佐藤多佳子「黄色い目の魚」 [2008年01月25日(金)]
黄色い目の魚
佐藤多佳子 青春小説 2002年(文庫初版2005年11月)
新潮文庫 約450頁
定価629円 (ブックオフ価格350円)
★★★★
今年最初に読み終えた本だった。インフルエンザで寝込んでいる最中に読み始めたので三週間もかかってしまった。
佐藤多佳子は昨年「しゃべれども、しゃべれども」を読んでとても面白かったので他の作品も読んでみたかった。本屋さん大賞を受賞した「一瞬の風になれ」も気になるが、チャットモンチーのボーカルの人が音楽番組で「黄色い目の魚」を紹介してたので勢いで買った。
うまいなーと思った。とくに最初の二章は苦手なタイプの話なのに読ませることと言ったらもう。
海辺の高校に通うみのりと悟は同級生として出会っていたが、美術の授業で絵を描いて以来、お互いに恋愛とも友情とも違う感覚で惹かれ合っていく。
様々な悩みを抱えつつ複雑な環境の中で自分探しをする少年と少女とその周辺。
登場人物たちの描写が達者で主要人物よりも脇役に躍動感を強く感じた。
環境を描くのが上手い人なんだなと思ったが、ラストがちょっと気になった。それは「しゃべれども、しゃべれども」のときもそうだったが、決して悪い終わり方ではないのだが、読んでいて期待した終わり方ではないのが残念に感じた。
心の葛藤と成長を主題に描いておきながら最終的には主人公とヒロインが結ばれて終わりって、急に安っぽい恋愛小説になってしまって物語の出発点と終着点がなんか違うような気がした。
幕切れの鮮やかさがもっと欲しい。ああ、もっとー!






