魁!! 男塾 [2008年02月16日(土)]
実写映画化である。
と、言われてもあてくしは原作漫画を読んだ事もアニメ化作品を観た事もないのである。
つー事で、あてくしが本作の何処に興味を持ったのかを申しますと、「デス・トランス」を観てすっかり惚れてしまった坂口拓、彼奴が監督、脚本、主演を務めている、という点で御座いまして。
どのように物語を紡ぎその中でどのような男を見せてくれるのか、ここに期待をした次第で御座いまして。
さて、いざ蓋を開けてみますってぇと。
男を育成する事を目的に創設された私塾、ここに一号生として立場を同じくしながらそれぞれの事情を抱えて集った者たちの、友情を描いた物語で御座いまして。
その友情に支えられ自らも応えようとする個々の姿に男を語る映画で御座いまして。
公式。
なるほどその意図は酌み取れました、と。
ところが。
映画の前半、これが、男塾がどのような環境の場であるかを見せるエピソードの羅列になっておりまして。
それは同時に、仲間同士の絆が強まり友情が深まっていく経緯であり、そしてそれこそが映画の山場を感情的な盛り上がりを以て迎える為の、非常に重要な伏線になっていた訳ですね。
しかしそのエピソードの羅列が、非常に断片的になっておりまして。
と言っても、原作未体験者は置いてけ堀のダイジェスト的な作りになっている、という事実が問題なのではなくて。
キャラ同士の関わり合い、その主に心的な部分が全く見えてこない、故に感情移入の出来ないような描き方に問題が御座いまして。
いやさ、男とは余計な言葉は口にせず行動を以て意思を云う生き物だ、だからその行為に至る理由などは勝手に酌み取れ、という事ならばそれは納得するしかないんですが。
しかし物語としては。
男塾に対し懐疑的なキャラクターを観客の代弁者として立て、その彼の視点から見せるような構成になっている訳で、ならば尚更に、彼に同調が適うようにその心境の変化を丁寧に描いて欲しかった、と。
何しろエピソード単位では楽しく観れましたものですから、そこに描かれる世界観に入れ込んで後半では盛り上がりを以てあたかも自分が映画に参加しているような気分を味わいたかったと、非常に悔しく思いましたと。
とまれ。
映画の山場、熔岩だかが囲むリング内での一騎討ちが展開されるんですが、ここがその特徴的な仕掛けを全く活かさずの殴り合いに終始しておりまして。
ま、これはご愛嬌よね。
という具合に坂口拓の気概は存分に楽しみまして。
更に。
解説担当の坊主役でフライングキッズ浜崎貴司が出演してるんですが、その異常なまでに自然な画面への溶け込みっぷりに吃驚いたしまして。
そして。
本日を以て俺、「水霊 ミズチ」「下妻物語」の矢沢心様原理主義に殉ずる覚悟を決めたから。
個人的適正価格 300円



