピングした
焼肉ピザですか」
「その通り、二層目にはぜんまいに豆もやし、にんじんに小松菜を香り豊かなゴマ油で仕上げたその名もドミノ特製ナムルを挟み込んだ
焼肉ピザだよ」
「なるほど、あふれる肉汁とシャキシャキナムルの相性がたまらない
焼肉ピザですね」
「そんな、夏にこそ食欲をそそる
焼肉ピザを発売するドミノ・ピザといえば
宅配ピザの印象が強いかと思う訳だけれども」
「実は、インターネットやケータイから簡単に
ネット注文が出来ちゃうんですよね」
「という事で助手くん、スポーツイベントや行楽などもりだくさんな夏に、ドミノ・ピザから
焼肉ピザが限定発売となる夏に、一体どんなシチュエーションでピザを食べたいか、君にそれを考えてもらいたいと思ってる訳なんだけれども」
「えーっと。夏と言えばこれ、陽気が外出を誘う訳ですよ」
「うむ。それこそ海か山かと浮き足立つ訳だね」
「まぁ、思い立った時に即遠出、てのも難しいでしょうから、じゃあ近場で済ませましょうか、て場面も多い訳ですわね」
「うむ。プールか本屋か、と。いいぞ助手くん、その調子だ」
「いや何がその調子なんだか、今も思い付きで喋ってるだけなんで先の展開なんか何も考えてない訳ですけれども」
「詰まり言わば、はしゃぎ過ぎてる夏の子供さ、てなトコロな訳だな」
「あー、んじゃそれ戴きましょうか。気になる女の子でも誘って海へと出掛けたとしましょうよ」
「海へ出掛けました、気になる女の子を誘って。いいね助手くん、夏っぽいね」
「つーか博士、そのテンションじゃあ合の手ってよりも太鼓持ちですよ」
「気にするな助手くん、どうせテンションまで想像して読んでるヤツなんか居やしないよ」
「うっわ全否定かよ。戦争で負けた兵士をその場で銃殺かよ。必死んなってどんなシチュエーションで
宅配ピザを食べたいかを考えてるこっちの身にもなれっつーの」
「いやいや報われない努力はないぞ助手くん、この世は希望で満ち溢れているぞ助手くん」
「んで、未だ彼女ではなく付き合っている訳でもない距離の、けれど友達以上に気になる存在の女の子を誘い出しました、仲良く海へと向かいました、と」
「淡いね、淡いよ助手くん。炎天下のソーダ水の表面に浮かぶ炭酸の気泡のように淡く、そして得も言われず気を惹かれるシチュエーションだよ助手くん」
「けれども、事前に計画していた訳ではなくまるで暑気にのぼせて前後不覚に陥ったかのような状態からの思い付きで誘ったもんですからこれ、海に到着するまでの道中で様々な障害に見舞われちゃったりなんかする訳ですよ」
「黒猫に目の前を横切られちゃったりね。ふらりと立ち寄ったコンビニで同じ柄のTシャツを着てるヤツに出くわして気落ちしちゃったりね」
「それが物語に於いてどーゆー伏線となり得るのかよく分かりませんけれども、他を考えるのも面倒臭いからそれでいいやもう」
「とにかく道中でいろいろな目に遭遇して、なかなか海まで辿り着けなくて、と。そーゆー筋だな助手くん」
「ええ、ええ、そうですよ博士。そんで、漸く海に辿り着いてみたらばこれ、最早西日の差してるような時間になっちゃってて。日光浴をするにも泳ぐにも間に合わず、という体たらくで」
「道中で既に疲れちゃってた女の子はきっと、不満ブー垂れだわな。段取りわるーい、か何か言われちゃってな」
「最早、熱めのお茶も意味深なシャワーも期待出来ない情況ですよ」
「ションボリだねぇ助手くん。ションボリとボリジョイは語感が似てるねぇ助手くん」
「サーカスってアンタ、Mr.サマータイムに繋げろってか。流石にそこまでいくと歌詞の一節も知らないですよ俺」
「なんだいガッカリだよ助手くん、お前にはガッカリだよ助手くん」
「はいはい、すいませんね。そんで、段取りの悪い俺の隣に立って、オレンジ色に染まる海を眺めながら女の子はガッカリしている訳ですよ。俺も俺で、あーあ、なんて思ってうな垂れる訳ですよ。そしてふと気付く訳だ、右手に提げていた、道中でふらりと立ち寄ったコンビニで買った花火セットの存在に」
「繋がったねー助手くん、今見事に無駄に散らしておいた点と点が繋がって伏線を結んだねー」
「はいはい、そーですね。んで、暮れゆく空の下で、浜辺で波の音を聞きながら、冷えていく気温に抵抗するように花火に興じる訳ですよ、気になる女の子と二人で」
「いい雰囲気だ、甘酸っぱい気持ちが込み上げてくるよ助手くん」
「けれども形あるものは消えゆく運命な訳で、白けたムードに彩りを添えてくれた花火もいよいよ数が減っていって。さっきまでははしゃいでいた女の子の口数もすっかりと減っちゃって。そうして、手持ち無沙汰を誤魔化すみたいに最後の花火に火を点けてね。それが立ち昇らせる煙幕の向こうに女の子の顔を盗み見てみたりなんかして」
「ドキドキするねー、土器がムネムネするよ助手くん」
「そしたら女の子は、何か企んでるような表情をしている訳ですよ。しかし情況を鑑みれば、女の子が何を考えているのかちょっと想像がつかない訳ですよ」
「そこまでにフックハンドガイの恐怖話なんかをしてたら確実に殺られるね、これお約束ね」
「たぶんしてないしね。虫の息で
宅配ピザを
ネット注文とか意味分かんないしね。その前に救急車呼べよってハナシだしね」
「最期の晩餐だよ助手くん、ダ・ヴィンチだよ助手くん」
「て、あんたそれダ・ヴィンチって言いたいだけでしょ、下唇噛みたいだけでしょ。もう俺のハナシも佳境だからちょっと黙っててくださいよ」
「すまんねー助手くん。記事を書くのに会話形式にした事によって自然な流れを生み出し易くなったのはいいんだけれども、これ、都度に合の手を入れないと長文が続くからねー、痛し痒しだよねー」
「さて、いよいよ最後の花火が、まるでその日一日を連れ去るみたいにして消えまして、僕と女の子の二人の時間も終了したと告げたかと思いきや」
「思いきや」
「浜には二人だけだからって、波打ち際に走り出した女の子が、そのまま止まらずに入水、Tシャツのままで泳ぎ出した訳ですよ」
「なるほど、時が溶けてゆく真夏の夜だ、夜風は冬からの贈り物だ」
「後は野となれですよ、俺も続けて入水ですよこんちくしょう。さてそうしてずぶ濡れになった2人が、腹を空かせているけれどもきっとファミレスなんかにゃあ入れては貰えない」
「なるほどそこで、
宅配ピザを
ネット注文という訳だね、助手くん」
「その通りですよ博士、しかも服を着たまま泳いじゃって体力も消耗してるだろうからそれこそ
焼肉ピザなんて打って付けな訳ですよ」
「なるほど、という事で
ネット注文がとても簡単で便利な
宅配ピザと言えばドミノ・ピザだね、と」
「今夏限定メニューの
焼肉ピザもよろしくねー、と」